56 / 88
二章 二度目の人生
56【お兄様のお誕生日パーティー②】
しおりを挟む
特に何もなく、ただ時間が過ぎていった。子どもの私には誰も興味がないのだろう。だから、このまま終わるまで大人しくしていればいい。
そう思っていたのに——。
「お前が侯爵家の娘か?」
「あいつと似てつまんなそうな顔してるな」
いきなり話しかけられて驚いた。
私に話しかけてきたのは二人の男の子だった。
お兄様と同じぐらいの歳だろうか。
このパーティーに参加しているということはそれなりの貴族の子息なんだろう。
けれど、その態度は嫌なものだった。
こういうのは無視をするのが一番だ。
私は今まで散々嫌な目にあってきた。
だから分かる。
この二人は私のことを馬鹿にしていると。
意地悪をしたいんだと。
「……………」
私は二人を無視してその場を離れた。
「あ、おいっ!」
二人の男の子は私の後をついてくる。
「無視するなよっ」
前にもあったな、こういうの……。
無視をされて腹が立ち、後に引けなくなるあれだ。
私は立ち止まり、ふぅ……と息を吐く。
「私に何かご用でしょうか?」
私はにっこりと微笑みながら余裕そうに話す。
けれど、内心はとても怖いのだ。
でも、それを相手に悟られてはいけない。
相手はまだ子どもだ、大丈夫。それにここは学園ではないのだから。
「招待客を無視するとはいい度胸だなっ!」
「そうだ! そうだ!」
「おれたちのこと、ちゃんともてなせ!」
あ、これは関わってはいけないことだとすぐにわかった。相手をしてはいけないと。
「……あの……申し訳ございませんが、私は失礼させていただきます」
くるりと背を向けその場を離れようとしたけれど、そうはさせてくれないのが子どもの怖いところだ。
だって、限度というものを知らないから。
一人の男の子が私の腕を強く掴んだ。
「………いっ」
痛い!
「は、離してください、痛いです」
涙目になりながら二人を睨む。
けれど、八歳の少女の睨みなど効果はない。
「なんで逃げるんだよ?」
「そうだそうだ! 可哀想なお前の相手をしてやろうと思ったんだぞ?」
「けっこうです。離してください!」
相手の腕を掴んで離そうとするけれどできなかった。私にそんな力はない。
「父上が言ってたんだ。お前は侯爵家で誰にも相手にされないかわいそうな奴だって!」
「兄と違ってまだ魔法が使えないんだろ?」
「なんで……な、何を言って……」
この二人は何を言っているの?
「侯爵様に見放された娘の機嫌はとらなくていいって父上が言ってたけど、お前の冷たい兄と違って俺たちは優しいからな!」
「そうそう! あいつ、俺たちのこと見下しててムカつくんだよなぁ」
「さっきだってわざわざ挨拶しに行ってやったのに無視しやがって!」
「なにが公子様だよ! すました顔しやがって腹立つ!」
あぁ、この二人はお兄様に対する苛立ちを私で解消しようとしてるんだ。お兄様には敵わないから、それなら妹をって……? 馬鹿なのかしら。
二人の男の子は私そっちのけでお兄様の悪口を言い合い盛り上がっている。
今日はお兄様の誕生日パーティーだというのに。
「なぁ、お前もそう思うだろ?」
「………? 何がですか?」
「なんだよ、聞いてなかったのかよ。だからあいつ、ルカって生意気だよなって話!」
「……生意気って、何がですか?」
「だーかーらー! あいつさ、公子様~なんて呼ばれて調子に乗ってるからさ。たまたま侯爵家に生まれて運が良かっただけだろ?」
「なのに何が公子様だよ。あいつが何かしたわけでもないのになぁ~」
……運が良い?
……何かしたわけでもない?
お兄様がどれだけ毎日努力をしているか。
寝る時間も惜しんで勉強も、魔力の使い方も頑張っている。
何も知らないくせに。
「あ、謝って下さい」
「え?」
「お兄様に、謝って下さい。お兄様が……毎日どれだけ頑張ってるか知らないくせに!」
「な、なんだよ? お前だって比べられて嫌なんだろ? みんなそう言ってるぞ!」
「比べる? 何を……? みんなって、誰ですか? 教えて下さい、誰がそんなことを言っているのですか?」
「いや、それは……み、みんなはみんなだよ! なんだよ!」
"みんなが言っている"
よく使われる便利な言葉。
曖昧なことでも、さもそうなんだと思わせる。
私は掴まれたままだった腕をバシッと払い除けた。ありったけの力を込めて。
力が緩んでいたため掴まれていた手は離れた。
「いたっ!」
男の子は涙目になっている。
自分より年下の女の子の力なんてたかが知れているのに大袈裟に痛がる。
叩いたわけでもないのに。
こういう貴族の子どもは自分が傷つけられることなんて今までなかったんだろう。
「なにすんだよ!」
「掴んで離さなかったのはそっちじゃない!」
相手が子だもだったせいなのか、十八年間生きてきたおかげなのか。
最初は怖いと思っていたのに、私ってこんな風に言えたんだ。ちゃんと、言えるんだ。
「年下のくせに生意気だな! あいつとそっくりだ!」
「年下とかお兄様とか、関係ないわ!」
「なんだよ!」
私はキッと睨む。
いつの間にか大きな声になっていたせいか、近くにいた人が心配そうにチラチラと見ている。
あ、やってしまった……!
これ以上騒いでパーティーを台無しにしてはいけない。それこそお父様にもお兄様にも嫌われてしまう。
「はぁ……」
「なまいきだぞ!」
落ち着く為についたため息が、相手に誤解を与えてしまった。
「私はもう行きます。これ以上、騒ぎを起こしたくないですから」
「………っ!」
男の子の顔は真っ赤になっていた。
年下の女の子にこんな対応をされたことなんて一度もないのだろう。
私も大人気なかったとは思うけれど、お兄様を侮辱されて笑って聞き流すことなんてできなかった。
このまま解散すれば、ただ子ども同士がちょっと騒いでいただけ。他の貴族たちという目がある中、さすがにこれ以上この場で騒ぐほど馬鹿ではないはずだ。
貴族には体面というものがあるから。
そう思っていたのに。
相手はまだ体裁すら繕うことのできない子どもだった。
そう思っていたのに——。
「お前が侯爵家の娘か?」
「あいつと似てつまんなそうな顔してるな」
いきなり話しかけられて驚いた。
私に話しかけてきたのは二人の男の子だった。
お兄様と同じぐらいの歳だろうか。
このパーティーに参加しているということはそれなりの貴族の子息なんだろう。
けれど、その態度は嫌なものだった。
こういうのは無視をするのが一番だ。
私は今まで散々嫌な目にあってきた。
だから分かる。
この二人は私のことを馬鹿にしていると。
意地悪をしたいんだと。
「……………」
私は二人を無視してその場を離れた。
「あ、おいっ!」
二人の男の子は私の後をついてくる。
「無視するなよっ」
前にもあったな、こういうの……。
無視をされて腹が立ち、後に引けなくなるあれだ。
私は立ち止まり、ふぅ……と息を吐く。
「私に何かご用でしょうか?」
私はにっこりと微笑みながら余裕そうに話す。
けれど、内心はとても怖いのだ。
でも、それを相手に悟られてはいけない。
相手はまだ子どもだ、大丈夫。それにここは学園ではないのだから。
「招待客を無視するとはいい度胸だなっ!」
「そうだ! そうだ!」
「おれたちのこと、ちゃんともてなせ!」
あ、これは関わってはいけないことだとすぐにわかった。相手をしてはいけないと。
「……あの……申し訳ございませんが、私は失礼させていただきます」
くるりと背を向けその場を離れようとしたけれど、そうはさせてくれないのが子どもの怖いところだ。
だって、限度というものを知らないから。
一人の男の子が私の腕を強く掴んだ。
「………いっ」
痛い!
「は、離してください、痛いです」
涙目になりながら二人を睨む。
けれど、八歳の少女の睨みなど効果はない。
「なんで逃げるんだよ?」
「そうだそうだ! 可哀想なお前の相手をしてやろうと思ったんだぞ?」
「けっこうです。離してください!」
相手の腕を掴んで離そうとするけれどできなかった。私にそんな力はない。
「父上が言ってたんだ。お前は侯爵家で誰にも相手にされないかわいそうな奴だって!」
「兄と違ってまだ魔法が使えないんだろ?」
「なんで……な、何を言って……」
この二人は何を言っているの?
「侯爵様に見放された娘の機嫌はとらなくていいって父上が言ってたけど、お前の冷たい兄と違って俺たちは優しいからな!」
「そうそう! あいつ、俺たちのこと見下しててムカつくんだよなぁ」
「さっきだってわざわざ挨拶しに行ってやったのに無視しやがって!」
「なにが公子様だよ! すました顔しやがって腹立つ!」
あぁ、この二人はお兄様に対する苛立ちを私で解消しようとしてるんだ。お兄様には敵わないから、それなら妹をって……? 馬鹿なのかしら。
二人の男の子は私そっちのけでお兄様の悪口を言い合い盛り上がっている。
今日はお兄様の誕生日パーティーだというのに。
「なぁ、お前もそう思うだろ?」
「………? 何がですか?」
「なんだよ、聞いてなかったのかよ。だからあいつ、ルカって生意気だよなって話!」
「……生意気って、何がですか?」
「だーかーらー! あいつさ、公子様~なんて呼ばれて調子に乗ってるからさ。たまたま侯爵家に生まれて運が良かっただけだろ?」
「なのに何が公子様だよ。あいつが何かしたわけでもないのになぁ~」
……運が良い?
……何かしたわけでもない?
お兄様がどれだけ毎日努力をしているか。
寝る時間も惜しんで勉強も、魔力の使い方も頑張っている。
何も知らないくせに。
「あ、謝って下さい」
「え?」
「お兄様に、謝って下さい。お兄様が……毎日どれだけ頑張ってるか知らないくせに!」
「な、なんだよ? お前だって比べられて嫌なんだろ? みんなそう言ってるぞ!」
「比べる? 何を……? みんなって、誰ですか? 教えて下さい、誰がそんなことを言っているのですか?」
「いや、それは……み、みんなはみんなだよ! なんだよ!」
"みんなが言っている"
よく使われる便利な言葉。
曖昧なことでも、さもそうなんだと思わせる。
私は掴まれたままだった腕をバシッと払い除けた。ありったけの力を込めて。
力が緩んでいたため掴まれていた手は離れた。
「いたっ!」
男の子は涙目になっている。
自分より年下の女の子の力なんてたかが知れているのに大袈裟に痛がる。
叩いたわけでもないのに。
こういう貴族の子どもは自分が傷つけられることなんて今までなかったんだろう。
「なにすんだよ!」
「掴んで離さなかったのはそっちじゃない!」
相手が子だもだったせいなのか、十八年間生きてきたおかげなのか。
最初は怖いと思っていたのに、私ってこんな風に言えたんだ。ちゃんと、言えるんだ。
「年下のくせに生意気だな! あいつとそっくりだ!」
「年下とかお兄様とか、関係ないわ!」
「なんだよ!」
私はキッと睨む。
いつの間にか大きな声になっていたせいか、近くにいた人が心配そうにチラチラと見ている。
あ、やってしまった……!
これ以上騒いでパーティーを台無しにしてはいけない。それこそお父様にもお兄様にも嫌われてしまう。
「はぁ……」
「なまいきだぞ!」
落ち着く為についたため息が、相手に誤解を与えてしまった。
「私はもう行きます。これ以上、騒ぎを起こしたくないですから」
「………っ!」
男の子の顔は真っ赤になっていた。
年下の女の子にこんな対応をされたことなんて一度もないのだろう。
私も大人気なかったとは思うけれど、お兄様を侮辱されて笑って聞き流すことなんてできなかった。
このまま解散すれば、ただ子ども同士がちょっと騒いでいただけ。他の貴族たちという目がある中、さすがにこれ以上この場で騒ぐほど馬鹿ではないはずだ。
貴族には体面というものがあるから。
そう思っていたのに。
相手はまだ体裁すら繕うことのできない子どもだった。
187
お気に入りに追加
1,946
あなたにおすすめの小説

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。
辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~
Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。
婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。
そんな日々でも唯一の希望があった。
「必ず迎えに行く!」
大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。
私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。
そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて…
※設定はゆるいです
※小説家になろう様にも掲載しています

前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる