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本編
花嫁修業始めます
しおりを挟む国王陛下に報告して国民にお披露目しお祭り騒ぎが1週間続いた後、宰相から連絡が来て僕たちの婚約パーティが1ヶ月後に開かれことになり一気に忙しくなった。
パーティには国の重鎮や近隣諸国の王国貴族の方々も招待するとなって僕はセバスさんに頼んでテーブルマナーや礼儀作法を教えて貰っていた。その間レオンさんはダルイズさんとパーティ当日の警備体制なんかを事細かく指示して決めているらしい。
あらかたマナーについてセバスさんから合格を貰いそしてもうひとつの勉強に今僕は挑んでいる。先生は僕の適正魔法を調べてくれたダルイズさんの恋人アリルさんだ。なんでアリルさんが先生なのかと言うと…閨関係の事だから。お互いにパートナーが男性であり受け入れる側だから先生として白羽の矢がたったらしい。
「ご婚約おめでとうございます」
「ありがとうございます!」
丁寧な所作でアリルさんからお祝いの言葉を貰う。嬉しくてニコニコしているとふふっと笑われた。アリルさんは机をはさんだ対面のイスにゆっくりと腰をかける。
「それでは授業を始めますね…と言ってもただの雑談になりそうですが」
「お、お願いします」
これから勉強する内容にドキマギして喉が乾きセバスさんの入れてくれた紅茶を飲み潤す。照れてガチガチに緊張している僕にアリルさんは「大丈夫ですよ」と優しく労り僕のペースで進めてくれる。お互いに照れながらポツポツ喋りだすと「私も!」「僕も!」と僕たちは共感の嵐ですぐに意気投合した。
アレが大きくて…絶倫で…色んな体位で…次の日はベットの住民で…etc
閨関係において僕たちは共通点が多かったのだ。それに盛り上がりあっという間に時間はすぎていく。
「…では後は実践あるのみですね」
「が、頑張ります!」
「私もアサヒさんを見習って頑張らないと…」
アリルさんは綺麗な顔を少し歪め苦笑いする。
「アリルさんもですか?」
「はい、最近マンネリな気がして…」
「マンネリかぁ…あっ」
「どうされました?」
はっと向こうの世界の事を思い出しアリルさんに提案してみる。
「コスプレなんでどうですか?」
「こす…ぷれ?」
「例えなんですけどアリルさんがメイドさんの格好をしてダルイズさんに御奉仕するとか…猫耳つけて甘えてみるとか…」
「なるほど…仮装ということですね」
「まぁ、だいたいそうですね」
仮装とはちょっと違う気もするような…まぁほとんど同じだろうと適当に返事をする。
「しかし、どこで衣装を探せばいいんでしょう」
「僕の知り合いに服飾の店を経営している人がいます!デザイナーでもあるので要望を出せばある程度僕たちの望む服を作ってくれると思いますよ!そうだ今度一緒に買い物に行きませんか?」
「いいですね!よろしくお願いします」
こうして今度2人でお出かけする約束もした。ふふっ楽しみだなぁ~なんて思っていると、セバスさんが扉をノックして時間だと教えてくれた。
少しするとやつれた顔をしたレオンさんが部屋に入ってきてぎゅっと僕を抱きしめる。「あぁアサヒの匂い…いい匂いだ」なんて言って首元に顔を埋めてスンスンと匂いをかがれる。ちょっと恥ずかしいなと思いながらレオンさんにされるがままになっていると開けっ放しの扉からダルイズさんが顔を出す。ダルイズさんも疲労が顔に出ている。
「アリルの迎えだ」と言って流れるようにアリルさんを抱き上げ颯爽と帰っていった。アリルさんの顔がちょっぴり赤かったのは気のせいではないだろう。
アリルさんたちが帰っても僕の匂いを嗅ぎ続けているレオンさんをヨシヨシと頭を撫でちゅっと耳にキスするとレオンそんの目がギラリと光りガバッと抱き上げられ寝室へ運ばれて朝まで愛された。
次の日、当然僕は愛されすぎて足腰が立たずベットの住民になった。それに対してレオンさんは朝までしてたのに疲れた様子はなくむしろキラキラした笑顔で軽やかな足取りで仕事へ行った。
後日談だが、その日アリルさんもベットの住民になっていたらしい。もちろんダルイズさんはレオンさんと同じくキラキラした笑顔で仕事に向かったという。
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