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「おはよー」
「おはよう!」
気持ちのいい挨拶が聞こえてくる。俺といちばん無関係なもの。友情築いて馬鹿やって部活して恋愛して。
全くもって俺とは無関係な話だった。友達いない部活してない恋愛出来ないの三拍子、それが俺だ。
小学校の頃夢だったサッカー選手は諦めた、中学高校の夢だった小説家も諦めた。
俺は将来何をやっているのだろうか。
いや、何ならできるのだろうか。
そんなくだらないことを考えながら学校の校門を潜り、いつもと変わらない退屈な一日が始まる。
授業中は窓の外をみて時間を潰す。掃除は適当に済ませる。
どうこうしていると下校時刻が来て本を読みながら帰宅する。
··········退屈だ。
どうせ明日も何も無い。退屈な一日が待ってるんだ。いっそ転生したいな。
俺はいつものように眠りについた。
「起きなよ誘木天璃」
いきなりそう声がしたので、重い瞼を開ける。
「ん·····誰だよ、こんな時間に·····]
寝ぼけていて何が何だかわからなかったが、それでも徐々に状況がわかってくる。
誰かいる?
「って、え?お前!なんで家の中にいるんだ?!いや、そもそも誰?そんでなんで名前知ってる?!」
横たわっている俺の体に人間が乗っかっていた。
しゃがまれているのに、不思議と重さはない。
「お、落ち着きなよ天璃」
「気安く名前で呼ぶな!それとお前誰!」
「ちょっと天璃、近所迷惑だよ」
「俺は近所迷惑であんたは不法侵入だ!」
「はは、上手いこと言うね!!」
「そんな上手いか?!」
少し黙って状況を理解しようとするが、全然理解できない。泥棒?変態?·····
「少し落ち着いてくれたかな?とりあえず状況を説明させて欲しいんだけど。」
「全然落ち着いてないけど説明はして欲しいかな」
「よし、じゃあまずは自己紹介といこう!僕はニルゼン。神様さ、今は八つの世界を任されてる」
「··········は?」
―――何を言ってるんだ?こいつ。重度の中二病なのか?
「その反応はいくら神でも傷つくなぁ。質問があるならちゃんと言葉で言いなよ。」
「いやいやいや!まて!質問しかない!あんたが神?世界を任される?」
「ああ、そうだったね、地球人は何も知らないんだった。じゃあ説明するよ、
僕が神様ってのはそのままだよ。それから世界を任されるってことなんだけど、神様にはそれぞれ任されてる土地があるんだ。神様は任された土地で神として祀られる。その任される土地の量とか場所とかってのは神様のヒエラルキーの上に行けば行くほどいいのが貰えるんだよ。それで僕は今地球が存在している世界含める八つの世界を任されてる。」
「理屈はわかったけどスケールがデカすぎてよくわかんないよ」
「んー、今以上に詳しい説明は僕にはできないよ。だからいつか理解してね」
ニルゼンは微笑む。
「え?…うん?」
「はは、まぁいいや。それよりなんで気高き神様が君みたいな一般平民に話しかけてるのか?とか知りたくない?」
「確かにちょっと気になるな。」
「答えてあげるよ。僕は君を僕の世界に転移させるために来た。今僕の世界は平和だ。本物の平和ではない、偽りのね。何も変わったことは起こらない。毎日暇。
まさに今の君だね。君みたいな下等生物に話しかけるのは君が転移させやすい体質だだったから。君は僕の世界に行ってそこの退屈を解消してくれ」
「なんで来たかはわかったけどしれっと俺の価値を下げるな!誰が下等生物だ!一般平民は否定しないけど!」
「むぅ、君こそ神様にその口の聞き方はなんだい?」
ニルゼンは口をとがらせる。
「いまだに信じられてないんだよ、いきなり家の中に不法侵入してきたやつが神様だなんてさ」
「まぁそれはそうだね。そんな変人とコミュニケーションとろうとしてる君はなかなか凄いねぇ」
そうじゃん。なんで俺こいつと仲良く話してんだ?
「そーかもな。そんで、ニルゼンは俺を転移させたいんだっけ?」
「その通り、君が合意すればすぐにでもさせてあげるよ」
転移するに決まってる。どうせいつまでも退屈なら、転移した方が楽しいに決まってる。
「わかった。もし本当にあんたが神様なら、俺を転移させてくれよ」
「もっと迷うかと思ったけどなぁ。いいでしょう。君を転移させてあげよう」
神はニコリと笑った。その顔は底が見えないと言う表現がぴったりだと思う。仏頂面のままそっと口だけ微笑んだ
その姿を見て俺の体は震えた。直感でわかった。
こいつは本物の神だ……
「そんじゃ、行ってらっしゃい。僕が造った夢の国へ」
ニルゼンの指から光の玉が出てくる。その光の玉はニルゼンの指の先で膨張し続ける。
光の玉はついにニルゼンの指の先で弾けた。
弾けた光の玉は無数の小さい光の玉となり、俺を包み込んでいく。
視界が白に染まった。ニルゼンの声がする。
「転生神ニルゼンの名において、誘木天璃を我が領域に招き入れる。Summon to the realm」
ニルゼンはやけに長い呪文を噛むことなくいい切る。
するとワンテンポ遅れて意識が薄れ始めた。白から黒に変わる視界を漠然と見つめていた。
意識がどぎれる寸前でまた声がする。
「それじゃ誘木天璃、いい旅を。あ、あいつによろしくね」
あいつ?と聞き返したかったが、もう口は動かない。
意識は完全に塗りつぶされた。
「おはよう!」
気持ちのいい挨拶が聞こえてくる。俺といちばん無関係なもの。友情築いて馬鹿やって部活して恋愛して。
全くもって俺とは無関係な話だった。友達いない部活してない恋愛出来ないの三拍子、それが俺だ。
小学校の頃夢だったサッカー選手は諦めた、中学高校の夢だった小説家も諦めた。
俺は将来何をやっているのだろうか。
いや、何ならできるのだろうか。
そんなくだらないことを考えながら学校の校門を潜り、いつもと変わらない退屈な一日が始まる。
授業中は窓の外をみて時間を潰す。掃除は適当に済ませる。
どうこうしていると下校時刻が来て本を読みながら帰宅する。
··········退屈だ。
どうせ明日も何も無い。退屈な一日が待ってるんだ。いっそ転生したいな。
俺はいつものように眠りについた。
「起きなよ誘木天璃」
いきなりそう声がしたので、重い瞼を開ける。
「ん·····誰だよ、こんな時間に·····]
寝ぼけていて何が何だかわからなかったが、それでも徐々に状況がわかってくる。
誰かいる?
「って、え?お前!なんで家の中にいるんだ?!いや、そもそも誰?そんでなんで名前知ってる?!」
横たわっている俺の体に人間が乗っかっていた。
しゃがまれているのに、不思議と重さはない。
「お、落ち着きなよ天璃」
「気安く名前で呼ぶな!それとお前誰!」
「ちょっと天璃、近所迷惑だよ」
「俺は近所迷惑であんたは不法侵入だ!」
「はは、上手いこと言うね!!」
「そんな上手いか?!」
少し黙って状況を理解しようとするが、全然理解できない。泥棒?変態?·····
「少し落ち着いてくれたかな?とりあえず状況を説明させて欲しいんだけど。」
「全然落ち着いてないけど説明はして欲しいかな」
「よし、じゃあまずは自己紹介といこう!僕はニルゼン。神様さ、今は八つの世界を任されてる」
「··········は?」
―――何を言ってるんだ?こいつ。重度の中二病なのか?
「その反応はいくら神でも傷つくなぁ。質問があるならちゃんと言葉で言いなよ。」
「いやいやいや!まて!質問しかない!あんたが神?世界を任される?」
「ああ、そうだったね、地球人は何も知らないんだった。じゃあ説明するよ、
僕が神様ってのはそのままだよ。それから世界を任されるってことなんだけど、神様にはそれぞれ任されてる土地があるんだ。神様は任された土地で神として祀られる。その任される土地の量とか場所とかってのは神様のヒエラルキーの上に行けば行くほどいいのが貰えるんだよ。それで僕は今地球が存在している世界含める八つの世界を任されてる。」
「理屈はわかったけどスケールがデカすぎてよくわかんないよ」
「んー、今以上に詳しい説明は僕にはできないよ。だからいつか理解してね」
ニルゼンは微笑む。
「え?…うん?」
「はは、まぁいいや。それよりなんで気高き神様が君みたいな一般平民に話しかけてるのか?とか知りたくない?」
「確かにちょっと気になるな。」
「答えてあげるよ。僕は君を僕の世界に転移させるために来た。今僕の世界は平和だ。本物の平和ではない、偽りのね。何も変わったことは起こらない。毎日暇。
まさに今の君だね。君みたいな下等生物に話しかけるのは君が転移させやすい体質だだったから。君は僕の世界に行ってそこの退屈を解消してくれ」
「なんで来たかはわかったけどしれっと俺の価値を下げるな!誰が下等生物だ!一般平民は否定しないけど!」
「むぅ、君こそ神様にその口の聞き方はなんだい?」
ニルゼンは口をとがらせる。
「いまだに信じられてないんだよ、いきなり家の中に不法侵入してきたやつが神様だなんてさ」
「まぁそれはそうだね。そんな変人とコミュニケーションとろうとしてる君はなかなか凄いねぇ」
そうじゃん。なんで俺こいつと仲良く話してんだ?
「そーかもな。そんで、ニルゼンは俺を転移させたいんだっけ?」
「その通り、君が合意すればすぐにでもさせてあげるよ」
転移するに決まってる。どうせいつまでも退屈なら、転移した方が楽しいに決まってる。
「わかった。もし本当にあんたが神様なら、俺を転移させてくれよ」
「もっと迷うかと思ったけどなぁ。いいでしょう。君を転移させてあげよう」
神はニコリと笑った。その顔は底が見えないと言う表現がぴったりだと思う。仏頂面のままそっと口だけ微笑んだ
その姿を見て俺の体は震えた。直感でわかった。
こいつは本物の神だ……
「そんじゃ、行ってらっしゃい。僕が造った夢の国へ」
ニルゼンの指から光の玉が出てくる。その光の玉はニルゼンの指の先で膨張し続ける。
光の玉はついにニルゼンの指の先で弾けた。
弾けた光の玉は無数の小さい光の玉となり、俺を包み込んでいく。
視界が白に染まった。ニルゼンの声がする。
「転生神ニルゼンの名において、誘木天璃を我が領域に招き入れる。Summon to the realm」
ニルゼンはやけに長い呪文を噛むことなくいい切る。
するとワンテンポ遅れて意識が薄れ始めた。白から黒に変わる視界を漠然と見つめていた。
意識がどぎれる寸前でまた声がする。
「それじゃ誘木天璃、いい旅を。あ、あいつによろしくね」
あいつ?と聞き返したかったが、もう口は動かない。
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