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襲来、そして 5
しおりを挟む──翌日。
《面白そうな映画レンタルしたから皆で観よー!》
《どんなのですか??》
《見てのお楽しみ!》
《嫌な予感しかしねえ》
敬吾が帰ると、フライドポテトとフライドチキンが下拵えされていて、冷蔵庫にはディップとサラダとコーラが鎮座していた。
「あと今日はピザ来ますから!」
「気合入れすぎだろ」
逸の来る時間に合わせてピザも手配され、すっかりアメリカナイズされたリビングで披露されたのは和風ホラーであった。
「……なんで?」
「なんでってなによ?」
「鮫かアクションだろ、ここまで来たら」
「えーなに敬吾ホラーダメ?ビビリ?」
「いや?全然平気だけど」
「えっ。いっちゃんは?」
「………苦手です」
「えっ」
「ゾンビ系とか猛獣系なら結構好きなんですけど、和のやつはどうも」
「えっ」
結局敬吾は無表情で──なんとなれば時折噴き出しつつ──ピザを食べ、逸と桜は手を取り合って怯えている。
その怖がりぶりに桜の体が心配になり、敬吾が中断を言い渡し、しかし内容だけは気になる二人に頼まれて後々一人で鑑賞する羽目になった。
──翌日。
《なんか駅前に楽しそうなバーがある(・∀・)》
《巨大なパフェがある!(・∀・)》
《行きたい!!!(・∀・)》
《飲めるの俺だけだろ》
《いっちーは??》
《飲めないです、すみません………》
《ちょっとも………?》
《飲ませたら強制送還》
──翌日。
《今日のご飯はアイスバインですよ!》
《なんだそれ》
《なんですか?それ》
《なんか塊肉の煮込みだね!ドイツ料理です》
《暑かった(・∀・;;;;;;)フー》
《なにもこのくそ暑いのに煮込まんでも》
《あとハイジの白パン!》
《ハイジってドイツ?》
《たぶんスイスです》
《あのお屋敷はドイツだからいいんですぅー》
《いや別にいいけどさ》
──翌日。
「ラブホ行っちゃいますか」
「行っちゃわねーよ」
「普通にビジネスホテルでもいいんですけども………」
「泊まる気か」
「あっそうか、休憩ってないのか………」
「真剣に考えんな」
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