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安心させて 12
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とは言え敬吾の負担にならないよう徐々に加速する激しさに、敬吾は悶えるように肩を縮めた。
喘ぎを伴わなければ呼吸もできないほど、肺まで快感に満たされている。
「逸、──っ………」
「あー、ごめんなさい……。きつい?」
色のない声で逸が問うと、敬吾は激しく首を振る。
「ちが、気持ち、い………」
「……………ん?」
藻掻くような呼吸に紛れた小さな声に、逸は訝しげに首を傾げ僅かに耳を寄せた。
ここまでの奉仕を施され、自分は何も返すことができずに、結局逸が一人で処理しようとしていることがどうしようもなく悲しい。
自我などどこかに消え去って久しいが、今日報いられる唯一の方法は心の底に染み付いていた。
「きもち、い……い、っん、……」
「………………敬吾さん?」
「ん……………っ」
敬吾の声をよく聞きたいが、走り出した熱がもう止められそうにない。
濡れた肌を打ち付ける激しい音を掻き分けるように敬吾に体を寄せ、逸は食いつくように問いかけた。
「敬吾さん、っ?」
「んぅ……!っあ、だか……ら、……」
堪えられない焦燥を感じさせる逸の唇が敬吾の耳に這う。
そこからぞくぞくと走る熱が促しているようだった。
同時にまた敬吾を感じさせるべく色を変えた逸の動きがまさに求めていたところを抉り、敬吾が仰け反る。
一度開いた口は、言葉も喘ぎも止められなかった。
「敬吾さん──」
「あ……………っ!逸……すき、きもち、い」
「うん、──上手にできてる?」
「あっ、………!んん、逸………………っ」
もうほとんど出ない精液をそれでも吐き出し、体を震わせて敬吾は必死に呼吸を繰り返す。
その蕩けきった瞳がかろうじて逸を捉え、腕が伸ばされ、その中に逸が体を収めると震える腕が絡みついた。
今にも破裂しそうな呼吸の中に、掠れて甘い声がきっと交じるはず。
それを探すように逸は耳をすり寄せる。
「逸、……いい子、………」
「────」
「っあ………!」
鋭く、激しく穿ち抜くと、最も深いところの更に深くまで押し入るように敬吾の腰を掴み下ろしながら逸はその奥へと熱を吐き出した。
弾けるように、暴れるように痙攣するそれが貪欲に敬吾の中を掻き乱し、逸の快感の激しさを雄弁に語る。
「──あ、逸……」
「や、ば……すげえ気持ちい……………」
「あっ、──あ……………っ」
腰から走る獰猛な熱が、そのまま体を震わせた。
昂りきった快感の余韻が全く薄れず、困惑するほどだった。
「──ごめんなさい、あと一回だけ付き合って…………………」
激しいながらもやはり褒受に値するよう気を配りながら、逸は敬吾を掻き抱いた。
痛いほどの快楽に、敬吾は泣きに泣いている。
それでもやめてくれとは言わないことが、逸を調子づかせてその興奮を助長した。
「敬吾さん、すげえ、気持ち……よさそう」
「い、ぃ………」
「うん……どんなとこがいいの?」
「ぁ……ん、分かん……な、……」
激しく揺らされながら、完全に理性を奪われている敬吾はうわ言のように弛緩した言葉を零す。
逸は緩む頬を引き締められないままにそれを見下し、更に言葉を引き出そうと敬吾を揺らした。
「……分かんない?」
問い詰めるようだが甘いままの逸の声に、敬吾の背中が震える。
喉も弛んだ。
「わかんない、さわ、られたら……」
「………触られたら?」
「っん、そこ……がいい、っから……っ」
「……………………」
物も言わず、深く鋭く穿たれて敬吾が悲痛な声を上げる。
我を忘れたような激しい反復に、藻掻くような絶え間ない喘ぎが溢れた。
「じゃあこれは、これも気持ちいい?じょうず?」
「ん……、じょう、ず」
「っあーやべえなこれ」
「あっ………!!」
がくがくと奥を抉られ、気の触れそうな快楽に喘ぎはもう擦過音のような霞んだ痛々しいものになる。
激しく、乾いた呼吸音に捩じ込むように逸は問い募った。分かりきったことを。
「じゃあもっと欲しいとこは?ないの?」
「っは、ぁ…… 無、い……欲しい……とこに、くる……」
「────っん……」
苦しげで耽美な声と同時に、敬吾の奥深くに逸の熱が注がれる。
それがまた甘美な愛撫のようで、敬吾もまた緩やかに昇り詰め体を震わせた。
溶け落ちるように揃って体を放り出し、逸は甘えるように僅かに腰を揺らしながら頭を敬吾の肩に埋める。
意識が途切れるまで、敬吾はその頭を撫でてやっていた。
喘ぎを伴わなければ呼吸もできないほど、肺まで快感に満たされている。
「逸、──っ………」
「あー、ごめんなさい……。きつい?」
色のない声で逸が問うと、敬吾は激しく首を振る。
「ちが、気持ち、い………」
「……………ん?」
藻掻くような呼吸に紛れた小さな声に、逸は訝しげに首を傾げ僅かに耳を寄せた。
ここまでの奉仕を施され、自分は何も返すことができずに、結局逸が一人で処理しようとしていることがどうしようもなく悲しい。
自我などどこかに消え去って久しいが、今日報いられる唯一の方法は心の底に染み付いていた。
「きもち、い……い、っん、……」
「………………敬吾さん?」
「ん……………っ」
敬吾の声をよく聞きたいが、走り出した熱がもう止められそうにない。
濡れた肌を打ち付ける激しい音を掻き分けるように敬吾に体を寄せ、逸は食いつくように問いかけた。
「敬吾さん、っ?」
「んぅ……!っあ、だか……ら、……」
堪えられない焦燥を感じさせる逸の唇が敬吾の耳に這う。
そこからぞくぞくと走る熱が促しているようだった。
同時にまた敬吾を感じさせるべく色を変えた逸の動きがまさに求めていたところを抉り、敬吾が仰け反る。
一度開いた口は、言葉も喘ぎも止められなかった。
「敬吾さん──」
「あ……………っ!逸……すき、きもち、い」
「うん、──上手にできてる?」
「あっ、………!んん、逸………………っ」
もうほとんど出ない精液をそれでも吐き出し、体を震わせて敬吾は必死に呼吸を繰り返す。
その蕩けきった瞳がかろうじて逸を捉え、腕が伸ばされ、その中に逸が体を収めると震える腕が絡みついた。
今にも破裂しそうな呼吸の中に、掠れて甘い声がきっと交じるはず。
それを探すように逸は耳をすり寄せる。
「逸、……いい子、………」
「────」
「っあ………!」
鋭く、激しく穿ち抜くと、最も深いところの更に深くまで押し入るように敬吾の腰を掴み下ろしながら逸はその奥へと熱を吐き出した。
弾けるように、暴れるように痙攣するそれが貪欲に敬吾の中を掻き乱し、逸の快感の激しさを雄弁に語る。
「──あ、逸……」
「や、ば……すげえ気持ちい……………」
「あっ、──あ……………っ」
腰から走る獰猛な熱が、そのまま体を震わせた。
昂りきった快感の余韻が全く薄れず、困惑するほどだった。
「──ごめんなさい、あと一回だけ付き合って…………………」
激しいながらもやはり褒受に値するよう気を配りながら、逸は敬吾を掻き抱いた。
痛いほどの快楽に、敬吾は泣きに泣いている。
それでもやめてくれとは言わないことが、逸を調子づかせてその興奮を助長した。
「敬吾さん、すげえ、気持ち……よさそう」
「い、ぃ………」
「うん……どんなとこがいいの?」
「ぁ……ん、分かん……な、……」
激しく揺らされながら、完全に理性を奪われている敬吾はうわ言のように弛緩した言葉を零す。
逸は緩む頬を引き締められないままにそれを見下し、更に言葉を引き出そうと敬吾を揺らした。
「……分かんない?」
問い詰めるようだが甘いままの逸の声に、敬吾の背中が震える。
喉も弛んだ。
「わかんない、さわ、られたら……」
「………触られたら?」
「っん、そこ……がいい、っから……っ」
「……………………」
物も言わず、深く鋭く穿たれて敬吾が悲痛な声を上げる。
我を忘れたような激しい反復に、藻掻くような絶え間ない喘ぎが溢れた。
「じゃあこれは、これも気持ちいい?じょうず?」
「ん……、じょう、ず」
「っあーやべえなこれ」
「あっ………!!」
がくがくと奥を抉られ、気の触れそうな快楽に喘ぎはもう擦過音のような霞んだ痛々しいものになる。
激しく、乾いた呼吸音に捩じ込むように逸は問い募った。分かりきったことを。
「じゃあもっと欲しいとこは?ないの?」
「っは、ぁ…… 無、い……欲しい……とこに、くる……」
「────っん……」
苦しげで耽美な声と同時に、敬吾の奥深くに逸の熱が注がれる。
それがまた甘美な愛撫のようで、敬吾もまた緩やかに昇り詰め体を震わせた。
溶け落ちるように揃って体を放り出し、逸は甘えるように僅かに腰を揺らしながら頭を敬吾の肩に埋める。
意識が途切れるまで、敬吾はその頭を撫でてやっていた。
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