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第三章 一日千秋
十四
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そのもっちりとした表面を、誠二郎は明確な意志をもって揉みしだいた。
「はあん……」
美代子が待ち望んでいたように甘い息を吐き、自ら開脚した。
誠二郎は彼女の中心には手を進めず、だがそこを視姦しながら脚を撫でまわす。美代子の呼吸は徐々に乱れはじめ、少しひんやりとしていた肌は火照りを帯び、濡れた淫口はなにかを求めるようにひくひくと動いた。
「ねぇ……仕返しのつもりなの」
苦しげに表情を歪ませた女が抑えた声で問う。淫らな下半身を晒したまま脚だけを弄ばれつづける恥辱に、かつて無知な少年を服従させていた優越感を覆された女は、大人になった男の熱い手の動きに翻弄されるしかないのだ。
加虐心を煽られた誠二郎は、太ももの裏を揉みながら脚の付け根と陰部のきわどい線を親指で圧し思わせぶりな刺激を与えた。美代子が発した落胆のため息に感情を昂らせる自分自身を認めると、尻の下に手を入れてその丸い柔肉を鷲掴みにした。
肉感的なそれは当時より少しだけ張りが緩み、だが質量は増しており、互いの間に流れた年月の長さを感じさせる。こぼれ落ちる尻肉を掬い上げるようにして揉みほぐすと、美代子は腰をくねらせながら色っぽい息を吐き出した。
「はっ、あんっ……誠二郎くん」
首元の白い半衿を掴んだ彼女はそれを着物ごと胸から引き剥がそうとする。すぐにでも前をひらいて豊満な乳房を解放したいのだろうか。
誠二郎は帯をほどいてやろうかと一瞬思ったが、その手間すらもどかしく感じ、湧き上がる焦燥感のまま彼女の隣に横たわると着物の合わせから手を差し込んだ。
薄い襦袢の上からその胸を荒々しく掴む。そこにこもっている彼女の熱を感じながら、おそらく和装ブラジャーにより本来のふくらみが抑えられているそれを広げた手のひらと指でめちゃくちゃに揉みまわす。あのころに戻ったように、不器用で、乱暴で、激しい恋情を隠さない愛撫を与えた。
「あっ、あっ、許して……もう許してっ」
美代子が泣きそうな顔をして肩にしがみついてきた。首の後ろに回された手の感触に懐かしさを覚えながら、誠二郎は至近距離にある彼女の濡れた瞳を見つめる。左目の下の泣きぼくろは、昔と変わらず彼女のどこか物憂げなまなざしを妖艶に見せている。
細い顎がわずかに前に突き出され、淡紅に色づいた唇が薄く隙間を作った。奥には濡れた舌が待ち構える。
美代子の意図はすぐにわかった。しかし誠二郎はそれに自分の唇を重ねることなく、その胸元から手を引き抜いた。
哀しみに押しつぶされそうな表情で眉根を寄せる彼女に鋭い視線を返しながら、白い帯の上部でかすかに存在感を示す縹色の帯揚げに指で触れ、同じ色の帯締めを横になぞる。曖昧な仕草に期待を裏切られ息を乱す彼女の無言の要求を無視し、腰を撫で下ろしていく。
露わにされたままの太ももに指が触れたとき、彼女の瞳はふたたび淫猥に輝いた。
内ももの間に手を差し入れて柔く揉むと、吐息を漏らした美代子が自ら脚をひらく。彼女の望みどおり、誠二郎は指の腹で卑猥な湿地を軽く撫で上げた。
「あぁっ!」
それだけの刺激に、美代子がはじけ飛ぶような反応を見せた。
中指に絡みつく背徳のぬめりに誘われ、むくりと膨れた女核を小刻みに揺さぶれば、呼応するように美代子の腰がうねる。
「はぁ、んん……誠二郎くぅ、ん」
肥大した尖りの輪郭を確かめるように円を描き、押しつぶし、上下に揺する。そのたびに美代子は腰を震わせ、媚びるように喘ぎながら一心に見つめてくる。
その目を見つめ返し、誠二郎は言い知れぬ悦楽に浸っていた。ときおり彼女の入り口に指をわずかに沈め、だがすぐに引き抜き、彼女を狂悦と絶望の狭間に置き去りにした。
与えられているのではなく、与えている。嬲り、掌握しているのは自分なのだ。そう考えるとたまらない気持ちになる。
とろみを押し出しつづける波打ち際にふたたび指を滑らせたとき、手を掴まれ秘部に押さえつけられた。
一瞬の隙に、美代子がゆっくりと腰を突き上げた。ぬる、と指が陰裂に入り込むと同時に甘ったるい鳴き声が響いた。
膨れ上がったあたたかな肉壁が指に吸いついてくる。関節を曲げ、かすかにざらつきのある柔襞を押し探ると、それに悦んだ美代子が自ら腰をまわして応える。指を一本増やしてやれば、彼女の呻き声とともに蠢く淫壺に締めつけられた。
指の腹で上壁を圧迫しつつ、小刻みに震わせたり円を描いたりを繰り返す。しだいに手の動きに合わせてくちゅくちゅと粘着音が発されはじめ、しっとりと汗ばむ太ももは痙攣し、美代子が嬉々として喘いだ。
「ああっ、いく……出ちゃう……っ」
腰をくねらせながらなまめかしい熱気を放つ彼女は、やがて体内の収縮が極限に達すると背を反らして硬直し、びくびくと震えた。
絞り取られそうな指を引き抜くと、それを追うように透明な淫泉が噴き出た。じかに受け止めた手のひらを伝うそれは、したたり落ちて女尻の下に広がる白い裾よけに染みを作る。
それ以上淫水が垂れ落ちないように、誠二郎は濡れた手を口元に寄せ舌を這わせた。かすかに感じる美代子の味がふたたび記憶の一部を引き出し、女の濃厚な匂いにまみれながらその秘所を貪った時間を甦らせる。
脳内で再生されるのは、上から視界を覆う女陰。がむしゃらに吸いつけば、同時に自分の陰茎が女の口内に吸い取られる。互いの股間に顔をうずめ、それぞれの淫処に蜜音を響かせる。女のくぐもった嬌声と濃くなる香りに征服欲を煽られ、まるで相手を絶頂に導く競争でもするように無心でしゃぶりつくのだ。
記憶に刺激された欲望に従おうと上体を起こすと、それを遮るように起き上がった美代子が腰部にすがりついてきた。
ベルトに手をかけた彼女は慣れた手つきで留め金を外しスラックスの前をひらく。抵抗できずにうろたえる誠二郎を物欲しげな上目で見つめながら、下着ごとずり下げた。
ぐわりと現れた勃起。見慣れた自分のものとは思えないほど大きく、硬く、狂暴に感じる。疲れなど知らなかったあのころのように、それは鋭角的に反り上がっている。
わずかな困惑の隙に、生身の敏感なそれは美代子の手のひらに包まれた。うっ、と小さく声が漏れると、微笑を含んだ上目遣いに捕らえられる。
「変わらないのね。……熱い」
美代子は猛りに目を落としてうっとりと囁くと、肉茎の形状を確かめるように手のひらを密着させ滑らせはじめた。
「うっ、ぁ……」
「ふふ。まだなにもしていないわ」
情けない声を出して腰を浮かす誠二郎に勝ち誇ったような言葉を返し、彼女はあっけなく手を離してしまう。思わず激しい視線を送る誠二郎を横目に、彼女は洗い桶に手を伸ばすと浸されたままのハンカチをつまみ上げた。絞って広げると、淫欲を持て余して情けなくすら見える剛直を覆った。
「綺麗にしてあげる」
艶やかな声ののち、薄い布を隔てた手淫が始まった。
左手で根元を圧迫しながらハンカチを持つ右手で拭きあげる。ときおりねじるような動きを加えたり、不意打ちでふたつの垂れ袋をまさぐったり、美代子はあきらかに愉しんでいる。
それはもはや拷問だった。張りついた濡れ布の下に透けて見える赤黒い怒張は、ぬめる女襞に直接包まれたいと脈動する。腹の底からせり上がってくる邪淫な興奮が切迫した声をあげさせる。
「なあっ……もういいだろ」
その手首を掴んでも、美代子はわずかに首をかしげて笑みを浮かべるだけで手を止めない。それどころか上下する動きを速めた。
射精衝動が皮肉にも駆け上がってくる。おもわず小さく呻いたそのとき、ハンカチがぺらりと剥がされた。
いきり勃つものを目にして薄い笑みを浮かべた美代子は、唇をすぼめて口をもぞもぞと動かすとおもむろに下を向いた。上品な仕草で口元に手のひらを近づけたかと思えば、わずかにひらいたその口からはとろりとよだれが垂れ流れた。
言葉を失ってそれを凝視していると、唾液を乗せたその手がふたたび屹立を握ってきた。粘液を塗りつけるようにしてさきほどより力を込めて肉棹を扱く。隔てるものがなくなった分、より強く感じる。
「うあっ、あっ……」
うわずった声をあげれば、美代子はしたり顔でさらに口から唾液を出してみせる。それは水飴のようにどろりと流れ落ち、先端の丸みを潤ませた。濡れ膜に覆われた淫柱は彼女が手を上下させるたび、にちにちと粘着質な音を発した。
「はあん……」
美代子が待ち望んでいたように甘い息を吐き、自ら開脚した。
誠二郎は彼女の中心には手を進めず、だがそこを視姦しながら脚を撫でまわす。美代子の呼吸は徐々に乱れはじめ、少しひんやりとしていた肌は火照りを帯び、濡れた淫口はなにかを求めるようにひくひくと動いた。
「ねぇ……仕返しのつもりなの」
苦しげに表情を歪ませた女が抑えた声で問う。淫らな下半身を晒したまま脚だけを弄ばれつづける恥辱に、かつて無知な少年を服従させていた優越感を覆された女は、大人になった男の熱い手の動きに翻弄されるしかないのだ。
加虐心を煽られた誠二郎は、太ももの裏を揉みながら脚の付け根と陰部のきわどい線を親指で圧し思わせぶりな刺激を与えた。美代子が発した落胆のため息に感情を昂らせる自分自身を認めると、尻の下に手を入れてその丸い柔肉を鷲掴みにした。
肉感的なそれは当時より少しだけ張りが緩み、だが質量は増しており、互いの間に流れた年月の長さを感じさせる。こぼれ落ちる尻肉を掬い上げるようにして揉みほぐすと、美代子は腰をくねらせながら色っぽい息を吐き出した。
「はっ、あんっ……誠二郎くん」
首元の白い半衿を掴んだ彼女はそれを着物ごと胸から引き剥がそうとする。すぐにでも前をひらいて豊満な乳房を解放したいのだろうか。
誠二郎は帯をほどいてやろうかと一瞬思ったが、その手間すらもどかしく感じ、湧き上がる焦燥感のまま彼女の隣に横たわると着物の合わせから手を差し込んだ。
薄い襦袢の上からその胸を荒々しく掴む。そこにこもっている彼女の熱を感じながら、おそらく和装ブラジャーにより本来のふくらみが抑えられているそれを広げた手のひらと指でめちゃくちゃに揉みまわす。あのころに戻ったように、不器用で、乱暴で、激しい恋情を隠さない愛撫を与えた。
「あっ、あっ、許して……もう許してっ」
美代子が泣きそうな顔をして肩にしがみついてきた。首の後ろに回された手の感触に懐かしさを覚えながら、誠二郎は至近距離にある彼女の濡れた瞳を見つめる。左目の下の泣きぼくろは、昔と変わらず彼女のどこか物憂げなまなざしを妖艶に見せている。
細い顎がわずかに前に突き出され、淡紅に色づいた唇が薄く隙間を作った。奥には濡れた舌が待ち構える。
美代子の意図はすぐにわかった。しかし誠二郎はそれに自分の唇を重ねることなく、その胸元から手を引き抜いた。
哀しみに押しつぶされそうな表情で眉根を寄せる彼女に鋭い視線を返しながら、白い帯の上部でかすかに存在感を示す縹色の帯揚げに指で触れ、同じ色の帯締めを横になぞる。曖昧な仕草に期待を裏切られ息を乱す彼女の無言の要求を無視し、腰を撫で下ろしていく。
露わにされたままの太ももに指が触れたとき、彼女の瞳はふたたび淫猥に輝いた。
内ももの間に手を差し入れて柔く揉むと、吐息を漏らした美代子が自ら脚をひらく。彼女の望みどおり、誠二郎は指の腹で卑猥な湿地を軽く撫で上げた。
「あぁっ!」
それだけの刺激に、美代子がはじけ飛ぶような反応を見せた。
中指に絡みつく背徳のぬめりに誘われ、むくりと膨れた女核を小刻みに揺さぶれば、呼応するように美代子の腰がうねる。
「はぁ、んん……誠二郎くぅ、ん」
肥大した尖りの輪郭を確かめるように円を描き、押しつぶし、上下に揺する。そのたびに美代子は腰を震わせ、媚びるように喘ぎながら一心に見つめてくる。
その目を見つめ返し、誠二郎は言い知れぬ悦楽に浸っていた。ときおり彼女の入り口に指をわずかに沈め、だがすぐに引き抜き、彼女を狂悦と絶望の狭間に置き去りにした。
与えられているのではなく、与えている。嬲り、掌握しているのは自分なのだ。そう考えるとたまらない気持ちになる。
とろみを押し出しつづける波打ち際にふたたび指を滑らせたとき、手を掴まれ秘部に押さえつけられた。
一瞬の隙に、美代子がゆっくりと腰を突き上げた。ぬる、と指が陰裂に入り込むと同時に甘ったるい鳴き声が響いた。
膨れ上がったあたたかな肉壁が指に吸いついてくる。関節を曲げ、かすかにざらつきのある柔襞を押し探ると、それに悦んだ美代子が自ら腰をまわして応える。指を一本増やしてやれば、彼女の呻き声とともに蠢く淫壺に締めつけられた。
指の腹で上壁を圧迫しつつ、小刻みに震わせたり円を描いたりを繰り返す。しだいに手の動きに合わせてくちゅくちゅと粘着音が発されはじめ、しっとりと汗ばむ太ももは痙攣し、美代子が嬉々として喘いだ。
「ああっ、いく……出ちゃう……っ」
腰をくねらせながらなまめかしい熱気を放つ彼女は、やがて体内の収縮が極限に達すると背を反らして硬直し、びくびくと震えた。
絞り取られそうな指を引き抜くと、それを追うように透明な淫泉が噴き出た。じかに受け止めた手のひらを伝うそれは、したたり落ちて女尻の下に広がる白い裾よけに染みを作る。
それ以上淫水が垂れ落ちないように、誠二郎は濡れた手を口元に寄せ舌を這わせた。かすかに感じる美代子の味がふたたび記憶の一部を引き出し、女の濃厚な匂いにまみれながらその秘所を貪った時間を甦らせる。
脳内で再生されるのは、上から視界を覆う女陰。がむしゃらに吸いつけば、同時に自分の陰茎が女の口内に吸い取られる。互いの股間に顔をうずめ、それぞれの淫処に蜜音を響かせる。女のくぐもった嬌声と濃くなる香りに征服欲を煽られ、まるで相手を絶頂に導く競争でもするように無心でしゃぶりつくのだ。
記憶に刺激された欲望に従おうと上体を起こすと、それを遮るように起き上がった美代子が腰部にすがりついてきた。
ベルトに手をかけた彼女は慣れた手つきで留め金を外しスラックスの前をひらく。抵抗できずにうろたえる誠二郎を物欲しげな上目で見つめながら、下着ごとずり下げた。
ぐわりと現れた勃起。見慣れた自分のものとは思えないほど大きく、硬く、狂暴に感じる。疲れなど知らなかったあのころのように、それは鋭角的に反り上がっている。
わずかな困惑の隙に、生身の敏感なそれは美代子の手のひらに包まれた。うっ、と小さく声が漏れると、微笑を含んだ上目遣いに捕らえられる。
「変わらないのね。……熱い」
美代子は猛りに目を落としてうっとりと囁くと、肉茎の形状を確かめるように手のひらを密着させ滑らせはじめた。
「うっ、ぁ……」
「ふふ。まだなにもしていないわ」
情けない声を出して腰を浮かす誠二郎に勝ち誇ったような言葉を返し、彼女はあっけなく手を離してしまう。思わず激しい視線を送る誠二郎を横目に、彼女は洗い桶に手を伸ばすと浸されたままのハンカチをつまみ上げた。絞って広げると、淫欲を持て余して情けなくすら見える剛直を覆った。
「綺麗にしてあげる」
艶やかな声ののち、薄い布を隔てた手淫が始まった。
左手で根元を圧迫しながらハンカチを持つ右手で拭きあげる。ときおりねじるような動きを加えたり、不意打ちでふたつの垂れ袋をまさぐったり、美代子はあきらかに愉しんでいる。
それはもはや拷問だった。張りついた濡れ布の下に透けて見える赤黒い怒張は、ぬめる女襞に直接包まれたいと脈動する。腹の底からせり上がってくる邪淫な興奮が切迫した声をあげさせる。
「なあっ……もういいだろ」
その手首を掴んでも、美代子はわずかに首をかしげて笑みを浮かべるだけで手を止めない。それどころか上下する動きを速めた。
射精衝動が皮肉にも駆け上がってくる。おもわず小さく呻いたそのとき、ハンカチがぺらりと剥がされた。
いきり勃つものを目にして薄い笑みを浮かべた美代子は、唇をすぼめて口をもぞもぞと動かすとおもむろに下を向いた。上品な仕草で口元に手のひらを近づけたかと思えば、わずかにひらいたその口からはとろりとよだれが垂れ流れた。
言葉を失ってそれを凝視していると、唾液を乗せたその手がふたたび屹立を握ってきた。粘液を塗りつけるようにしてさきほどより力を込めて肉棹を扱く。隔てるものがなくなった分、より強く感じる。
「うあっ、あっ……」
うわずった声をあげれば、美代子はしたり顔でさらに口から唾液を出してみせる。それは水飴のようにどろりと流れ落ち、先端の丸みを潤ませた。濡れ膜に覆われた淫柱は彼女が手を上下させるたび、にちにちと粘着質な音を発した。
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