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2章 リリスと闇の侯爵家
80 ダミアン到着
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「ここが目撃情報があった、フォルセの街」
自らの魔法で生み出した漆黒の馬から、ダミアン・オプスキュリテは丘の上から街を眺めた。
後ろからは同じように、黒馬に乗るダークエルフのレインの姿がある。
長いこと馬に乗っていたので、疲れた表情をしていた。
オプスキュリテ侯爵家がある場所からはこの地はとても遠い。
オプスキュリテの領地も隣国と近い場所にあるが、ここはそことは違う国の傍だ。
ぎりぎりルーナ王国にあたる。
「今日は長旅で疲れているだろうから、すぐに宿で休息をとる。
明日からは本格的に探すぞ」
「あたし、へろへろよ。
こんなに遠いなんて思わなかったわ。
人間の移動手段って疲れるわね…」
「…別に、一緒に来なくたってよかったと思うが?
怪しげな術なり使っても、最終的に合流できれば良いのだからな」
「いやよ、それだとダミアン様を見ることも触れることもできないじゃない!
部屋はもちろん一緒よね?」
うっすらと頬を染めてそう言ってくる。
レインのこの表情にも慣れてきた。
迷惑でしかないが使えるものは使うのが一番だとダミアンは思っている。
「そんなはずないだろう…」
ため息をついて呆れた眼差しをレインに向けた。
「一緒の部屋じゃなきゃ嫌よ!
まぁ、別の部屋にされたとしてもお姉さんどうにかするわ。
夜は覚悟するといいわよ」
「おい、何を企んでいるんだ」
「お姉さんのひ・み・つ」
「…どうしようもなく、うざいと思ってしまうのは私だけか?」
ダミアンは疲れたように、またため息をついた。
ダミアンは自らの首に下げている小さな袋に手を触れた。
そこにはレインから貰ったブラッドストーンの呪石が入っている。
早くリリスに会いたいという願いをダミアンは心から願った。
リリス、リリス、リリス。
何回も愛おしいその名を頭の中で繰り返し呼ぶ。
リリスのことを考えるだけで心が癒される。
こんな碌でもない魔族の女を連れても、許せるくらい寛大な心であれた。
「行くか…」
「頑張るわ」
少し馬を走らせると、街の門を潜る。
栄えている街の姿を見ることが出来た。
果物や野菜を売る店や装飾を売る店と建物だけじゃなくて露店も多い。
賑やかで人が多い街のようだ。
商売をしている人が多いように感じる。
大通りを使って、ひとまず宿屋へと急いだ。
宿屋は主に貴族や金を持った人が滞在する場所を選んだ。
防犯がしっかりとしていて清潔感があり居心地が良い。
乗っていた影の馬を労いながら自らの影に戻した。
墨が水に溶け込むように霧散する。
いなくなったのを確認して宿屋に入った。
もちろんレインとはバラバラの部屋で休むことにしている。
受付から鍵を二つ受け取った。
片本をレインへと手渡す。
受付でレインが魔族のダークエルフであることを咎められるかと思ったが、何も言わなかった。
レインへと鍵を渡す。
「うーん、どうも。
部屋に行くわね…」
意外にも素直にレインは鍵を受け取り、部屋に向かってしまった。
余程疲れていたのだろうか。
素直な時ほど怪しいとダミアンは思ってしまう。
ダミアンも部屋に向かった。
ダミアンの部屋は二階だった。
部屋の隅に荷物を置いた。
窓辺のソファーへ腰掛けて窓からフォルセの街を眺めた。
「獣人がわりといるのだな…。
それだけじゃない、エルフやドワーフも」
この街には、いろんな種族の者達が住んでいる街らしい。
どおりでレインのことを気にしないはずだと納得した。
この街はダミアンが普段目にしている人々よりも、賑やかだ。
この中にリリスはいるのだろうか、いるのならば早く見つけなくては。
そう思うと休んではいられないとダミアンは外に出た。
もう夕刻ではあるが、食事処や酒場などで聞き込みが出来るだろう。
やれることはやっておきたい。
ダミアンは夕刻の街へ向かった。
***
「…あいつは、何をしている?」
呆れた声をダミアンはため息とともに吐き出した。
しかし、当の本人にはその声は届いていない。
リリスの目撃情報を探すために、ダミアンはリリスの姿絵を見せながら、街ゆく人に聞いて歩いていた。
あんまり情報は得られていないが初日はこんなものだろう。
今日はもう遅いから最後にしようと思い、立ち寄った酒場でみた光景がこれである。
「お兄さんいい男ねぇ。
今夜あたしの部屋にこない?
楽しいことしましょう」
酔った状態で頬を染めながら、あらゆる男を誘い歩いている、ダークエルフのレインの姿があった。
部屋で大人しくしているのかと思ったら違ったらしい。
疲れたんじゃなかったのかと信じられないという瞳を向けた。
宿で別れた時は確かにヘロヘロだったが、今はどうだろう。
肌がつやつやとしてとても元気そうだ。
「いいのかい?」
話しかけられた男はデレデレで顔に締まりがなくなっている。
「もちろんよ。
あたし、あなたのこと気に入ってしまったの」
男の腕に人差し指をつーっとなぞる。
怪しくレインの瞳が揺らめいた。
レインの背後には、何やら生気を失ったかのように机に突っ伏している男性の山が各机にできているのだが、誘惑されている男は疑問に思わないのだろうか。
なんて穢らわしいのだろう。
ダミアンはここで聞き込みをしてから部屋に戻ろうと思っていたのに酷いものを見せられた。
気づかれないようにそっと酒場を出よう。
店の入口から踵を返したところで、レインがこちらを向いてしまった。
「あらぁ、ダミアン様じゃない」
「人違いだ、失礼する」
素早く立ち去ろうとしたが、素早くこちらに駆け寄ってきたレインの手に捕まってしまった。
この状況に関わりたくない。
「やぁね、どこに行くのよ。
一緒にお酒飲みましょう?」
「相手ならたくさん、ここにいるじゃないか?
ほら、落とそうとしていた男が困惑しているぞ。
席に戻るといい」
ダミアンが来たことでレインと話していた、冒険者と思われる男はこちらのやり取りを眺めている。
瞳には少しの嫉妬の感情が滲んでいる。
この女の何がいいのか、分からない。
「あの人よりダミアン様がいいわ。
あたしは食事してただけよ」
「これが食事ね…」
呆れたようにダミアンは男性の山を見る。
よくもまぁ、こんなに相手をしたものだ。
魔力を吸い上げる方法を思い浮かべ寒気がした。
この女はダークエルフと思っていたがサキュバスの血も混ざっているのではないかと思えてくる。
「面倒事を起こすなよ」
「これくらい普通よ。
迷惑かけないから大丈夫」
にっこりとレインは艶やかな微笑みを浮かべた。
ダミアンは眉間にシワを寄せる。
「ほら、恨めしい目であの男が見ているぞ。
どうにかしてくるといい…。
腕を離せ。
私は部屋に戻る」
「そう?
連れないわね…。
なら仕方ないわ。
お姉さん、寝静まった頃にいくわね」
「来るな…」
ダミアンはまた、ため息をついた。
この女と一緒にいて何度ため息をついただろうかとダミアンは呆れる。
一緒に行動するだけでこんなにもストレスが溜まることがあるのかと気分が沈んだ。
離れないレインの腕を払い、早足で宿の部屋に戻った。
誰もいない部屋を確認し、ソファーに腰を下ろした。
光り輝く夜のフォルセの街を眺める。
リリスと一緒にこの綺麗な光景を見れたら良かったのにと思ってしまう。
きっとこんな景色を見たことも無いから、きらきらとした瞳で喜んだことだろう。
ダミアンは、リリスを見つけることができたら、何をしようかと楽しいことを考えることにした。
「リリス…まずは逃げないように、鎖で繋いであげよう」
蕩けるようにダミアンは微笑みを浮かべる。
白い肌に鈍色の鎖は良く似合うだろう。
「私だけを見てくれるように、私から離れられないように、心と身体に私を刻みつけなくてはいけないね…」
ここはもうオプスキュリテ家ではない。
外なのだから誰の邪魔もはいらない。
ダミアンだけがリリスを囲っていられる。
ねっとりとした微笑みをダミアンは浮かべた。
自らの魔法で生み出した漆黒の馬から、ダミアン・オプスキュリテは丘の上から街を眺めた。
後ろからは同じように、黒馬に乗るダークエルフのレインの姿がある。
長いこと馬に乗っていたので、疲れた表情をしていた。
オプスキュリテ侯爵家がある場所からはこの地はとても遠い。
オプスキュリテの領地も隣国と近い場所にあるが、ここはそことは違う国の傍だ。
ぎりぎりルーナ王国にあたる。
「今日は長旅で疲れているだろうから、すぐに宿で休息をとる。
明日からは本格的に探すぞ」
「あたし、へろへろよ。
こんなに遠いなんて思わなかったわ。
人間の移動手段って疲れるわね…」
「…別に、一緒に来なくたってよかったと思うが?
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「いやよ、それだとダミアン様を見ることも触れることもできないじゃない!
部屋はもちろん一緒よね?」
うっすらと頬を染めてそう言ってくる。
レインのこの表情にも慣れてきた。
迷惑でしかないが使えるものは使うのが一番だとダミアンは思っている。
「そんなはずないだろう…」
ため息をついて呆れた眼差しをレインに向けた。
「一緒の部屋じゃなきゃ嫌よ!
まぁ、別の部屋にされたとしてもお姉さんどうにかするわ。
夜は覚悟するといいわよ」
「おい、何を企んでいるんだ」
「お姉さんのひ・み・つ」
「…どうしようもなく、うざいと思ってしまうのは私だけか?」
ダミアンは疲れたように、またため息をついた。
ダミアンは自らの首に下げている小さな袋に手を触れた。
そこにはレインから貰ったブラッドストーンの呪石が入っている。
早くリリスに会いたいという願いをダミアンは心から願った。
リリス、リリス、リリス。
何回も愛おしいその名を頭の中で繰り返し呼ぶ。
リリスのことを考えるだけで心が癒される。
こんな碌でもない魔族の女を連れても、許せるくらい寛大な心であれた。
「行くか…」
「頑張るわ」
少し馬を走らせると、街の門を潜る。
栄えている街の姿を見ることが出来た。
果物や野菜を売る店や装飾を売る店と建物だけじゃなくて露店も多い。
賑やかで人が多い街のようだ。
商売をしている人が多いように感じる。
大通りを使って、ひとまず宿屋へと急いだ。
宿屋は主に貴族や金を持った人が滞在する場所を選んだ。
防犯がしっかりとしていて清潔感があり居心地が良い。
乗っていた影の馬を労いながら自らの影に戻した。
墨が水に溶け込むように霧散する。
いなくなったのを確認して宿屋に入った。
もちろんレインとはバラバラの部屋で休むことにしている。
受付から鍵を二つ受け取った。
片本をレインへと手渡す。
受付でレインが魔族のダークエルフであることを咎められるかと思ったが、何も言わなかった。
レインへと鍵を渡す。
「うーん、どうも。
部屋に行くわね…」
意外にも素直にレインは鍵を受け取り、部屋に向かってしまった。
余程疲れていたのだろうか。
素直な時ほど怪しいとダミアンは思ってしまう。
ダミアンも部屋に向かった。
ダミアンの部屋は二階だった。
部屋の隅に荷物を置いた。
窓辺のソファーへ腰掛けて窓からフォルセの街を眺めた。
「獣人がわりといるのだな…。
それだけじゃない、エルフやドワーフも」
この街には、いろんな種族の者達が住んでいる街らしい。
どおりでレインのことを気にしないはずだと納得した。
この街はダミアンが普段目にしている人々よりも、賑やかだ。
この中にリリスはいるのだろうか、いるのならば早く見つけなくては。
そう思うと休んではいられないとダミアンは外に出た。
もう夕刻ではあるが、食事処や酒場などで聞き込みが出来るだろう。
やれることはやっておきたい。
ダミアンは夕刻の街へ向かった。
***
「…あいつは、何をしている?」
呆れた声をダミアンはため息とともに吐き出した。
しかし、当の本人にはその声は届いていない。
リリスの目撃情報を探すために、ダミアンはリリスの姿絵を見せながら、街ゆく人に聞いて歩いていた。
あんまり情報は得られていないが初日はこんなものだろう。
今日はもう遅いから最後にしようと思い、立ち寄った酒場でみた光景がこれである。
「お兄さんいい男ねぇ。
今夜あたしの部屋にこない?
楽しいことしましょう」
酔った状態で頬を染めながら、あらゆる男を誘い歩いている、ダークエルフのレインの姿があった。
部屋で大人しくしているのかと思ったら違ったらしい。
疲れたんじゃなかったのかと信じられないという瞳を向けた。
宿で別れた時は確かにヘロヘロだったが、今はどうだろう。
肌がつやつやとしてとても元気そうだ。
「いいのかい?」
話しかけられた男はデレデレで顔に締まりがなくなっている。
「もちろんよ。
あたし、あなたのこと気に入ってしまったの」
男の腕に人差し指をつーっとなぞる。
怪しくレインの瞳が揺らめいた。
レインの背後には、何やら生気を失ったかのように机に突っ伏している男性の山が各机にできているのだが、誘惑されている男は疑問に思わないのだろうか。
なんて穢らわしいのだろう。
ダミアンはここで聞き込みをしてから部屋に戻ろうと思っていたのに酷いものを見せられた。
気づかれないようにそっと酒場を出よう。
店の入口から踵を返したところで、レインがこちらを向いてしまった。
「あらぁ、ダミアン様じゃない」
「人違いだ、失礼する」
素早く立ち去ろうとしたが、素早くこちらに駆け寄ってきたレインの手に捕まってしまった。
この状況に関わりたくない。
「やぁね、どこに行くのよ。
一緒にお酒飲みましょう?」
「相手ならたくさん、ここにいるじゃないか?
ほら、落とそうとしていた男が困惑しているぞ。
席に戻るといい」
ダミアンが来たことでレインと話していた、冒険者と思われる男はこちらのやり取りを眺めている。
瞳には少しの嫉妬の感情が滲んでいる。
この女の何がいいのか、分からない。
「あの人よりダミアン様がいいわ。
あたしは食事してただけよ」
「これが食事ね…」
呆れたようにダミアンは男性の山を見る。
よくもまぁ、こんなに相手をしたものだ。
魔力を吸い上げる方法を思い浮かべ寒気がした。
この女はダークエルフと思っていたがサキュバスの血も混ざっているのではないかと思えてくる。
「面倒事を起こすなよ」
「これくらい普通よ。
迷惑かけないから大丈夫」
にっこりとレインは艶やかな微笑みを浮かべた。
ダミアンは眉間にシワを寄せる。
「ほら、恨めしい目であの男が見ているぞ。
どうにかしてくるといい…。
腕を離せ。
私は部屋に戻る」
「そう?
連れないわね…。
なら仕方ないわ。
お姉さん、寝静まった頃にいくわね」
「来るな…」
ダミアンはまた、ため息をついた。
この女と一緒にいて何度ため息をついただろうかとダミアンは呆れる。
一緒に行動するだけでこんなにもストレスが溜まることがあるのかと気分が沈んだ。
離れないレインの腕を払い、早足で宿の部屋に戻った。
誰もいない部屋を確認し、ソファーに腰を下ろした。
光り輝く夜のフォルセの街を眺める。
リリスと一緒にこの綺麗な光景を見れたら良かったのにと思ってしまう。
きっとこんな景色を見たことも無いから、きらきらとした瞳で喜んだことだろう。
ダミアンは、リリスを見つけることができたら、何をしようかと楽しいことを考えることにした。
「リリス…まずは逃げないように、鎖で繋いであげよう」
蕩けるようにダミアンは微笑みを浮かべる。
白い肌に鈍色の鎖は良く似合うだろう。
「私だけを見てくれるように、私から離れられないように、心と身体に私を刻みつけなくてはいけないね…」
ここはもうオプスキュリテ家ではない。
外なのだから誰の邪魔もはいらない。
ダミアンだけがリリスを囲っていられる。
ねっとりとした微笑みをダミアンは浮かべた。
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