君がくれた光

色葉ロイ

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プロローグ

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 目が覚めたばかりのボクは、何が起きたのかさっぱりわからなかった。とても眩しくて、視界いっぱいが真っ白の中、きれいな緑の光が見えた。



 ーーーー

 銀髪の少年は、大きな筒状の水槽の中で浮かんでいる。体のあちこちをコードに繋がれ、何かを計測されているような電子音が鳴っている。

「異常はないか」
 白衣を着た男は、卓上の小さなマイクに向かって声を発した。数台のパネルに広がるさまざまなデータを見比べている。

「物や色の認識はできる……か」
 男は視覚情報のデータにチェックをつけると処理能力のデータへと視線をうつす。

「言葉に意味があることは分かっているが、理解はできていないようだな」
「この乱れが生じた段階で目覚めた、といったところだろう。83はちさん、プロトタイプ105いちまるごの初期設定を頼む」

「かしこまりました、博士」
 そう答えた少女は、黒髪のおさげ姿でおとなしい雰囲気があるが、どこか人間離れしている。表情を一つも動かすことなく水槽に近づいた。いくつかのパネルの操作をすると、水槽から液体が抜かれ、コポコポと音を立てて流れていく。それと同時に繋がれていたコードが次々に外されて、少年に重力がかかる。
 水槽の底に足がついた途端、少年は体勢を崩し、力なく横たわった。少女はいとも簡単に少年を抱え上げ、その部屋を後にした。



 簡素な作りの部屋に運ばれた少年は古びた椅子に腰掛けるように降ろされる。

「プロトタイプ105の初期設定を開始。……異常なし」
 少女は電子パネルを操作しながら少年の様子を確認する。

「ステップ2へ移行。……処理完了。ステップ3へ移行」
 少女は少年の耳の形状をした場所へプラグを挿すと、自身の耳にその反対側を挿し、コードで繋がった。少女がパネルを操作した直後、少女と少年の目は同じ色に輝き、なんとも言えない美しさを放つ。

キュイイイン。
「基礎知識、および施設情報を105へ転送完了。接続を解除。両機異常なし」

「105、異常なし。正常に作動……」
 少年が初めて発した言葉に異常はない。しかしただ音が鳴っただけで口から発せられたわけではなかった。

「105、話す時は口を動かす。人間は驚く」
 少女がそう伝えると少年はぎこちない口の動きで再度同じ言葉を発した。

「異常なし。正常に作動。……異常なし。正常に作動」
 口の動きと音が合っていないなんとも不自然な状態であった。

「問題ない。じき慣れる。発音データも転送済み」
 少女は一通り情報共有を済ませると、施設周辺を散歩するよう少年に指示し、水槽のあった部屋の方へ向かって歩き出した。
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