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第一章
第一章8「二度目の西の町」
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昨日戦ったあのモンスター、一番伝えやすく言うなら強化版ゴブリンとでも言っておこうか。そいつはかなりのスピードを持ち、かなりの索敵能力を持っていることが確認できた。
一応特徴は得たがもう二度と対面したくない相手だ。
あいつらは仲間を使い、確実に仕留めてきている。リアの上級魔法がなかったら今頃どうしていただろうか。
そんなことを目覚めてからずっと考えていた。
朝日が窓に差し込み、二人は目を覚ます。
「おはよー。」
「おはよう。ちゃんと寝れたか?」
「うん。バッチリだよ!」
「朝からテンション高いな。」
二人で同じ部屋に泊まったが、そういう展開にはなる訳もない。なぜなら俺達は、この世界を楽しんでいるからだ。そんなことなんて眼中にない。少なくとも俺は。
「今日はどこに行くか真剣に決める必要がありそうだな。戦争している場所に行くなんて自殺行為だからな。昨日みたいに生き残れるかもわからない。」
「今は、北、東が中央と対立しているって話だったね。なら南が安全そうだけど。」
「あの門番が本当のことを話すとは限らない。いろんな人から情報を集めるのが良いと思う。」
「少しは信用したほうが良いんじゃないの?」
「あいつはもう信用ならん。行くぞ。」
「もう行くの?まだ体感9時くらいだよ?!」
「この町だと朝から賑やかだ。時間など関係ない。」
「もー。分かったよ。ちょっと後ろ向いてて。」
「分かったが、なぜ?」
「言いたくない。」
「もういいか?」
「ダメ!!」
いろいろと準備を終え、二人を宿を出て、町を回る。
「すみません。情報が欲しいんですけど。お金払うんで教えてもらえますか?」
「分かってるじゃねえか。それで何についての情報だ?それ次第でいろいろ変わってくる。」
「この世界の戦争状況についてです。」
「残念だが、それは言えねえ。」
「なぜ!!」
「―――。」
「クソがっ!いくぞリア。」
それから5人ほどに話しかけたが反応は一人目と一緒、あの門番を信じるしかなさそうだ。
「やっぱりあの門番の人のことを信じるべきだよ。」
「あぁ。そうするしかなくなった。せめて言えない理由でも教えてくれればよかったんだがな。」
「確かによく分からないよね、お金を拒んでも教えてくれないなんて。もしかしたらこの国も戦争してるとか?」
「こんな国がどこに勝てるっていうんだよ。商人しかいねえんだぞ?」
「そうかは分からないよ。どこに兵隊を隠しているか分からない。そういうことも疑っていくスタイルの人かと思ってたけど。」
「俺もそう考えていたよ。でも、こんだけ回っても城みたいな建物、偉そうなやつがいる気配もしない。こんだけの証拠があって疑っても無駄だと考えたんだ。」
「全然私より先のことを考えてたっぽいね。セイナはすごいね。先のことを考えて、計画を立てて、私は直感型っていうか、そういうのあまり考えれないんだよね。」
「まあお前が本当の直感型だっていうのは知ってる。俺もどうでもいいと思ったことには直感で挑んでる。でも俺達が合わさったら最強だと思うんだが、あとそのスライム。」
「ベスね!確かにこの子ずっと何も食べてないのに元気そう。しかも私の背後を取られた。本当によく分からないモンスターだよ。可愛いからいいけど。」
「油断はするなよ、いつ暴走するかもわからん。」
「暴走なんてする気配しないけど。」
「それを油断っていうんだ。」
「はーい。」
ダルそうに返事する。
さて、これからは南に行くことは決まっているが南にもいろいろと種類がある。いつもの直感で進んでもいいが、偉そうに油断について語ったので今はなるべく止めておきたい。
「で、どっちに進む。南ももしかしたら戦争しているかもしれないが可能性は低いと考えられる。俺の意見としては南東だ。」
「じゃあ南東で。」
「行くか。」
何回もくぐった門を見上げ、あの門番がいるかと思ったがいなかった。
いたところで気まずいだけなのでいなくてよかったという気持ちが強い。
無人門になっているが、今攻め込まれたら確実に崩壊するなと思いつつ、進む。
町を出て、少し左に向き、少し肌寒いのを感じ相方の様子を見るが、大丈夫そうだ。寒さには強いらしい。
これは推論だが、ファンタジー世界で南というと砂漠などの乾燥していて灼熱な印象があるのだが。
その推論が外れることを祈り、
「行ってきます。」
挨拶は本当に大事だと思う。誰とでもできる簡単なコミュニケーションであり、気軽に行える。
しかし、挨拶は無駄だという考えを持つ人もいる。それはどうだろうか。具体的な反論は出せないがとにかく俺は挨拶を大事にしたい男だ。だから、町を出るときにも挨拶を忘れない。
「行ってきます!」
リアも挨拶を返す、特に挨拶する気はなかったがセイナがしていたからした。おそらくそうだろう。
単純な奴だからな。
少し進むと予想とは違う、草原が現れた。そういえば意識していなかったがこの世界は球体なのだろうか。個人的には台形だと嬉しい。なぜかというと前の世界で胡散臭い人たちが地球は丸くないと言っていたからだ。
南に進んでも気候が変わらないということはそういうことなのかもしれない。
道中、何回もモンスターと遭遇したが、ベスのようなバグっているモンスターはいなく、初級魔法で難なく倒していた。
全属性使うと今後何か良いことがあると思い、受付の人から教えてもらった一つを除き、攻撃魔法の全属性の魔法を撃つ。
色が鮮やかで見ていて面白い。
買った杖のおかげで全然体調が悪くならない。
『時』、受付の人が言っていた属性の一つであり、撃てる人がいないらしい。とても興味深く、時魔法について研究したいところだが、俺は冒険者だ。ついでで調べることにしよう。
一応特徴は得たがもう二度と対面したくない相手だ。
あいつらは仲間を使い、確実に仕留めてきている。リアの上級魔法がなかったら今頃どうしていただろうか。
そんなことを目覚めてからずっと考えていた。
朝日が窓に差し込み、二人は目を覚ます。
「おはよー。」
「おはよう。ちゃんと寝れたか?」
「うん。バッチリだよ!」
「朝からテンション高いな。」
二人で同じ部屋に泊まったが、そういう展開にはなる訳もない。なぜなら俺達は、この世界を楽しんでいるからだ。そんなことなんて眼中にない。少なくとも俺は。
「今日はどこに行くか真剣に決める必要がありそうだな。戦争している場所に行くなんて自殺行為だからな。昨日みたいに生き残れるかもわからない。」
「今は、北、東が中央と対立しているって話だったね。なら南が安全そうだけど。」
「あの門番が本当のことを話すとは限らない。いろんな人から情報を集めるのが良いと思う。」
「少しは信用したほうが良いんじゃないの?」
「あいつはもう信用ならん。行くぞ。」
「もう行くの?まだ体感9時くらいだよ?!」
「この町だと朝から賑やかだ。時間など関係ない。」
「もー。分かったよ。ちょっと後ろ向いてて。」
「分かったが、なぜ?」
「言いたくない。」
「もういいか?」
「ダメ!!」
いろいろと準備を終え、二人を宿を出て、町を回る。
「すみません。情報が欲しいんですけど。お金払うんで教えてもらえますか?」
「分かってるじゃねえか。それで何についての情報だ?それ次第でいろいろ変わってくる。」
「この世界の戦争状況についてです。」
「残念だが、それは言えねえ。」
「なぜ!!」
「―――。」
「クソがっ!いくぞリア。」
それから5人ほどに話しかけたが反応は一人目と一緒、あの門番を信じるしかなさそうだ。
「やっぱりあの門番の人のことを信じるべきだよ。」
「あぁ。そうするしかなくなった。せめて言えない理由でも教えてくれればよかったんだがな。」
「確かによく分からないよね、お金を拒んでも教えてくれないなんて。もしかしたらこの国も戦争してるとか?」
「こんな国がどこに勝てるっていうんだよ。商人しかいねえんだぞ?」
「そうかは分からないよ。どこに兵隊を隠しているか分からない。そういうことも疑っていくスタイルの人かと思ってたけど。」
「俺もそう考えていたよ。でも、こんだけ回っても城みたいな建物、偉そうなやつがいる気配もしない。こんだけの証拠があって疑っても無駄だと考えたんだ。」
「全然私より先のことを考えてたっぽいね。セイナはすごいね。先のことを考えて、計画を立てて、私は直感型っていうか、そういうのあまり考えれないんだよね。」
「まあお前が本当の直感型だっていうのは知ってる。俺もどうでもいいと思ったことには直感で挑んでる。でも俺達が合わさったら最強だと思うんだが、あとそのスライム。」
「ベスね!確かにこの子ずっと何も食べてないのに元気そう。しかも私の背後を取られた。本当によく分からないモンスターだよ。可愛いからいいけど。」
「油断はするなよ、いつ暴走するかもわからん。」
「暴走なんてする気配しないけど。」
「それを油断っていうんだ。」
「はーい。」
ダルそうに返事する。
さて、これからは南に行くことは決まっているが南にもいろいろと種類がある。いつもの直感で進んでもいいが、偉そうに油断について語ったので今はなるべく止めておきたい。
「で、どっちに進む。南ももしかしたら戦争しているかもしれないが可能性は低いと考えられる。俺の意見としては南東だ。」
「じゃあ南東で。」
「行くか。」
何回もくぐった門を見上げ、あの門番がいるかと思ったがいなかった。
いたところで気まずいだけなのでいなくてよかったという気持ちが強い。
無人門になっているが、今攻め込まれたら確実に崩壊するなと思いつつ、進む。
町を出て、少し左に向き、少し肌寒いのを感じ相方の様子を見るが、大丈夫そうだ。寒さには強いらしい。
これは推論だが、ファンタジー世界で南というと砂漠などの乾燥していて灼熱な印象があるのだが。
その推論が外れることを祈り、
「行ってきます。」
挨拶は本当に大事だと思う。誰とでもできる簡単なコミュニケーションであり、気軽に行える。
しかし、挨拶は無駄だという考えを持つ人もいる。それはどうだろうか。具体的な反論は出せないがとにかく俺は挨拶を大事にしたい男だ。だから、町を出るときにも挨拶を忘れない。
「行ってきます!」
リアも挨拶を返す、特に挨拶する気はなかったがセイナがしていたからした。おそらくそうだろう。
単純な奴だからな。
少し進むと予想とは違う、草原が現れた。そういえば意識していなかったがこの世界は球体なのだろうか。個人的には台形だと嬉しい。なぜかというと前の世界で胡散臭い人たちが地球は丸くないと言っていたからだ。
南に進んでも気候が変わらないということはそういうことなのかもしれない。
道中、何回もモンスターと遭遇したが、ベスのようなバグっているモンスターはいなく、初級魔法で難なく倒していた。
全属性使うと今後何か良いことがあると思い、受付の人から教えてもらった一つを除き、攻撃魔法の全属性の魔法を撃つ。
色が鮮やかで見ていて面白い。
買った杖のおかげで全然体調が悪くならない。
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