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海の世界で呪い解き

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 非常に眩しい戦いが繰り広げられる中、俺とイシリオンは息を潜めてエルフの閉じ込められた檻に向かっていた。
 その動きを把握したアマテはニルゼンとの戦闘の場を檻から遠ざけるように立ち回る。

「逃げんなクソアマぁ!」
「……」

 アマテが攻撃を交わすため、宙を舞う。
 ニルゼンは着地の瞬間を狙って光の矢を放つ。
 
「くっ」

 小さく声をあげ、アマテが地面に光の放出し、宙に浮き、ニルゼンの攻撃をかわす。
 そして、更にその着地を狙うニルゼン。
 段々とアマテが押され出す。

「イシリオン、錠は?」
「だめだ、ピッキングできない」
「なら、剣で叩き切れば」
「それができるならとっくにしている」

 アマテが押され出した今、なるべく早く紅葉を解き放ちたい。
 しかし、その気持とは裏腹に、俺にできることはなく、その場に立ち尽くす。

「おい、イザナギテンリ」

 檻の中から声がする。

「あんたは」
「私はイナ。」
「俺と戦った人か」
「ああ、イザナギテンリ、フェニックスとサンダーバードを連れてこい」
「え?」
「この場でお前は戦闘力が高いわけじゃない、私の分身程度の力しか持っていない」

 俺が戦っていたのは分身だったらしい。
 分身に傷を負わされるとは、無念。

「貴様にできることはなんだ?」
「……二匹を、操れる」
「ならばそれをしろ」

 彼女の言う通りだった。
 俺はすぐに懐からクウリを呼び出す。

「完全に存在忘れてた、クウリ!」
「キュイイイ!!!」

 騒々しく甲高い鳴き声とともにクウリがその場に現れる。
 俺は持ち前の脳の回転速度にまで影響を与えたスピードで思考する。

 いくらクウリとは言っても、神を前にして戦えるほどの力はない。
 ならばどうする?
 紅葉が解き放たれるまでに俺にできることは。
 
 俺は答えを出し、クウリと動き始めた。
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