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1話

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毎日毎日退屈だった…職務をこなし、会議に出て、人間と戦争をしたり面倒くさい日々を送っていた。そんな事に飽きた俺は職務、会議を下のものに任せて人間に化け冒険者をして遊んでいた。そして遂にこの面倒臭い事から解放される時がきた。








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「魔王様!また人間界に降りていましたね!あれほど行っては行けませんとおっしゃいましたよね!?」
と幹部の一人セバーヌが人間界から帰ってきた俺にそう怒鳴ってきた。
「良いじゃん…俺別に戦争しなくても良いし…仕事面倒臭いし…」
と俺まぁ魔王がそう言った。だってぶっちゃけ戦争なんて面倒臭いのしたくないし魔王の座なんて要らないしと心の中で俺は言い訳を言う。
「セバーヌ様ーーーー!大変です!」
とセバーヌの部下の一人が慌てて走ってきた。
「どうした?ソラ」
「どうしたんだ?」
と俺とセバーヌはそう言った。
「陛下も居ましたか…実はですね…魔王候補が今誕生しました!一級の鑑定師に…確認を取りましたので間違いありません!」
と息を切らしながらセバーヌの部下ソラはそう言った。俺は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
「それは真か!」
とセバーヌも驚いている。
「やったぜ!これでこの面倒な魔王の座はその魔王候補のものだ!俺はこれからのんびり生きれるぜ!セバーヌ今まで世話になったな!」
と言って俺は城を出ようとした。しかしそれはセバーヌに首根っこを掴まれて叶わなかった。
「離せッー!セバーヌ!俺はこれからのんびり生きるんだーー!!」
と逃げようと踠くが逃げれない。
「このバカ魔王が!今誕生したばかりの赤子に魔王の座を譲だと!阿呆なのか!」
と耳元でまた怒鳴ってきた。
流石に耳が痛かった。俺は渋々部屋に戻って職務をこなした。勿論逃げられないようにセバーヌが見張っていた。






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あれから数年の時が過ぎた。魔王候補もすくすく育ち、剣の腕も魔法の腕も天才的だった。次世代の魔王候補は今の魔王に匹敵するだろうと周りが言っていた。
「セバーヌ!これで引退出来るよな!なぁ!」
と書類を持ってきたセバーヌに机から乗り出してそう言った。
「はぁ~まだ諦めていなかったのですか…魔王様…」
とため息を吐きながら机に書類を置きながらセバーヌは言う。
「諦めるわけないぞ!今すぐにでも辞めたいくらいだ!」
と胸を張って俺は自信満々に辞めることを言う。
「どこで碌でもない魔王様になられたのやら…」
とセバーヌがボソりと言った。
フハハハハハ!と魔王は高笑いをしている。
「後三十年程は辞めないでくださいね…仕事が全部私に回ってきますから」
と言ってセバーヌは部屋を出ていった。
後三十年も待ってられるか!!さっさと継承式を終わらせて辞めてしまおう…さて、どうやろうか?セバーヌには悪いが俺は早く辞めたいのだ!そうだっ!諦めたと思わせてこっそり継承式を終わらせて逃げようと魔王は去るための準備を始めるのだった。
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