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息子さんを僕にください 11

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──深く体を繋げあったまま、指が、脚が、舌が絡む。
どうにか溶け合えないかと足掻くように、そのもどかしい境界を愉しむように。

そうして中に馴染んでしまった逸の局部が僅かに動いただけで、敬吾はその熱さと質量を鮮烈に再確認させられる。
こんなにゆったりとした反復でも。
静かだが堪えようのない喘ぎが溢れてしまう。

深く絡んでいた唇を離し身悶えする敬吾を見下して、動きに僅かに熱を持たせ、逸も感じ入ったような呻きを漏らした。

──その小さな声が、どうしようもなく敬吾の腰の奥を擽る。

この男が自分の体に快楽を見出すのが嬉しくて仕方がなくなったのは、いつからだったか──

「ん……敬吾さん、……そんな締めちゃだめ、……」
「………!っだって………!」

──お前がそんな声出すから!

その言葉をなんとか飲み込み、敬吾の表情がまるで子供のようになると逸としては俄然鳴かせたくなる。
蕩けそうだった先程までの雰囲気とは打って変わって、腰を強く掴み激しく穿って逸は敬吾を翻弄した。
蛍火でとろとろと、しかし芯まで温められていた敬吾の体は容易く果ててしまう。
激しく昇り詰め、絡みながら締め付ける淫猥な感触に逸も更に激しく腰を打ち付ける。
奥まで飲み込ませて射精し、更に抉り込んでやると壊れそうなほどに喘ぐ敬吾は拍車の掛かる喉を締め上げて仰け反った。

「っ敬吾さん、」
「っあ………………っ」
「敬吾さん、敬吾さん………っ」

更にがくがくと揺すぶられ、敬吾は半ば意識を手放している。
満足するまでそうしていて今度は敬吾に重なり、逸は深く唇を合わせた。

「ん………っん、んぅ…………」

か細く苦しげになっていく敬吾の呼吸に唇を離し、圧倒的な快感の余韻に浸りながら逸はまだゆるゆると腰を蠢かせる。

「敬吾さん……、敬吾さんっ、愛してます、愛してる………」
「あ、っ……!ばか、っ」
「……だって俺、溢れそうだ………」

愛情が、歓喜が、手の届かない高みから降って身に余る憧憬が。
総身が震えるほどに。


泣き出しそうな顔で笑って敬吾を見下ろし、逸は深い深い嘆息を漏らす。


「……敬吾さん。愛してます、一生」
「…………………っ、ばか…………」
「ふふ、はい」


逸の唇が、腹から胸、鎖骨、頬とゆっくりと上がってくる。
さんざん抱き合った後、慈しむように労るように施されるこのキスが敬吾は好きだった。
加熱しすぎた炎が柔らかな熾火になるような、温かい余韻が心地良い。

最後にゆっくりと唇を合わせ、啄んでから逸は敬吾を背中から抱くように横たわった。
敬吾のつむじに鼻先を埋め、その髪越しにゆるく放り出された敬吾の左手を見て、逸は無意識にその指を撫でる。
同時に脚も絡められ、敬吾はくすぐったそうに苦笑した。
逸は、ぼんやりと握った敬吾の手を見ている。
 
「………敬吾さん」
「んーー……」

少々眠そうな敬吾の返事に、逸は気にする様子もなく純朴に瞬きをする。



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