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第6章 〜 重なり合う艶華(つやばな)たち 〜

※ 第6章 〜 重なり合う艶華たち 7 〜

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(ああ……隼人くんにはカナのこと、内緒にしてたっけ)

 異性の恋人である隼人に、同性の恋人である佳苗のことは秘密にしていた。いや、敢えて言う必要もないと考えていたのではなかったか。
 ぼんやりそんな事を思いながら、清美はもうひとりの愛しい人である隼人ににじり寄っていった。
 いつものこの時間なら、自分の部屋に彼が訪れて、愛し合っている時間だ。性欲をぶつけ合うというよりも「二人が融け合う」という表現がぴったりのセックスであった。
 四つん這いの姿勢から見上げると、荒い息の隼人がワイシャツをうっとおしそうに脱いでいた。
 脱ぎ捨てたシャツからあらわになった半裸の恋人は、二人の艶めかしい熱気に当てられて、酔いを醒ましたはずなのに、すでに湯気が立ちそうなほど上気している。

 清美が見とれた瞬間、音もなく佳苗が動いた。
 隼人本人がズボンに手をかけるより早く、ベルトのバックルをほどいてずり下ろそうとしている。まるで猫が獲物を弄ぶかのように、あちこち撫で回しながら手際よく脱がしていくのであった。

(カナ……ノリノリだなぁ)

 あっという間に全裸になった恋人の肉棒は、天井を指すかのようにいきり立っており、心なしかドクンドクンと脈動しているように見える。
 週末に身体を重ねる時は、部屋が暗くなっているのでマジマジと見たことがないが、明るい照明の下で怒張している男根を見ると、こんな立派なものを子宮に収めている自分が信じられなくなる。

(あぁ……欲しくなっちゃう……カナの指もいいけど……やっぱり隼人くんのが良いな)

 四つん這いからスッっと立ち上がり、絡まるようにピッタリと身体を寄せ、振り向いた隼人の唇をおもむろに奪う。
「おふっ」と思わず声が漏れたが、気にせずに隼人の下唇をついばみ、恋人の背中に腕を回して深く強く唇全体を吸い、出てきた舌を絡め取る。

 ちゅばっ、くちっ、にちゃっ、ぴちゅっ。

 せつなそうに恋人の喘ぐ吐息を感じながら、股間に手を伸ばすと、手が触れ合った。佳苗である。
 清美が隼人の唇を吸っている間、彼女は隼人の下腹部に狙いを定めて、内ももや鼠径部にキスをしたり舐めたりして、清美が手を伸ばした時にはカウパーまみれの男根をずりゅずりゅとしごき始めていた。

「んぱっ、はあ……カナ、ズルいよ……先に隼人くんのオチ◯チンを触るなんて」

「え~?  今日くらい戸塚くんの、分けてくれても良いにゃ……ヨミィこそ、こんな美味しそうな身体を独り占めしてズルいにゃぁ」

「く……九門……その言葉遣いは……?」

「うん? ……特別な人とはこう話すの……あなたで二人目にゃあ……ふふっ♪」

 はむっという吐息とともに、佳苗が男根をくわえる。ビクッという反応とともに清美の背中に回る腕に力がこもる。
 佳苗は隼人のことを「特別な人」と言った。清美以外に甘えたい人が出来たということだ。このことが何を意味するか考えることを、快楽を欲してたまらない牝の本能が頑なに拒否する。ひとまず心の奥底にしまい込み、目の前の大好きな恋人隼人を貪ることにした。
 すでに固く勃起した乳首をくりくりと指で捏ね回し、首筋に舌を這わせると、隼人はブルブルと身体を快感で震わせた。何度も肌を重ねた今、恋人の悦ぶ箇所や触れ方は自分の身体が「学習」している。

「あうぅっ……二人とも、こんなエロかったのか……」

 佳苗が男根から溢れたカウパーを舐めあげて、ちゅっとキスをする。
 いやらしい微笑をたたえて上目遣いで隼人を見上げる目は、清美が蕩けてしまうだ。
 柔らかで艶熱を帯びた女体に密着して刺激される隼人の足は、快感にあらがえずにガクガク震え、腰が砕けるようにクッションに座り込んだ。
 すっかり牝として「出来上がっている」二人は、後追いしている隼人を早く「牡」にしたくてむしゃぶりつき、グイッと押し倒すと、「牡」になりきってない「彼」は、ポスンと抵抗なくクッションに倒れ込み、手足を投げ出して大の字となった。
 二匹の牝の唇が、隼人の首筋、胸板、乳首、下腹部、内もも、鼠径部、男根といった性感帯を、ちゅばちゅばという唾液混じりの接吻音を立てて、執拗に吸う。
 キスの音と「んんっ」「はぁはぁ」「ううっ」という三人の快楽の吐息、そして、それぞれから発せられる発情の匂いが部屋いっぱいに広がる。

 クッションに倒れ込んだ隼人に添い寝するように寝そべった清美は、はぁはぁと喘ぎながら、彼の首筋から顎にかけて舌を這わせ、耳たぶを口に含むと、喘ぎ声を発しながらがら艷やかな息を吹き入れ、ちろちろと耳を舐め回す。
 隼人の手が髪の毛に触れた。もうひとりの恋人佳苗との激しい行為で乱れた髪をくよう撫でられ、ふんわりと頭を抱えられる。
 密着して愛する人に頬ずりすると、首元から立ち上る、男性フェロモンをたっぷり含んだ熱気にのぼせてしまいそうだ。

「隼人くん……大好きよ……カナも、あなたも……みんなで……気持ちよく……なろ?」

 恍惚とした表情の恋人は、清美と唇を合わせることで返事を返した。
 彼の引き締まった胸板から発せられる火照りを乳房を通じて感じる。唾液を交換しながら覆いかぶさって胸をすり合わせた。お互いの乳首が触れ合うと、ビリッとした快感電流が身体に走り、思わず悦楽の呻きをあげる。

「あぅぅぅっ!! ……いつも、しちゃうね、コレ……やっぱり隼人くんの胸だとすごく感じちゃう……」

「俺も……感じる……うくぅっ!」

 隼人がビクッと仰け反った。
 清美が下半身に目を向けると、吸い付くように太ももに密着している佳苗が、彼の睾丸を収める肉袋を丸呑みするように口に含んでいた。妖しい上目遣いをしながら、これみよがしにぐじゅぐじゅと音を立ててしゃぶり回している。
 ガチガチの肉棒を包むように握られ、ゆっくりだが深いストロークでずりゅずりゅとしごく一方、もう片方の手で唾液と先走り液が混じった色欲の粘液をツツツ、と引き伸ばしながら鼠径部そけいぶのあたりを撫で回すと、敏感な三箇所を同時に刺激された隼人は、思わず呻いて悶絶した。

「うわぁ……戸塚くん……すごい感じてるんだね……こんなカチカチの見ると……私もお腹がキュンキュンするにゃ……」

 一度口をすぼめて吸い上げた後、ぢゅぽっ、という音とともに甘い唾液にまみれた睾丸を開放した。
 すっかり肉欲の牝猫と化した佳苗は、刺激する標的をいきり立つ肉棒に変えた。半開きにした口からとろりとした唾液が糸を引いて亀頭に垂らされて、ぬめぬめと拡がっていく。

「わぁ……ネトネトしている……すごいエッチなオチ◯チン」

 感嘆の言葉を言い切らないうちに、ごぼじゅっ、と一気に男根を根本まで咥え込んで、味わうかのように首を上下にストロークする。

 じゅぼっ、じゅじゅじゅるるるっ、ぼじゅっ、ぼじゅっ。
 ぴちゃっ、れろれろれろっ、じゅぷちゅっ、じゅっじゅっ。

「あぐぅっ!! く、九門……それ……それすげぇっ!  ……気持ち良すぎるっ……うくっ」

 悶絶する隼人の唇を清美のキスが塞いで、官能的な息吹まで吸い取ろうとするのであった。
 とろとろとした唾液と舌が絡み合ったかと思うと同時に、汗ばんだ手が清美の双丘に伸び、もにゅもにゅと捏ねくり始めた。
 お互いに目を合わせて、官能に蕩けた表情を確かめ合うと、心の奥底からじんわりと温かい快感が広がり、揉まれている乳房だけでなく、二人の恋人に触れている肌という肌が鋭敏になって、膣から愛液が止めどなく滴り落ちる。清美もお返しとばかりに隼人の胸板を撫で回し、勃起している乳首をくりくりと摘んで刺激する。
 部屋の中のフェロモンにのぼせてしまったのだろうか。大切な二人の恋人を貪りたい、という気持ちと、めちゃくちゃに貪られたい、という気持ちが入り混じった清美は、ちゅぱっと唇を離すと唾液をいやらしく垂らしたまま、隼人の乳首や胸、首筋や耳元にキスの雨を降らせ、舐め回した。

「あぁっ……き、清美……くぅぅぅっ……うぉっ!?」

 横たわる恋人が仰け反り、筋肉の張った腰がバウンドした。
 思わず佳苗の方を見ると、フェラチオだけでは満足できない様子で、蜜液まみれの秘所にペニスを擦り付けて前後にグラインドしているではないか。

「びちょびちょのオマ◯コに、硬~いオチ◯チン……スリスリすると、めっちゃ気持ちいいにゃあ♪」

 佳苗も隼人を貪りたくてしかたないようだ。うっとりとした表情を浮かべて振っている腰は、次第にスピードが早くなり、それに合わせて喘ぐ息遣いも早くなる。

 ずりゅずりゅずりゅっ、ずっずっずっ、ずりゅりゅりゅっ。

「はっはっはっ……あううっ……んんんっ……戸塚くんの……固くて、気持ちいいにゃ……そろそろ……我慢できなくなってきた……」

 清美、そして隼人の順に目を合わせた後、妖艶な含み笑いを浮かべながら、佳苗はスルッと前に腰を浮かせ沈めるように尻を牡の股間に擦り付けた。

「うあぁぁっ……く、九門っ……そんな……」

「あぁぁん! ……こんなにスルンと挿入ってくれて……嬉しいにゃ……」

 佳苗は男根を子宮深く収めたあと、ゆっくりと上下に跳ね始めた。
 清美は親友の官能的で恍惚こうこつとした表情に火照りを感じながら、一瞬で男根を飲み込んだ彼女に驚きを隠せなかった。

「清美も……もっと感じてよ……」

 隼人に乳首を摘まれ、快感電流が駆け巡る。
 思わず仰け反る清美には、もう余計な事は考えられなくなっていた。
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