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1章 リリスのグリモワールの修復師
41 再会
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遠ざかる老婦人アメリアの背中を見つめていると。
私の心の中に一つの熱が灯った。
これまでも感じたその熱がなんなのか、私は心動いたその時を思い返す。
私が原因で壊したものを怒りもせずに『壊れたものは直せばいい』と言ってくれたメルヒ。
亡くした母の声をまた聞きたいというアメリアの願いを叶えてあげられる、技術。
自分の修復道具を受け取ったあの瞬間。
すべての思い出が合わさって私は思った。
『一人前の”グリモワールの修復師”になりたい』
これは、あの薔薇姫の塔から抜け出したいと熱望していた時よりも、心の底から湧き上がる感情だった。
メルヒの作業を数日見ただけではあるが、私の生きてきた日々の中で最も刺激的な毎日だった。
メルヒの周りは不思議なことが日常的に起こる。
そばにいると自分の知らない世界に目を開かされた。
「リリス」
心の中で静かに決意に燃えていると、よく知った声が背後から聞こえた。
「えっ、この声は…」
私はこの声の主をよく知っている。
会いたくて仕方なかったあの友人の声だ。
私は顔を見ようと後ろ振り返る。
無事でよかった。
やっぱりあの子は誰よりも強い。
こんなに時間がかかってしまったのはなぜだろう?
でも今はフルールの顔を見て安心したい。
「フルール!」
頭に猫を乗せ、金髪に緑の瞳を持つ親友がそこに立っていた。
フルールに駆け寄って嬉しさで互いに抱きしめ合おうとしたところでメルヒに腕を強く掴まれた。
メルヒの顔はとても渋い。
エメラルドに何か囁かれていた時と同じ顔をしている。
「何をするんですか」
再会を邪魔されて私はむっとメルヒを睨む。
「リリス、確認したいのだけど…。
そこに立ってる人、フルールって呼んだかい?」
そうか、メルヒにとっては知らない人だと私は思い直しフルールを紹介することにした。
「はい、彼女がフルールです。
私の逃亡を助けてくれた恩人で、いつも塔の上で遊びに来てくれる唯一無二の大切な友人です。
離れ離れでどんなに心細かったか…」
「そう…通りで魔法に関して規格外なわけだよ」
メルヒはフルールを見て疲れた顔をしていた。
フルールの方を見れば、にこにこと満面の笑みを浮かべて、こちらのやり取りを面白そうに見ている。
「メルヒお兄ちゃん。
リリスとの再会を邪魔しちゃ、やーよ」
両拳を顎の下に揃えてかわいいポーズでメルヒに呼びかけているが、何故がメルヒは黙りしている。
お兄ちゃん?
もしかして、妹さんなのだろうか。
確かにお客様に対する態度と全然違う気がする。
でも、雰囲気も髪の色も瞳も似ていない。
どういう関係なのだろう。
疑問に思いメルヒに聞くことにした。
「もしかして、フルールはメルヒの妹さんですか?」
「僕に妹なんてものはいない」
即答で返事がくる。
うーん、フルールの言うノリと言うやつでお兄ちゃんって言ってるだけだろうか?
それにしては言い慣れている気がするけれど。
「僕には金髪で緑の瞳の弟なら、いるよ」
それはフルールとよく似た特徴ね、親戚の言うやつでしょうか?
フルールは女の子だもの。
あんなに可愛い姿なのに男の子のはずがない。
でもあの緑色の瞳って私と同じくらい珍しい色だということは知っている。
眩しいほどの金髪が合わさるとそれはもう奇跡的な組み合わせだ。
次はフルールに聞いてみよう。
「フルールにもお兄様がいるの?」
「もちろん、銀髪で紫色の瞳を持つ眼鏡をかけた二十三になる兄がいるわよ」
どう聞いてもメルヒの特徴と一致している。
大人な男性だとは思っていたが、二十三だったのですね。
私は困惑しながら二人を交互に眺める。
周りを見れば三つ子達は三人とも集まって、クスクス可笑しそうに見物していた。
「よく聞いて、リリス」
メルヒが両肩に手を置き真剣な眼差しを向けてくる。
私はそれを見あげてメルヒの言葉を待った。
「彼は男だ」
そのシンプルな言葉がどういう訳か頭に入ってこない。
彼って誰のこと?
ここにいるのはメルヒ以外は女の子よね。
「フルールと名乗ってるようだけれど、本名をステラと言う。
僕の弟だ」
その言葉に私は思考が停止する。
「やーん、フルール困っちゃう。
リリスに私の個人情報勝手に教えないでほしいわ!」
「にゃにゃにゃー」
頭の上の猫が呆れているように鳴いている。
「教える時は私の口から言うのに!
ひどーい!」
「酷いのはどっちだ。
騙してるようなもんだぞ。
こういうのは早い段階で知っといた方がいいんだ。
性別のこと以外は話してないのだからいいだろう」
フルールは男の子?フルールはステラでメルヒの弟?
私は頭の中が混乱していた。
兄弟なの?
頭のなかはフルールとの思い出が流れ始める。
男であった要素を探すがどこにも見当たらない。
白く綺麗な肌も血色の良い頬も桜色の唇も少女性しか感じることが出来ない。
フルールとは一緒に色んなことをして遊んだ。
お泊まりだってしている…。
私、男の子とベッドで寝ていたの…。
その事実に愕然とする。
「ほら、メルヒが変な事言うからリリスが固まってしまったじゃない」
「僕は事実を言っただけだよ…」
フルールがこちらに近寄って、優しく私の手をとった。
普段から握っていた、柔らかい女の子の手だ。
ココも鳴きながら足元に降りてスリスリと頬を寄せてくる。
「リリス、私の本当の名はステラだけれどこれからもフルールって呼んで欲しいわ。
かわいいものが大好きなあなたの友達よ」
「フルールは男の子だったの?
メルヒはお兄さん?」
「うーん、正確には男の娘になるのかしら、心はいつだって女の子よ。
メルヒは正真正銘、血の繋がったお兄ちゃん。
兄の住むこの場所なら、リリスを隠せると思ってここにリリスを向かわせたのよ。
楽しそうにしているリリスをいつも魔法で眺めていたわ」
「眺めていたのなら、フルールが無事なことも教えて欲しかった…。
信じていたけど、やっぱり心配だったもの人さらいは大丈夫だったの?」
「そうね、こちらからは見れても言わないと分からなかったわよね。
人さらいはリリスを別れたあと、蹴散らしたわ。
心配かけてしまったわね。
ごめんなさい、リリス」
そう言ってフルールは私を優しく抱きしめる。
フルールの纏う花の香りが私を安心させた。
男の子だと知っても、私の知ってるフルールが世界からいなくなる訳じゃない。
彼女は私の大切な友人だ。
私もフルールを抱きしめた。
「ちょっと、結婚前の男女があんまりくっつくものじゃない…。
久々の再会で感情が高ぶっているのはわかるけどねぇ。
見た目はともかく二人とも十八になるだろう」
少しムスッとした表情のメルヒが、注意してきた。
こういうの人だったかしら?
「やーね、妬いちゃって」
フルールがにまにまとメルヒを馬鹿にしたように笑っていた。
それにメルヒはピクピクと眉間にシワを寄せている。
メルヒの顔に皺が増えたら嫌だなと私は、ひやひやしながら眺めた。
私の心の中に一つの熱が灯った。
これまでも感じたその熱がなんなのか、私は心動いたその時を思い返す。
私が原因で壊したものを怒りもせずに『壊れたものは直せばいい』と言ってくれたメルヒ。
亡くした母の声をまた聞きたいというアメリアの願いを叶えてあげられる、技術。
自分の修復道具を受け取ったあの瞬間。
すべての思い出が合わさって私は思った。
『一人前の”グリモワールの修復師”になりたい』
これは、あの薔薇姫の塔から抜け出したいと熱望していた時よりも、心の底から湧き上がる感情だった。
メルヒの作業を数日見ただけではあるが、私の生きてきた日々の中で最も刺激的な毎日だった。
メルヒの周りは不思議なことが日常的に起こる。
そばにいると自分の知らない世界に目を開かされた。
「リリス」
心の中で静かに決意に燃えていると、よく知った声が背後から聞こえた。
「えっ、この声は…」
私はこの声の主をよく知っている。
会いたくて仕方なかったあの友人の声だ。
私は顔を見ようと後ろ振り返る。
無事でよかった。
やっぱりあの子は誰よりも強い。
こんなに時間がかかってしまったのはなぜだろう?
でも今はフルールの顔を見て安心したい。
「フルール!」
頭に猫を乗せ、金髪に緑の瞳を持つ親友がそこに立っていた。
フルールに駆け寄って嬉しさで互いに抱きしめ合おうとしたところでメルヒに腕を強く掴まれた。
メルヒの顔はとても渋い。
エメラルドに何か囁かれていた時と同じ顔をしている。
「何をするんですか」
再会を邪魔されて私はむっとメルヒを睨む。
「リリス、確認したいのだけど…。
そこに立ってる人、フルールって呼んだかい?」
そうか、メルヒにとっては知らない人だと私は思い直しフルールを紹介することにした。
「はい、彼女がフルールです。
私の逃亡を助けてくれた恩人で、いつも塔の上で遊びに来てくれる唯一無二の大切な友人です。
離れ離れでどんなに心細かったか…」
「そう…通りで魔法に関して規格外なわけだよ」
メルヒはフルールを見て疲れた顔をしていた。
フルールの方を見れば、にこにこと満面の笑みを浮かべて、こちらのやり取りを面白そうに見ている。
「メルヒお兄ちゃん。
リリスとの再会を邪魔しちゃ、やーよ」
両拳を顎の下に揃えてかわいいポーズでメルヒに呼びかけているが、何故がメルヒは黙りしている。
お兄ちゃん?
もしかして、妹さんなのだろうか。
確かにお客様に対する態度と全然違う気がする。
でも、雰囲気も髪の色も瞳も似ていない。
どういう関係なのだろう。
疑問に思いメルヒに聞くことにした。
「もしかして、フルールはメルヒの妹さんですか?」
「僕に妹なんてものはいない」
即答で返事がくる。
うーん、フルールの言うノリと言うやつでお兄ちゃんって言ってるだけだろうか?
それにしては言い慣れている気がするけれど。
「僕には金髪で緑の瞳の弟なら、いるよ」
それはフルールとよく似た特徴ね、親戚の言うやつでしょうか?
フルールは女の子だもの。
あんなに可愛い姿なのに男の子のはずがない。
でもあの緑色の瞳って私と同じくらい珍しい色だということは知っている。
眩しいほどの金髪が合わさるとそれはもう奇跡的な組み合わせだ。
次はフルールに聞いてみよう。
「フルールにもお兄様がいるの?」
「もちろん、銀髪で紫色の瞳を持つ眼鏡をかけた二十三になる兄がいるわよ」
どう聞いてもメルヒの特徴と一致している。
大人な男性だとは思っていたが、二十三だったのですね。
私は困惑しながら二人を交互に眺める。
周りを見れば三つ子達は三人とも集まって、クスクス可笑しそうに見物していた。
「よく聞いて、リリス」
メルヒが両肩に手を置き真剣な眼差しを向けてくる。
私はそれを見あげてメルヒの言葉を待った。
「彼は男だ」
そのシンプルな言葉がどういう訳か頭に入ってこない。
彼って誰のこと?
ここにいるのはメルヒ以外は女の子よね。
「フルールと名乗ってるようだけれど、本名をステラと言う。
僕の弟だ」
その言葉に私は思考が停止する。
「やーん、フルール困っちゃう。
リリスに私の個人情報勝手に教えないでほしいわ!」
「にゃにゃにゃー」
頭の上の猫が呆れているように鳴いている。
「教える時は私の口から言うのに!
ひどーい!」
「酷いのはどっちだ。
騙してるようなもんだぞ。
こういうのは早い段階で知っといた方がいいんだ。
性別のこと以外は話してないのだからいいだろう」
フルールは男の子?フルールはステラでメルヒの弟?
私は頭の中が混乱していた。
兄弟なの?
頭のなかはフルールとの思い出が流れ始める。
男であった要素を探すがどこにも見当たらない。
白く綺麗な肌も血色の良い頬も桜色の唇も少女性しか感じることが出来ない。
フルールとは一緒に色んなことをして遊んだ。
お泊まりだってしている…。
私、男の子とベッドで寝ていたの…。
その事実に愕然とする。
「ほら、メルヒが変な事言うからリリスが固まってしまったじゃない」
「僕は事実を言っただけだよ…」
フルールがこちらに近寄って、優しく私の手をとった。
普段から握っていた、柔らかい女の子の手だ。
ココも鳴きながら足元に降りてスリスリと頬を寄せてくる。
「リリス、私の本当の名はステラだけれどこれからもフルールって呼んで欲しいわ。
かわいいものが大好きなあなたの友達よ」
「フルールは男の子だったの?
メルヒはお兄さん?」
「うーん、正確には男の娘になるのかしら、心はいつだって女の子よ。
メルヒは正真正銘、血の繋がったお兄ちゃん。
兄の住むこの場所なら、リリスを隠せると思ってここにリリスを向かわせたのよ。
楽しそうにしているリリスをいつも魔法で眺めていたわ」
「眺めていたのなら、フルールが無事なことも教えて欲しかった…。
信じていたけど、やっぱり心配だったもの人さらいは大丈夫だったの?」
「そうね、こちらからは見れても言わないと分からなかったわよね。
人さらいはリリスを別れたあと、蹴散らしたわ。
心配かけてしまったわね。
ごめんなさい、リリス」
そう言ってフルールは私を優しく抱きしめる。
フルールの纏う花の香りが私を安心させた。
男の子だと知っても、私の知ってるフルールが世界からいなくなる訳じゃない。
彼女は私の大切な友人だ。
私もフルールを抱きしめた。
「ちょっと、結婚前の男女があんまりくっつくものじゃない…。
久々の再会で感情が高ぶっているのはわかるけどねぇ。
見た目はともかく二人とも十八になるだろう」
少しムスッとした表情のメルヒが、注意してきた。
こういうの人だったかしら?
「やーね、妬いちゃって」
フルールがにまにまとメルヒを馬鹿にしたように笑っていた。
それにメルヒはピクピクと眉間にシワを寄せている。
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