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海の世界で呪い解き
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「村長さん、おらぁは仕事をしねぇといけねぇからよ、息子を頼むぜ!寝ぼけてるみてぇで何やら変なことを言ってるが気にしねぇでくれ!」
「任せて!」
と、明るい顔で反応するアマテのそばで、他の三人は疲れ切ったといった様子で佇んでいた。
「元気よね。アマちゃんは。」
「僕はヘトヘトだよ。ほんとに。」
「そうですね。神様の体力半端ない。」
「テンリくんはまだ若いんだからもう少し頑張りなさいよ。」
「帰宅部だったもので、体力はそんなに。」
「帰宅部って何だい?」
「あー、えっと、ナルハヤで帰る人達ですかね。」
「へー。」
などと、体力皆無組で話していると、アマテが男の子を連れてやってくる。
「テンリ、この子がフェニとクウリを見たいらしいんだけど、いい?」
危険かな?と思ったが、フェニとクウリは俺の言う事を聞いてくれるから大丈夫だろうと思う。
「いいよ。行こうか。」
俺たちは自宅へと向かう。
アマテと手を繋ぐ少年の顔が不気味な笑みを浮かべている。
その事に気がついたのは、俺でもなく、アマテでもなく、クウリだった。
自宅につき、少年と一緒にクウリとフェニの所、屋上に到着すると、突如として
「キュアアアアアアア!!!!」と、クウリが鳴いたいたのだ。
いつの間にか立派になったクウリの鳴き声で、少女を威嚇する。
クウリが警戒するのは。
「お前誰だ?」
俺は聞いた。
「バレちゃったかぁ。久しぶりだな、短剣使い!」
少年の姿から、エルフの容姿を持ち、しかし頭に角、そして心なしか長い犬歯。という格好に変化する。
「あなたはこの前の襲撃でテンリに話しかけてた人?」
「そのとおりだ!自称神様」
「自称じゃないよ?」
「黙れ!」
そう言ってエルフがアマテに斬りかかる。
アマテはそれを光の塊で防ぐ。
「落ち着いてよ、一体何にそんなに怯えてるの?」
「うるせぇ!私は失敗できない!でもこの前失敗した!だからもっと頑張らないと!また怒られる!」
「そっか。君。哀れだねぇ。」
アマテがそう静かに言う。神々しいモードだ。
「煽ってんのかてめぇはああああああ!」
と、激怒してエルフはアマテに斬りかかる。
刹那。アマテの光が、大きくなり、変形して、エルフの体を拘束した。
「わからないのかい?私が哀れだと言っているのは今君が置かれている状況にじゃない。上を見てみなよ」
拘束された混乱で状況が理解できていない様子だったエルフは黙って言うことを聞く。
「イシリオン?」と、つぶやくエルフ。
空からは一人のエルフが降りてきていた。
「自分のことを大事にしてくれて、助けてくれようとしてくれてる人がいるのに」
「……」
次の瞬間、六人のエルフが現れた。
頭上を見上げながらエルフは一瞬漠然とし、次の瞬間には騒がしさを取り戻した。
「うるせえええ!いいか!私が化けていた子供の身柄はこっちで預かってある!殺されたくなければ私達の家に来い!」
その声の大きさは、いろんな感情を無理やり抑え込もうとしているように見えた。
「紅葉、もう用はすんだろ?戻ってこい。決戦の場所はここじゃない。」
「うん。ごめんイシリオン。」
そう言って拘束を解かれた紅葉と呼ばれたエルフは立ち去っていった。
「紅葉っていうんだ。あの人。」
「なに?テンリくん!気になってるの!????」
「なってないです!いい感じの雰囲気だったの一気にゆるくするのやめません!?」
そんな一瞬にしてくだらない空気になったテンリの家だった。
* * *
エルフたちは、風の魔法のようなものを足から出し、宙を舞いながら家に向かって飛んでんでいる。
先程テンリの家から飛び立った一行だ。
「イシリオン。勝手に行動してごめんなさい。」
「今回は許す。相手も弱くない、殺されていてもおかしくなかった。お前も含めてここにいる皆が死ぬことは許さない。傷つけられることもさせない。」
そう言ってイシリオンは飛ぶ速度を上げ、前の方にいってしまう。
彼女たちは準備をする。近いうちにやってくるテンリ一行を迎え撃つ準備を。
「任せて!」
と、明るい顔で反応するアマテのそばで、他の三人は疲れ切ったといった様子で佇んでいた。
「元気よね。アマちゃんは。」
「僕はヘトヘトだよ。ほんとに。」
「そうですね。神様の体力半端ない。」
「テンリくんはまだ若いんだからもう少し頑張りなさいよ。」
「帰宅部だったもので、体力はそんなに。」
「帰宅部って何だい?」
「あー、えっと、ナルハヤで帰る人達ですかね。」
「へー。」
などと、体力皆無組で話していると、アマテが男の子を連れてやってくる。
「テンリ、この子がフェニとクウリを見たいらしいんだけど、いい?」
危険かな?と思ったが、フェニとクウリは俺の言う事を聞いてくれるから大丈夫だろうと思う。
「いいよ。行こうか。」
俺たちは自宅へと向かう。
アマテと手を繋ぐ少年の顔が不気味な笑みを浮かべている。
その事に気がついたのは、俺でもなく、アマテでもなく、クウリだった。
自宅につき、少年と一緒にクウリとフェニの所、屋上に到着すると、突如として
「キュアアアアアアア!!!!」と、クウリが鳴いたいたのだ。
いつの間にか立派になったクウリの鳴き声で、少女を威嚇する。
クウリが警戒するのは。
「お前誰だ?」
俺は聞いた。
「バレちゃったかぁ。久しぶりだな、短剣使い!」
少年の姿から、エルフの容姿を持ち、しかし頭に角、そして心なしか長い犬歯。という格好に変化する。
「あなたはこの前の襲撃でテンリに話しかけてた人?」
「そのとおりだ!自称神様」
「自称じゃないよ?」
「黙れ!」
そう言ってエルフがアマテに斬りかかる。
アマテはそれを光の塊で防ぐ。
「落ち着いてよ、一体何にそんなに怯えてるの?」
「うるせぇ!私は失敗できない!でもこの前失敗した!だからもっと頑張らないと!また怒られる!」
「そっか。君。哀れだねぇ。」
アマテがそう静かに言う。神々しいモードだ。
「煽ってんのかてめぇはああああああ!」
と、激怒してエルフはアマテに斬りかかる。
刹那。アマテの光が、大きくなり、変形して、エルフの体を拘束した。
「わからないのかい?私が哀れだと言っているのは今君が置かれている状況にじゃない。上を見てみなよ」
拘束された混乱で状況が理解できていない様子だったエルフは黙って言うことを聞く。
「イシリオン?」と、つぶやくエルフ。
空からは一人のエルフが降りてきていた。
「自分のことを大事にしてくれて、助けてくれようとしてくれてる人がいるのに」
「……」
次の瞬間、六人のエルフが現れた。
頭上を見上げながらエルフは一瞬漠然とし、次の瞬間には騒がしさを取り戻した。
「うるせえええ!いいか!私が化けていた子供の身柄はこっちで預かってある!殺されたくなければ私達の家に来い!」
その声の大きさは、いろんな感情を無理やり抑え込もうとしているように見えた。
「紅葉、もう用はすんだろ?戻ってこい。決戦の場所はここじゃない。」
「うん。ごめんイシリオン。」
そう言って拘束を解かれた紅葉と呼ばれたエルフは立ち去っていった。
「紅葉っていうんだ。あの人。」
「なに?テンリくん!気になってるの!????」
「なってないです!いい感じの雰囲気だったの一気にゆるくするのやめません!?」
そんな一瞬にしてくだらない空気になったテンリの家だった。
* * *
エルフたちは、風の魔法のようなものを足から出し、宙を舞いながら家に向かって飛んでんでいる。
先程テンリの家から飛び立った一行だ。
「イシリオン。勝手に行動してごめんなさい。」
「今回は許す。相手も弱くない、殺されていてもおかしくなかった。お前も含めてここにいる皆が死ぬことは許さない。傷つけられることもさせない。」
そう言ってイシリオンは飛ぶ速度を上げ、前の方にいってしまう。
彼女たちは準備をする。近いうちにやってくるテンリ一行を迎え撃つ準備を。
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