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第一章
第一章20「ある女の研究」
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研究所に入ると、そこは自然にあふれていた。
どこを見ても緑があり、逆に住みやすそうな感じがした。
なぜか天井は開いており、太陽の光が差し込んでいた。
「それで、あなたは何を研究しているんですか?」
女は上を指さす。
「上?」
「そう。私はあの浮島について研究している。」
ビンゴだ。天井が開いていたのもあの浮島を観察するためだったのだ。
「それについて詳しく聞いてもいいですか?」
「もちろんだ。」
それから女の長い話が始まった。
「私があの浮島に興味を持ちだしたのは2年前だ。理由は特にない。たまたま上を見たら何かがあったから研究しだしたってわけだ。それで2年間研究をしてきて、分かったことがたくさんある。まずは、あの浮島が移動している、ということだ。当然大陸に固定されていないから移動するが大きな発見だと思う。本命はここからだ。―――あの島を行き来している何者かがいる。見たら分かる通りかなり遠い場所にあるから何が行き来しているのかがまるで分らない。それを望遠鏡で観察しようとしているのが現状だ。簡単に言ったらこのようなものだが、興味を持ってくれたかな?」
「はい!」
珍しくリアが返事をする。
「お。やっと話してくれたね。で、君はどうだったかな。」
「実は俺たちはあの浮島に行きたいんだ。それで今この町であの浮島の情報を集めていた。そこであなたに出会った。当然、興味を持ったよ。ありがとう。」
少し偉そうになってしまったが興奮を抑えられないから仕方がない。
「そうなのか!なら先に言ってほしかったが、あの浮島に行くなら私も色々と手伝う。まだいろんな情報を持っているからな。もしよかったらでいいんだが一緒に浮島に連れてってくれないか?」
「どうだ?リア。」
「いいじゃん!」
「そういうことらしい。」
「ありがとう!長年の夢が叶いそうだよ!」
女と握手を交わす。
「そういえば名前を言ってなかった。私はナタンテ。呼び捨ていいよ。」
「俺はセイナでこっちはリアです。これからよろしく、ナタンテ。」
呼び捨てだと少し引っかかるが馴れるとしよう。
「ところでナタンテ、戦えたりするタイプの人?」
「自画自賛にはなるけど、この町にいる以上魔法はかなり自信があるよ。」
そういえばこの町は魔法の技術がすごい町だった。
一部の人だけかと思っていたがそうではないらしい。
「それじゃあ浮島の決行について話し合いをしようか。私が先ほど言った浮島を行き来している者は1週間周期で行き来している。今は6日目だ。だから2日後行くのが良いと思う。」
「なるほど。一週間周期。考えても仕方ないから2日後に行くとするか。それでいいか、リア。」
「うん!」
「マグ・グラシエス!」
リアが氷の槍を放つ。
しかし、相手にはあまりダメージが通っていないように見える。
「マグ・ベンツ」
ナタンテも自慢の風魔法を放つ。
相手は吹き飛んだが、すぐにも反撃が来そうな雰囲気がある。
なぜこんな状況になっているのか。
それは、2日経ち、浮島に攻め入っているからである。
攻め入っているのは相手の視点である。
俺達からしたら訪問という単語が正しいだろう。
島に到着した途端、命を狙われた。
故に戦闘を強いられている。流石の俺でもあれとはコミュニケーションを取れそうにない。
だだっ広い陸地で戦闘中だが、相手の奥に何かしらの建物が見える。
建物を守るような位置に相手がいて厄介、というのが今の状況だ。
打開するには協力するしかないと思う。なぜなら相手からはとんでもない覇気を感じるからだ。
この覇気は、『ナイルズ』の監視役よりも強いと思う。
なぜそんなことが言えるのか、それは相手を見れば一目瞭然だ。
その相手は、ドラゴンなのである。
ドラゴンに勝てる人類などいるのだろうか。いくら魔法があれど無理なのではないか。
そう思うが、この世界はそうではないらしい。
魔法をうまく使えれば、ドラゴンでも倒せるらしい。
なんと努力型の人間に有利な世界なのだろう。
いつものように作戦を考えるが、今回は味方が3人であり、作戦の幅が広がる。
故に迷ってしまう。
前と同じように、上級闇魔法を使い、混乱させてから仕留める。というのもありだと思うが、ドラゴンに状態異常が聞くのかが怪しい。
単純に火力ゴリ押しも面白そうだが、それでは今後が心配だ。
このドラゴンを倒してからの第二フェーズがある可能性も考えて行動するべきである。
色々と思考を巡らしていると、ナタンテが話しかけてきた。
「セイナ。私の作戦なんだがもしよかったら採用してくれ。」
なるほど。その手があったか。そういえば試験の時にも―――。
「リア。―――――。」
「なるほど!すぐに吸収するのが大事だね。」
「行くぞ!」
「「「マグ・トランス・クラシオ」」」
3人同時詠唱により、魔法がより強力になり、ドラゴンが内部から崩壊する。
作戦が功を奏した。
試験の時にリアが受けたトランス・クラシオ。それを上級魔法にし、3人で詠唱する。
俺じゃ思いつかなかった。
「ありがとう。ナタンテのおかげで勝てたよ。」
「そんなことないよ。治癒魔法の反転はよく使う魔法だからすぐに思いついただけだよ。」
よく使う魔法なのか。試験の時まで知らなかった。あの受付の人も知らなかったと考えていいだろう。
そんなことはいい、目の前のドラゴンが消滅し、謎の建物への道が開かれた。
建物に向かって、3人は歩みだす。
どこを見ても緑があり、逆に住みやすそうな感じがした。
なぜか天井は開いており、太陽の光が差し込んでいた。
「それで、あなたは何を研究しているんですか?」
女は上を指さす。
「上?」
「そう。私はあの浮島について研究している。」
ビンゴだ。天井が開いていたのもあの浮島を観察するためだったのだ。
「それについて詳しく聞いてもいいですか?」
「もちろんだ。」
それから女の長い話が始まった。
「私があの浮島に興味を持ちだしたのは2年前だ。理由は特にない。たまたま上を見たら何かがあったから研究しだしたってわけだ。それで2年間研究をしてきて、分かったことがたくさんある。まずは、あの浮島が移動している、ということだ。当然大陸に固定されていないから移動するが大きな発見だと思う。本命はここからだ。―――あの島を行き来している何者かがいる。見たら分かる通りかなり遠い場所にあるから何が行き来しているのかがまるで分らない。それを望遠鏡で観察しようとしているのが現状だ。簡単に言ったらこのようなものだが、興味を持ってくれたかな?」
「はい!」
珍しくリアが返事をする。
「お。やっと話してくれたね。で、君はどうだったかな。」
「実は俺たちはあの浮島に行きたいんだ。それで今この町であの浮島の情報を集めていた。そこであなたに出会った。当然、興味を持ったよ。ありがとう。」
少し偉そうになってしまったが興奮を抑えられないから仕方がない。
「そうなのか!なら先に言ってほしかったが、あの浮島に行くなら私も色々と手伝う。まだいろんな情報を持っているからな。もしよかったらでいいんだが一緒に浮島に連れてってくれないか?」
「どうだ?リア。」
「いいじゃん!」
「そういうことらしい。」
「ありがとう!長年の夢が叶いそうだよ!」
女と握手を交わす。
「そういえば名前を言ってなかった。私はナタンテ。呼び捨ていいよ。」
「俺はセイナでこっちはリアです。これからよろしく、ナタンテ。」
呼び捨てだと少し引っかかるが馴れるとしよう。
「ところでナタンテ、戦えたりするタイプの人?」
「自画自賛にはなるけど、この町にいる以上魔法はかなり自信があるよ。」
そういえばこの町は魔法の技術がすごい町だった。
一部の人だけかと思っていたがそうではないらしい。
「それじゃあ浮島の決行について話し合いをしようか。私が先ほど言った浮島を行き来している者は1週間周期で行き来している。今は6日目だ。だから2日後行くのが良いと思う。」
「なるほど。一週間周期。考えても仕方ないから2日後に行くとするか。それでいいか、リア。」
「うん!」
「マグ・グラシエス!」
リアが氷の槍を放つ。
しかし、相手にはあまりダメージが通っていないように見える。
「マグ・ベンツ」
ナタンテも自慢の風魔法を放つ。
相手は吹き飛んだが、すぐにも反撃が来そうな雰囲気がある。
なぜこんな状況になっているのか。
それは、2日経ち、浮島に攻め入っているからである。
攻め入っているのは相手の視点である。
俺達からしたら訪問という単語が正しいだろう。
島に到着した途端、命を狙われた。
故に戦闘を強いられている。流石の俺でもあれとはコミュニケーションを取れそうにない。
だだっ広い陸地で戦闘中だが、相手の奥に何かしらの建物が見える。
建物を守るような位置に相手がいて厄介、というのが今の状況だ。
打開するには協力するしかないと思う。なぜなら相手からはとんでもない覇気を感じるからだ。
この覇気は、『ナイルズ』の監視役よりも強いと思う。
なぜそんなことが言えるのか、それは相手を見れば一目瞭然だ。
その相手は、ドラゴンなのである。
ドラゴンに勝てる人類などいるのだろうか。いくら魔法があれど無理なのではないか。
そう思うが、この世界はそうではないらしい。
魔法をうまく使えれば、ドラゴンでも倒せるらしい。
なんと努力型の人間に有利な世界なのだろう。
いつものように作戦を考えるが、今回は味方が3人であり、作戦の幅が広がる。
故に迷ってしまう。
前と同じように、上級闇魔法を使い、混乱させてから仕留める。というのもありだと思うが、ドラゴンに状態異常が聞くのかが怪しい。
単純に火力ゴリ押しも面白そうだが、それでは今後が心配だ。
このドラゴンを倒してからの第二フェーズがある可能性も考えて行動するべきである。
色々と思考を巡らしていると、ナタンテが話しかけてきた。
「セイナ。私の作戦なんだがもしよかったら採用してくれ。」
なるほど。その手があったか。そういえば試験の時にも―――。
「リア。―――――。」
「なるほど!すぐに吸収するのが大事だね。」
「行くぞ!」
「「「マグ・トランス・クラシオ」」」
3人同時詠唱により、魔法がより強力になり、ドラゴンが内部から崩壊する。
作戦が功を奏した。
試験の時にリアが受けたトランス・クラシオ。それを上級魔法にし、3人で詠唱する。
俺じゃ思いつかなかった。
「ありがとう。ナタンテのおかげで勝てたよ。」
「そんなことないよ。治癒魔法の反転はよく使う魔法だからすぐに思いついただけだよ。」
よく使う魔法なのか。試験の時まで知らなかった。あの受付の人も知らなかったと考えていいだろう。
そんなことはいい、目の前のドラゴンが消滅し、謎の建物への道が開かれた。
建物に向かって、3人は歩みだす。
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