上 下
32 / 108
本編

花嫁修業始めます

しおりを挟む






国王陛下に報告して国民にお披露目しお祭り騒ぎが1週間続いた後、宰相から連絡が来て僕たちの婚約パーティが1ヶ月後に開かれことになり一気に忙しくなった。


パーティには国の重鎮や近隣諸国の王国貴族の方々も招待するとなって僕はセバスさんに頼んでテーブルマナーや礼儀作法を教えて貰っていた。その間レオンさんはダルイズさんとパーティ当日の警備体制なんかを事細かく指示して決めているらしい。



あらかたマナーについてセバスさんから合格を貰いそしてもうひとつの勉強に今僕は挑んでいる。先生は僕の適正魔法を調べてくれたダルイズさんの恋人アリルさんだ。なんでアリルさんが先生なのかと言うと…閨関係の事だから。お互いにパートナーが男性であり受け入れる側だから先生として白羽の矢がたったらしい。






「ご婚約おめでとうございます」

「ありがとうございます!」






丁寧な所作でアリルさんからお祝いの言葉を貰う。嬉しくてニコニコしているとふふっと笑われた。アリルさんは机をはさんだ対面のイスにゆっくりと腰をかける。






「それでは授業を始めますね…と言ってもただの雑談になりそうですが」

「お、お願いします」





これから勉強する内容にドキマギして喉が乾きセバスさんの入れてくれた紅茶を飲み潤す。照れてガチガチに緊張している僕にアリルさんは「大丈夫ですよ」と優しく労り僕のペースで進めてくれる。お互いに照れながらポツポツ喋りだすと「私も!」「僕も!」と僕たちは共感の嵐ですぐに意気投合した。



アレが大きくて…絶倫で…色んな体位で…次の日はベットの住民で…etc





閨関係において僕たちは共通点が多かったのだ。それに盛り上がりあっという間に時間はすぎていく。






「…では後は実践あるのみですね」

「が、頑張ります!」

「私もアサヒさんを見習って頑張らないと…」






アリルさんは綺麗な顔を少し歪め苦笑いする。






「アリルさんもですか?」

「はい、最近マンネリな気がして…」

「マンネリかぁ…あっ」

「どうされました?」






はっと向こうの世界の事を思い出しアリルさんに提案してみる。







「コスプレなんでどうですか?」

「こす…ぷれ?」

「例えなんですけどアリルさんがメイドさんの格好をしてダルイズさんに御奉仕するとか…猫耳つけて甘えてみるとか…」

「なるほど…仮装ということですね」

「まぁ、だいたいそうですね」







仮装とはちょっと違う気もするような…まぁほとんど同じだろうと適当に返事をする。








「しかし、どこで衣装を探せばいいんでしょう」

「僕の知り合いに服飾の店を経営している人がいます!デザイナーでもあるので要望を出せばある程度僕たちの望む服を作ってくれると思いますよ!そうだ今度一緒に買い物に行きませんか?」

「いいですね!よろしくお願いします」










こうして今度2人でお出かけする約束もした。ふふっ楽しみだなぁ~なんて思っていると、セバスさんが扉をノックして時間だと教えてくれた。


少しするとやつれた顔をしたレオンさんが部屋に入ってきてぎゅっと僕を抱きしめる。「あぁアサヒの匂い…いい匂いだ」なんて言って首元に顔を埋めてスンスンと匂いをかがれる。ちょっと恥ずかしいなと思いながらレオンさんにされるがままになっていると開けっ放しの扉からダルイズさんが顔を出す。ダルイズさんも疲労が顔に出ている。



「アリルの迎えだ」と言って流れるようにアリルさんを抱き上げ颯爽と帰っていった。アリルさんの顔がちょっぴり赤かったのは気のせいではないだろう。



アリルさんたちが帰っても僕の匂いを嗅ぎ続けているレオンさんをヨシヨシと頭を撫でちゅっと耳にキスするとレオンそんの目がギラリと光りガバッと抱き上げられ寝室へ運ばれて朝まで愛された。




次の日、当然僕は愛されすぎて足腰が立たずベットの住民になった。それに対してレオンさんは朝までしてたのに疲れた様子はなくむしろキラキラした笑顔で軽やかな足取りで仕事へ行った。





後日談だが、その日アリルさんもベットの住民になっていたらしい。もちろんダルイズさんはレオンさんと同じくキラキラした笑顔で仕事に向かったという。























しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生してハーレム作れる能力を手に入れたのに男しかいない世界だった

藤いろ
BL
好きなキャラが男の娘でショック死した主人公。転生の時に貰った能力は皆が自分を愛し何でも言う事を喜んで聞く「ハーレム」。しかし転生した異世界は男しかいない世界だった。 毎週水曜に更新予定です。 宜しければご感想など頂けたら参考にも励みにもなりますのでよろしくお願いいたします。

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

転生したら断罪イベ最中で王子側だったオレの話

ひやむつおぼろ
BL
「お前は愛しいアンジュを虐げた!お前との、婚約は……」  くらり、と目の前が歪む。あ、あれ?なんだこのフリフリ衣装?!なんだこの左腕にしなだれかかる化粧の濃い勘違いドレス女!オレはスーツ着て電車に揺られてたはず……。 「ジュリアス様、どうかなさいました?さぁ、早くルミナスとの婚約を解消して私と王家を継ぎましょう?」  女が胸を押し付けて上目遣いでこちらを見つめる。うっわぁ。わざとらしい。香水臭い!誰か助けて、と周りを見渡すと人!人!人!会食か何かなのか、グラスを持ち、扇を持ったドレス姿の女や、タキシード姿の男たちがヒソヒソと話し合っている。 ージュリアス様って第三王子だろう? ーああ、それに第一王子が来月皇太子になるはずだが…。 ールミナス様、婚約破棄されてしまうのかしら。あることないこと吹き込んで、男爵の位のくせにあんなに馴れ馴れしく…許せないわ…。  外野の言葉を察するに、これは断罪イベとかいうやつか?しかも、このケバ女は王妃になりたくてオレに嘘を吹き込んでたと…。そんな曲がったこと許されねぇな! 「ルミナス、ルミナスすまない。アンジュはこう言っていたが、君がそういうことをした証拠を教えてもらってないんだ。アンジュとルミナスとオ…私で、別室で話をしないか?」  日本人の頃の記憶ではなく、ジュリアスだった頃の記憶を呼び戻しながら、ルミナスを探す。 「はい、ジュリアス殿下の仰せのままに…」  ルミナスと呼ばれたその人は、銀髪碧眼の男だった。 ……?なんで? ーー ランキングに婚約破棄多いから、短編で書いてみることにしました。楽しみです。 追記……皆様!見ていただきありがとうございます!こんなはずじゃなかった!もっとちゃんとねって書けばよかった!深夜の寝れない時間に書きたいところを書いて出して書いて出してとしてるのでたっくさんボロがある…味のある作品になっています! なんでやねんてツッコミながら見てください。 追記……順番変わりましたしおり挟んでた皆様すみません!

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

人気者達に何故か俺が構われすぎてます。

どらやき
BL
「誰にも渡したりしない。」 そう言いよってくる学校人気者達は、主人公ではなく俺という悪役に声を掛けてくる。

地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。 オマケに丸い伊達メガネ。 高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。 そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。 あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。 俺のポディションは片隅に限るな。

運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました

十夜 篁
BL
 初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。 そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。 「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!? しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」 ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意! 「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」  まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…? 「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」 「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」 健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!? そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。 《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》

BL 生徒会長が怖い

かのほ
BL
絶大な権力を持つ生徒会執行部。みんな怯えて生活をしている。主人公は大人しく生活してたのに目をつけられてしまって...

処理中です...