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9月

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9月
9月はまた部活が忙しくなってきていた時期だった。僕はまだ3年生の先輩は卒部はしていなかったが、雪の入っているテニス部ではもう既に卒部しているらしく、なかなか大変らしい。
そんな中、久しぶりに会える日もあった。
「雪、最近どうなの?」
「いや、いろいろ大変みたいだから...」
久しぶりに見た雪少々痩せていて、疲れている様子だった。
「大丈夫だよ!」
雪は【私は元気!】というように、笑顔で答えてくれた。
だが、僕にはそう見えない。
なぜなら、いつもと話し方が変わっていたり、周りから見ても明らかに疲れが出ていたから。
「あんまり無理はしないようにな」
「わかった」
雪の生返事。聞いているのか聞いていないのか分からないような返事をし、その日は終わった。
そんな日から少し過ぎた日から僕たちの学校では体育祭の練習が始まった。
ほかの学校では9月の頭だったり、早いとこは6月にしたりと、日はバラバラなのだが、僕たちの学校は9月の終わりにある。
もちろん僕達吹奏楽でも、体育祭に向けて練習はしていた。だが、そこまでしっかりとしたものではなく、お昼に少し2、3曲ほど流し、BGMのような役割だけだった。
なので焦る気もなく、気持ちも少しはでは楽だった。
そして練習中、組体操の練習をしていたのだが、1人落ちた...
僕は自分のことではなかったため、【痛そうだな】としか思わなかった。が、後日雪と会うことがあった。
「この前に組体操の練習中に1人落ちた人がいてすごく痛そうだった」
「骨折とかじゃないの?」
「違うみたい、ただの打撲で済んだみたい...」
雪は僕とは違い、【大丈夫なのか?】などと、すごく心配している様子...これが男子と女子の違いなのか?と薄々思ってしまった。
体育祭当日は怪我をしたり、風邪をひいたりして、何人か休んでいる人もいた。そこには先生が入っていた。そして怪我もなく安全に終わることができた。
その後、僕は吹奏楽の片付けなどで、数日は忙しかったが、雪は特に何もなく、よくメールなどでいろんなことを教えてくれた。
僕も同じように雪にいろいろと教えた。勉強のことも...教えた。
だが、やっぱり雪の方が頭はよく、教えられることの方が多い...
本当に勉強しなきゃと、痛感した...
それに来年受験。今から勉強は早いのかもしれないが、頑張らないとと、思い始めれた。そんな良いきっかけにもなった...
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