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2章 リリスと闇の侯爵家
90 薔薇の瞳
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「リリス、その目は?」
「瞳の色が変わってる…」
二人の驚いた様子にリリスは不安になった。
「目に違和感はないけれど…。
体は熱くて重い…」
起き上がろうとしたリリスをフルールは遮る。
「リリス、まだ起きない方がいいわ。
ゆっくり眠っていて。
まってて、鏡を見せるから」
フルールはポケットに入れていた手鏡を渡してくれた。
私は受け取り自分の顔を見つめる。
「…赤い」
瞳の色が以前より明るくなっていた。
前にもあった出来事だ。
以前にも体調を崩したので同じ現象だとリリスは思った。
血のように暗く赤い瞳は今は暗さが弱まり陽光を纏った赤薔薇のような色をしている。
瞳の中に煌めく魔素が見えた気がした。
この体調の悪さはきっと魔力が流れ込んでいて、リリスの体に馴染もうとしているために起こってる現象だとリリスは一目見て納得した。
何も不安に思う現象ではない、リリスはこの現象を知っていた。
前はよく分からなかったのに、自然にそう考える。
「きっと瞳の色はこのままだと思うわ。
以前にもあったことだもの。
気にしなくても、大丈夫だと思う」
落ち着いてフルールに手鏡を返す。
フルールは不思議そうにリリスを見つめた。
「前にも瞳の色が変わったことがあったの?」
「ええ、あったわ。
だからそんなに気にしなくても大丈夫よ。
なんともないもの」
静かに様子を見みていたメルヒが動いた。
「リリス…。
僕にその瞳をよくみせて」
メルヒが素早く距離を詰めてきて、両掌で優しく顔を包まれた。
顔を固定されてメルヒの顔を見つめることになる。
メルヒの紫色の瞳が眼鏡の奥でリリスを見透す水晶のようにリリスを見つめた。
どくんと鼓動が跳ねる。
熱が上がってしまいそうだった。
「あの…」
話しかけようとするとメルヒの指で唇を閉ざされる。
「もう少しみせて」
しばらくの間そのまま見つめられて、息が止まりそうだった。
メルヒは満足したのかそっと離れる。
「何か分かった?」
フルールがメルヒに問いかける。
「魔力量が大きく増えてるのかな。
この光が浮かぶ感じ…。
リリスの瞳は魔眼なんだと思う」
「魔眼ですって!」
フルールもリリスの瞳を食い入るように見てくる。
とても居心地が悪い。
私は困った顔をした。
「…これも魔族の王族へ差し出される原因なのかしら。
魔眼はあらゆる現象を見透すものだから欲しいわよね。
可視、不可視に関わらず未来、過去、現在を見つめることができる…」
フルールはそう呟くと静かに考え事をしはじめた。
リリスは魔族の王族という言葉を聞き表情が暗くなる。
「ダミアンお兄様とオプスキュリテ家の者が私は怖いわ…。
ダミアンお兄様きっと執念深いもの。
もう自由に外へは行けない。
フルールとの買物、いい思い出になったわ。
ここにいることもいずれバレてしまうのかしら…」
不安に震えるリリスに考え事をしていたフルールが視線を上げて、リリスを見る。
「…ごめんなさい。
私がちゃんとリリスを見失わなければ」
「私がいけなのよ…余所見してたから。
危機感が足りなかったの」
お互いにしゅんとしてしまう。
「そうだわ。
そんなに不安ならリリスが安心するように、秘密を教えてあげる」
何かを思いついたのかフルールの明るい声が部屋に咲いた。
人差し指は唇の前に当てている。
なんだか可愛い。
「ステラ…話すのかい?」
メルヒは興味深げにステラを見ている。
「もちろん、リリスは私にとって大切な人よ。
いずれわかる事だしね」
ステラは一呼吸すると空気が変わった。
普段の親しみやすい雰囲気から一変し荘厳な威厳のあるものになる。
「私の名前はステラ・ソルシエール・ルーナ。
この国の国王。
この国の王である私はリリスを必ず守ると約束する」
「…王様?」
リリスは衝撃をうけた表情でフルールを見つめる。
冗談ではないわよねと頭の中でこの国の国王について考えた。
姿を見たことは無いが、確か星色の髪を待つ少年だと聞いている。
その姿にフルールを重ねる。
珍しい金の星色の髪に男の娘。
違和感がなく、すんなりとその姿を受け入れる。
驚きで息がつまる。
今までの対応を謝罪した方がいいかしらとリリスは悩む。
でも、フルールは友達でいて欲しいと話していた。
「そうよ、私はこの国の王様よ。
不死の神竜ノエルの王の選定により選ばれた正当な王。
王様がリリスを守るっていってるのだから、安心して欲しい。
それに、ここメルヒの住む場所は特殊な場所にあるの」
リリスはここが珍しい場所であることは知っていた。
わざわざゲートや鍵、特殊な魔法が使えないと入れない場所とメルヒからも聞いていた。
「ルーナ王国と妖精の国の境界に重なり合うように建ってるのよね」
「この環境もまたリリスを守ってくれる。
ここにいる限りは何も心配しなくて大丈夫なのよ」
そんなフルールをリリスは不安げに見つめた。
「リリスが元気になったら、お城にも案内するわ。
リリスは大事な人だもの。
神竜ノエルを紹介してあげる。
事情を話せばリリスを守ってくれるはずよ。
そして、魔族につけられた花嫁の印の解除の仕方が分かるかもしれない」
その言葉に少し希望を見いだせる気がした。
この国の礎、神竜のノエル様に会ってみたい。
「ありがとう、フルール…。
いえ、国王陛下?」
「あなたの友達の名前はフルールでしょう」
嫌そうにフルールは唇を尖らせる。
「フルール…」
「リリスにはそう呼んでもらわないと嫌なのよね。
急に改まったりもしないでよ」
「わかったわ。
いつもありがとう」
フルールが王様ならメルヒは何者なのとリリスは思ったが、メルヒは黙ったままだったので聞けなかった。
驚いたせいか不安のせいか熱のせいか、その全てが原因のような眠気が襲ってくる。
もう少し寝た方がよさそうだ。
「また、眠ることにします。
体が熱ぽいので…」
「たくさん話しすぎたわね。
ごめんなさい、リリス。
ゆっくり休んで…」
「そうだねぇ。
その瞳と熱が落ち着くまでおやすみ。
リリス。
僕には何かが見えるわけじゃないけど…。
その瞳の奥が騒がしくなってることくらいは分かるからねぇ」
「おやすみなさい…」
また意識が沈んでいった。
リリスの身体にはブラッドストーンの熱でできた火傷が刻まれていたが、今は誰も気づかない。
「瞳の色が変わってる…」
二人の驚いた様子にリリスは不安になった。
「目に違和感はないけれど…。
体は熱くて重い…」
起き上がろうとしたリリスをフルールは遮る。
「リリス、まだ起きない方がいいわ。
ゆっくり眠っていて。
まってて、鏡を見せるから」
フルールはポケットに入れていた手鏡を渡してくれた。
私は受け取り自分の顔を見つめる。
「…赤い」
瞳の色が以前より明るくなっていた。
前にもあった出来事だ。
以前にも体調を崩したので同じ現象だとリリスは思った。
血のように暗く赤い瞳は今は暗さが弱まり陽光を纏った赤薔薇のような色をしている。
瞳の中に煌めく魔素が見えた気がした。
この体調の悪さはきっと魔力が流れ込んでいて、リリスの体に馴染もうとしているために起こってる現象だとリリスは一目見て納得した。
何も不安に思う現象ではない、リリスはこの現象を知っていた。
前はよく分からなかったのに、自然にそう考える。
「きっと瞳の色はこのままだと思うわ。
以前にもあったことだもの。
気にしなくても、大丈夫だと思う」
落ち着いてフルールに手鏡を返す。
フルールは不思議そうにリリスを見つめた。
「前にも瞳の色が変わったことがあったの?」
「ええ、あったわ。
だからそんなに気にしなくても大丈夫よ。
なんともないもの」
静かに様子を見みていたメルヒが動いた。
「リリス…。
僕にその瞳をよくみせて」
メルヒが素早く距離を詰めてきて、両掌で優しく顔を包まれた。
顔を固定されてメルヒの顔を見つめることになる。
メルヒの紫色の瞳が眼鏡の奥でリリスを見透す水晶のようにリリスを見つめた。
どくんと鼓動が跳ねる。
熱が上がってしまいそうだった。
「あの…」
話しかけようとするとメルヒの指で唇を閉ざされる。
「もう少しみせて」
しばらくの間そのまま見つめられて、息が止まりそうだった。
メルヒは満足したのかそっと離れる。
「何か分かった?」
フルールがメルヒに問いかける。
「魔力量が大きく増えてるのかな。
この光が浮かぶ感じ…。
リリスの瞳は魔眼なんだと思う」
「魔眼ですって!」
フルールもリリスの瞳を食い入るように見てくる。
とても居心地が悪い。
私は困った顔をした。
「…これも魔族の王族へ差し出される原因なのかしら。
魔眼はあらゆる現象を見透すものだから欲しいわよね。
可視、不可視に関わらず未来、過去、現在を見つめることができる…」
フルールはそう呟くと静かに考え事をしはじめた。
リリスは魔族の王族という言葉を聞き表情が暗くなる。
「ダミアンお兄様とオプスキュリテ家の者が私は怖いわ…。
ダミアンお兄様きっと執念深いもの。
もう自由に外へは行けない。
フルールとの買物、いい思い出になったわ。
ここにいることもいずれバレてしまうのかしら…」
不安に震えるリリスに考え事をしていたフルールが視線を上げて、リリスを見る。
「…ごめんなさい。
私がちゃんとリリスを見失わなければ」
「私がいけなのよ…余所見してたから。
危機感が足りなかったの」
お互いにしゅんとしてしまう。
「そうだわ。
そんなに不安ならリリスが安心するように、秘密を教えてあげる」
何かを思いついたのかフルールの明るい声が部屋に咲いた。
人差し指は唇の前に当てている。
なんだか可愛い。
「ステラ…話すのかい?」
メルヒは興味深げにステラを見ている。
「もちろん、リリスは私にとって大切な人よ。
いずれわかる事だしね」
ステラは一呼吸すると空気が変わった。
普段の親しみやすい雰囲気から一変し荘厳な威厳のあるものになる。
「私の名前はステラ・ソルシエール・ルーナ。
この国の国王。
この国の王である私はリリスを必ず守ると約束する」
「…王様?」
リリスは衝撃をうけた表情でフルールを見つめる。
冗談ではないわよねと頭の中でこの国の国王について考えた。
姿を見たことは無いが、確か星色の髪を待つ少年だと聞いている。
その姿にフルールを重ねる。
珍しい金の星色の髪に男の娘。
違和感がなく、すんなりとその姿を受け入れる。
驚きで息がつまる。
今までの対応を謝罪した方がいいかしらとリリスは悩む。
でも、フルールは友達でいて欲しいと話していた。
「そうよ、私はこの国の王様よ。
不死の神竜ノエルの王の選定により選ばれた正当な王。
王様がリリスを守るっていってるのだから、安心して欲しい。
それに、ここメルヒの住む場所は特殊な場所にあるの」
リリスはここが珍しい場所であることは知っていた。
わざわざゲートや鍵、特殊な魔法が使えないと入れない場所とメルヒからも聞いていた。
「ルーナ王国と妖精の国の境界に重なり合うように建ってるのよね」
「この環境もまたリリスを守ってくれる。
ここにいる限りは何も心配しなくて大丈夫なのよ」
そんなフルールをリリスは不安げに見つめた。
「リリスが元気になったら、お城にも案内するわ。
リリスは大事な人だもの。
神竜ノエルを紹介してあげる。
事情を話せばリリスを守ってくれるはずよ。
そして、魔族につけられた花嫁の印の解除の仕方が分かるかもしれない」
その言葉に少し希望を見いだせる気がした。
この国の礎、神竜のノエル様に会ってみたい。
「ありがとう、フルール…。
いえ、国王陛下?」
「あなたの友達の名前はフルールでしょう」
嫌そうにフルールは唇を尖らせる。
「フルール…」
「リリスにはそう呼んでもらわないと嫌なのよね。
急に改まったりもしないでよ」
「わかったわ。
いつもありがとう」
フルールが王様ならメルヒは何者なのとリリスは思ったが、メルヒは黙ったままだったので聞けなかった。
驚いたせいか不安のせいか熱のせいか、その全てが原因のような眠気が襲ってくる。
もう少し寝た方がよさそうだ。
「また、眠ることにします。
体が熱ぽいので…」
「たくさん話しすぎたわね。
ごめんなさい、リリス。
ゆっくり休んで…」
「そうだねぇ。
その瞳と熱が落ち着くまでおやすみ。
リリス。
僕には何かが見えるわけじゃないけど…。
その瞳の奥が騒がしくなってることくらいは分かるからねぇ」
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