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本編
プロポーズは突然に
しおりを挟む「アサヒ…俺と結婚しよう」
「…へ?」
待って…なんて言った?今なんて言った?
昨日の夜激しく愛し合い昼半ばまで2人揃ってベットで微睡んでいたらいきなりの告白に完全にフリーズする僕を他所にレオンさんは続ける。
「アサヒがこの世界に来てくれたことは奇跡だと思う。始めはそばにいられるだけでいいと思っていたが一緒に過ごしていくうちに俺だけを見て好きになって欲しいと…俺以外の誰かと一緒にいる所を想像して胸が張り裂けそうになった。」
「…レオンさん」
「ここに誓う。この先アサヒを必ず幸せにする。1人にさせない。俺と共に歩んでくれ…家族になろう。」
どくんどくんと心臓がうるさい。レオンさんにも聞こえてるんじゃないかと思うくらい爆音爆速で動いている。
…僕でいいんだろうか。異世界人の僕で…
嬉しさと困惑でポロポロと大粒の涙を流しながらそんな事を考えているとレオンさんがぎゅっと僕を抱きしめる。
「俺がアサヒじゃなきゃダメなんだ。もうアサヒなしでは生きていけない」
「うっうぅ…レオン…さんっ」
ひっくひっくと喉をひきつらせながらレオンさんの背中に腕を回し体がぴったりくっつくように抱きしめ返すとレオンさんにちゅっちゅっと優しく涙を吸い取られる。
悩むことなんてない…だってもう決まっていたんだから。
身体を少し離しレオンさんの顔をしっかり見上げ深呼吸して、元の世界の誓いの言葉を口にする。
「…僕、鳳旭はレオン・ニルスを生涯の伴侶とし、病める時も健やかなる時も愛し続けることを誓います」
「アサヒっ…!」
「ふふっ元の世界での誓いの言葉です」
「あぁ俺も誓おう。…レオン・ニルスはアサヒを生涯の伴侶とし、病める時も健やかなる時も愛し続けることを誓う」
誓いの言葉を言い終わると力いっぱい抱きしめられレオンさんが涙を流しながらキスをするとそのままベット押し倒される。そして何度も何度も耳元で愛を囁かれながら真昼間から盛り上がってしまい、その1日はずっと2人で寝室に篭もった。
次の日に緊張しながら王宮へ赴き国王陛下にレオンさんと結婚したいことを伝えたら、「なんとめでたい!」と大いに喜ばれた。その場にいた宰相も笑顔で「おめでとうございます」と祝ってくれた。元帥閣下は息子の結婚話にフリーズしてたけどなんとか正気をとり戻し「おめでとう」とぶっきらぼう言ってそそくさと応接室を出ていってしまった。
何はともあれ無事国王陛下に報告し終わって邸に戻ると邸の皆とセバスさんが涙ながら「おめでとうございます」と言ってパーティを開いてくれた。夜遅くまでどんちゃん騒ぎでみんなの笑い声が鳴り響いた。
1ヶ月後、王国民に僕の存在とレオンさんとの婚約が発表された。正装し王宮の広場を一望できるバルコニーに出て笑顔で手を振るとその広場に集まった王国民の「わあああっ」と言う歓声が上がり瞬く間に国中がお祝いムードのお祭り騒ぎになった。
歓声の大きさにびっくりしているとレオンさんが腰を抱いて僕のこめかみにキスしてくれると「きゃああああああっ」と先程より大きい黄色い歓声が上がった。
そして僕たちの少し後ろの方で弟思いの王太子に慰められている失恋した第2王子がいたとかいないとか…
━━━━━━━━━━━━━
よしよしと弟の頭を撫でながら慰める
「もっと素敵な出会いがあるさ…案外身近にいたりするかもしれないぞ?」
「…兄上」
少し涙目の弟が見上げてくる。
「ライもそう思わないか?」
くるっと身体の向きを変え第2王子の従者のライに話を振るとびくりっと身体を揺らし目を逸らしながら
「…そうですね」
っと素っ気ない返事をされる。
ほんとにこの2人は…焦れったいな
はぁ~と溜息をつきながら早くくっつけばいいのにと思う王太子であった。
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