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1章 リリスのグリモワールの修復師
12 工房その三
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「棚の中からこの綴じ糸と同じ糸を探してって言ったけど、この二つかい?」
メルヒがこちらを見る。
「はい、その綴じ糸に使われているのはこの二つだと思います」
メルヒの反応に不安になる。
「推測ですけど、その絹糸にその小瓶の液を塗布か浸して乾燥したものを使用しているのでは、ないでしょうか?」
背後で黙って見ていたカラスの三つ子が喋り出す。
「リリス様すごいですわ」
「なんにも教えてないのにね」
「…正解」
その声にメルヒに視線を戻す。
「いや、驚いたねぇ。
その通りだよ、リリス
よく出来ました。
花丸だねぇ」
メルヒがにこやかに褒めてくれる。
「この液が何か知らないのに、目で見て触って考えて当てるなんてねぇ」
「たまたま、見つけられただけですよ」
「糸がまとってる魔素の粒子が見えて違がわかる人はあんまりいないよ。
ぼんやり見えるのはあるだろうけど、リリスはハッキリと色まで区別してるよねぇ」
そう言ってメルヒは目を細める。
「いい目をもってるねぇ」
瞳を直視された、あんまり見ないでほしい。
そんなに珍しいことなのだろうか?
と首を傾げる。
少なくとも私の周りでは全員見えていたような…
「メルヒ様も見えてるし、触ってましたよね」
「そうだねぇ。
まぁ、珍しいことってことを覚えていればいいよ」
私の唯一のお友達は光る粒子をどこからともなく呼び出して操っていたと思う。
「私の友達がよくこの粒子を集めて、部屋を星空みたいにしてくれたことがありますよ。
とってもキラキラしてて、あの時は夢の中にいるみたいでした」
うっとりと虚空をみながら、楽しかった思い出を浮かべる。
「君の友達もおかしいねぇ。
集めるってなにしてるんだい?
言うこと聞くような代物じゃないよ?
そんなのこと出来るのは、この国の王様ぐらいだと思うだけどねぇ。
まぁ、いいや。
この世は不思議に溢れてるものだしねぇ。
これは君の才能だから今後に役に立てるといいよ」
「はい、そうしてみます」
物探しなら出来るようになりましたよね。
役に立てそうで嬉しくなります。
迷惑かけるだけなんて嫌だもの。
「さぁ、材料も見つけたことだし続きだねぇ」
メルヒは本の厚みを測り、折帳を数えて計算をし、綴じ糸を使う分だけハサミで切った。
先ほどの液体の入った小瓶を刻印の入った透明な平皿にそそぎいれる。
「これは聖水だよ、封印の書らしく魔を祓う素材だねぇ」
聖水に糸を浸した。
辺りにキラキラとした透明な水の粒子が広がり、糸に集まっていく。
そのまま液体は無くなり、糸だけが平皿に残された。
「ほら、見てごらん。
これで本来の綴じ糸と類似したものが出来上がったよ」
メルヒが私に糸が見せてくれる。
ルーペで観察したとおりの糸が出来ていた。
白くて光沢があるつやつやとした糸で
纏っている粒子の色合いは透明な煌めく水
出来上がった糸の粒子に触れるとひんやりと冷たい感触が指先に伝わった。
「ほとんど一緒のものができましたね。
すごいです」
「これで綴じ糸は出来上がったねぇ」
机の上に置いてある、蠟を手に持つと
出来上がった糸に蠟を擦り付ける。
「これは蝋引きだよ」
蝋引きした糸を針に通した。
ついに綴じの作業に入るみたいだ。
メルヒがトントンと折帳を揃えて、かがり台という道具の上に載せる。
折帳同士を合わせて、縫い物でもするかのように縫っていった。
余分な糸を切り、ズレがないか確認する。
見た感じ、ズレもなく揃っているみたいだった。
ぱっくりと裂けていたところも、なかったかのように元の状態になっている。
「すごいですね。
どんどんきれいに直っていきます」
壊れたものが直っていくのは、心地いい。
こういう仕事って素晴らしいなと、さらに興味が沸いてくる。
「そうだねぇ。
本紙についてはこんなものかな。
次は表紙、裏表紙を合わせるよ。
リリスが来る前にこっちはやってしまったから、もう組み立てるだけだねぇ」
そう言って、綴じ直した本紙を持ちプレス機という道具で挟んだ。
プレス機は木でてきて、上についているハンドルをくるくるまわすと圧がかかり締め上げられる。
メルヒは背の厚みを測ると新たに紙を取り出し三つ折りにして、平たい筒になる物を作った。
もうひとつは布みたいな紙を取り出すと背幅よりも多めにはみ出るように裁断した。
「こっちの薄いのは寒冷紗。
表紙裏表紙を繋げるのに必要なジョイントにもなる。
こっちはクーターっていうもので、本を開くときに綴じを支えてくれるものなんだ。
この本の構造はホローバックだからクーターは必ず必要だねぇ」
「ただ、本紙と表紙を接着させるだけじゃないのですね」
「寒冷紗だけ貼り付けられてる本もなかにはあるけどねぇ。
この本の場合、背に負担がかかってバキッて折れるよ」
「薄くて地味なのに大事なパーツなんですね」
「じゃあ、貼ろうかな。
貼る前に背固めしないとねぇ」
そう言って、接着力の高い糊を本の背に塗る。
しばらく乾くのを待ってもう一度塗り寒冷紗を貼り付けた。
寒冷紗はピコピコと耳のように背幅からはみ出ている。
また乾くのを待ってそのあとクーターを貼り付ける。
「この作業、待ってばかりですね」
待っている間、カラスたちを撫でたりしていた。
「このあとも似たようなものだよ」
「乾燥待ちですか…」
私はぼんやりと工房の中をみながら今頃、家はどうなっているか考えた。
ぼんやりしていると不安になるから、困る。
「さぁ、乾いたから組み立てるよ」
直ぐに思考を切り替える。
「わくわくします。
これで本になりますね」
プレス機から本紙を取り出し、作業机の上に置く。
表紙裏表紙のパーツを本紙に合わせてみる。
「厚みも増してないし、このまま組み立てられそうだね」
そう言って本紙をどかし、表紙裏表紙だけ作業机に置いた。
金属で出来た細いヘラのような道具で表紙に貼ってある見返しをメリメリと剥がしていく。
同じように裏表紙も剥がした。
「なんだか壊してるみたいで緊張しますね。
破ってしまいそう」
「そうならないように、スパチュラで差し込んで慎重にやってるんだよ」
この金属で出来た細いヘラはスパチュラという名前の道具なのですね。
先端が薄く細いので使いやすそうだ。
背幅から出ている寒冷紗がおさまるくらいまで見返しを剥がした。
メルヒはクーターの筒の部分に糊がくっつかない紙を挟む。
接着力の強い糊を使い背に塗っていく。
そのまま素早く表紙裏表紙パーツの背表紙部分に貼り付けた。
「これで動かないようにして、また乾燥だよ」
「組み立ては、乾燥ばかりですね。
一気にやってしまわないのですか?」
「焦っていいことはないよ」
メルヒに優しく微笑まれた。
それもそうか、貴重な物だし丁寧に直すべきよね。
「背が乾いてくっついたら、この寒冷紗に糊をさして表紙ボードに貼り付ける。
剥がした見返しを貼り戻せば、本としては完成だねぇ」
終わりの流れが見えてきた。
けっこう気長な作業だった。
壊すのは一瞬なのに直すのってこんなに手間がかかるものなんだ。
工房の中で緩やかに時間は過ぎていく。
不安な気持ちは残るけど今が楽しい。
メルヒがこちらを見る。
「はい、その綴じ糸に使われているのはこの二つだと思います」
メルヒの反応に不安になる。
「推測ですけど、その絹糸にその小瓶の液を塗布か浸して乾燥したものを使用しているのでは、ないでしょうか?」
背後で黙って見ていたカラスの三つ子が喋り出す。
「リリス様すごいですわ」
「なんにも教えてないのにね」
「…正解」
その声にメルヒに視線を戻す。
「いや、驚いたねぇ。
その通りだよ、リリス
よく出来ました。
花丸だねぇ」
メルヒがにこやかに褒めてくれる。
「この液が何か知らないのに、目で見て触って考えて当てるなんてねぇ」
「たまたま、見つけられただけですよ」
「糸がまとってる魔素の粒子が見えて違がわかる人はあんまりいないよ。
ぼんやり見えるのはあるだろうけど、リリスはハッキリと色まで区別してるよねぇ」
そう言ってメルヒは目を細める。
「いい目をもってるねぇ」
瞳を直視された、あんまり見ないでほしい。
そんなに珍しいことなのだろうか?
と首を傾げる。
少なくとも私の周りでは全員見えていたような…
「メルヒ様も見えてるし、触ってましたよね」
「そうだねぇ。
まぁ、珍しいことってことを覚えていればいいよ」
私の唯一のお友達は光る粒子をどこからともなく呼び出して操っていたと思う。
「私の友達がよくこの粒子を集めて、部屋を星空みたいにしてくれたことがありますよ。
とってもキラキラしてて、あの時は夢の中にいるみたいでした」
うっとりと虚空をみながら、楽しかった思い出を浮かべる。
「君の友達もおかしいねぇ。
集めるってなにしてるんだい?
言うこと聞くような代物じゃないよ?
そんなのこと出来るのは、この国の王様ぐらいだと思うだけどねぇ。
まぁ、いいや。
この世は不思議に溢れてるものだしねぇ。
これは君の才能だから今後に役に立てるといいよ」
「はい、そうしてみます」
物探しなら出来るようになりましたよね。
役に立てそうで嬉しくなります。
迷惑かけるだけなんて嫌だもの。
「さぁ、材料も見つけたことだし続きだねぇ」
メルヒは本の厚みを測り、折帳を数えて計算をし、綴じ糸を使う分だけハサミで切った。
先ほどの液体の入った小瓶を刻印の入った透明な平皿にそそぎいれる。
「これは聖水だよ、封印の書らしく魔を祓う素材だねぇ」
聖水に糸を浸した。
辺りにキラキラとした透明な水の粒子が広がり、糸に集まっていく。
そのまま液体は無くなり、糸だけが平皿に残された。
「ほら、見てごらん。
これで本来の綴じ糸と類似したものが出来上がったよ」
メルヒが私に糸が見せてくれる。
ルーペで観察したとおりの糸が出来ていた。
白くて光沢があるつやつやとした糸で
纏っている粒子の色合いは透明な煌めく水
出来上がった糸の粒子に触れるとひんやりと冷たい感触が指先に伝わった。
「ほとんど一緒のものができましたね。
すごいです」
「これで綴じ糸は出来上がったねぇ」
机の上に置いてある、蠟を手に持つと
出来上がった糸に蠟を擦り付ける。
「これは蝋引きだよ」
蝋引きした糸を針に通した。
ついに綴じの作業に入るみたいだ。
メルヒがトントンと折帳を揃えて、かがり台という道具の上に載せる。
折帳同士を合わせて、縫い物でもするかのように縫っていった。
余分な糸を切り、ズレがないか確認する。
見た感じ、ズレもなく揃っているみたいだった。
ぱっくりと裂けていたところも、なかったかのように元の状態になっている。
「すごいですね。
どんどんきれいに直っていきます」
壊れたものが直っていくのは、心地いい。
こういう仕事って素晴らしいなと、さらに興味が沸いてくる。
「そうだねぇ。
本紙についてはこんなものかな。
次は表紙、裏表紙を合わせるよ。
リリスが来る前にこっちはやってしまったから、もう組み立てるだけだねぇ」
そう言って、綴じ直した本紙を持ちプレス機という道具で挟んだ。
プレス機は木でてきて、上についているハンドルをくるくるまわすと圧がかかり締め上げられる。
メルヒは背の厚みを測ると新たに紙を取り出し三つ折りにして、平たい筒になる物を作った。
もうひとつは布みたいな紙を取り出すと背幅よりも多めにはみ出るように裁断した。
「こっちの薄いのは寒冷紗。
表紙裏表紙を繋げるのに必要なジョイントにもなる。
こっちはクーターっていうもので、本を開くときに綴じを支えてくれるものなんだ。
この本の構造はホローバックだからクーターは必ず必要だねぇ」
「ただ、本紙と表紙を接着させるだけじゃないのですね」
「寒冷紗だけ貼り付けられてる本もなかにはあるけどねぇ。
この本の場合、背に負担がかかってバキッて折れるよ」
「薄くて地味なのに大事なパーツなんですね」
「じゃあ、貼ろうかな。
貼る前に背固めしないとねぇ」
そう言って、接着力の高い糊を本の背に塗る。
しばらく乾くのを待ってもう一度塗り寒冷紗を貼り付けた。
寒冷紗はピコピコと耳のように背幅からはみ出ている。
また乾くのを待ってそのあとクーターを貼り付ける。
「この作業、待ってばかりですね」
待っている間、カラスたちを撫でたりしていた。
「このあとも似たようなものだよ」
「乾燥待ちですか…」
私はぼんやりと工房の中をみながら今頃、家はどうなっているか考えた。
ぼんやりしていると不安になるから、困る。
「さぁ、乾いたから組み立てるよ」
直ぐに思考を切り替える。
「わくわくします。
これで本になりますね」
プレス機から本紙を取り出し、作業机の上に置く。
表紙裏表紙のパーツを本紙に合わせてみる。
「厚みも増してないし、このまま組み立てられそうだね」
そう言って本紙をどかし、表紙裏表紙だけ作業机に置いた。
金属で出来た細いヘラのような道具で表紙に貼ってある見返しをメリメリと剥がしていく。
同じように裏表紙も剥がした。
「なんだか壊してるみたいで緊張しますね。
破ってしまいそう」
「そうならないように、スパチュラで差し込んで慎重にやってるんだよ」
この金属で出来た細いヘラはスパチュラという名前の道具なのですね。
先端が薄く細いので使いやすそうだ。
背幅から出ている寒冷紗がおさまるくらいまで見返しを剥がした。
メルヒはクーターの筒の部分に糊がくっつかない紙を挟む。
接着力の強い糊を使い背に塗っていく。
そのまま素早く表紙裏表紙パーツの背表紙部分に貼り付けた。
「これで動かないようにして、また乾燥だよ」
「組み立ては、乾燥ばかりですね。
一気にやってしまわないのですか?」
「焦っていいことはないよ」
メルヒに優しく微笑まれた。
それもそうか、貴重な物だし丁寧に直すべきよね。
「背が乾いてくっついたら、この寒冷紗に糊をさして表紙ボードに貼り付ける。
剥がした見返しを貼り戻せば、本としては完成だねぇ」
終わりの流れが見えてきた。
けっこう気長な作業だった。
壊すのは一瞬なのに直すのってこんなに手間がかかるものなんだ。
工房の中で緩やかに時間は過ぎていく。
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