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本編
2人は僕の先生!
しおりを挟むあれから能力が覚醒したらしい僕はレオンさんとフェルと一緒に特訓することになった。
魔法なんてない世界から来たので当然、使い方も知らないし、能力はあっても使いこなせるかも分からなかった。
だから授かった能力を使えるように特訓することになり、先生としてレオンさんとフェルに教えてもらっている。
「よし、じゃあまずはじめに魔力を感じる所から始めよう。魔力は体液に含まれており、その体液に乗って全身を巡っている。簡単に言えば第2の血液みたいなものだ、って言っても分かりづらいだろ?俺からアサヒに魔力を流してみるから感じ取ってみてくれ」
そう言ってレオンさんは僕の手を取りぎゅっと握る。暫くすると握られた手のひらからじんわりと何が暖かいものが僕の身体の中に流れ込んできたような気がする…
「なんか…身体がぽかぽかしてきました」
「そう、それが魔力だ。俺の手のひらからアサヒへ魔力を流している。」
ここでふと疑問に思ったことを聞いてみた
「あれ?…でも魔力って体液に含まれてるんですよね?…ならなんで今レオンさんの魔力感じられてるんですか?」
「よく気づいたな、ちゃんと覚えてて偉いな」
よしよしとレオンさんが僕の頭を撫でてくれた。
「アサヒの言った通り、魔力は体液に含まれている。だが、魔力は放出できる。攻撃魔法や、補助魔法…いろんな魔法があるがどれも体液が無くても使用できているだろ?」
「なるほど…」
少し難しい話をなんとか理解して僕は頷いた。
「アサヒあまり難しく考えなくていいぞ、我らが教えているのだ。しっかり使いこなせるようにしてやる」
先程から柔らかクッションの上で寛いでいるフェルがそう言いながら身体を起こし伸びをする。
トテトテと僕の元へ近寄り足元に座った。そして子犬サイズだったフェルが一瞬にして元の大きなサイズになる。
「我からも魔力をアサヒに流してみよう。基本は大切だ、何度か魔力を流して身体に覚えさせるぞ」
大きな顔をゆっくりと僕の目の前まで下げて目をつぶるフェル、それに合わせて僕は手をフェルのおでこにくっつけた。
暫くすると再びじんわりと身体がぽかぽかしてきたが、レオンさんの時と少し感じ方が違うような気がした。
「フェル…、フェルの魔力もぽかぽかしてるけどなんかレオンさんの魔力とまた違った感じがする…」
「魔力は人それぞれ持っているものが違う、この世に全くもって同じ魔力は無い」
「だからレオンさんとフェルの魔力は違う感じがしたのか…」
僕はフェルのおでこから手を離しぐっぱぐっぱと手を開いたり閉じたり繰り返す。
何となく流れを掴んだ気がする…でもさすがにちょっと疲れたかも…
ふぅと小さくため息を零すと
「アサヒ少し休憩しよう、焦らなくても順調に進んでいるから大丈夫だ」
少し疲れた顔をしていたらしい僕を気遣ってレオンさんがそう提案してくれた。
「我は『ケーキ』が食べたい!」
ポンと子犬サイズに戻ったフェルは一足先にトコトコと休憩スペースへ走っていった
しっぽをふりふり振りルンルンなフェルの後ろ姿を僕とレオンさんは笑いながら追いかけた。
そして楽しい休憩が終わったあとは再び2人に教わりながら特訓を続けた。
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