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ドSの医者とツンデレ患者(縦読み推奨)
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俺は普通のサラリーマン、普通のスペック、容姿だけはいい方かな。なんで彼女が出来ないのか不思議、と噂をされるほどにはいい見た目をしている。
「恋愛興味ないんだよね、面倒じゃん」
と、いつも答えているが、本当はゲイであることを隠しているだけ。それに人見知りで仲良くなるまでに時間がかかるから、恋人もなかなかできない。困ったものだ。
仕事帰り、どっかにイケメンいないかなーとか考えながら夜道を歩いていると突然衝撃が与えられた。
目覚めた時にはドストライクのイケメンが俺を覗き込んでいた。
「目が覚めましたか?お名前言えますか?」
目の前に現れた医者は俺の顔を触りながらそう尋ねてきた。
「……青木、です」
「よかったぁ……頭を打ってなかなか目覚めなかったので」
そう言って近くの椅子に腰掛けた。
「改めまして、整形外科の小野です」
ネームプレートとともに身元を明かしてくれ、そのまま俺の今の状態を説明してくれた。
帰宅途中に自転車と接触事故、左脚の骨折と頭部打撲。その他にも多々傷はある。頭を強く打ち、目覚めるまでに時間がかかったため長めの入院になったらしい。
「脚のリハビリもありますが、いっしょに頑張っていきましょうね!」
「あ、はい」
正直、顔面が好みすぎて話の内容が入ってこなかった。目鼻立ちのはっきりしたイケメン。スリムで高身長だったな……
その後様々な検査をし、脳の異常はないことがわかった。脚もリハビリができるくらいには回復した。ここまで回復したら基本は通院らしいが、念のため入院のままリハビリを行うことになった。
「えっと……青木です。き、今日からリハビリで」
車椅子でリハビリテーションルームまで連れてきてもらい、ドアの近くから挨拶をした。
「初めまして、理学療法士の宮部です」
サッと近くまで来てかがんでくれたその男性は、物腰が柔らかく、一つ一つの動きも丁寧だった。痛いなと思った瞬間終わりにするし、疲れてきたら「休憩しましょう」と座らせてくれる。まるで心を読まれているみたいだった。
「すごいですね、なんでもわかっちゃうみたい」
「はは、それが僕の特技ですね。特にコウタさんはわかりやすいですよ?」
できるだけ身近な存在でリラックスしてほしいという理由から下の名前で呼ばれるけど、自然すぎて違和感がない。昔からの友人のようだった。
「宮部さんには隠し事できないですね」
「それは……小野先生のこと?」
「へっ⁉︎」
「リハビリ中に小野先生の話が多かったので」
言われてみると、やたらと小野先生について質問をしていたような……。人見知りの俺が仲良くなれる方法はないかなと悶々と考えていたのが溢れ出ていたらしい、、はずい!
「お邪魔しまーすっ、ってあれ? 青木さん今日からでしたね、どうですか?」
ドアからひょこっと顔を出した小野先生がどこまで聞いていたのか内心バクバクになった。
「んっ、えと……」
「順調ですよ。でも無理せず、ですね」
「あ、はい……」
「そうですか……なんだか……お二人仲が良さそう♪」
あ、違う! 小野先生に勘違いされたくない。でも何を言ってもただの告白みたいになりそうで何も言えずに俯いてしまった。
「……では宮部センセ、よろしくお願いしますねっ」
何回かリハビリをしているうちに宮部さんとはとても仲が良くなった。偏見もなく小野先生の相談も聞いてくれて、心が軽くなった。
「実は、自分のこと、人に話すの苦手で……。宮部さんが初めてです」
「それは嬉しいですね。心が軽くなったでしょう」
「うぇ⁉︎ はい、まさに……その通りで」
俺の腰を支えながら座る補助をしてくれる。
すごく顔が近くて、かっこいいし、筋肉もあってイケメンなんだけど、やっぱり小野先生が好きだな……と思っていたら、勝手に心を読まれたみたいにふふふと微笑まれた。
「な、なんですかっ」
「そんなに好きですか?」
「んっ! いや、えっと……はい//」
――コンコン――
リハビリ室のドアの横を叩く音が聞こえて顔を上げると、小野先生がのぞいていた。
「突然すみません、検査結果で伝えたいことがあるので病室でお話しても?」
「あっ、は、はいっ」
急いで立ちあがろうとすると、両サイドから手が伸びてきた。小野先生も宮部さんも支えてくれて、松葉杖を渡してくれた。
「では、また明日」
優雅に手を振って見送ってくれるが、俺はそれどころではない。小野先生に支えられているし、顔近いし、少し振り向いたら目が合いそうでドキドキして、宮部さんに返事などできなかった。
自分の病室まで戻ると、小野先生は俺をゆっくりとベッドに座らせてくれた。
「宮部センセー相手にあんなに照れちゃうんですか? 可愛らしいですね、青木さん」
ベッドに座った俺の顎に触れてきて、しっかり目を合わせてくる。勝手に赤くなる顔が嫌だ。
「えっ⁉︎ いや、そのっ……ふ、ふ、普段あまり人と話さないので……それだけです」
目線を外すと、そのまま手も離してくれた。ちょっと名残惜しいと思ってしまう自分も嫌で恥ずかしかった。
「そうですか。両想いみたいですね」
「えっ⁉︎ 違いますよ!」
どこを聞かれたのかわからないけど、たぶん最後のあたり聞かれていたんだろう。好きなのは小野先生なのに……
「その……ど、どこから聞こえてましたか」
「『宮部さんが初めて』あたりから」
「あの……実は、えっと。俺、小野先生にひ、ひ、一目惚れして」
驚いた様子で目をまんまるにしている小野先生。至近距離で見る小野先生は、まつ毛がとても長くて綺麗だった。
「……困りますよね、小野先生は違うだろうし」
座り直して、左脚をベッドに乗せると、小野先生がベッドに腰掛けてきた。
「僕も同じですよ、コウタさんと」
耳元で言われて、ゾワっとしてしまう。身体が勝手に揺れてしまった。しかも唐突な下の名前呼び! なにっ⁉︎
ふふっと意地悪な笑いをする小野先生にもさらにゾクゾクしてしまう。
「あ、えっと……それって……っ」
ベッドをギシッと鳴らしながら体勢を変えた小野先生は、俺の唇ギリギリまで来た。
「このまましてもいいかな?」
このまま⁉︎ キスをっ⁉︎ も、もしかして、その先も⁉︎ 好きな人から迫られて、頭が全く働かない。言葉も出てこない。もちろん抵抗なんてしない。抱かれたいんだから。
小さくゆっくり頷くと、優しい笑顔でありがとうといいながら、優しいキスをしてくれた。
「んっ……あ、人が……来たらっ」
「大丈夫ですよ、鍵閉めてありますから」
え、いつ! すご! というか、最初からそのつもりだった⁉︎ そんなはずない、だって勘違いしてたし……
「え……はっ、あ、、」
服の中に入ってくる手を全く拒まずに素直に反応してしまう俺。
「素直で可愛い」
いつもよりも低音で耳に響くその声が、俺を興奮させる。
「ん……もっと、ちゃんと……」
小野先生の手を取って自分のモノを触らせる。
「誘い上手ですね、宮部センセーにもやった?」
「なっ!やらないっ」
小野先生の中で俺はどんな淫乱男になっているんだ。
「『宮部さんが初めて』って言っていたのは何?」
ゆっくりと刺激を与えながら耳元で尋ねてくる。
「そっ、れは、男性が好き、ってはなし、をできたこと、で……」
「男性……ねぇ」
「そのっ……小野せんせぇが、好き。抱かれたいって、ぁ……はっ」
手コキがうますぎて上手に話せない。自分でもしてなかったから久しぶりすぎて気持ち良すぎる。頭も働かなくてなんか恥ずかしいことをペラペラと話してしまっている気がする。
「へぇ~、抱かれたいんですね」
コクコク頷いて、小野先生の白衣を握りしめると、ちょっとだけ余裕のなさそうな笑顔で頬にキスをしてくれた。
「ん……好きですっ、好きっ」
もっとしてほしくて小野先生の首に手を回すと、背中を支えながら寝転がらせてくれた。
「脚、大丈夫ですか?」
「へーきっ、です」
「あぁ…僕は医師失格ですね、患者さんにこんな気持ち抱くなんて」
こんな気持ちって? 小野先生も俺のこと好きでいてくれたりする?
「好きですよ、翔太さんのこと」
俺の服をまくりながらそんなことを言ってきて、誠実なんだか誠実じゃないんだか、どっちでもいい。
「ほ、んとに?」
優しい目で見つめてきて、俺の頬を撫でた。そのまま唇を塞がれて、スルッと舌が入ってくる。
「ん、んぅっ……はっ」
深いキスをしながら扱かれているのだけど、こんな状態になるのがいつぶりなのか、もうわからない。
「キス、きもちーの?コウタさん」
至近距離で好きな人に名前を呼ばれながら、キスされているのがたまらなくて、勝手に声が出てしまう。
「かわいいね」
やばい。めっちゃ好きな顔で、めっちゃ好きな声で、かわいいねとか、やばい。
「かわいく、ない」
「ん? 素直じゃなくなった、かわいい」
首やら胸やらにキスを落として、かわいいかわいいと言ってくれる。心がどんどん満たされる。
スッと手が絡められて恋人繋ぎになる。
「ん、はっ、小野せん、せぇ……」
「ん? ほしいですか?」
小野先生のモノが俺の腿に当たっていて、大きいのがわかる。興奮する。俺は何も言わずに手の甲で小野先生のモノを撫でた。小野先生はそれに応えるようにズボンと下着をずらしてくれた。
「じょーず」
モノを扱いていると、俺が着ているゆるゆるの服を脱がして、お尻に小野先生の指が当たった。
「はっ、ん……あ、俺っ、何も持ってなくて、、、」
「そっかぁ、じゃあさわりっこだけですね」
これまた意地悪な笑顔でそんなことを言ってくる。じゃあ後ろに手伸ばすなよ!という気持ちを込めてちょっとだけ睨むと、くいくいっと押されて声が漏れる。
「……っ、はっ、あ」
「ごめんなさい、意地悪しちゃって。コウタさん可愛くてつい、ね」
ポッケからゴムとローションを取り出してニコッと笑う。
「なんで、持って……っ?」
「んー? なんででしょう」
自分でも後ろをいじってないので久しぶりに感じる圧迫感に緊張してしまう。
「ぁ……はっ、ん……」
「もしかして、結構久しぶりですか?」
「人にされるのはっ……何年も……」
「自分ではしてるんだ、かわいいですね」
「はっ、やっ…んぅ……ぁ」
同時に前も扱かれて、過敏になってしまう。小野先生のモノを触る余裕もないくらいに一瞬でトロトロにされてしまった。めっちゃ上手くない?
「翔太さんは何もしなくていいですよ? 患者さんなので寝ててくださいね?」
「えっ……ん゛っ、あっ、まっ……」
服をずらしただけの格好で一つに繋がっていく。久しぶりのその感覚にすぐにイきそうになった。
「あ、やばっ……んっ」
「ふふ、軽くイきました? かわいい」
ふるふると首を横に振るけど繋がってたらわかるだろう。恥ずかしすぎて顔を逸らした。
「ん、コウタさん? こっちみて。コウタさんの好きな顔、ちゃんと見てて?」
「へっ…?なんっ、で」
「一目惚れでしょう?俺もそうだから」
「あっ、ん゛……んぁっ」
唐突な俺呼びにオスを感じてめっちゃ締めてしまった。てかなんか、久しぶりの感情で、やべぇ、泣きそう。
「お、のせん、せっ…っ♡んあっ」
「うれしーの? かわいい、好きですよ」
――小野サイド――
青木コウタさん。運ばれてきた時、さすがに医者だから心配したけどその後の寝顔がとても可愛らしくて俺好みだったなぁ。しかもさ、完全に俺に落ちたんだよ。目覚めてすぐに説明している時、何も聞いてなくて俺の顔だけ見てたもん。ぽやっとしてるの可愛かったなぁ。
宮部先生とのリハビリの姿見てたら、理学療法士になればよかったかぁなんてちょっとだけ後悔しちゃったよ?
まぁ全部話聞いてたから、勘違いなんてしてないけどね。ちゃんとコウタさんから告白してもらいたいじゃん? だからちょっと意地悪しちゃった。
「俺と付き合ってくれる?」
「んっ、うんぅ、俺でっ……いーの?」
順番おかしくてもいいんだ、そんなに俺のこと好きなんだ。やばあ。超可愛いんだけど。
入院の必要ないのに期間延長したの、俺だし。最初から俺のこと好きなのわかってたし。あーあ、こんなに可愛いの、サラリーマンとか無理だよ。
「ね、コウタさん?」
「はっ、あ……んっ……?」
「お仕事やめて、僕の家来ませんか?」
「……っ、へっ? ……ん゛ぁっ♡」
「毎日しましょ? こーゆーこと♡」
答えられてないけど、目がとろんとしてハートになってるよね。かわいすぎ。ということで、お家でもたっぷり可愛がってあげるからね。コウタさん。
終
「恋愛興味ないんだよね、面倒じゃん」
と、いつも答えているが、本当はゲイであることを隠しているだけ。それに人見知りで仲良くなるまでに時間がかかるから、恋人もなかなかできない。困ったものだ。
仕事帰り、どっかにイケメンいないかなーとか考えながら夜道を歩いていると突然衝撃が与えられた。
目覚めた時にはドストライクのイケメンが俺を覗き込んでいた。
「目が覚めましたか?お名前言えますか?」
目の前に現れた医者は俺の顔を触りながらそう尋ねてきた。
「……青木、です」
「よかったぁ……頭を打ってなかなか目覚めなかったので」
そう言って近くの椅子に腰掛けた。
「改めまして、整形外科の小野です」
ネームプレートとともに身元を明かしてくれ、そのまま俺の今の状態を説明してくれた。
帰宅途中に自転車と接触事故、左脚の骨折と頭部打撲。その他にも多々傷はある。頭を強く打ち、目覚めるまでに時間がかかったため長めの入院になったらしい。
「脚のリハビリもありますが、いっしょに頑張っていきましょうね!」
「あ、はい」
正直、顔面が好みすぎて話の内容が入ってこなかった。目鼻立ちのはっきりしたイケメン。スリムで高身長だったな……
その後様々な検査をし、脳の異常はないことがわかった。脚もリハビリができるくらいには回復した。ここまで回復したら基本は通院らしいが、念のため入院のままリハビリを行うことになった。
「えっと……青木です。き、今日からリハビリで」
車椅子でリハビリテーションルームまで連れてきてもらい、ドアの近くから挨拶をした。
「初めまして、理学療法士の宮部です」
サッと近くまで来てかがんでくれたその男性は、物腰が柔らかく、一つ一つの動きも丁寧だった。痛いなと思った瞬間終わりにするし、疲れてきたら「休憩しましょう」と座らせてくれる。まるで心を読まれているみたいだった。
「すごいですね、なんでもわかっちゃうみたい」
「はは、それが僕の特技ですね。特にコウタさんはわかりやすいですよ?」
できるだけ身近な存在でリラックスしてほしいという理由から下の名前で呼ばれるけど、自然すぎて違和感がない。昔からの友人のようだった。
「宮部さんには隠し事できないですね」
「それは……小野先生のこと?」
「へっ⁉︎」
「リハビリ中に小野先生の話が多かったので」
言われてみると、やたらと小野先生について質問をしていたような……。人見知りの俺が仲良くなれる方法はないかなと悶々と考えていたのが溢れ出ていたらしい、、はずい!
「お邪魔しまーすっ、ってあれ? 青木さん今日からでしたね、どうですか?」
ドアからひょこっと顔を出した小野先生がどこまで聞いていたのか内心バクバクになった。
「んっ、えと……」
「順調ですよ。でも無理せず、ですね」
「あ、はい……」
「そうですか……なんだか……お二人仲が良さそう♪」
あ、違う! 小野先生に勘違いされたくない。でも何を言ってもただの告白みたいになりそうで何も言えずに俯いてしまった。
「……では宮部センセ、よろしくお願いしますねっ」
何回かリハビリをしているうちに宮部さんとはとても仲が良くなった。偏見もなく小野先生の相談も聞いてくれて、心が軽くなった。
「実は、自分のこと、人に話すの苦手で……。宮部さんが初めてです」
「それは嬉しいですね。心が軽くなったでしょう」
「うぇ⁉︎ はい、まさに……その通りで」
俺の腰を支えながら座る補助をしてくれる。
すごく顔が近くて、かっこいいし、筋肉もあってイケメンなんだけど、やっぱり小野先生が好きだな……と思っていたら、勝手に心を読まれたみたいにふふふと微笑まれた。
「な、なんですかっ」
「そんなに好きですか?」
「んっ! いや、えっと……はい//」
――コンコン――
リハビリ室のドアの横を叩く音が聞こえて顔を上げると、小野先生がのぞいていた。
「突然すみません、検査結果で伝えたいことがあるので病室でお話しても?」
「あっ、は、はいっ」
急いで立ちあがろうとすると、両サイドから手が伸びてきた。小野先生も宮部さんも支えてくれて、松葉杖を渡してくれた。
「では、また明日」
優雅に手を振って見送ってくれるが、俺はそれどころではない。小野先生に支えられているし、顔近いし、少し振り向いたら目が合いそうでドキドキして、宮部さんに返事などできなかった。
自分の病室まで戻ると、小野先生は俺をゆっくりとベッドに座らせてくれた。
「宮部センセー相手にあんなに照れちゃうんですか? 可愛らしいですね、青木さん」
ベッドに座った俺の顎に触れてきて、しっかり目を合わせてくる。勝手に赤くなる顔が嫌だ。
「えっ⁉︎ いや、そのっ……ふ、ふ、普段あまり人と話さないので……それだけです」
目線を外すと、そのまま手も離してくれた。ちょっと名残惜しいと思ってしまう自分も嫌で恥ずかしかった。
「そうですか。両想いみたいですね」
「えっ⁉︎ 違いますよ!」
どこを聞かれたのかわからないけど、たぶん最後のあたり聞かれていたんだろう。好きなのは小野先生なのに……
「その……ど、どこから聞こえてましたか」
「『宮部さんが初めて』あたりから」
「あの……実は、えっと。俺、小野先生にひ、ひ、一目惚れして」
驚いた様子で目をまんまるにしている小野先生。至近距離で見る小野先生は、まつ毛がとても長くて綺麗だった。
「……困りますよね、小野先生は違うだろうし」
座り直して、左脚をベッドに乗せると、小野先生がベッドに腰掛けてきた。
「僕も同じですよ、コウタさんと」
耳元で言われて、ゾワっとしてしまう。身体が勝手に揺れてしまった。しかも唐突な下の名前呼び! なにっ⁉︎
ふふっと意地悪な笑いをする小野先生にもさらにゾクゾクしてしまう。
「あ、えっと……それって……っ」
ベッドをギシッと鳴らしながら体勢を変えた小野先生は、俺の唇ギリギリまで来た。
「このまましてもいいかな?」
このまま⁉︎ キスをっ⁉︎ も、もしかして、その先も⁉︎ 好きな人から迫られて、頭が全く働かない。言葉も出てこない。もちろん抵抗なんてしない。抱かれたいんだから。
小さくゆっくり頷くと、優しい笑顔でありがとうといいながら、優しいキスをしてくれた。
「んっ……あ、人が……来たらっ」
「大丈夫ですよ、鍵閉めてありますから」
え、いつ! すご! というか、最初からそのつもりだった⁉︎ そんなはずない、だって勘違いしてたし……
「え……はっ、あ、、」
服の中に入ってくる手を全く拒まずに素直に反応してしまう俺。
「素直で可愛い」
いつもよりも低音で耳に響くその声が、俺を興奮させる。
「ん……もっと、ちゃんと……」
小野先生の手を取って自分のモノを触らせる。
「誘い上手ですね、宮部センセーにもやった?」
「なっ!やらないっ」
小野先生の中で俺はどんな淫乱男になっているんだ。
「『宮部さんが初めて』って言っていたのは何?」
ゆっくりと刺激を与えながら耳元で尋ねてくる。
「そっ、れは、男性が好き、ってはなし、をできたこと、で……」
「男性……ねぇ」
「そのっ……小野せんせぇが、好き。抱かれたいって、ぁ……はっ」
手コキがうますぎて上手に話せない。自分でもしてなかったから久しぶりすぎて気持ち良すぎる。頭も働かなくてなんか恥ずかしいことをペラペラと話してしまっている気がする。
「へぇ~、抱かれたいんですね」
コクコク頷いて、小野先生の白衣を握りしめると、ちょっとだけ余裕のなさそうな笑顔で頬にキスをしてくれた。
「ん……好きですっ、好きっ」
もっとしてほしくて小野先生の首に手を回すと、背中を支えながら寝転がらせてくれた。
「脚、大丈夫ですか?」
「へーきっ、です」
「あぁ…僕は医師失格ですね、患者さんにこんな気持ち抱くなんて」
こんな気持ちって? 小野先生も俺のこと好きでいてくれたりする?
「好きですよ、翔太さんのこと」
俺の服をまくりながらそんなことを言ってきて、誠実なんだか誠実じゃないんだか、どっちでもいい。
「ほ、んとに?」
優しい目で見つめてきて、俺の頬を撫でた。そのまま唇を塞がれて、スルッと舌が入ってくる。
「ん、んぅっ……はっ」
深いキスをしながら扱かれているのだけど、こんな状態になるのがいつぶりなのか、もうわからない。
「キス、きもちーの?コウタさん」
至近距離で好きな人に名前を呼ばれながら、キスされているのがたまらなくて、勝手に声が出てしまう。
「かわいいね」
やばい。めっちゃ好きな顔で、めっちゃ好きな声で、かわいいねとか、やばい。
「かわいく、ない」
「ん? 素直じゃなくなった、かわいい」
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スッと手が絡められて恋人繋ぎになる。
「ん、はっ、小野せん、せぇ……」
「ん? ほしいですか?」
小野先生のモノが俺の腿に当たっていて、大きいのがわかる。興奮する。俺は何も言わずに手の甲で小野先生のモノを撫でた。小野先生はそれに応えるようにズボンと下着をずらしてくれた。
「じょーず」
モノを扱いていると、俺が着ているゆるゆるの服を脱がして、お尻に小野先生の指が当たった。
「はっ、ん……あ、俺っ、何も持ってなくて、、、」
「そっかぁ、じゃあさわりっこだけですね」
これまた意地悪な笑顔でそんなことを言ってくる。じゃあ後ろに手伸ばすなよ!という気持ちを込めてちょっとだけ睨むと、くいくいっと押されて声が漏れる。
「……っ、はっ、あ」
「ごめんなさい、意地悪しちゃって。コウタさん可愛くてつい、ね」
ポッケからゴムとローションを取り出してニコッと笑う。
「なんで、持って……っ?」
「んー? なんででしょう」
自分でも後ろをいじってないので久しぶりに感じる圧迫感に緊張してしまう。
「ぁ……はっ、ん……」
「もしかして、結構久しぶりですか?」
「人にされるのはっ……何年も……」
「自分ではしてるんだ、かわいいですね」
「はっ、やっ…んぅ……ぁ」
同時に前も扱かれて、過敏になってしまう。小野先生のモノを触る余裕もないくらいに一瞬でトロトロにされてしまった。めっちゃ上手くない?
「翔太さんは何もしなくていいですよ? 患者さんなので寝ててくださいね?」
「えっ……ん゛っ、あっ、まっ……」
服をずらしただけの格好で一つに繋がっていく。久しぶりのその感覚にすぐにイきそうになった。
「あ、やばっ……んっ」
「ふふ、軽くイきました? かわいい」
ふるふると首を横に振るけど繋がってたらわかるだろう。恥ずかしすぎて顔を逸らした。
「ん、コウタさん? こっちみて。コウタさんの好きな顔、ちゃんと見てて?」
「へっ…?なんっ、で」
「一目惚れでしょう?俺もそうだから」
「あっ、ん゛……んぁっ」
唐突な俺呼びにオスを感じてめっちゃ締めてしまった。てかなんか、久しぶりの感情で、やべぇ、泣きそう。
「お、のせん、せっ…っ♡んあっ」
「うれしーの? かわいい、好きですよ」
――小野サイド――
青木コウタさん。運ばれてきた時、さすがに医者だから心配したけどその後の寝顔がとても可愛らしくて俺好みだったなぁ。しかもさ、完全に俺に落ちたんだよ。目覚めてすぐに説明している時、何も聞いてなくて俺の顔だけ見てたもん。ぽやっとしてるの可愛かったなぁ。
宮部先生とのリハビリの姿見てたら、理学療法士になればよかったかぁなんてちょっとだけ後悔しちゃったよ?
まぁ全部話聞いてたから、勘違いなんてしてないけどね。ちゃんとコウタさんから告白してもらいたいじゃん? だからちょっと意地悪しちゃった。
「俺と付き合ってくれる?」
「んっ、うんぅ、俺でっ……いーの?」
順番おかしくてもいいんだ、そんなに俺のこと好きなんだ。やばあ。超可愛いんだけど。
入院の必要ないのに期間延長したの、俺だし。最初から俺のこと好きなのわかってたし。あーあ、こんなに可愛いの、サラリーマンとか無理だよ。
「ね、コウタさん?」
「はっ、あ……んっ……?」
「お仕事やめて、僕の家来ませんか?」
「……っ、へっ? ……ん゛ぁっ♡」
「毎日しましょ? こーゆーこと♡」
答えられてないけど、目がとろんとしてハートになってるよね。かわいすぎ。ということで、お家でもたっぷり可愛がってあげるからね。コウタさん。
終
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