上 下
28 / 40
海の世界で呪い解き

13

しおりを挟む
 俺たちは順調に国造りを勧めていた。
 まず、メガネの知人が50人ほどやってきた。
 国は騒がしくなってきた。

「こんだけ人数がいるなら村作りません?」
「そうだねぇ。僕もそう思っていた。作ろう、村。」

 ということでむらづくりの始まりだ。
 まず一本の道を敷き、そこから枝分かれさせ、道を作り、道のそばに家を立てる。
 とりあえず家を立てたい場所の希望を取ると、大喧嘩になった。
 結果、こんなふうに決まった。

「じゃっんけっん!うおらぁあああああ!!」

 といった感じだ。

 なんとか家を立てる位置が決まると、次は皆それぞれの仕事場と、仕事帰りの飲み屋らしきものを求めた。
 俺も仕事が欲しかったため、何でも屋をやってみることにした。
 自分の家(あの10階分削ぎ落とした家)の玄関に掲示板を貼り、そこに以来を書いて貼ってもらう。
 そんなプランを立て、俺は木材を削り始めた。

「案外疲れるなこれ。」と言いつつもスピードバフがついている俺は十分ちょっとほどで削り終えてしまった。

 その掲示板を外に置き、何でも屋を始めたぞ、と皆に言って回る。
 そうこうしているうちに、村は完成し、村の外壁として柵を置いたいい感じの村が出来上がった。
 イヴァンの二回目の能力で作った噴水が村中心に立つ、そしてその周りにたくさんの家。

 そして俺はイヴァンとユリさんとアマテと座り込んで雑談をしていた。
 俺の手伝いで何でも屋をしている三人と俺は依頼がないと暇なのだ。
 
「私達の家はこの村の中心地みたいね。」
「そうですね、ちょうどいかだのど真ん中に建ってますし」
「僕の村が。大きくなってゆく。」
「イヴァン、私が長の契約のはずでしょ?」というアマテのツッコミにイヴァンは小さく「うっ」といってから続けた。

「なら君たちはこの国を世界一大きくしてくれよ。そうすれば僕は世界一大きい国の大工の長だ。そのくらいで我慢しておくよ。」
「いきなり謙虚になったわねぇ。昔っから一番じゃなきゃ気がすまなかったイヴァンが。」
「大工の中では一番になるってことだよ!」
「あらそう」
「自分から驚いといて反応薄!」

 と、その時、何でも屋に依頼の紙を貼っていく人の姿が見えた。

「お、ようやく依頼が来た。行きますか」
「そうね」

 俺たちは掲示板に近づく。
 依頼を読み、達成するため出かける。
 ここまで平和になるまでに二ヶ月。長いようで短かった。


*  *  *

「イシリオン!」
「どうした?」
「紅葉が、紅葉がいない!」
「なっ!」
「次の任務がまたあの出来立ての国のことだってわかった途端なにか顔色が変わって。少し目を話した隙に。」
「先走ったのか?何にせよ目的地はあのいかだだろう。急ぐぞ。皆にも声をかけろ。」
「うん!」

 イシリオンはフードを深く被り、他のエルフよりも一足先にいかだに向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。 世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。 その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。 裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。 だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。 そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!! 感想大歓迎です! ※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...