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第5章
冒険者としての私達⑫
しおりを挟む「...あ、あの、アイリスちゃ...アイリスさん?」
「...なにそれ。......ちょっと気持ち悪いかな(ボソッ)」
「ちょっとぉー!聞こえてるわよぉ!!」
「...で、なんですか?」
「無視ですかそうですか。...いや、ねぇ、アイリスちゃんってあんなに強かったんだね...。...ますます気に入っちゃったぁ...。」
「...........」
ペロリと舌舐めずりをしながら近付いてくるフェルリーナ。
冷や汗が背をなぞる。
「......ちょっと来ないでください。」
「ん~?別に何もしないわよぉ~。」
「...そんなギラギラとした目で言われても信用なりませんよ。」
「...アリ...アイリス様。」
「ん?」
「そろそろここから出ましょう。」
いつの間にか傍にいたマリアが提案する。
「そうね。...聞いたでしょ?行きますよ。」
「えぇ~...残念。」
嘘か本当なのか分かんないなぁ...。
大広間を歩いていると、大量のゴブリン達が山のように積み上げられていた。
「ま、マリア?」
「どうかしましたか?」
「...これは、一体...?」
「え?あぁ!これはですね、アイリス様のお帰りの際に邪魔にならないように退かしました。」
「そ、そう。ありがとう...?」
「いえ。」
「じゃ、じゃあ行くわよ。」
「分かりました。」
「...............普通...では無いわよね...。うん...。」
1人苦悩するフェルリーナ。そういうフェルリーナも普通では無いことを本人は気づいていないようなのでした。
─────────────────────
~???にて~
「...そう、か。あれが無駄になったか...。」
「...はい。黒いローブで白の仮面を付けた子供に殺されたようです。」
「...黒いローブに白の仮面...ね...。ククク...。覚えておこう。」
「.........あの強さは凄まじいものでした...。」
「そうなのか?」
「はい。1度は防がれたものの、2度目で頭から真っ二つにされてしまいましたからね...。」
「ほほぅ...。で?そのゴブリンキングはどのぐらいの強さかは分かるか?」
「はい。あの個体一体で中位のドラゴン程度なら倒せるでしょう。」
「!...そんなに強かったのか...。しかもそれを倒したとなると...。いつかそいつをこちら側に招きたい所だな...。ククク...。」
「...はい...!...フフフ...。」
暗い部屋で2人の嗤い声が何時までも木霊するのでした。
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