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ご指名です?
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アレクシアにとってノワールでの滞在は、思っていたよりも快適なものであった。比較がランティスでの生活なので、基準値が低いのはわかっている。
(仮にも…って自分で言っちゃうけど、仮にも一国の王女を置いて帰るって言うのは流石に不味いと思ったんでしょうね……まぁ間違いってわかった途端、最低限の対応になったけれど)
ちなみにこの国の侍女は…居るわけがない。
あの日、ルドルフがアレクシアに付く侍女を紹介しなかったということはそういうことだ。…公にしたくないってこと。
まぁ彼女としても、人違いで来ているとわかっている今、この国の人達への接し方に困るので、本音を言えばありがたい。
そんなわけで、アレクシアは日課にしている運動をこなしつつ─もちろん、誰もいないときにだが─、国から持ってきた本を読んで一日を過ごしていた。
事態が変わったのは、それから10日後のこと。
その日、宰相であるルドルフがアレクシアの部屋を訪ねてきた。
(彼が来たってことは、ランティスのことよね……)
「アレクシア様におかれましては、一国の王女殿下に、このような不便を強いる生活をさせてしまい申し訳ございません」
(心にもないことを……)
内容に反し、その口調からは罪悪感など微塵も感じられなかったが、ランティス側に責があるため、何かを言える立場ではない。
それよりも気になるのは──これからのことだ。
「では本題に入りましょう」
「……貴女が来られたその日に抗議の手紙を出しましたところ、ランティス側は、貴女が妹を押し退け、無理やり来たのだと返事がありました」
「……なっ!」
アレクシアは即座に否定しようとしたが、ルドルフはそれを目で制した。
「どちらが真実かなど、今はどうでもいいのですよ………今日伝えに来たのは、結果としてセシル様が嫁いで来るということと、貴女様には後宮に入ってもらうことになったということです」
「後…宮……ですか?」
「そうです」
「いきなりなぜ?あの子が来るのならば私はもう不要でしょう?……国には帰してもらえない……ということですか?」
分かっているけど聞かずにはいられなかった。
「そうなりますね」
宰相は淡々とした口調で告げた。
「こちらとしても貴女を帰したいのは山々なのですが、先日も言ったように、格下の国に騙されそうになったなどと、他国に要らぬ憶測が生まれるのは不本意なのですよ。ちなみに彼方は貴女が勝手に向かったので、此方の好きにしていいと仰っています」
「………」
「好きにしていいとはいえ、原因である貴女を正妃にすることはできません。此方が指名したのはセシル様ですし、それでは貴女の思うつぼですからね……かといって一国の王女を追い出すわけにもいかない…とういうわけで、誠に望まぬ展開ではありますが、貴女を、側室として嫁いできたということにして、後宮に入っていただくということになりました……もちろん形だけですし、婚姻式なども致しません……」
「…そう…ですか」
「あぁ、陛下を陥落しようとしても無駄ですよ?まずお会いすることはないと思いますけど」
言外に此処での立場は無いから、期待はするなと言うことだろう。言葉の端々から私が勝手に来た可能性を否定していないのがわかる。
提示された内容を拒否したところで、待遇が変わるわけではない。
アレクシアはぎゅっと手のひらを握りしめ「分かりました」とだけ返事をした。
素直に従った彼女にルドルフは目を丸くしたが、「では早急に引っ越しをお願いします」と頭を下げると、要は済んだとばかりに部屋を後にする。
それからすぐにノワールの侍女らしき二人が現れ、アレクシアの荷物を纏めると、新たな住まいへと案内した。
「…………」
「……こちらでございます」
(結構歩いたわね……)
侍女たちに連れられて森の中に入ったと思ったら、そこからひたすら歩き続けた。
まだ着かないのかと不安になり始めた頃、ようやく目の前に建物が現れた。
どうやらここが新しい住居のようだ。
(………何て言うか…ぼろいわね…)
年代物と言えば聞こえはいいが、目の前の屋敷ははっきり言ってぼろかった。
「……ここは?」
「此方は何代か前の側室だった方が、療養のために使われていた場所でございます」
「なるほど……ちなみに今は」
「その方が無くなられてからは使われておりません」
「…でしょうね」
使われているならば、定期的に点検ぐらいはするはずだ。
(草も生え放題だわ……)
まぁここに立っていても仕方がない。
アレクシアは深呼吸をすると、中に足を踏み入れた──
「……思ったより綺麗ね」
アレクシアは案内された部屋を見渡し安堵のため息をついた。
他の部屋とは違い、この部屋は綺麗に整えられていた。
それからノワールの侍女たちは、荷物を解き、屋敷の中を一通り案内し終えると、城に戻っていった。
「はぁ……」
アレクシアの後ろからため息が聞こえてきた。
ここにいるのは彼女と国から連れてきた侍女だけなので、今のため息は彼女たちのものだ。
(まぁ国で放っておかれた王女が、正妃になるからって着いてきたのはいいけど、まさかの人違い……しかもこんな寂れた離宮に入れられて当てが外れたってところね……ため息を吐きたいのはこっちなんですけどね!)
何てことを口に出そうものなら、彼女たちは嬉々として仕事を拒否するだろう。
食事の用意と洗濯ぐらいしかしていないけど…
「ええっと…こんなことになってしまったけれど、これからよろしくね」
頑張って笑みを作ったけれど、彼女たちからの返事はなく、そのまま無言で部屋から出ていく姿を見送るしかなかった。
それからの生活はランティスと変わらぬものだった。
こんな場所に客が訪れるわけもなく、侍女たちはこの家に待機していないので、基本的にこの家はアレクシア一人だった。
生活に慣れてき頃、侍女たちが揃ってアレクシアの部屋を訪れた。
「アレクシア様、本日セシル様がこちらに嫁いでこられました。ですので、私たちは今日付けで彼女につくことなります」
「……なぜ?」
「アレクシア様と違い、彼女は正妃となられます。国を離れて不安もお有りでしょう……味方が一人でもいれば彼女も安心できますし、側で支えるのが我々の仕事と思っております」
「……そう」
(同じ国から来て、味方も無しにこんなところに入れられた私の事は?……あぁ…いいのね)
「私と一緒に離宮についてきてくれたのは、セシルに乗り替えるため?」
「……得にもならない王女の世話など誰もしませんよ。ふっ……あぁ失礼しました。貴女を置いて帰るとランティスの立場が余計に悪くなりますし、残るならば、貴女の世話を一応はしておかないと、私どもの立場が悪くなり、王妃付きという地位を手にすることが出来なくなります」
「………」
アレクシアのことを少しは気にしてここに残ってくれたかと思ったけれど、利用されていたと分かり、悔しさが込み上げてくる。
「確認なのだけれど、貴女たちの変わりは誰か来るのかしら?」
「……それはノワールの侍女長の仕事ですので」
「そう……」
「それでは…」
侍女たちはお辞儀をすると、部屋を出ていく。
残されたアレクシアは呆然と立ち尽くした。
「うぎゃぁぁぁぁあ~~~~!!!」
侍女たちが家から出ていったのを確認すると、アレクシアは今までのストレスを発散するように叫んだ。
「はぁ……はぁ………はぁ…」
思いっきり叫んだら何だかすっきりした気がする。
どうせ形だけの側室なのだ。
訴え出たところでどうにもならない。
「まぁ何とかなるか……」
こんなときのために蓄えた知識と力だ。
「やってやる!」
アレクシアは拳を突き上げ気合いを入れた。
─が、そんな決意は夕方にはあっさりと覆った。
「…………食事どうしよう」
窓から見える景色は徐々に暗くなり、通常なら夕食の時間だ。
なのに目の前のテーブルには何もない。
アレクシアはどこかで、食事くらいは自分たち、もしくはノワールの侍女にでも言って持ってきてくれると思っていた。
だって今までは放置されていたとはいえ、そのぐらいはしてくれていたから……
「あ……明日!明日になればいくらなんでも……ね」
お腹が空いたのを我慢するため、その日は早々にベッドに潜った。
ぐるるる……
(眠れない……)
・・・・・
次の日の朝、起きて食堂に向かうが、やはりテーブルの上には何もない。
「これはまず食事問題から取りかからないとダメかも……」
ここにきてアレクシアは、自分が本当に一人になったんだと気がついた。
その扱いに問題があれど、彼女は王女である。
最低限の世話だったとはいえ、一日誰にも会わないということは無かった。
「なるほど……これからは本当に自分だけの力で生きていけってことね」
ノワールに来たときも不安と期待があったが、今はそれ以上に不安がある─むしろ不安しかない。
しかし、少し……本当に少しだけだか期待もあった。
「よし!頑張れ私!」
この時、アレクシアは王城に戻って宰相なり、使用人なりにお願いするということは頭になかった。
たとえ浮かんでいたとしても、気にしてもらえないと思ったかもしれないが。
その為、誰も彼女の現状を知らず、邪魔者とはいえ一国の王女を餓死寸前まで追い込むことになる。
彼女は勉強を頑張り知識を蓄え、鍛練をして体力はつけたが……
圧倒的に実践が足りていなかった─・・・
(仮にも…って自分で言っちゃうけど、仮にも一国の王女を置いて帰るって言うのは流石に不味いと思ったんでしょうね……まぁ間違いってわかった途端、最低限の対応になったけれど)
ちなみにこの国の侍女は…居るわけがない。
あの日、ルドルフがアレクシアに付く侍女を紹介しなかったということはそういうことだ。…公にしたくないってこと。
まぁ彼女としても、人違いで来ているとわかっている今、この国の人達への接し方に困るので、本音を言えばありがたい。
そんなわけで、アレクシアは日課にしている運動をこなしつつ─もちろん、誰もいないときにだが─、国から持ってきた本を読んで一日を過ごしていた。
事態が変わったのは、それから10日後のこと。
その日、宰相であるルドルフがアレクシアの部屋を訪ねてきた。
(彼が来たってことは、ランティスのことよね……)
「アレクシア様におかれましては、一国の王女殿下に、このような不便を強いる生活をさせてしまい申し訳ございません」
(心にもないことを……)
内容に反し、その口調からは罪悪感など微塵も感じられなかったが、ランティス側に責があるため、何かを言える立場ではない。
それよりも気になるのは──これからのことだ。
「では本題に入りましょう」
「……貴女が来られたその日に抗議の手紙を出しましたところ、ランティス側は、貴女が妹を押し退け、無理やり来たのだと返事がありました」
「……なっ!」
アレクシアは即座に否定しようとしたが、ルドルフはそれを目で制した。
「どちらが真実かなど、今はどうでもいいのですよ………今日伝えに来たのは、結果としてセシル様が嫁いで来るということと、貴女様には後宮に入ってもらうことになったということです」
「後…宮……ですか?」
「そうです」
「いきなりなぜ?あの子が来るのならば私はもう不要でしょう?……国には帰してもらえない……ということですか?」
分かっているけど聞かずにはいられなかった。
「そうなりますね」
宰相は淡々とした口調で告げた。
「こちらとしても貴女を帰したいのは山々なのですが、先日も言ったように、格下の国に騙されそうになったなどと、他国に要らぬ憶測が生まれるのは不本意なのですよ。ちなみに彼方は貴女が勝手に向かったので、此方の好きにしていいと仰っています」
「………」
「好きにしていいとはいえ、原因である貴女を正妃にすることはできません。此方が指名したのはセシル様ですし、それでは貴女の思うつぼですからね……かといって一国の王女を追い出すわけにもいかない…とういうわけで、誠に望まぬ展開ではありますが、貴女を、側室として嫁いできたということにして、後宮に入っていただくということになりました……もちろん形だけですし、婚姻式なども致しません……」
「…そう…ですか」
「あぁ、陛下を陥落しようとしても無駄ですよ?まずお会いすることはないと思いますけど」
言外に此処での立場は無いから、期待はするなと言うことだろう。言葉の端々から私が勝手に来た可能性を否定していないのがわかる。
提示された内容を拒否したところで、待遇が変わるわけではない。
アレクシアはぎゅっと手のひらを握りしめ「分かりました」とだけ返事をした。
素直に従った彼女にルドルフは目を丸くしたが、「では早急に引っ越しをお願いします」と頭を下げると、要は済んだとばかりに部屋を後にする。
それからすぐにノワールの侍女らしき二人が現れ、アレクシアの荷物を纏めると、新たな住まいへと案内した。
「…………」
「……こちらでございます」
(結構歩いたわね……)
侍女たちに連れられて森の中に入ったと思ったら、そこからひたすら歩き続けた。
まだ着かないのかと不安になり始めた頃、ようやく目の前に建物が現れた。
どうやらここが新しい住居のようだ。
(………何て言うか…ぼろいわね…)
年代物と言えば聞こえはいいが、目の前の屋敷ははっきり言ってぼろかった。
「……ここは?」
「此方は何代か前の側室だった方が、療養のために使われていた場所でございます」
「なるほど……ちなみに今は」
「その方が無くなられてからは使われておりません」
「…でしょうね」
使われているならば、定期的に点検ぐらいはするはずだ。
(草も生え放題だわ……)
まぁここに立っていても仕方がない。
アレクシアは深呼吸をすると、中に足を踏み入れた──
「……思ったより綺麗ね」
アレクシアは案内された部屋を見渡し安堵のため息をついた。
他の部屋とは違い、この部屋は綺麗に整えられていた。
それからノワールの侍女たちは、荷物を解き、屋敷の中を一通り案内し終えると、城に戻っていった。
「はぁ……」
アレクシアの後ろからため息が聞こえてきた。
ここにいるのは彼女と国から連れてきた侍女だけなので、今のため息は彼女たちのものだ。
(まぁ国で放っておかれた王女が、正妃になるからって着いてきたのはいいけど、まさかの人違い……しかもこんな寂れた離宮に入れられて当てが外れたってところね……ため息を吐きたいのはこっちなんですけどね!)
何てことを口に出そうものなら、彼女たちは嬉々として仕事を拒否するだろう。
食事の用意と洗濯ぐらいしかしていないけど…
「ええっと…こんなことになってしまったけれど、これからよろしくね」
頑張って笑みを作ったけれど、彼女たちからの返事はなく、そのまま無言で部屋から出ていく姿を見送るしかなかった。
それからの生活はランティスと変わらぬものだった。
こんな場所に客が訪れるわけもなく、侍女たちはこの家に待機していないので、基本的にこの家はアレクシア一人だった。
生活に慣れてき頃、侍女たちが揃ってアレクシアの部屋を訪れた。
「アレクシア様、本日セシル様がこちらに嫁いでこられました。ですので、私たちは今日付けで彼女につくことなります」
「……なぜ?」
「アレクシア様と違い、彼女は正妃となられます。国を離れて不安もお有りでしょう……味方が一人でもいれば彼女も安心できますし、側で支えるのが我々の仕事と思っております」
「……そう」
(同じ国から来て、味方も無しにこんなところに入れられた私の事は?……あぁ…いいのね)
「私と一緒に離宮についてきてくれたのは、セシルに乗り替えるため?」
「……得にもならない王女の世話など誰もしませんよ。ふっ……あぁ失礼しました。貴女を置いて帰るとランティスの立場が余計に悪くなりますし、残るならば、貴女の世話を一応はしておかないと、私どもの立場が悪くなり、王妃付きという地位を手にすることが出来なくなります」
「………」
アレクシアのことを少しは気にしてここに残ってくれたかと思ったけれど、利用されていたと分かり、悔しさが込み上げてくる。
「確認なのだけれど、貴女たちの変わりは誰か来るのかしら?」
「……それはノワールの侍女長の仕事ですので」
「そう……」
「それでは…」
侍女たちはお辞儀をすると、部屋を出ていく。
残されたアレクシアは呆然と立ち尽くした。
「うぎゃぁぁぁぁあ~~~~!!!」
侍女たちが家から出ていったのを確認すると、アレクシアは今までのストレスを発散するように叫んだ。
「はぁ……はぁ………はぁ…」
思いっきり叫んだら何だかすっきりした気がする。
どうせ形だけの側室なのだ。
訴え出たところでどうにもならない。
「まぁ何とかなるか……」
こんなときのために蓄えた知識と力だ。
「やってやる!」
アレクシアは拳を突き上げ気合いを入れた。
─が、そんな決意は夕方にはあっさりと覆った。
「…………食事どうしよう」
窓から見える景色は徐々に暗くなり、通常なら夕食の時間だ。
なのに目の前のテーブルには何もない。
アレクシアはどこかで、食事くらいは自分たち、もしくはノワールの侍女にでも言って持ってきてくれると思っていた。
だって今までは放置されていたとはいえ、そのぐらいはしてくれていたから……
「あ……明日!明日になればいくらなんでも……ね」
お腹が空いたのを我慢するため、その日は早々にベッドに潜った。
ぐるるる……
(眠れない……)
・・・・・
次の日の朝、起きて食堂に向かうが、やはりテーブルの上には何もない。
「これはまず食事問題から取りかからないとダメかも……」
ここにきてアレクシアは、自分が本当に一人になったんだと気がついた。
その扱いに問題があれど、彼女は王女である。
最低限の世話だったとはいえ、一日誰にも会わないということは無かった。
「なるほど……これからは本当に自分だけの力で生きていけってことね」
ノワールに来たときも不安と期待があったが、今はそれ以上に不安がある─むしろ不安しかない。
しかし、少し……本当に少しだけだか期待もあった。
「よし!頑張れ私!」
この時、アレクシアは王城に戻って宰相なり、使用人なりにお願いするということは頭になかった。
たとえ浮かんでいたとしても、気にしてもらえないと思ったかもしれないが。
その為、誰も彼女の現状を知らず、邪魔者とはいえ一国の王女を餓死寸前まで追い込むことになる。
彼女は勉強を頑張り知識を蓄え、鍛練をして体力はつけたが……
圧倒的に実践が足りていなかった─・・・
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