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第一章
第一章18「試験」
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「まずは見せてもらうだけでいい。」
急に偉そうに指示し始めた。
この試験に合格出来たら魔級という最上級魔法を撃てるようになるかもしれない。
「属性は何でもいいのか?」
「ああ。じゃあ氷をお願いするよ。」
「どっちが撃てばいい?」
「どっちでもいいさ。でも、この試験中に一人一回は撃ってくれよ?」
「じゃあリア、頼めるか?」
「任せてよ!――行きますよー。マグ・グラシエス!」
だだっ広い草原に場違いな氷の隕石が現れ、空に向かって飛んでいく。
「すごい!!本当に上級だ!!じゃあ次はあそこにある木に風魔法を当ててくれ。もちろん上級で頼む!」
「リア。もう一回いいか?俺は正確さに自信がない。」
「しょうがないなー。行きますよー。マグ・ベンツ!!」
途轍もなく速い風の矢が2キロほど離れている木を打ち抜く。
そして、木が上下に割れた。
「すごいな!じゃあ次はあそこに飛んでいる鳥モンスターを炎で倒してくれ!!」
「これは俺の専門分野だ!!行くぞ。マグ・フラマ!!」
細く圧縮された炎の渦が鳥型モンスターに直撃し、灰に変わる。
「すごいな!!じゃあ―――」
「もういいんじゃないですか?」
「じゃあ最後だ。俺と戦い、勝ってみろ。もちろん、殺すの話な。降参を言わせた方が勝ちだ。」
「2対1だぞ?いいのか?」
「構わないよ。さあかかってきな!」
何か作戦でもあるのか、こちらの魔法を見られた限り、先制攻撃を仕掛けたいところだが。
相手がタダモノではないのは見ているだけで分かる。オーラ、なんてものはないがまるであるかのように思えてくる。
「グラシエス。」
先制攻撃を取ろうと、リアとアイコンタクトを取っている間に詠唱が聞こえた。
しかし、聞こえたのは初級魔法の詠唱だった。
なんだ、初級か。
そう油断していた。
その瞬間、周囲が氷になる。いや、氷漬けにされている。
「セイナ!!」
隣からリアの声が聞こえるが顔が氷に覆われていて振り向くことができず、口が凍っていて詠唱もできない。
リアが炎魔法を撃って氷を融かさないということは、リアに標的が向き、戦闘が行われていると思われる。
初級魔法であの威力なら上級なんて使ったらどうなってしまうのか。
「マグ・グラシエス!!」
「それはもう見た。」
男は半身になり、氷柱を回避する。
そして、
「トランス・クラシオ。」
そう聞いてリアは疑問を浮かべた。
どうして治癒魔法を使ったのだろうか、と。
しかし、途端、リアの内側から痛みが襲い掛かる。
「グラシエス。」
二人とも氷漬けになってしまった。
幸か不幸か、顔は凍っていなかったので、
「降参!!!」
「分かった。フラマ。お前らなら可能かもしれない。魔級の詠唱を教えてあげよう。」
可能?何を考えているのか、少し引っ掛かるが、教えてもらえるなら十分だ。
「ちょっと待ってくれ。感想戦みたいなのはできないか?」
「感想戦?感想を言えばいいのか?まあ弱かった。あと気になるところがあるならそのスライムくらいだ。」
スライムがいることを見抜かれていた。
「そういうことじゃない。俺が聞きたいのはどうして初級魔法であんなに俺達はやられたのか、ということだ。」
「あー。なるほど。これは僕の考えだが、この世界の魔法は術者によってかなり左右されると思うんだ。例えば、君たちは魔法を全然使いこなせていない。特にお前だ。」
指をさされた。確かに、リアほど正確さには自信がない。
「初級魔法でも、使い方によっては上級をも超える、これが僕の研究結果だ。」
「なるほどな。ありがとう。沢山学べたよ。それで、魔級の詠唱は教えてくれるのか?」
「もちろんだ。―――魔級の詠唱は、『ディア』だ。試しに撃ってもいいが、死ぬなよ?じゃあな。」
男は町に戻って行った。
さて、どこに行こうか。地図を買っておけばよかったな。この世界がどれくらいの規模なのかがいまだに分からない。
「セイナ!魔級、撃ってみない?」
「死にたいのか?」
「流石に撃てるでしょ。転生者だよ?」
「関係ないと思うが。」
「しかもこの杖もあるし?」
「やめとけ。」
「はーい。―――今からどこにいくの?」
「適当に進む。地図を探しに行く。戦争に巻き込まれたら運が悪かったことにする。行くぞ。」
「それのほうが自殺行為じゃない?!!」
「じゃあそれ以外に何かあるか?」
「じゃああの浮島?みたいな所に飛んでいこうよ!」
「―――浮島?」
よく分からないが浮島、と言うのは浮いている島ということは何とか理解出来たので見上げてみる。
「―――なんだ、あれ?」
「気づいてなかったの?!ずっと上にあったよ?!さすがに夜は見えなかったけど、ずっと気づいてて無視してるかと思ってたよ。」
「知らなかった。―――だが、面白そうだな。リア、風魔法ってあのほうきみたいに飛べるほど使えそうか?」
「いけるよ!この杖もあるしね!」
「なら、もう行くか?」
「やったー!」
急に偉そうに指示し始めた。
この試験に合格出来たら魔級という最上級魔法を撃てるようになるかもしれない。
「属性は何でもいいのか?」
「ああ。じゃあ氷をお願いするよ。」
「どっちが撃てばいい?」
「どっちでもいいさ。でも、この試験中に一人一回は撃ってくれよ?」
「じゃあリア、頼めるか?」
「任せてよ!――行きますよー。マグ・グラシエス!」
だだっ広い草原に場違いな氷の隕石が現れ、空に向かって飛んでいく。
「すごい!!本当に上級だ!!じゃあ次はあそこにある木に風魔法を当ててくれ。もちろん上級で頼む!」
「リア。もう一回いいか?俺は正確さに自信がない。」
「しょうがないなー。行きますよー。マグ・ベンツ!!」
途轍もなく速い風の矢が2キロほど離れている木を打ち抜く。
そして、木が上下に割れた。
「すごいな!じゃあ次はあそこに飛んでいる鳥モンスターを炎で倒してくれ!!」
「これは俺の専門分野だ!!行くぞ。マグ・フラマ!!」
細く圧縮された炎の渦が鳥型モンスターに直撃し、灰に変わる。
「すごいな!!じゃあ―――」
「もういいんじゃないですか?」
「じゃあ最後だ。俺と戦い、勝ってみろ。もちろん、殺すの話な。降参を言わせた方が勝ちだ。」
「2対1だぞ?いいのか?」
「構わないよ。さあかかってきな!」
何か作戦でもあるのか、こちらの魔法を見られた限り、先制攻撃を仕掛けたいところだが。
相手がタダモノではないのは見ているだけで分かる。オーラ、なんてものはないがまるであるかのように思えてくる。
「グラシエス。」
先制攻撃を取ろうと、リアとアイコンタクトを取っている間に詠唱が聞こえた。
しかし、聞こえたのは初級魔法の詠唱だった。
なんだ、初級か。
そう油断していた。
その瞬間、周囲が氷になる。いや、氷漬けにされている。
「セイナ!!」
隣からリアの声が聞こえるが顔が氷に覆われていて振り向くことができず、口が凍っていて詠唱もできない。
リアが炎魔法を撃って氷を融かさないということは、リアに標的が向き、戦闘が行われていると思われる。
初級魔法であの威力なら上級なんて使ったらどうなってしまうのか。
「マグ・グラシエス!!」
「それはもう見た。」
男は半身になり、氷柱を回避する。
そして、
「トランス・クラシオ。」
そう聞いてリアは疑問を浮かべた。
どうして治癒魔法を使ったのだろうか、と。
しかし、途端、リアの内側から痛みが襲い掛かる。
「グラシエス。」
二人とも氷漬けになってしまった。
幸か不幸か、顔は凍っていなかったので、
「降参!!!」
「分かった。フラマ。お前らなら可能かもしれない。魔級の詠唱を教えてあげよう。」
可能?何を考えているのか、少し引っ掛かるが、教えてもらえるなら十分だ。
「ちょっと待ってくれ。感想戦みたいなのはできないか?」
「感想戦?感想を言えばいいのか?まあ弱かった。あと気になるところがあるならそのスライムくらいだ。」
スライムがいることを見抜かれていた。
「そういうことじゃない。俺が聞きたいのはどうして初級魔法であんなに俺達はやられたのか、ということだ。」
「あー。なるほど。これは僕の考えだが、この世界の魔法は術者によってかなり左右されると思うんだ。例えば、君たちは魔法を全然使いこなせていない。特にお前だ。」
指をさされた。確かに、リアほど正確さには自信がない。
「初級魔法でも、使い方によっては上級をも超える、これが僕の研究結果だ。」
「なるほどな。ありがとう。沢山学べたよ。それで、魔級の詠唱は教えてくれるのか?」
「もちろんだ。―――魔級の詠唱は、『ディア』だ。試しに撃ってもいいが、死ぬなよ?じゃあな。」
男は町に戻って行った。
さて、どこに行こうか。地図を買っておけばよかったな。この世界がどれくらいの規模なのかがいまだに分からない。
「セイナ!魔級、撃ってみない?」
「死にたいのか?」
「流石に撃てるでしょ。転生者だよ?」
「関係ないと思うが。」
「しかもこの杖もあるし?」
「やめとけ。」
「はーい。―――今からどこにいくの?」
「適当に進む。地図を探しに行く。戦争に巻き込まれたら運が悪かったことにする。行くぞ。」
「それのほうが自殺行為じゃない?!!」
「じゃあそれ以外に何かあるか?」
「じゃああの浮島?みたいな所に飛んでいこうよ!」
「―――浮島?」
よく分からないが浮島、と言うのは浮いている島ということは何とか理解出来たので見上げてみる。
「―――なんだ、あれ?」
「気づいてなかったの?!ずっと上にあったよ?!さすがに夜は見えなかったけど、ずっと気づいてて無視してるかと思ってたよ。」
「知らなかった。―――だが、面白そうだな。リア、風魔法ってあのほうきみたいに飛べるほど使えそうか?」
「いけるよ!この杖もあるしね!」
「なら、もう行くか?」
「やったー!」
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