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未踏の大地へ(青年編)
女神様、幻と付くものは良き物なのですね
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不思議な事に洞穴の奥まで来ると芳醇な香りが漂ってきた。
「なんだ、これは」
クオンが余裕で入れる程の大きな樽が通路の真ん中に置かれており、そして石像の三人の前には木のコップがそれぞれ置かれていた。
ロータが樽に近づき中をのぞくと、俺に一度うなづいてから指で樽に入った液体をすくい彼女は躊躇なく指についた液体を舐めた。
「あ、これは」
「どうした、ロータ。まさか毒か」
ロータが蕩けるような表情をして、ヘナヘナと座り込んだので慌てて駆け寄った。
「はぁあ、これは極上の……」
「お、おい、しっかりしろ、ロータ!」
慌てている俺を尻目に今度はスクルドが樽の液体の香りを嗅いでからロータと同じように指に液体をつけて舐めた。
「これは、世界樹の……」
「ど、どうしたスクルド、まさかスクルドまで!」
スクルドまでがロータと同じ表情をしており、俺はますます慌てふためいた。
もう、どうしていいのか分からず、二人の間をオロオロと行ったり来たりした。
「スクルド姉様、こんな珍しいお酒が、こんなにもたくさん。しかも、幻の逸品が」
「ええ、これは間違いないでしょう。まさかこんな場所で……」
二人はスクっと立ち上がると、マジック袋から木のコップを取り出し、樽から酒をすくって二人で乾杯しはじめた。
「なあ、二人とも大丈夫か。なんか変だぞ」
「悠太様、はい」
俺はスクルドから手渡されたお酒らしきものの香りを嗅ぐと、とても良い香りがして一気に幸せな気分になった。そして躊躇なく一気に呑んだ。
ああぁ、美味しい……
こんな美味しいお酒があったなんて知らなかったよ……
無色透明なお酒で、香りを嗅いでいるだけで森林浴をしたかのように心が落ち着いてくる。
そして一口喉に流し込めば、微かに甘い水を飲んでるかのようなすっきりと爽やかな口当たり。とてもお酒とは感じさせない極上の味だった。
まさに生命の水だった……
「ゆうた、クオンも」
俺の膝の上に座ったクオンに思わず言われたままにお酒を舐めさせてしまった。
「ちょ、なにしてるんですか、悠太様!」
スクルドに頭を叩かれて、クオンを取り上げられた。その取り上げられたクオンはうっとりとした表情で幸せそうに今にも眠りそうな顔だった。
「ごめん。ついうっかり」
「世界樹のお酒だからまだいいですけど、本当に気を付けてください」
ん、世界樹のお酒ならいいのか。
というか、世界樹って、あのエルフの村の大きな木の事だよな。あの大きな木からお酒ができるなんて知らなかったよ。
「ふふん、悠太様、違いますよ。チッチチ」
ロータが指を左右に揺らして勝ち誇ったように否定した。
「なにが違うんだよ。俺はロータと違って若いからな。年寄りなロータには知識では劣るさ」
はん、そんなに顔を赤くしおって。悔しいのう、ほんに悔しいのう。
ふん、どうだ。華麗に打ち返してやったぜ。
「で、スクルド。このお酒は」
「はい。これは世にも珍しい世界樹のお酒の中でも、さらに珍しい幻の逸品と謳われる物だと思われます」
「へえ、ワインとかみたいに有名な産地のやつなのか。ワインの事なんてよく知らないけど凄いな」
「まあ、産地といえば産地なのでしょうけど」
「無知な悠太様に私が教えてあげますよ。これは原初の世界樹、つまり真なる世界樹のお酒だと思われます!」
なぜかロータが無い胸を張って、勝ち誇っていた。
「なあ、別に勝ち誇るのはいいけど、なんでさっきから思われますなんて曖昧な言い方なんだ」
「え、だって呑んだ事なんてありませんし」
「そうですね。他の世界樹のはありますが、ここまで素晴らしい物は味わった事などありませんので、おそらくそうだろうという感じですね」
「だいたい、手に入れる事自体が難しいですから。今現在、原初の世界樹は存在しませんし」
はい? どういうこと?
なんで存在しない世界樹の、そのお酒がここにあるんだよ。まったく意味がわからん。
「しかし不思議ですね。こんな珍しいお酒を石像になった方達に振舞っていたのですよね。振舞った方も気になりますが、この三名の方達も気になりますね」
「ん、俺の前世の友人なんだし、ただの普通の人間だろ」
「普通の人間に、普通世界樹のお酒を振舞うとは思えませんけどね」
そんな感じで三人でああでもないこうでもないと話していると、一陣の優しい風が吹いた。
その風の吹いてきた方に目をやると、二人の小さな人影が近づいてきた。
「やあ、はじめまして。佐藤悠太くん」
背の高い、とはいっても二人とも子供の背丈くらいなのだが、その背の高い方が片手を上げて俺の名を呼び挨拶をしてきた。
「あぁ、はい、はじめまして。あなた達は、ええっと、俺の知り合いなのですか」
「あははは、そうだよね。いきなり声を掛けたら驚くよね、ごめんね。でも、君たちに危害を加えるような事はしないから安心して。むしろ、君の味方だよ♪」
不思議なことに、その言葉に嘘偽りは感じなかった。それに今までに感じたこともない程の、とても厳かで尊き気配がする。
その証拠にスクルドもロータも冷や汗のようなものを流し、片膝を着いて頭を下げていた。また、クオンはお昼寝中なのかスクルドの横でスヤスヤと寝ている。さすが妖狐の幼女だ。
「そうですか。それで何用なのでしょうか」
「そんなに堅苦しくはしないでおくれよ。僕達はただ君に会いにきただけさ」
「では一緒にこの世界樹のお酒ってやつを呑みませんか。とても美味しいですよ」
「ほう、なら、ご馳走になろうか。ほら、君も」
もう一人の手を取り、俺の側まで来ると横に座った。
「ほらほら、みんなも座って」
皆を座るよう促すと、背の高い方の人がいきなり大きな葉をどこからともなく取り出すと見たこともない果物と木ノ実をその上に雑に盛り付けた。
「ねぇ、僕達にもお酒をくれないか」
俺は慌ててお酒を二人に手渡すと笑顔で受け取ってくれたように感じがした。
まぁ、フード深く被っているので表情は伺えないが。
「では乾杯しようか。僕達の再会に」
その言葉を合図に皆で乾杯したものの、何故こうなったのかが分からない。
けれど、こういった時は流れに任せるのが吉だ。たぶん、そうだと思う。
ん、あれ?
私達の再会ってなんなんだ?
「再会って。あなた様、ほぼ初対面だと思いますけど」
「もう、君は手厳しいな。こういったのは勢いだよ、勢い」
「はぁぁ…… その勢いで彼を困らせている自覚はあるのですか。浮かれるのも程々にしてくださいね」
うむ、やはり訳が分からん。
しかも、この二人は誰なんだろうか。
ああぁ、マルデル。なんか知らない人に絡まれてしまった、よ……
「なんだ、これは」
クオンが余裕で入れる程の大きな樽が通路の真ん中に置かれており、そして石像の三人の前には木のコップがそれぞれ置かれていた。
ロータが樽に近づき中をのぞくと、俺に一度うなづいてから指で樽に入った液体をすくい彼女は躊躇なく指についた液体を舐めた。
「あ、これは」
「どうした、ロータ。まさか毒か」
ロータが蕩けるような表情をして、ヘナヘナと座り込んだので慌てて駆け寄った。
「はぁあ、これは極上の……」
「お、おい、しっかりしろ、ロータ!」
慌てている俺を尻目に今度はスクルドが樽の液体の香りを嗅いでからロータと同じように指に液体をつけて舐めた。
「これは、世界樹の……」
「ど、どうしたスクルド、まさかスクルドまで!」
スクルドまでがロータと同じ表情をしており、俺はますます慌てふためいた。
もう、どうしていいのか分からず、二人の間をオロオロと行ったり来たりした。
「スクルド姉様、こんな珍しいお酒が、こんなにもたくさん。しかも、幻の逸品が」
「ええ、これは間違いないでしょう。まさかこんな場所で……」
二人はスクっと立ち上がると、マジック袋から木のコップを取り出し、樽から酒をすくって二人で乾杯しはじめた。
「なあ、二人とも大丈夫か。なんか変だぞ」
「悠太様、はい」
俺はスクルドから手渡されたお酒らしきものの香りを嗅ぐと、とても良い香りがして一気に幸せな気分になった。そして躊躇なく一気に呑んだ。
ああぁ、美味しい……
こんな美味しいお酒があったなんて知らなかったよ……
無色透明なお酒で、香りを嗅いでいるだけで森林浴をしたかのように心が落ち着いてくる。
そして一口喉に流し込めば、微かに甘い水を飲んでるかのようなすっきりと爽やかな口当たり。とてもお酒とは感じさせない極上の味だった。
まさに生命の水だった……
「ゆうた、クオンも」
俺の膝の上に座ったクオンに思わず言われたままにお酒を舐めさせてしまった。
「ちょ、なにしてるんですか、悠太様!」
スクルドに頭を叩かれて、クオンを取り上げられた。その取り上げられたクオンはうっとりとした表情で幸せそうに今にも眠りそうな顔だった。
「ごめん。ついうっかり」
「世界樹のお酒だからまだいいですけど、本当に気を付けてください」
ん、世界樹のお酒ならいいのか。
というか、世界樹って、あのエルフの村の大きな木の事だよな。あの大きな木からお酒ができるなんて知らなかったよ。
「ふふん、悠太様、違いますよ。チッチチ」
ロータが指を左右に揺らして勝ち誇ったように否定した。
「なにが違うんだよ。俺はロータと違って若いからな。年寄りなロータには知識では劣るさ」
はん、そんなに顔を赤くしおって。悔しいのう、ほんに悔しいのう。
ふん、どうだ。華麗に打ち返してやったぜ。
「で、スクルド。このお酒は」
「はい。これは世にも珍しい世界樹のお酒の中でも、さらに珍しい幻の逸品と謳われる物だと思われます」
「へえ、ワインとかみたいに有名な産地のやつなのか。ワインの事なんてよく知らないけど凄いな」
「まあ、産地といえば産地なのでしょうけど」
「無知な悠太様に私が教えてあげますよ。これは原初の世界樹、つまり真なる世界樹のお酒だと思われます!」
なぜかロータが無い胸を張って、勝ち誇っていた。
「なあ、別に勝ち誇るのはいいけど、なんでさっきから思われますなんて曖昧な言い方なんだ」
「え、だって呑んだ事なんてありませんし」
「そうですね。他の世界樹のはありますが、ここまで素晴らしい物は味わった事などありませんので、おそらくそうだろうという感じですね」
「だいたい、手に入れる事自体が難しいですから。今現在、原初の世界樹は存在しませんし」
はい? どういうこと?
なんで存在しない世界樹の、そのお酒がここにあるんだよ。まったく意味がわからん。
「しかし不思議ですね。こんな珍しいお酒を石像になった方達に振舞っていたのですよね。振舞った方も気になりますが、この三名の方達も気になりますね」
「ん、俺の前世の友人なんだし、ただの普通の人間だろ」
「普通の人間に、普通世界樹のお酒を振舞うとは思えませんけどね」
そんな感じで三人でああでもないこうでもないと話していると、一陣の優しい風が吹いた。
その風の吹いてきた方に目をやると、二人の小さな人影が近づいてきた。
「やあ、はじめまして。佐藤悠太くん」
背の高い、とはいっても二人とも子供の背丈くらいなのだが、その背の高い方が片手を上げて俺の名を呼び挨拶をしてきた。
「あぁ、はい、はじめまして。あなた達は、ええっと、俺の知り合いなのですか」
「あははは、そうだよね。いきなり声を掛けたら驚くよね、ごめんね。でも、君たちに危害を加えるような事はしないから安心して。むしろ、君の味方だよ♪」
不思議なことに、その言葉に嘘偽りは感じなかった。それに今までに感じたこともない程の、とても厳かで尊き気配がする。
その証拠にスクルドもロータも冷や汗のようなものを流し、片膝を着いて頭を下げていた。また、クオンはお昼寝中なのかスクルドの横でスヤスヤと寝ている。さすが妖狐の幼女だ。
「そうですか。それで何用なのでしょうか」
「そんなに堅苦しくはしないでおくれよ。僕達はただ君に会いにきただけさ」
「では一緒にこの世界樹のお酒ってやつを呑みませんか。とても美味しいですよ」
「ほう、なら、ご馳走になろうか。ほら、君も」
もう一人の手を取り、俺の側まで来ると横に座った。
「ほらほら、みんなも座って」
皆を座るよう促すと、背の高い方の人がいきなり大きな葉をどこからともなく取り出すと見たこともない果物と木ノ実をその上に雑に盛り付けた。
「ねぇ、僕達にもお酒をくれないか」
俺は慌ててお酒を二人に手渡すと笑顔で受け取ってくれたように感じがした。
まぁ、フード深く被っているので表情は伺えないが。
「では乾杯しようか。僕達の再会に」
その言葉を合図に皆で乾杯したものの、何故こうなったのかが分からない。
けれど、こういった時は流れに任せるのが吉だ。たぶん、そうだと思う。
ん、あれ?
私達の再会ってなんなんだ?
「再会って。あなた様、ほぼ初対面だと思いますけど」
「もう、君は手厳しいな。こういったのは勢いだよ、勢い」
「はぁぁ…… その勢いで彼を困らせている自覚はあるのですか。浮かれるのも程々にしてくださいね」
うむ、やはり訳が分からん。
しかも、この二人は誰なんだろうか。
ああぁ、マルデル。なんか知らない人に絡まれてしまった、よ……
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