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アクティブ・レスト 6

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──それから、一週間。

一度か二度程度、慌ただしく朝食を一緒に取った程度でやはりまともに顔を合わせる時間はなく、2号店の開店準備は佳境を迎えていた。

間に合うのか、これ……。

現場を目の当たりにしている篠崎や逸どころか敬吾や幸までそう思ってしまう逼迫ぶりに、その不安を払拭するべく逸らは更にフル回転で動き回っている。

その間敬吾と言えば、やや料理ができるようになっていた。
本当に微々たるものだが。

何かしていないと心配になるわ腹が立つわ、しかし自分も似たような形で働いたことがあるので気持ちが分からないでもない。

行き場のない気持ちは、少なくとも状況をましにするための行動で解消しよう──と言うことで今日のメニューはすき煮丼の予定である。

バイトを終えてそのまま同じ建物内のスーパーへ向かっていると、携帯が鳴った。

「はいよ、お疲れ」
『お疲れ様です!』

────お?

ここのところ疲弊しきっていた逸の声が明るい。
敬吾は立ち止まってぱちぱちと瞬き、壁際に寄った。

「どうした?」
『今日、ちょっと早く帰れそうで』
「おー……」

更に大きく瞬いて、敬吾はふと微笑む。

「良かったな」
『はい!久しぶりに敬吾さんにご飯作れますよー』

言われて敬吾は破顔した。

「それはいいから休めっつーの……飯は何か取ろう」
『そうですかー……?』
「うん。」
『んー……了解です、じゃあまた』
「おう」

通話を切り携帯の画面が暗くなると、敬吾はやっと自分が微笑んでいることに気がついた。
ずいぶん間抜けな顔をしているものだと恥ずかしくなり、思わず頬をこする。

が、気持ちがどうも緩んでいるようだ──
胸の奥がすくような、久しぶりに深く呼吸をしたような気がする。
少しはゆっくりさせられそうで、本当に良かった。

(じゃあ買い物はとりあえずいいか………)


結局また微笑んでしまって、敬吾は携帯をしまいこんだ。



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