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11【夢とペンダント②】
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部屋をノックする音が聞こえて、思わず背筋が伸びてしまう。
「ど、どうぞ」
部屋へと入ってきたのはヴィンセントさんとセレスさんだけで、ベッド横へと腰掛けた。
「ぐっすり眠れたようで安心したわ。顔色もいいわね。ご飯もたくさん食べられたみたいだし、もう大丈夫そうね」
「はい、もう大丈夫です。あの、昨日はすみませんでした。せっかく会いに来てくれたの……それにこんなにお世話になってしまってどうお返しすればいいのか……」
私の言葉にセレスさんは驚いたように目を開いた。
「まぁ、そんなこと考えなくていいのよ。私たち大人を頼ってくれて大丈夫なんだから」
「で、でも……」
「ね?」
「ありがとう、ございます」
どこの誰ともわからない子どもの世話をここまでしてくれる人はそういないだろう。助けてくれたのがこの人たちで本当に幸運だったと思う。
「それでね、これからのことをセレスと話し合ったんだ。君にもちゃんと伝えておこうと思ってね」
「はい」
今日はヴィンセントさんも話をしてくれるのかな?
「まず、君の中にある違和感なんだけど、それは君が転生者だからだと思うんだ」
転生者? ってなんだろう。
「転生者というのは、前世の記憶をもったまま生まれてきた人のことをいうんだよ」
「え、前世……ですか?」
「そうだよ。ただ、前世での自分を詳細に覚えている人はごくごく稀なんだ。多くの転生者は前世のことを少し覚えているぐらいで、知らない言葉を話すとか、この世界にない物の話をするとかで初めて分かるんだけどね」
「では……私のこの記憶は前世のものということですか?」
「そういうことになるね。だから、君の頭がおかしいとかそういうことではないから安心して大丈夫だよ。それに、この国では転生者はそこまでめずらしいことではないから理解があるんだよ。ちなみにセレスの祖父も転生者なんだ」
「そうですか……」
前世の記憶だと、そう言われて少しだけ安心した。この世界はどこか違うと思っていたから原因がわかってよかった。
それにこの国は私みたいな人にも理解があるということだから、多少変なことを言っても頭のおかしい子だとは思われないかな?
私がおかしいんじゃなくてよかった!
「これは私たちの推測なんだけど、何か衝撃的なことがあって記憶を忘れてしまったんじゃないかな? 代わりに、というのもおかしいけれど眠っていた前世の記憶を思い出した可能性があると思うんだ」
「衝撃的なこと、ですか?」
「うん、それが何かは私たちにはわからないんだけれどね」
もちろんろ記憶のない私にも心当たりはない。けれど、私が一人で怪我をして倒れていたことから、何か問題があったのは事実だろう。
「だから、無理して思い出そうとしなくていいんだよ。無理をすると記憶が壊れてしまう可能性があるし、もしかすると嫌なことを思い出してしまうかもしれないからね」
ヴィンセントさんは森で私を見つけたあの状況から、私が何か辛い思いをしたと思っているんだろう。だから、無理に思い出さなくてもいいと言ってくれている。
「でも、何も思い出せなかったら私は……」
「これからのことは心配しなくても大丈夫だよ。私たちがいるんだから」
ヴィンセントさんはそう言いながら微笑み、セレスさんも大きく頷いた。
「えぇ、私たちがついているわ。だから安心してね」
「あ……」
"ありがとうございます"そう言いたかったのに自然と涙が溢れてきてしまい、声に出してお礼を言うことができなかった。
本当はとても不安だったのだ。
記憶もない、生きていく術もない子どもがどうやってこれから一人で生きていけばいいのか。
私たちがいると言ってくれたヴィンセントさんとセレスさんにはただただ感謝するしかなかった。
涙を流す私に、セレスさんは様子を伺いながらハンカチをそっと近付けた。
私が一度その手を避けてしまったからだろう。あの時はただ驚いてしまって、セレスさんに申し訳ないことをしてしまった。
けれど今はもう大丈夫だから。
そのままセレスさんはほっとした表情を見せて私の涙を拭ってくれた。
「これからの詳しいことはおいおい話していこうね。それでさっそくなんだけれど、体調が良ければ明日私たちと一緒に教会へ行ってほしいんだけれどいいかな?」
「教会、ですか?」
セレスさんが私の手をそっと握って話し始めた。
「この部屋から出て、外へ出ることになるけど大丈夫かしら?」
「はい、大丈夫です」
「そう……? 怖かったら遠慮なく言ってね。教会へは私もヴィンセントも一緒だし、護衛に騎士団も付いてきてくれるから」
「むしろ外に出られるのが嬉しいです」
ずっと部屋の中にいたから外に出られるのなら正直嬉しい。記憶がなくて不安なのは本当だけれど、好奇心が勝ってしまった。
「それならよかったわ。教会では個人に関する情報を見ることができるの。もしかしたら、あなたの名前や出身地がわかるかもしれないわ。適性魔力も分かるのよ。適性が分かれば、魔法の練習だってできるんだから」
「えっ」
魔法の練習ができるかもしれない!?
それを聞いた私の表情は今とても緩んでいるだろう。どうしよう、落ち着かない。
「ふふ、思った通り。あなた、魔法にとても興味があるのね」
「わ、わかりますか……?」
やっぱり顔に出ていたようだ。
「えぇ、わかるわ。これでも私、子を持つ母親なのよ。子どもの表情を見れば嬉しいかどうかわかるわ」
恥ずかしい、自分の名前のことよりも、魔法に反応してしまったなんて。
二日もぐっすり眠ったおかげか、少しずつ前世の記憶が鮮明になってきている。そのせいか、魔法に関してどうしても心惹かれてしまうところがある。
前世の記憶を詳細に覚えている人は稀だと言っていたから、もしかすると私がそうなのかもしれない。
魔法は前世なら実際にはありえないことだった。それが自分にも使えるかもしれないとなれば期待も膨らんでしまう。
前世の自分のことは思い出せないのに、知識だけは頭の中に溢れてくるから不思議だ。
「ど、どうぞ」
部屋へと入ってきたのはヴィンセントさんとセレスさんだけで、ベッド横へと腰掛けた。
「ぐっすり眠れたようで安心したわ。顔色もいいわね。ご飯もたくさん食べられたみたいだし、もう大丈夫そうね」
「はい、もう大丈夫です。あの、昨日はすみませんでした。せっかく会いに来てくれたの……それにこんなにお世話になってしまってどうお返しすればいいのか……」
私の言葉にセレスさんは驚いたように目を開いた。
「まぁ、そんなこと考えなくていいのよ。私たち大人を頼ってくれて大丈夫なんだから」
「で、でも……」
「ね?」
「ありがとう、ございます」
どこの誰ともわからない子どもの世話をここまでしてくれる人はそういないだろう。助けてくれたのがこの人たちで本当に幸運だったと思う。
「それでね、これからのことをセレスと話し合ったんだ。君にもちゃんと伝えておこうと思ってね」
「はい」
今日はヴィンセントさんも話をしてくれるのかな?
「まず、君の中にある違和感なんだけど、それは君が転生者だからだと思うんだ」
転生者? ってなんだろう。
「転生者というのは、前世の記憶をもったまま生まれてきた人のことをいうんだよ」
「え、前世……ですか?」
「そうだよ。ただ、前世での自分を詳細に覚えている人はごくごく稀なんだ。多くの転生者は前世のことを少し覚えているぐらいで、知らない言葉を話すとか、この世界にない物の話をするとかで初めて分かるんだけどね」
「では……私のこの記憶は前世のものということですか?」
「そういうことになるね。だから、君の頭がおかしいとかそういうことではないから安心して大丈夫だよ。それに、この国では転生者はそこまでめずらしいことではないから理解があるんだよ。ちなみにセレスの祖父も転生者なんだ」
「そうですか……」
前世の記憶だと、そう言われて少しだけ安心した。この世界はどこか違うと思っていたから原因がわかってよかった。
それにこの国は私みたいな人にも理解があるということだから、多少変なことを言っても頭のおかしい子だとは思われないかな?
私がおかしいんじゃなくてよかった!
「これは私たちの推測なんだけど、何か衝撃的なことがあって記憶を忘れてしまったんじゃないかな? 代わりに、というのもおかしいけれど眠っていた前世の記憶を思い出した可能性があると思うんだ」
「衝撃的なこと、ですか?」
「うん、それが何かは私たちにはわからないんだけれどね」
もちろんろ記憶のない私にも心当たりはない。けれど、私が一人で怪我をして倒れていたことから、何か問題があったのは事実だろう。
「だから、無理して思い出そうとしなくていいんだよ。無理をすると記憶が壊れてしまう可能性があるし、もしかすると嫌なことを思い出してしまうかもしれないからね」
ヴィンセントさんは森で私を見つけたあの状況から、私が何か辛い思いをしたと思っているんだろう。だから、無理に思い出さなくてもいいと言ってくれている。
「でも、何も思い出せなかったら私は……」
「これからのことは心配しなくても大丈夫だよ。私たちがいるんだから」
ヴィンセントさんはそう言いながら微笑み、セレスさんも大きく頷いた。
「えぇ、私たちがついているわ。だから安心してね」
「あ……」
"ありがとうございます"そう言いたかったのに自然と涙が溢れてきてしまい、声に出してお礼を言うことができなかった。
本当はとても不安だったのだ。
記憶もない、生きていく術もない子どもがどうやってこれから一人で生きていけばいいのか。
私たちがいると言ってくれたヴィンセントさんとセレスさんにはただただ感謝するしかなかった。
涙を流す私に、セレスさんは様子を伺いながらハンカチをそっと近付けた。
私が一度その手を避けてしまったからだろう。あの時はただ驚いてしまって、セレスさんに申し訳ないことをしてしまった。
けれど今はもう大丈夫だから。
そのままセレスさんはほっとした表情を見せて私の涙を拭ってくれた。
「これからの詳しいことはおいおい話していこうね。それでさっそくなんだけれど、体調が良ければ明日私たちと一緒に教会へ行ってほしいんだけれどいいかな?」
「教会、ですか?」
セレスさんが私の手をそっと握って話し始めた。
「この部屋から出て、外へ出ることになるけど大丈夫かしら?」
「はい、大丈夫です」
「そう……? 怖かったら遠慮なく言ってね。教会へは私もヴィンセントも一緒だし、護衛に騎士団も付いてきてくれるから」
「むしろ外に出られるのが嬉しいです」
ずっと部屋の中にいたから外に出られるのなら正直嬉しい。記憶がなくて不安なのは本当だけれど、好奇心が勝ってしまった。
「それならよかったわ。教会では個人に関する情報を見ることができるの。もしかしたら、あなたの名前や出身地がわかるかもしれないわ。適性魔力も分かるのよ。適性が分かれば、魔法の練習だってできるんだから」
「えっ」
魔法の練習ができるかもしれない!?
それを聞いた私の表情は今とても緩んでいるだろう。どうしよう、落ち着かない。
「ふふ、思った通り。あなた、魔法にとても興味があるのね」
「わ、わかりますか……?」
やっぱり顔に出ていたようだ。
「えぇ、わかるわ。これでも私、子を持つ母親なのよ。子どもの表情を見れば嬉しいかどうかわかるわ」
恥ずかしい、自分の名前のことよりも、魔法に反応してしまったなんて。
二日もぐっすり眠ったおかげか、少しずつ前世の記憶が鮮明になってきている。そのせいか、魔法に関してどうしても心惹かれてしまうところがある。
前世の記憶を詳細に覚えている人は稀だと言っていたから、もしかすると私がそうなのかもしれない。
魔法は前世なら実際にはありえないことだった。それが自分にも使えるかもしれないとなれば期待も膨らんでしまう。
前世の自分のことは思い出せないのに、知識だけは頭の中に溢れてくるから不思議だ。
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