3 / 16
第一章 そぼ降る雨のいとこたち
※第三話
しおりを挟む
うっとうしいとばかりに、藤沢あかねは通勤カバンとレインコートを、しつらえてあるソファに放り投げた。
後ろで翔太が靴を脱ぎながらあっけに取られていた。
(部屋に入れば、気にしなくていいもん)
エレベーターで翔太と唇を合わせてから、胸が跳ねるように高鳴り、身体の奥が火照ってくる。
久しぶりのキスがスイッチになったのだろうか。あかねは自分が思った以上に翔太を欲していたようだ。
何度も身体を重ねているのに、今日は妙に鼓動が高鳴って、人前でも翔太にむしゃぶりつきたくなる。
昨日喧嘩してしまった自分の夫である藤沢茂にさえ、あかねはここまで欲情した記憶はない。
何度も身体を重ねれば、しだいにお互いに飽きてきそうなものだが、エレベーターの時のように身体を密着させているだけで、いまだに身体の奥がキュンとする。
「翔ちゃん、はーやーくー」
「わかったよ、ちょっと待ってよ」
「待てない、はやくはやく~」
ぽすん、と座ったあかねは、翔太に手招きしながら後ろにもたれかかった。
やれやれとした表情であった翔太だが、自分で頬を撫でながら近づいてくる様子を見て、あかねはニヤリと口角を上げた。
(今日はたくさん気持ちよくなれるかな)
あかねは翔太のクセを知っていた。
本人は意識していないのだろうが、翔太があかねを激しく求めるときは、彼はしきりに自分の頬を撫でるのだ。
平静を装っているが、一皮むいた翔太は、きっと肉欲の塊なのだろう。
ドサっとソファに座った翔太の顔が赤らみ、ギラギラとした瞳であかねを見つめる様子をみて確信に変わった。
(ほら、やっぱり……)
あかねが言葉を発する前に、かぶりつくように翔太があかねの身体を抱きしめる。
「あかねぇちゃん……おまたせ」
「翔ちゃん、待って……あ……んんんっ……んんっ」
(あ……指輪外す前なのに……)
荒い鼻息ともにお互いの唇が重なり、グイグイと吸われる。
あかねもくちゅくちゅと接吻しながら、ジャケットを脱ぐ。当てずっぽうで後ろに放った。
こんなことになるだろうことは、あらかじめわかっていたので、ジャケットは多少汚れても良いものを選んできた。
翔太とは裸で過ごすことが多くなるだろうし、いまさら服装が多少雑でもなんの支障もなかった。
ただ、これから翔太に脱がされるであろうカットソーの下、つまり下着はお気に入りを選んできた。
はふはふっ、くちゅちゅっ。
キスを続けながら、翔太の背後でバサリと音がした。あかねと同じくジャケットを放ったのだろう。
まるで息継ぎのように唇を離すと、びしゃびしゃになった口から、つつつ、と唾液が顎に垂れる。
ふぅふぅと喘ぎながら、お互いを見つめ合い、ニコリとする。
再び迫る翔太を制して、傍らにおいたカバンをゴソゴソとまさぐる。
中指が、しっとりとした物に触れた。
(あ、あった……)
あかねは小さなライトブラウンの革小物を取り出した。
この時のために購入した指輪ケースであった。もちろん、夫の茂には違う理由を言ってある。
左手を翔太の前にかざして、上目遣いに薬指の指輪を外し、慣れた手付きでケースにしまうと注意深くカバンに収めた。
「翔ちゃん、おまたせ。続き、しよ♪」
「ねえちゃん……」
あかねはおどけながら、向かい入れるように両手を拡げると、翔太は倒れるように覆いかぶさった。
革張りのソファがギュギュと音を立てて軋み、あかねは後ろに沈み込んでいく。
お互いの吐息が湿り気を帯びてくる。唇にはじまり、頬、あご、喉元、首筋をぷちゅっぷちゅっと翔太についばまれ、あかねのまとっている「人妻」という衣が溶けていく。
「翔ちゃん……いつもより……キス、感じちゃう」
「あかねぇちゃんも……いつもより身体が熱いよ」
カットソーのボタンが丁寧に外される。しだいにラベンダーカラーのブラジャーが露わになる。
「人妻」が溶けて従姉であり翔太の密かな恋人である、「鎌ヶ谷あかね」の地肌が顔を出す。
「こうして触っているだけでも、シャツ越しに熱が伝わってくる」
「なによ……それじゃ……んふっ、んんんっ」
それじゃまるでエロ女みたい、と言いかけたあかねだったが、翔太の唇が重なって、その後の言葉は続かなかった。
どちらからでもなく、舌が伸びてきて絡み合う。
ちゅぱちゅぱという接吻音と、ギュギュ、ギシギシというソファの軋む音。そして、お互いのしだいに荒くなる吐息の音。
唇を離すと、小さな音量ながら、部屋の有線から洋楽流れていたことに気がついた。
「いつもより、つやつやしているね、肌」
「嬉しい、ありがとう……翔ちゃんに言われるの、すごく嬉しい。キュンキュンしちゃう」
「すべすべのお腹も出てきた」
「やぁん、恥ずかしくなっちゃうよ」
カットソーのボタンが全て外されて、へそ周りを撫でられる。
少しポチャって来たかな、と気にしていたのだが、翔太も夫の茂も今のままが良いという。
つつつと撫でる翔太の手も、火照りを帯びてじんわりと熱く、しっとりとしていた。
「触ってるだけでも気持ちいい……」
「翔ちゃん、お風呂は……」
問いかけに翔太はうっとりとした表情のまま首を振る。
(そういう私も、ここでお風呂は入りたくないのよね……)
ここまで盛り上がっているのに、いそいそと風呂に入って、イチャついたムードを台無しにしたくなかった。
そんなことが頭をよぎった瞬間であった。
「あっ! あんんんっ!!」
脇腹に触れた翔太の指が、すぅっと腰から腋へ這っていくと、自分の意思と関係なく、あかねは身体をくねらせた。
指が触れて伝った跡に、少し遅れてぞわっという感覚がやってきて、身体の芯の火照りが増してくる。
あかねの悶える様子を見て、翔太の手は腋から乳房に移り、ふるふるとたわわな乳房を揺らすように揉んでいくのであった。
後ろで翔太が靴を脱ぎながらあっけに取られていた。
(部屋に入れば、気にしなくていいもん)
エレベーターで翔太と唇を合わせてから、胸が跳ねるように高鳴り、身体の奥が火照ってくる。
久しぶりのキスがスイッチになったのだろうか。あかねは自分が思った以上に翔太を欲していたようだ。
何度も身体を重ねているのに、今日は妙に鼓動が高鳴って、人前でも翔太にむしゃぶりつきたくなる。
昨日喧嘩してしまった自分の夫である藤沢茂にさえ、あかねはここまで欲情した記憶はない。
何度も身体を重ねれば、しだいにお互いに飽きてきそうなものだが、エレベーターの時のように身体を密着させているだけで、いまだに身体の奥がキュンとする。
「翔ちゃん、はーやーくー」
「わかったよ、ちょっと待ってよ」
「待てない、はやくはやく~」
ぽすん、と座ったあかねは、翔太に手招きしながら後ろにもたれかかった。
やれやれとした表情であった翔太だが、自分で頬を撫でながら近づいてくる様子を見て、あかねはニヤリと口角を上げた。
(今日はたくさん気持ちよくなれるかな)
あかねは翔太のクセを知っていた。
本人は意識していないのだろうが、翔太があかねを激しく求めるときは、彼はしきりに自分の頬を撫でるのだ。
平静を装っているが、一皮むいた翔太は、きっと肉欲の塊なのだろう。
ドサっとソファに座った翔太の顔が赤らみ、ギラギラとした瞳であかねを見つめる様子をみて確信に変わった。
(ほら、やっぱり……)
あかねが言葉を発する前に、かぶりつくように翔太があかねの身体を抱きしめる。
「あかねぇちゃん……おまたせ」
「翔ちゃん、待って……あ……んんんっ……んんっ」
(あ……指輪外す前なのに……)
荒い鼻息ともにお互いの唇が重なり、グイグイと吸われる。
あかねもくちゅくちゅと接吻しながら、ジャケットを脱ぐ。当てずっぽうで後ろに放った。
こんなことになるだろうことは、あらかじめわかっていたので、ジャケットは多少汚れても良いものを選んできた。
翔太とは裸で過ごすことが多くなるだろうし、いまさら服装が多少雑でもなんの支障もなかった。
ただ、これから翔太に脱がされるであろうカットソーの下、つまり下着はお気に入りを選んできた。
はふはふっ、くちゅちゅっ。
キスを続けながら、翔太の背後でバサリと音がした。あかねと同じくジャケットを放ったのだろう。
まるで息継ぎのように唇を離すと、びしゃびしゃになった口から、つつつ、と唾液が顎に垂れる。
ふぅふぅと喘ぎながら、お互いを見つめ合い、ニコリとする。
再び迫る翔太を制して、傍らにおいたカバンをゴソゴソとまさぐる。
中指が、しっとりとした物に触れた。
(あ、あった……)
あかねは小さなライトブラウンの革小物を取り出した。
この時のために購入した指輪ケースであった。もちろん、夫の茂には違う理由を言ってある。
左手を翔太の前にかざして、上目遣いに薬指の指輪を外し、慣れた手付きでケースにしまうと注意深くカバンに収めた。
「翔ちゃん、おまたせ。続き、しよ♪」
「ねえちゃん……」
あかねはおどけながら、向かい入れるように両手を拡げると、翔太は倒れるように覆いかぶさった。
革張りのソファがギュギュと音を立てて軋み、あかねは後ろに沈み込んでいく。
お互いの吐息が湿り気を帯びてくる。唇にはじまり、頬、あご、喉元、首筋をぷちゅっぷちゅっと翔太についばまれ、あかねのまとっている「人妻」という衣が溶けていく。
「翔ちゃん……いつもより……キス、感じちゃう」
「あかねぇちゃんも……いつもより身体が熱いよ」
カットソーのボタンが丁寧に外される。しだいにラベンダーカラーのブラジャーが露わになる。
「人妻」が溶けて従姉であり翔太の密かな恋人である、「鎌ヶ谷あかね」の地肌が顔を出す。
「こうして触っているだけでも、シャツ越しに熱が伝わってくる」
「なによ……それじゃ……んふっ、んんんっ」
それじゃまるでエロ女みたい、と言いかけたあかねだったが、翔太の唇が重なって、その後の言葉は続かなかった。
どちらからでもなく、舌が伸びてきて絡み合う。
ちゅぱちゅぱという接吻音と、ギュギュ、ギシギシというソファの軋む音。そして、お互いのしだいに荒くなる吐息の音。
唇を離すと、小さな音量ながら、部屋の有線から洋楽流れていたことに気がついた。
「いつもより、つやつやしているね、肌」
「嬉しい、ありがとう……翔ちゃんに言われるの、すごく嬉しい。キュンキュンしちゃう」
「すべすべのお腹も出てきた」
「やぁん、恥ずかしくなっちゃうよ」
カットソーのボタンが全て外されて、へそ周りを撫でられる。
少しポチャって来たかな、と気にしていたのだが、翔太も夫の茂も今のままが良いという。
つつつと撫でる翔太の手も、火照りを帯びてじんわりと熱く、しっとりとしていた。
「触ってるだけでも気持ちいい……」
「翔ちゃん、お風呂は……」
問いかけに翔太はうっとりとした表情のまま首を振る。
(そういう私も、ここでお風呂は入りたくないのよね……)
ここまで盛り上がっているのに、いそいそと風呂に入って、イチャついたムードを台無しにしたくなかった。
そんなことが頭をよぎった瞬間であった。
「あっ! あんんんっ!!」
脇腹に触れた翔太の指が、すぅっと腰から腋へ這っていくと、自分の意思と関係なく、あかねは身体をくねらせた。
指が触れて伝った跡に、少し遅れてぞわっという感覚がやってきて、身体の芯の火照りが増してくる。
あかねの悶える様子を見て、翔太の手は腋から乳房に移り、ふるふるとたわわな乳房を揺らすように揉んでいくのであった。
21
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】【R18】淫らになるというウワサの御神酒をおとなしい彼女に飲ませたら、淫乱MAXになりました。
船橋ひろみ
恋愛
幼馴染みから、恋人となって数ヶ月の智彦とさゆり。
お互い好きな想いは募るものの、シャイなさゆりのガードが固く、セックスまでには至らなかった。
年始2日目、年始のデートはさゆりの発案で、山奥にある神社に行くことに。実はその神社の御神酒は「淫ら御神酒」という、都市伝説があり……。初々しいカップルの痴態を書いた、書き下ろし作品です。
※「小説家になろう」サイトでも掲載しています。題名は違いますが、内容はほとんど同じで、こちらが最新版です。
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
【R18】禁断の家庭教師
幻田恋人
恋愛
私ことセイジは某有名私立大学在学の2年生だ。
私は裕福な家庭の一人娘で、女子高2年生であるサヤカの家庭教師を引き受けることになった。
サヤカの母親のレイコは美しい女性だった。
私は人妻レイコにいつしか恋心を抱くようになっていた。
ある日、私の行動によって私のレイコへの慕情が彼女の知るところとなる。
やがて二人の間は、娘サヤカの知らないところで禁断の関係へと発展してしまう。
童貞である私は憧れの人妻レイコによって…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる