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22【王都への道中】
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王都へと向かう馬車の中。
ここにはヴィンセントさん、ティアナさん、そして私の三人だけだ。
ヴィンセントさんと二人きりで気まずくなったらどうしよう!? 何か話題を!? と心配していたけれど、ティアナさんはたくさん話をしてくれて楽しい時間を過ごすことができた。
もしかしたら気をきかせてティアナさんを一緒の馬車にしてくれたのかもしれない。
馬車の窓から見える、あらゆるものをティアナさんがいろいろと教えてくれた。
馬車に揺られて二時間ぐらい経っただろうか、王都へはまだ着かない。というより、実のところ後どれくらいで王都へ着くのか知らない。
「ティアナさん、王都へはどれくらいで着くんでしょうか?」
「そうね、あと四日ぐらいで着くと思うわ!」
「よ、四日も!?」
いや、国境沿いの領地だから遠いだろうなとは思っていたけど馬車で四日……今日も入れて五日もかかるんだ。
「移動魔法陣を使うからこれでも早い方なんだよ~。便利になったよね!」
「え、い、移動魔法陣!?」
「あれ、フィーには言ってなかったかな?」
ヴィンセントさんが「忘れていたかな?」と首を傾げた。いやいや言ってませんよ!
どうしよう、実は馬車に揺られている間に少し気分が悪くなってきていた。なかなか言い出せなかったけれど、馬車の中で口から出たアレを撒き散らすという非常にまずい事態は避けたい。
これは乗り物酔い、だよね。前に馬車にのったときは大丈夫だったんだけどなぁ……うぷっ。
「フィー、もしかして気持ちが悪いんじゃないか? 顔色がよくない。ティアナ、酔い止めを出してくれるかい?」
酔い止めあるの……!? よかった……うっ。
こんな時なのになぜか前世でも乗り物酔いがあったことを思い出した。
馬車よりも狭い乗り物の中で我慢していた記憶だ。そう、あれはたしか……くるま……?
思い出したら余計に気持ち悪くなってしまい、ティアナさんに酔い止めをもらい急いで飲み込んだ。
するとすぐに気分が良くなった。
なにこれすごい! 即効性! 効果抜群!
「すごい効き目だろう? 一週間は保つからもう大丈夫だよ。この前話した王都の薬学魔導士のお手製なんだ。あいつに薬学で勝てるものはこの国にはいないだろうね」
そんなすごい人の薬飲んじゃった。ぜひ前世でも欲しかったです。
そういえば、夜とかどうするんだろう。まさか野宿ということはないだろうし……。いや、それもちょっと楽しいかも?
「次の街についたらそこで一泊するからね。と言っても次の街までまだ三時間ぐらいあるんだけどね。そして次の大きな街で移動魔法陣を使うよ」
「わぁ、楽しみです!」
野宿もちょっとしてみたいな、と思ったことは言わないでおこう。ヴィンセントさんならやりかねない気がして……。公爵であるヴィンセントさんにそんなことはさせられないからね。
効果抜群の酔い止めのおかげで、酔うことを心配することなく外を眺めることができた。
見るもの全てが新鮮で、ティアナさんの話もあり本当に楽しい時間だった。
日も傾き始めた頃、街へと着いた。
私たちが泊まる場所はなんとも高そうな宿だった。そうだよね、なんたって公爵様が泊まるんだもの。
私もここに一緒に泊まるのかな? こんな高そうな宿いいのかな、と若干腰が引ける。
「もちろんフィーもここに泊まるんだよ。ティアナも一緒にね」
「あ、ありがとうございます」
ヴィンセントさんはなんでもお見通しだな、恥ずかしい。
「公爵様は、私たち使用人だって一緒の宿に泊めてくださるの。とっても良い方です!」
ティアナさんがこそっと教えてくれた。
「すぐ夕食にするかい? それとも少し街を見て回る? 約束していたのに、結局フィーを街に連れて行くことができなかったからね」
「え、いいんですか!?」
覚えててくれた、それが嬉しい。
でも、大丈夫かな?
「フィーは正式に私が後見人になっているからね。もう堂々と外へ出ても大丈夫だよ。ただ、一人にはならないこと。こんな時間に子どもが一人でいては誰であっても危ないからね」
「わかりました!」
ということで、三人でこのまま少し街を回ることになった。
夕食前だったので少ししか見て回れなかったけど、とても有意義な時間だった。
「明日、街を出る前にフィーの新しい服も買おうね」
「あ、ありがとうございます! 嬉しいです」
何かある度に"いいのかな……"と思っていたけれど、なるべく言わないようにすることにした。
ヴィンセントさんの優しさを無下にすることになるから、代わりにお礼を伝えることにした。
感謝の気持ちをちゃんと伝えること。
それが大事だよね。
双子とのことがあってから私はフィーリアさんの服は着ていない。
私が断ったため、セレスさんが近くの街で急ぎ用意してくれた。
それを今は着ているけど、泊まりなら服が足りなくなるかも? と思っていたので嬉しい申し出だった。
次の日、服を買ってもらいすぐに街を出た。ヴィンセントさんがあれもこれも買おうとするのでさすがにそれは断って、必要な分だけ買ってもらった。
さすが公爵家、貴族はお金の使い方が違うようだ。私が止めなければあのまま大量に購入してしまっていただろう。
ティアナさんもそんなヴィンセントさんを止めるどころか「こっちも可愛いですよ!」なんて勧めてくるので困ってしまった。
そして次の大きな街で移動魔法陣を使った。それは一瞬の出来事で、気付けばもう移動先だった。
「距離が近いから、本当に一瞬なんだよ。ちょっと期待はずれだったかな?」
「いえいえいえ! すごかったです! 周りが光始めたと思ったらもう着いているなんて!」
興奮気味に話す私をヴィンセントさんとティアナさんは微笑ましく見ていた。
その目を見て恥ずかしくなってしまった。
「そういえば、王都の中には移動できないんですか?」
「いや、もちろんできるよ。けどこうして馬車移動もフィーが楽しいんじゃないかと思ってね」
本当ならもっと早く着けたのに、私のために馬車も使用してくれたんだ……。
「ありがとうございます、本当に楽しかったです!」
「それならよかった」
他愛もない会話をしていると王都が見えてきた。
「え、いや、大き……」
遠くからでもその規模の大きさがよくわかった。王都へと入るための門はとても頑丈そうな作りになっており、警備も厳重だった。
ウィスタリア公爵家だからなのか、待つことなく通過。
「これが、権力……」
「あははっ」
そんなおかしなこと言う私をヴィンセントさんは面白そうに眺めていた。
王都を遠くから見たとき、何かに覆われている感じがしたがそれは魔法防壁だった。
そして私たちはどこかへ寄ることはなく、そのままウィスタリア公爵家本邸へと向かった。
ここにはヴィンセントさん、ティアナさん、そして私の三人だけだ。
ヴィンセントさんと二人きりで気まずくなったらどうしよう!? 何か話題を!? と心配していたけれど、ティアナさんはたくさん話をしてくれて楽しい時間を過ごすことができた。
もしかしたら気をきかせてティアナさんを一緒の馬車にしてくれたのかもしれない。
馬車の窓から見える、あらゆるものをティアナさんがいろいろと教えてくれた。
馬車に揺られて二時間ぐらい経っただろうか、王都へはまだ着かない。というより、実のところ後どれくらいで王都へ着くのか知らない。
「ティアナさん、王都へはどれくらいで着くんでしょうか?」
「そうね、あと四日ぐらいで着くと思うわ!」
「よ、四日も!?」
いや、国境沿いの領地だから遠いだろうなとは思っていたけど馬車で四日……今日も入れて五日もかかるんだ。
「移動魔法陣を使うからこれでも早い方なんだよ~。便利になったよね!」
「え、い、移動魔法陣!?」
「あれ、フィーには言ってなかったかな?」
ヴィンセントさんが「忘れていたかな?」と首を傾げた。いやいや言ってませんよ!
どうしよう、実は馬車に揺られている間に少し気分が悪くなってきていた。なかなか言い出せなかったけれど、馬車の中で口から出たアレを撒き散らすという非常にまずい事態は避けたい。
これは乗り物酔い、だよね。前に馬車にのったときは大丈夫だったんだけどなぁ……うぷっ。
「フィー、もしかして気持ちが悪いんじゃないか? 顔色がよくない。ティアナ、酔い止めを出してくれるかい?」
酔い止めあるの……!? よかった……うっ。
こんな時なのになぜか前世でも乗り物酔いがあったことを思い出した。
馬車よりも狭い乗り物の中で我慢していた記憶だ。そう、あれはたしか……くるま……?
思い出したら余計に気持ち悪くなってしまい、ティアナさんに酔い止めをもらい急いで飲み込んだ。
するとすぐに気分が良くなった。
なにこれすごい! 即効性! 効果抜群!
「すごい効き目だろう? 一週間は保つからもう大丈夫だよ。この前話した王都の薬学魔導士のお手製なんだ。あいつに薬学で勝てるものはこの国にはいないだろうね」
そんなすごい人の薬飲んじゃった。ぜひ前世でも欲しかったです。
そういえば、夜とかどうするんだろう。まさか野宿ということはないだろうし……。いや、それもちょっと楽しいかも?
「次の街についたらそこで一泊するからね。と言っても次の街までまだ三時間ぐらいあるんだけどね。そして次の大きな街で移動魔法陣を使うよ」
「わぁ、楽しみです!」
野宿もちょっとしてみたいな、と思ったことは言わないでおこう。ヴィンセントさんならやりかねない気がして……。公爵であるヴィンセントさんにそんなことはさせられないからね。
効果抜群の酔い止めのおかげで、酔うことを心配することなく外を眺めることができた。
見るもの全てが新鮮で、ティアナさんの話もあり本当に楽しい時間だった。
日も傾き始めた頃、街へと着いた。
私たちが泊まる場所はなんとも高そうな宿だった。そうだよね、なんたって公爵様が泊まるんだもの。
私もここに一緒に泊まるのかな? こんな高そうな宿いいのかな、と若干腰が引ける。
「もちろんフィーもここに泊まるんだよ。ティアナも一緒にね」
「あ、ありがとうございます」
ヴィンセントさんはなんでもお見通しだな、恥ずかしい。
「公爵様は、私たち使用人だって一緒の宿に泊めてくださるの。とっても良い方です!」
ティアナさんがこそっと教えてくれた。
「すぐ夕食にするかい? それとも少し街を見て回る? 約束していたのに、結局フィーを街に連れて行くことができなかったからね」
「え、いいんですか!?」
覚えててくれた、それが嬉しい。
でも、大丈夫かな?
「フィーは正式に私が後見人になっているからね。もう堂々と外へ出ても大丈夫だよ。ただ、一人にはならないこと。こんな時間に子どもが一人でいては誰であっても危ないからね」
「わかりました!」
ということで、三人でこのまま少し街を回ることになった。
夕食前だったので少ししか見て回れなかったけど、とても有意義な時間だった。
「明日、街を出る前にフィーの新しい服も買おうね」
「あ、ありがとうございます! 嬉しいです」
何かある度に"いいのかな……"と思っていたけれど、なるべく言わないようにすることにした。
ヴィンセントさんの優しさを無下にすることになるから、代わりにお礼を伝えることにした。
感謝の気持ちをちゃんと伝えること。
それが大事だよね。
双子とのことがあってから私はフィーリアさんの服は着ていない。
私が断ったため、セレスさんが近くの街で急ぎ用意してくれた。
それを今は着ているけど、泊まりなら服が足りなくなるかも? と思っていたので嬉しい申し出だった。
次の日、服を買ってもらいすぐに街を出た。ヴィンセントさんがあれもこれも買おうとするのでさすがにそれは断って、必要な分だけ買ってもらった。
さすが公爵家、貴族はお金の使い方が違うようだ。私が止めなければあのまま大量に購入してしまっていただろう。
ティアナさんもそんなヴィンセントさんを止めるどころか「こっちも可愛いですよ!」なんて勧めてくるので困ってしまった。
そして次の大きな街で移動魔法陣を使った。それは一瞬の出来事で、気付けばもう移動先だった。
「距離が近いから、本当に一瞬なんだよ。ちょっと期待はずれだったかな?」
「いえいえいえ! すごかったです! 周りが光始めたと思ったらもう着いているなんて!」
興奮気味に話す私をヴィンセントさんとティアナさんは微笑ましく見ていた。
その目を見て恥ずかしくなってしまった。
「そういえば、王都の中には移動できないんですか?」
「いや、もちろんできるよ。けどこうして馬車移動もフィーが楽しいんじゃないかと思ってね」
本当ならもっと早く着けたのに、私のために馬車も使用してくれたんだ……。
「ありがとうございます、本当に楽しかったです!」
「それならよかった」
他愛もない会話をしていると王都が見えてきた。
「え、いや、大き……」
遠くからでもその規模の大きさがよくわかった。王都へと入るための門はとても頑丈そうな作りになっており、警備も厳重だった。
ウィスタリア公爵家だからなのか、待つことなく通過。
「これが、権力……」
「あははっ」
そんなおかしなこと言う私をヴィンセントさんは面白そうに眺めていた。
王都を遠くから見たとき、何かに覆われている感じがしたがそれは魔法防壁だった。
そして私たちはどこかへ寄ることはなく、そのままウィスタリア公爵家本邸へと向かった。
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