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褒めて伸ばしてー閑話休題ー 10
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──が。
脚に張り付いた逸の手が上がり、そのまま手首でスカートをたくし上げていく。
「わっ、ちょっ岩井っ!」
「はい?」
「やっやだっ、」
「そうですね」
「!?ちょ、ならやめ」
「その顔。すげえそそります…………」
「────」
懇願するように歪んだ敬吾の顔が固まると、逸はふっと笑って顔を俯けた。
肩で敬吾の膝に体重を掛け、その膝下を脇に抱え込んで封じながら自分のウエストに手を掛ける。
敬吾からはスカートの影になって見えないが、痛いほど膨張しきってもう濡れていた。
逸が自らのそれに苦笑したのを見て、敬吾が思わず横を向く。
その隙にスカートが一気に尻と鼠径まで上げられた。
「っうわ!!」
「あーー……、やばいな」
また低く乾いた声で独りごち、敬吾の狼狽など視界にも入っていない様子で逸はその内腿に頬と唇を寄せる。
「すげえ綺麗…………、」
「っ…………!」
顔を上げると、逸は羞恥に塗れた敬吾の顔をとっくりと眺めた。
その沈黙に敬吾がやっと怯えているような横目をくれると、ふと微笑んで口を開く。
「敬吾さん、擦って良い?」
「──へ?」
敬吾の応えなど元より聞く気もない様子で逸はまた俯き、敬吾の膝を両手で掴んでその裏腿に猛り切ったそれを押し付け、擦り付けた。
「──!!?」
またゆるりと顔を上げ、擦り付けながらも逸が敬吾を見つめる。
愕然として慄いてでもいるようなその表情が、どうしようもなく可愛らしい。
どう見ても愛情や興奮の類は感じられない表情だがそれでも良いと思える辺り、やはり締め上げられ過ぎた理性のねじは山がすっかり舐めてしまったようだ。
くるくる空回りして、貪欲な衝動がたらたらと漏れて体に満ちていく。
「ん………」
眉根を寄せて揺れる逸の表情を、敬吾は信じられない思いながらも吸い寄せられるように見つめていた。
陶酔しているような目元、僅かに開いた唇が、妙に耽美的だった。
そうして呆然としていた敬吾の肩がびくりと揺れる。
膝の裏あたりのぬるい感触と、険しくなった逸の表情、切羽詰まったような振動。
心臓が急に暴れだして、敬吾が自分の口をふさぐ。
逸が深く吐息を逃し、敬吾の手を取って唇を合わせた。
吸い合うような濡れた音が、頭の芯を麻痺させていく。
逸の手がゆっくりとブラウスのボタンを幾つか外し胸元に差し込まれると、焦燥に焼かれるような気持ちになる。
触れて欲しいが恥ずかしくて、どうして良いのか分からなかった。
敬吾のその表情がまた逸の興奮に火をくべる。
「凄いな、エロい…………」
「っばか、」
下着の上から柔らかく揉まれ、敬吾がひゅっと息を呑んだ。
引き摺られてなけなしの胸の肉が波打つのも、吸い付くようなその感触が先端に張り付いては剥がれるのも堪らなかった。
「やだ、逸ぃ……」
「うん?」
「揉む、なよ……」
「じゃあ、取ります?」
「──……」
それもそれで恥ずかしいのだが──
進退極まって、敬吾が微かに頷いた。
凶悪な微笑みを浮かべて逸がパットを剥ぎ取ると空間ができ、半端に胸が覗く。
そこにまた手を差し込んで揉みしだき、敬吾が恥ずかしがるのを十分目に焼き付けてから鎖骨まで下着を押し上げると先端を舐め上げた。
強く吸われて、敬吾がやっと甘く声を漏らしだす。
頭を撫でられ、満足げに笑うと逸はまた敬吾の脚を撫で、口づけ、天蓋のように伸し掛かって敬吾を眺めた。
その視線が耐え難く、敬吾が顔を背ける。
その先には、逸の中心が濡れそぼったまままた屹立していた。
敬吾の眉根が切なげにきゅっと寄る。
「……………いち」
「はい」
「それ…………」
「はい?」
「舐めてい?」
「…………………」
「っ!」
敬吾がとろりと眺めていたそれが、筋立って強く脈打った。
敬吾が目をそらす。
逸は、昂り険しくなった顔を敬吾に寄せた。
「……お掃除フェラ?」
「ばか、」
「お願いします……」
「っ……………」
「あ、でも」
「?」
「俺の上、乗ってください」
「………………?乗る……?ってどういう」
「こっちお尻」
「………………」
敬吾と向かい合わせにしゃがみ込み、逸はちょいちょいと自分の顔を指差してみせた。
数秒それを眺めて、結局敬吾は首を傾げる。
「だからね?」
そのまま後ろに背を倒し、肘をついて今度は股間を、続いて顔を指し示した。
「敬吾さん、頭ここ。お尻ここ」
「やだよ」
「やだっつったって」
互いに渋い顔を見合わせ、しばし沈黙する。
「やだよ。」
「してもらいますぅー。」
「やだって!変態かよ!!」
「そうですよ?知ってるでしょ……っていうかそんな変なプレイでもないでしょこれ」
「でもやだ!!!」
「敬吾さん?」
逸の声がまた妙な迫力を帯びた。
僅かに増しただけの音量にはそぐわない圧力に、敬吾が押し黙る。
「ご褒美ですよねえ」
「限度ってもんが──」
「俺ちゃんと我慢したでしょ?25日、敬吾さん目の前にいんのに。したいならしてもいいって言われてたのに。我慢。しましたよね?」
「したけど…………」
「なんのために靴だのパンツだのまで用意したと思ってんですか、俺が愛でるためですよ」
「だろうけど………………」
「今日だって何回勃起しちゃー治め勃起しちゃー治めしたか──」
「もおーーー!」
真顔で淡々と言い含められ、敬吾は逸の一言ごとに反論の意欲が削ぎ取られていった。
もうひとつも隠す気がないのだ、この男は。
恥だの理性だのに捕らわれている自分が勝てる相手ではない。全く羨ましくはないが。
「分ぁかったよもおおおぉ…………」
敬吾が心底げんなりと俯いても、逸は恐れ入りも恥じ入りもせずにっこりと笑う。
「やったあ」
「お前頭おかしいからな!ほんっっと頭おかしいからな!!!」
「敬吾さんに嫌われなきゃなんでもいいんですよそんなもん」
「…………………っ」
「はい、敬吾さん!」
ぱんぱんと逸がベッドを叩き、行儀の悪い子供のような催促をする。
「お前後で覚えてろよ…………」
「んー、またお預けですか?きついなあ……でも頑張ります」
「うっせえ!」
「敬吾さん」
「…………………っ」
敬吾が心底嫌そうな顔をし、後ろを向いた。
逸はうきうきと見守っている。
そのまま嫌そうに逸の腹あたりを跨ぎ、
──腰を下ろした。
脚に張り付いた逸の手が上がり、そのまま手首でスカートをたくし上げていく。
「わっ、ちょっ岩井っ!」
「はい?」
「やっやだっ、」
「そうですね」
「!?ちょ、ならやめ」
「その顔。すげえそそります…………」
「────」
懇願するように歪んだ敬吾の顔が固まると、逸はふっと笑って顔を俯けた。
肩で敬吾の膝に体重を掛け、その膝下を脇に抱え込んで封じながら自分のウエストに手を掛ける。
敬吾からはスカートの影になって見えないが、痛いほど膨張しきってもう濡れていた。
逸が自らのそれに苦笑したのを見て、敬吾が思わず横を向く。
その隙にスカートが一気に尻と鼠径まで上げられた。
「っうわ!!」
「あーー……、やばいな」
また低く乾いた声で独りごち、敬吾の狼狽など視界にも入っていない様子で逸はその内腿に頬と唇を寄せる。
「すげえ綺麗…………、」
「っ…………!」
顔を上げると、逸は羞恥に塗れた敬吾の顔をとっくりと眺めた。
その沈黙に敬吾がやっと怯えているような横目をくれると、ふと微笑んで口を開く。
「敬吾さん、擦って良い?」
「──へ?」
敬吾の応えなど元より聞く気もない様子で逸はまた俯き、敬吾の膝を両手で掴んでその裏腿に猛り切ったそれを押し付け、擦り付けた。
「──!!?」
またゆるりと顔を上げ、擦り付けながらも逸が敬吾を見つめる。
愕然として慄いてでもいるようなその表情が、どうしようもなく可愛らしい。
どう見ても愛情や興奮の類は感じられない表情だがそれでも良いと思える辺り、やはり締め上げられ過ぎた理性のねじは山がすっかり舐めてしまったようだ。
くるくる空回りして、貪欲な衝動がたらたらと漏れて体に満ちていく。
「ん………」
眉根を寄せて揺れる逸の表情を、敬吾は信じられない思いながらも吸い寄せられるように見つめていた。
陶酔しているような目元、僅かに開いた唇が、妙に耽美的だった。
そうして呆然としていた敬吾の肩がびくりと揺れる。
膝の裏あたりのぬるい感触と、険しくなった逸の表情、切羽詰まったような振動。
心臓が急に暴れだして、敬吾が自分の口をふさぐ。
逸が深く吐息を逃し、敬吾の手を取って唇を合わせた。
吸い合うような濡れた音が、頭の芯を麻痺させていく。
逸の手がゆっくりとブラウスのボタンを幾つか外し胸元に差し込まれると、焦燥に焼かれるような気持ちになる。
触れて欲しいが恥ずかしくて、どうして良いのか分からなかった。
敬吾のその表情がまた逸の興奮に火をくべる。
「凄いな、エロい…………」
「っばか、」
下着の上から柔らかく揉まれ、敬吾がひゅっと息を呑んだ。
引き摺られてなけなしの胸の肉が波打つのも、吸い付くようなその感触が先端に張り付いては剥がれるのも堪らなかった。
「やだ、逸ぃ……」
「うん?」
「揉む、なよ……」
「じゃあ、取ります?」
「──……」
それもそれで恥ずかしいのだが──
進退極まって、敬吾が微かに頷いた。
凶悪な微笑みを浮かべて逸がパットを剥ぎ取ると空間ができ、半端に胸が覗く。
そこにまた手を差し込んで揉みしだき、敬吾が恥ずかしがるのを十分目に焼き付けてから鎖骨まで下着を押し上げると先端を舐め上げた。
強く吸われて、敬吾がやっと甘く声を漏らしだす。
頭を撫でられ、満足げに笑うと逸はまた敬吾の脚を撫で、口づけ、天蓋のように伸し掛かって敬吾を眺めた。
その視線が耐え難く、敬吾が顔を背ける。
その先には、逸の中心が濡れそぼったまままた屹立していた。
敬吾の眉根が切なげにきゅっと寄る。
「……………いち」
「はい」
「それ…………」
「はい?」
「舐めてい?」
「…………………」
「っ!」
敬吾がとろりと眺めていたそれが、筋立って強く脈打った。
敬吾が目をそらす。
逸は、昂り険しくなった顔を敬吾に寄せた。
「……お掃除フェラ?」
「ばか、」
「お願いします……」
「っ……………」
「あ、でも」
「?」
「俺の上、乗ってください」
「………………?乗る……?ってどういう」
「こっちお尻」
「………………」
敬吾と向かい合わせにしゃがみ込み、逸はちょいちょいと自分の顔を指差してみせた。
数秒それを眺めて、結局敬吾は首を傾げる。
「だからね?」
そのまま後ろに背を倒し、肘をついて今度は股間を、続いて顔を指し示した。
「敬吾さん、頭ここ。お尻ここ」
「やだよ」
「やだっつったって」
互いに渋い顔を見合わせ、しばし沈黙する。
「やだよ。」
「してもらいますぅー。」
「やだって!変態かよ!!」
「そうですよ?知ってるでしょ……っていうかそんな変なプレイでもないでしょこれ」
「でもやだ!!!」
「敬吾さん?」
逸の声がまた妙な迫力を帯びた。
僅かに増しただけの音量にはそぐわない圧力に、敬吾が押し黙る。
「ご褒美ですよねえ」
「限度ってもんが──」
「俺ちゃんと我慢したでしょ?25日、敬吾さん目の前にいんのに。したいならしてもいいって言われてたのに。我慢。しましたよね?」
「したけど…………」
「なんのために靴だのパンツだのまで用意したと思ってんですか、俺が愛でるためですよ」
「だろうけど………………」
「今日だって何回勃起しちゃー治め勃起しちゃー治めしたか──」
「もおーーー!」
真顔で淡々と言い含められ、敬吾は逸の一言ごとに反論の意欲が削ぎ取られていった。
もうひとつも隠す気がないのだ、この男は。
恥だの理性だのに捕らわれている自分が勝てる相手ではない。全く羨ましくはないが。
「分ぁかったよもおおおぉ…………」
敬吾が心底げんなりと俯いても、逸は恐れ入りも恥じ入りもせずにっこりと笑う。
「やったあ」
「お前頭おかしいからな!ほんっっと頭おかしいからな!!!」
「敬吾さんに嫌われなきゃなんでもいいんですよそんなもん」
「…………………っ」
「はい、敬吾さん!」
ぱんぱんと逸がベッドを叩き、行儀の悪い子供のような催促をする。
「お前後で覚えてろよ…………」
「んー、またお預けですか?きついなあ……でも頑張ります」
「うっせえ!」
「敬吾さん」
「…………………っ」
敬吾が心底嫌そうな顔をし、後ろを向いた。
逸はうきうきと見守っている。
そのまま嫌そうに逸の腹あたりを跨ぎ、
──腰を下ろした。
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