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第二章 初秋の恋人たち
第十三話
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ガチャリと鍵を開け、鎌ヶ谷翔太は自室に八幡栞を招き入れた。
翔太の部屋を眺めた栞は、何かを確信したかのようにニコリとうなずいた。
「なんだよ?」
「……なんでもない。いつもの翔太のおうちだなーって」
翔太の部屋にあかねを招いたことはほとんどない。
心配ないはずだが、栞が何に勘づくかわからない。翔太は栞の言葉を聞き流すふりをするのが精いっぱいであった。
部屋のテーブルにスーパーの買い物袋をどさりと置く。
「あのお店、いつもあんなに混んでないと思うんだけど。私の思い違いかなあ、翔太?」
「そうだね、珍しいよ。この時間なら割と空いているんだけどね」
「でも、おかげで翔太とくっつきながら買い物できて嬉しかったな」
栞は照れたように笑いながら、翔太の袋の隣に買い物袋を置いて、キッチンに向かった。夕飯を作るための準備をするのだろう。屈みながら棚の中の調理器具や調味料を確かめている。
栞のぷっくりとした美尻が翔太に向けてゆれている。
自然体の色気を振りまく栞の後ろ姿が、数週間前のあかねの姿と重なった。
数週間前のあの日、ラブホテルのバスルームで、あかねは翔太に後ろから突かれ、淫らに悶え、喘ぎ、嬌声をあげていた。
あの時の従姉は発情した雌であった。
お互い時間をやりくりして、何度も肌を重ねているが、翔太があかねを求めることが常で、逆にあかねから翔太を欲することは珍しい。
いつにない従姉の淫乱ぶりに驚きつつも、翔太は求めに応え、存分にあかねの身体を貪ったのである。
あかねを貫き、卑猥に濡れそぼった秘所から男根を引き抜いた瞬間、あかねの膣口から白濁色の精液と愛液がドロリと溢れていた光景はまだ鮮明に記憶していた。
淫らな従姉の求めは、バスルームで終わらなかったからである。
バスルームで果てたあと、休憩がてらベッドでお互いの身体をまさぐっているうち、またもやムラムラとなって、どちらからともなく愛撫し始めて、再び求め合ったのであった。
もう一度、後背位であかねを絶頂させて、体位を変えてお互いを密着させ正常位で三度目の射精をしたのだった。
部屋に入った時、ボルテージが最高潮だった翔太も、三度も射精すれば、さすがに心身ともに重くなる。
さらに欲しがる従姉を制したのはフロントからの退出連絡であった。
ナイスタイミング、と感じた翔太は、不満そうなあかねを促して早々にホテルを出たのだった。
淫らな記憶を掘り起こしている翔太をよそに、栞はテキパキと料理の支度を始めた。長い髪を束ねて、エプロンを掛けると、テーブルに置いた買い物袋をガサリと持ち上げる。
屈んだ栞のブラウスから、たわわな胸の谷間がのぞいた。甘い体臭と香水が入り混じった、彼女の香りが鼻腔をくすぐる。
胸を高鳴らす翔太をよそに、キッチンに戻った栞は、手元の紙をみながら、食材を並べ始めた。
スーパーで配布しているレシピメモである。
「鶏のむね肉、トマト、たまねぎ……」
秋といっても、まだ夏を引きずる季節である。狙っているわけではないだろうが、薄手のブラウスから、ピンクのブラジャーが透けて見え、栞が動くたびに艶めかしい濃淡を描いた。
束ねたポニーテールに見え隠れするうなじから、まとっている色香が漂う。
あかねの姿がちらつき、栞と重なる。
だんだんと胸が高鳴り、身体が火照ってきた。
股間が充血し始めたのが、自分でわかる。
「栞……」
「なぁに、お腹すいちゃった?」
翔太は呼びかけながら近寄るが、栞は気にすることもなく、背を向けたまま、料理の支度を続けている。
(今は、あかねぇちゃんは忘れなくちゃ)
目の前にいる恋人は栞だ。あかねではない。
栞を抱いて、記憶を早く上書きしたくなる。
あかねとの激しい情事は生々しく残っている。なおさら上書きしたいのであった。
艶めかしい背中をひとなですると、栞はビクッと身体を強張らせたが、そのまま料理の支度を続ける。手慣れた様子であしらわれた翔太は、そのまま手指を肩甲骨に這わせ、撫でまわし始めた。
「あん……お料理の支度しているのよ、いたずらはやめて」
「いたずらじゃないんだ……」
「あふぅっ……い、今じゃなくても……どうしたの?」
背中を撫でまわしながら、もう片方の手では尻をむにゅむにゅとほぐすように掴むと、栞はビクビクと反応し、ようやく翔太に首を振り向けた。
「っ! ……んんっ」
むちゅっ、ちゅぱっ。
すかさず栞の唇を吸い、身体を密着させる。
恋人は抵抗する素振りを見せたが、いきり立った股間を擦るように押し当てると、がくんと脱力し、翔太の衝動的な欲望を受け入れ始めた。
「もうっ……お仕度する前に言ってくれればいいのに……あんんっ」
「支度している様子が、なんかエッチに見えて……欲しくなっちゃった」
「やだあ……そんな風に見てたの? ……ああっ」
翔太は栞の汗ばんだうなじにキスをして、唾液を乗せた舌を這わせた。
恋人の甘い香りとともに汗を味わう。
「やんっ……まだ、シャワー浴びてない……キスしちゃイヤ」
「僕は……栞の身体だったら平気さ……すごくおいしい」
「う……嬉しい……私も翔太の匂い……好き……ひゃうっ!」
翔太は栞の耳に息を吹きかけて反応させると、手を回して恋人の弾力のある双丘を揉みしだき始めた。
栞の吐息はしだいに荒くなり、胸を愛撫している手に自身の手を重ねて翔太に身をゆだねた。
ぷちゅっ、ちゅぷっ、ちゅちゅっ。
「あむうっ……んんんっ……はふぅっ」
肩越しに唇を重ねて舌を絡めて唾液を交換する。
翔太の接吻を受ける栞の瞳は、しだいに焦点をとろんとさせ、うっとりとした表情に変わっていく。
「あぅんっ、んんんっ、翔太……気持ちいいよ……」
「栞……エロくて綺麗だ……」
栞が身体ごと翔太に向き直り、ぎゅっと抱きついてきた。
吐息は艶やかな湿り気を帯びていて、ブラウス越しに淫らな火照りを感じる。
「し……翔太のせいだよ、こんなに硬くして……私だって、我慢できなくなっちゃう」
「ううっ……栞、その触り方、ヤバいっ」
Gパン越しだが、いきり立った男根を摘まむように指で撫でられると、翔太に快感電流が走り、思わずのけ反る。
恋人の反応を見た栞は、妖艶な笑みを浮かべて翔太の喉元にキスをした。
翔太の部屋を眺めた栞は、何かを確信したかのようにニコリとうなずいた。
「なんだよ?」
「……なんでもない。いつもの翔太のおうちだなーって」
翔太の部屋にあかねを招いたことはほとんどない。
心配ないはずだが、栞が何に勘づくかわからない。翔太は栞の言葉を聞き流すふりをするのが精いっぱいであった。
部屋のテーブルにスーパーの買い物袋をどさりと置く。
「あのお店、いつもあんなに混んでないと思うんだけど。私の思い違いかなあ、翔太?」
「そうだね、珍しいよ。この時間なら割と空いているんだけどね」
「でも、おかげで翔太とくっつきながら買い物できて嬉しかったな」
栞は照れたように笑いながら、翔太の袋の隣に買い物袋を置いて、キッチンに向かった。夕飯を作るための準備をするのだろう。屈みながら棚の中の調理器具や調味料を確かめている。
栞のぷっくりとした美尻が翔太に向けてゆれている。
自然体の色気を振りまく栞の後ろ姿が、数週間前のあかねの姿と重なった。
数週間前のあの日、ラブホテルのバスルームで、あかねは翔太に後ろから突かれ、淫らに悶え、喘ぎ、嬌声をあげていた。
あの時の従姉は発情した雌であった。
お互い時間をやりくりして、何度も肌を重ねているが、翔太があかねを求めることが常で、逆にあかねから翔太を欲することは珍しい。
いつにない従姉の淫乱ぶりに驚きつつも、翔太は求めに応え、存分にあかねの身体を貪ったのである。
あかねを貫き、卑猥に濡れそぼった秘所から男根を引き抜いた瞬間、あかねの膣口から白濁色の精液と愛液がドロリと溢れていた光景はまだ鮮明に記憶していた。
淫らな従姉の求めは、バスルームで終わらなかったからである。
バスルームで果てたあと、休憩がてらベッドでお互いの身体をまさぐっているうち、またもやムラムラとなって、どちらからともなく愛撫し始めて、再び求め合ったのであった。
もう一度、後背位であかねを絶頂させて、体位を変えてお互いを密着させ正常位で三度目の射精をしたのだった。
部屋に入った時、ボルテージが最高潮だった翔太も、三度も射精すれば、さすがに心身ともに重くなる。
さらに欲しがる従姉を制したのはフロントからの退出連絡であった。
ナイスタイミング、と感じた翔太は、不満そうなあかねを促して早々にホテルを出たのだった。
淫らな記憶を掘り起こしている翔太をよそに、栞はテキパキと料理の支度を始めた。長い髪を束ねて、エプロンを掛けると、テーブルに置いた買い物袋をガサリと持ち上げる。
屈んだ栞のブラウスから、たわわな胸の谷間がのぞいた。甘い体臭と香水が入り混じった、彼女の香りが鼻腔をくすぐる。
胸を高鳴らす翔太をよそに、キッチンに戻った栞は、手元の紙をみながら、食材を並べ始めた。
スーパーで配布しているレシピメモである。
「鶏のむね肉、トマト、たまねぎ……」
秋といっても、まだ夏を引きずる季節である。狙っているわけではないだろうが、薄手のブラウスから、ピンクのブラジャーが透けて見え、栞が動くたびに艶めかしい濃淡を描いた。
束ねたポニーテールに見え隠れするうなじから、まとっている色香が漂う。
あかねの姿がちらつき、栞と重なる。
だんだんと胸が高鳴り、身体が火照ってきた。
股間が充血し始めたのが、自分でわかる。
「栞……」
「なぁに、お腹すいちゃった?」
翔太は呼びかけながら近寄るが、栞は気にすることもなく、背を向けたまま、料理の支度を続けている。
(今は、あかねぇちゃんは忘れなくちゃ)
目の前にいる恋人は栞だ。あかねではない。
栞を抱いて、記憶を早く上書きしたくなる。
あかねとの激しい情事は生々しく残っている。なおさら上書きしたいのであった。
艶めかしい背中をひとなですると、栞はビクッと身体を強張らせたが、そのまま料理の支度を続ける。手慣れた様子であしらわれた翔太は、そのまま手指を肩甲骨に這わせ、撫でまわし始めた。
「あん……お料理の支度しているのよ、いたずらはやめて」
「いたずらじゃないんだ……」
「あふぅっ……い、今じゃなくても……どうしたの?」
背中を撫でまわしながら、もう片方の手では尻をむにゅむにゅとほぐすように掴むと、栞はビクビクと反応し、ようやく翔太に首を振り向けた。
「っ! ……んんっ」
むちゅっ、ちゅぱっ。
すかさず栞の唇を吸い、身体を密着させる。
恋人は抵抗する素振りを見せたが、いきり立った股間を擦るように押し当てると、がくんと脱力し、翔太の衝動的な欲望を受け入れ始めた。
「もうっ……お仕度する前に言ってくれればいいのに……あんんっ」
「支度している様子が、なんかエッチに見えて……欲しくなっちゃった」
「やだあ……そんな風に見てたの? ……ああっ」
翔太は栞の汗ばんだうなじにキスをして、唾液を乗せた舌を這わせた。
恋人の甘い香りとともに汗を味わう。
「やんっ……まだ、シャワー浴びてない……キスしちゃイヤ」
「僕は……栞の身体だったら平気さ……すごくおいしい」
「う……嬉しい……私も翔太の匂い……好き……ひゃうっ!」
翔太は栞の耳に息を吹きかけて反応させると、手を回して恋人の弾力のある双丘を揉みしだき始めた。
栞の吐息はしだいに荒くなり、胸を愛撫している手に自身の手を重ねて翔太に身をゆだねた。
ぷちゅっ、ちゅぷっ、ちゅちゅっ。
「あむうっ……んんんっ……はふぅっ」
肩越しに唇を重ねて舌を絡めて唾液を交換する。
翔太の接吻を受ける栞の瞳は、しだいに焦点をとろんとさせ、うっとりとした表情に変わっていく。
「あぅんっ、んんんっ、翔太……気持ちいいよ……」
「栞……エロくて綺麗だ……」
栞が身体ごと翔太に向き直り、ぎゅっと抱きついてきた。
吐息は艶やかな湿り気を帯びていて、ブラウス越しに淫らな火照りを感じる。
「し……翔太のせいだよ、こんなに硬くして……私だって、我慢できなくなっちゃう」
「ううっ……栞、その触り方、ヤバいっ」
Gパン越しだが、いきり立った男根を摘まむように指で撫でられると、翔太に快感電流が走り、思わずのけ反る。
恋人の反応を見た栞は、妖艶な笑みを浮かべて翔太の喉元にキスをした。
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