裏社会の令嬢

つっちー

文字の大きさ
上 下
69 / 84
第5章

冒険者としての私達⑫

しおりを挟む

「...あ、あの、アイリスちゃ...アイリスさん?」
「...なにそれ。......ちょっと気持ち悪いかな(ボソッ)」
「ちょっとぉー!聞こえてるわよぉ!!」
「...で、なんですか?」
「無視ですかそうですか。...いや、ねぇ、アイリスちゃんってあんなに強かったんだね...。...ますます気に入っちゃったぁ...。」
「...........」


ペロリと舌舐めずりをしながら近付いてくるフェルリーナ。
冷や汗が背をなぞる。


「......ちょっと来ないでください。」
「ん~?別に何もしないわよぉ~。」
「...そんなギラギラとした目で言われても信用なりませんよ。」


「...アリ...アイリス様。」
「ん?」
「そろそろここから出ましょう。」



いつの間にか傍にいたマリアが提案する。



「そうね。...聞いたでしょ?行きますよ。」
「えぇ~...残念。」



嘘か本当なのか分かんないなぁ...。




大広間を歩いていると、大量のゴブリン達が山のように積み上げられていた。


「ま、マリア?」
「どうかしましたか?」
「...これは、一体...?」
「え?あぁ!これはですね、アイリス様のお帰りの際に邪魔にならないように退かしました。」
「そ、そう。ありがとう...?」
「いえ。」
「じゃ、じゃあ行くわよ。」
「分かりました。」


「...............普通...では無いわよね...。うん...。」



1人苦悩するフェルリーナ。そういうフェルリーナも普通では無いことを本人は気づいていないようなのでした。







─────────────────────

~???にて~



「...そう、か。が無駄になったか...。」
「...はい。黒いローブで白の仮面を付けた子供に殺されたようです。」
「...黒いローブに白の仮面...ね...。ククク...。覚えておこう。」
「.........あの強さは凄まじいものでした...。」
「そうなのか?」
「はい。1度は防がれたものの、2度目で頭から真っ二つにされてしまいましたからね...。」
「ほほぅ...。で?そのゴブリンキングはどのぐらいの強さかは分かるか?」
「はい。あの個体一体で中位のドラゴン程度なら倒せるでしょう。」
「!...そんなに強かったのか...。しかもそれを倒したとなると...。いつかそいつをこちら側に招きたい所だな...。ククク...。」
「...はい...!...フフフ...。」




暗い部屋で2人の嗤い声が何時までも木霊するのでした。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

家に住み着いている妖精に愚痴ったら、国が滅びました

猿喰 森繁 (さるばみ もりしげ)
ファンタジー
【書籍化決定しました!】 11月中旬刊行予定です。 これも多くの方が、お気に入り登録してくださったおかげです ありがとうございます。 【あらすじ】 精霊の加護なくして魔法は使えない。 私は、生まれながらにして、加護を受けることが出来なかった。 加護なしは、周りに不幸をもたらすと言われ、家族だけでなく、使用人たちからも虐げられていた。 王子からも婚約を破棄されてしまい、これからどうしたらいいのか、友人の屋敷妖精に愚痴ったら、隣の国に知り合いがいるということで、私は夜逃げをすることにした。 まさか、屋敷妖精の一声で、精霊の信頼がなくなり、国が滅ぶことになるとは、思いもしなかった。

危険な森で目指せ快適異世界生活!

ハラーマル
ファンタジー
初めての彼氏との誕生日デート中、彼氏に裏切られた私は、貞操を守るため、展望台から飛び降りて・・・ 気がつくと、薄暗い洞窟の中で、よくわかんない種族に転生していました! 2人の子どもを助けて、一緒に森で生活することに・・・ だけどその森が、実は誰も生きて帰らないという危険な森で・・・ 出会った子ども達と、謎種族のスキルや魔法、持ち前の明るさと行動力で、危険な森で快適な生活を目指します!  ♢ ♢ ♢ 所謂、異世界転生ものです。 初めての投稿なので、色々不備もあると思いますが。軽い気持ちで読んでくださると幸いです。 誤字や、読みにくいところは見つけ次第修正しています。 内容を大きく変更した場合には、お知らせ致しますので、確認していただけると嬉しいです。 「小説家になろう」様「カクヨム」様でも連載させていただいています。 ※7月10日、「カクヨム」様の投稿について、アカウントを作成し直しました。

異世界へ全てを持っていく少年- 快適なモンスターハントのはずが、いつの間にか勇者に取り込まれそうな感じです。この先どうなるの?

初老の妄想
ファンタジー
17歳で死んだ俺は、神と名乗るものから「なんでも願いを一つかなえてやる」そして「望む世界に行かせてやる」と言われた。 俺の願いはシンプルだった『現世の全てを入れたストレージをくれ』、タダそれだけだ。 神は喜んで(?)俺の願いをかなえてくれた。 希望した世界は魔法があるモンスターだらけの異世界だ。 そう、俺の夢は銃でモンスターを狩ることだったから。 俺の旅は始まったところだが、この異世界には希望通り魔法とモンスターが溢れていた。 予定通り、バンバン撃ちまくっている・・・ だが、俺の希望とは違って勇者もいるらしい、それに魔竜というやつも・・・ いつの間にか、おれは魔竜退治と言うものに取り込まれているようだ。 神にそんな事を頼んだ覚えは無いが、勇者は要らないと言っていなかった俺のミスだろう。 それでも、一緒に居るちっこい美少女や、美人エルフとの旅は楽しくなって来ていた。 この先も何が起こるかはわからないのだが、楽しくやれそうな気もしている。 なんと言っても、おれはこの世の全てを持って来たのだからな。 きっと、楽しくなるだろう。 ※異世界で物語が展開します。現世の常識は適用されません。 ※残酷なシーンが普通に出てきます。 ※魔法はありますが、主人公以外にスキル(?)は出てきません。 ※ステータス画面とLvも出てきません。 ※現代兵器なども妄想で書いていますのでスペックは想像です。

2度と恋愛なんかしない!そう決意して異世界で心機一転料理屋でもして過ごそうと思ったら、恋愛フラグ!?イヤ、んなわけ無いな

弥生菊美
恋愛
付き合った相手から1人で生きていけそう、可愛げがない。そう言われてフラれた主人公、これで何度目…もう2度と恋愛なんかしないと泣きながら決意する。そんな時に出会った巫女服姿の女性に異国での生活を勧められる。目が覚めると…異国ってこう言うこと!?フラれすぎて自己評価はマイナス値の主人公に、獣人の青年に神使に騎士!?次から次へと恋愛フラグ!?これが異世界恋愛!?って、んな訳ないな…私は1人で生きれる系可愛げの無い女だし ありきたりで使い古された逆ハー異世界生活が始まる。 ※登場キャラ「タカちゃん」の名前を変更作業中です。追いついていない章があります。ご容赦ください。2024年7月※

アイスさんの転生記 ~貴族になってしまった~

うしのまるやき
ファンタジー
郡元康(こおり、もとやす)は、齢45にしてアマデウス神という創造神の一柱に誘われ、アイスという冒険者に転生した。転生後に猫のマーブル、ウサギのジェミニ、スライムのライムを仲間にして冒険者として活躍していたが、1年もしないうちに再びアマデウス神に迎えられ2度目の転生をすることになった。  今回は、一市民ではなく貴族の息子としての転生となるが、転生の条件としてアイスはマーブル達と一緒に過ごすことを条件に出し、神々にその条件を呑ませることに成功する。  さて、今回のアイスの人生はどのようになっていくのか?  地味にフリーダムな主人公、ちょっとしたモフモフありの転生記。

【完結】嫉妬深いと婚約破棄されましたが私に惚れ薬を飲ませたのはそもそも王子貴方ですよね?

砂礫レキ
恋愛
「お前のような嫉妬深い蛇のような女を妻にできるものか。婚約破棄だアイリスフィア!僕は聖女レノアと結婚する!」 「そんな!ジルク様、貴男に捨てられるぐらいなら死んだ方がましです!」 「ならば今すぐ死ね!お前など目障りだ!」  公爵令嬢アイリスフィアは泣き崩れ、そして聖女レノアは冷たい目で告げた。 「でもアイリ様を薬で洗脳したのはジルク王子貴男ですよね?」

レディース異世界満喫禄

日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。 その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。 その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!

私は全てを失った。だから私は奴らに復讐すると決めた!ー 陥落王国の第一王子は、死ぬ度に強くなる魔法で国を一人で滅ぼすらしい。 ー

如月りゅうか
ファンタジー
※基本毎日投稿。 1xxx年。 シエル王国とオーラ帝国による和平条約は決裂した。 オーラ帝国が裏切ったのだ。 一年にわたる戦争により、シエル王国は陥落。 オーラ帝国が勝利した形となる。 しかし口伝はオーラ帝国によって改変されていた。 それによると、裏切ったのは帝国ではなく、シエル王国となっているらしい。 それを率いたのが、エクセル第一王子と。 違う。私は、そんな事していない。 仲間も、親も、民草も、全てを殺されたエクセル。 彼は、王国の為に一人で復讐を誓い、そして滅ぼしていく。 これは、彼の復讐物語である。 短編、というか長編を予定していない作りです。完全見切り発車です。 大体一話数分で読み切れる簡易な内容になっています。 そのかわり一日の投稿は多めです。 反響があったら続編を執筆したいと思います。 あ、私の別作品も見てみてくださいね。 あっちは大丈夫ですが。 こちらの作品は、少し適当なところがあるかも知れません。 タイトルとか長くね?シナリオおかしくね?みたいな。 まぁ、それは風刺みたいなもんですが。 でもそこは……うん。 面白いから!!!みてねぇっ!!!!!!!

処理中です...