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ホローチョコレート
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翌日、やっぱりわたしは寝坊をしてしまい、葛志を見送ったあと、少しだけうとうととした。
昼夜逆転、してしまっているのだろうか。
だとしても、昼寝でも一時間ほどすれば目が覚めてしまう。まとまった睡眠が、とれない。
それでもまったく眠らないよりはマシかとベッドに横になっていると、リビングに置いてある自宅の電話が鳴った。
ああ──もう少しで眠れそうなところだったのに。
けれどケータイではなく自宅のほうに電話がくるというからには、相手も大体見当がつく。
出ないわけには、いかなかった。
「──はい、桃園(ももぞの)です」
重くだるい身体を引きずるようにしてリビングに行き、受話器を取り上げる。
『皐月さん? もしかして、眠ってた?』
相手が誰か大体わかっていたはずなのに、その甲高い声に、一瞬にして背筋に緊張が走り抜ける。
「いえ、大丈夫です、お義母さん」
顔が見えなくても、ついクセで愛想笑いを浮かべてしまう。
お義母さんはたいして気にも留めないふうに、話を進めていく。
『そう、ならいいけれど。さっき中野(なかの)さんの奥さんがうちにきてね。孫ができたって大喜びで』
「……はい」
話の内容も、見当はついていたはずなのに
なんだろう、胸の奥に澱(おり)がたまっていくような感じは、何度おなじ話をされても消えない。
『わたしもねえ、急かしてるつもりはないのよ。でもほら、うちは主人がもう長くはないってお医者に言われているでしょう? せめて孫の顔でも見せてあげられたらって思うのよ』
「──はい。わかってます」
『わかってるって、あなた本当に? 葛志とはうまくいってるの?』
「──はい」
『でも高校を卒業してすぐに結婚したのにあなたたち、全然なんですもの。心配になっちゃうわよ。皐月さん、あなた一度、不妊治療を受けてみたらどう?』
──そこまで言われたのは、初めてのことだった。
けれど
考えてみれば、もういつその話が出てもおかしくはなかったのだ。
葛志もお義母さんの気持ちを汲んで、毎晩子作りに励んでいるのに
わたしときたら、まったく妊娠の兆候がないのだから。
避妊なんて、一度だってしたことがないのに。
生理だって毎月、いやなくらい順調にくるというのに。
いったいわたしたち夫婦のどこに欠陥があって、子供ができないのか。
もしかしたら、愛?
愛が足りなくて、それで神様が認めてくれなくて、子供を授けてくれないとでもいうのだろうか。
ひとしきり受話器の向こうでくどくどと言っていたお義母さんは、痺れを切らしたらしい。
『あなたは、あれね。イースターで使う卵の形をしたチョコレートみたいね』
「……どういう、ことですか?」
『あのチョコレートって、中が空洞になっているんですって。子供ができないあなたも、空っぽね』
それじゃあまた電話するわね、と半ば一方的に言って、お義母さんは電話を切った。
子供ができないというだけで、どうしてそこまで言われなくてはいけないのか。
どうしてここまで傷つけられなくてはいけないのか。
──先が長くないお義父さんに孫の顔を見せてあげたいと思っているのは、わたしも、そして葛志もおなじだというのに。
涙がじわりと溢れてきそうになって、ぐっと唇を噛みしめる。
こんなことで泣くなんて、嫌だ。
なにかに負けたようで、嫌だ。
そのときふと頭の中に浮かんできたのが、アヤの美しい顔だった。
ビターチョコレートにもまだ救いがあるかもしれないよ、と言ってくれた、あのアヤの顔だった。
──またあのカフェに、行ってみようか。
ホットココアも、美味しかったし。
そんな理屈をつけて、わたしは急いで出かける支度を始めた。
◇
睨みつけたくなるくらいの青空のもと、カフェの扉を開けると、ベルの音が耳に心地よく鳴った。
既に女性客たちがきていて、彼女たちにつかまっていたアヤが、こちらを振り向く。
「いらっしゃいませ」
その笑顔を見ただけで、心のどこかがほっとした。
適当に窓際の席に腰かけると、常連客を振り切って、わざわざアヤがやってきてくれる。
「ご注文は?」
「ホットココアを……」
あとどうせだったら、ケーキとかも頼んでしまおうか。
メニューを見ながら考えていると、アヤがふと尋ねてきた。
「ミルクは見つかりそう?」
「えっ?」
「ビターチョコレートって言ってたでしょ」
要するにアヤは、わたしたち夫婦のあいだにまだ愛が見つかりそうかどうかを聞いてくれているのだ、とようやく理解した。
「覚えていてくれたんですね」
「そりゃあ、昨日の今日だしね」
アヤはクスッと笑って、つけ加える。
「それに、夏美さんの大切な親友だし」
それって、どういう意味だろう。
アヤは夏美のことを、それくらい大切に思っているということだろうか。
だからその大切な夏美の親友であるわたしのことも、大事に扱わなくてはならないということ?
アヤと夏美、仲がよさそうだったし、そうなのかもしれない。
そう考えると、突如淋しさに襲われて、わたしは視線を机の上に下げた。
「……わたしって、空っぽらしいです」
アヤは一拍置いて、
「それはまた、どうして?」
と律儀に聞き返してくれる。
だからわたしも甘えてしまって、その先まで話してしまった。
「イースターで使う卵って、あるでしょう。あれを模したチョコって中が空っぽらしくて。わたしはそのチョコレートみたいだって言われました」
「ああ、ホローチョコレートのこと」
聞き慣れないその単語に、「ホローチョコレート?」と、顔を上げてついおうむ返ししてしまう。
アヤは小さくうなずいた。
「中が空洞になっていて、イースターの卵の形をしているチョコのこと。人形とか動物や色々な模型品が入っていてね。人形や動物や、いろんな立体型を楽しむチョコなんだ。それにね、皐月さん」
アヤはそして、あの美しくて優しい笑顔を浮かべる。
「ホローチョコレートの中が空洞になっているのはね、細かい部分が壊れない効果もあるんだよ。だから皐月さんがホローチョコレートだとしたらきっと、すごく繊細で大事ななにかを護っているんだろうね」
「繊細で大事ななにか……?」
「たとえば、友情とか。それこそ、夫婦間の愛のための努力とか。目に見えないもの」
今度こそ、涙がぶわっとわたしの瞳にあふれてくる。
どうしてこの人は、そんなことを言ってくれるんだろう。
わたしがとてつもなく傷ついたことを、どうしてこんなにも簡単に癒してくれるのだろう。
わたしの頬を涙が伝っても、アヤは慌てることもなかった。
ただ、その大きな手を伸ばして、わたしの頭を撫でてくれた。
「皐月さんは、可愛い人だね」
泣いているときにその台詞って、けっこうな殺し文句だと思う。
というか、殺し文句とか考えている時点で、わたしもおかしい。
まだ、アヤが男かどうかもわかっていないのに、確実に……惹かれてしまっている。
わたしの人生において、「男」というのは葛志しかいなかった。
初めてつきあったのも、初めてセックスをしたのも、葛志だけ。
いままでも、そしてこれからもそうだと思っていた。
なのに、この胸に押し迫る甘酸っぱさはなんだろう。
まだ、アヤが男かどうかもわかっていないのに。
それ以前にこんなこと、こんな感情、いけないことなのに。
わたしは理性を総動員させて、手の甲でぐいっと涙を拭う。
「女の人に、簡単にそんなこと言ったらいけないと思います」
「どうして?」
そんなこと、わかっているクセに。
男にも女にもモテるというアヤが、わかっていないとは思えない。
この人……けっこうな、曲者かもしれない。
わたしが黙ったままでいると、アヤは身体をかがめて、わたしの耳元でささやいた。
「じゃあ……皐月さんだけになら、言ってもいいの?」
「──!」
どくんと心臓がはねあがり、一瞬で顔が熱くなる。
恥ずかしくなってアヤをキッと睨みつけると、アヤはクスクス笑って姿勢を戻した。
「冗談だよ。皐月さんは、ほんとに可愛い人だね」
だから、そういうことは気軽に言わないでほしい。
わたしがそう言おうと口を開きかけたとき、他の男性客がアヤを呼ぶ声が聞こえた。
「はーい、いま行きます」
アヤはその男性客に向けてそう言うと、去って行ってしまった。
アヤに応対されて、男性客は照れたように真っ赤になっている。
──男の人から見たら、アヤは「キレイな女の人」にも見えるのだろう。
なんとなくその光景を見ていると、ふとアヤと視線が合った。
わたしは慌てて窓の外へと目をそらす。
駄目、駄目。
わたしには、葛志がいるんだから。
相手が男であろうと女であろうと、惹かれたりなんかしてはいけないのだから。
そう呪文のように胸の中で唱えていると、アヤではない他の、金髪の若いウェイターがホットココアを運んできた。
「これは、アヤさんから。さっきのお詫びだそうです」
そう言って彼は、ココアの隣にお皿を置いた。
お皿の上には、ガトーオペラが乗っている。
お詫びというほどのことはされていないのに、こんな……わりと高めのケーキなんてもらってしまっていいのだろうか。
悩んでいると若いウェイターが、小声で言った。
「アヤさんには気をつけたほうがいいですよ」
ハッとして顔を上げると、ウェイターは一礼して厨房のほうへ戻って行ってしまう。
──アヤは、仕事仲間にはあまり好かれていないのだろうか。
アヤは男にも女にもモテるから、気に食わない仕事仲間もいるかもしれない。
わたしはそっとフォークを取り、ガトーオペラを切り分けて、一口食べてみる。
しっとりと、濃厚な味が舌を満たす。
アヤの“お詫び”は泣きたいくらい、美味しかった。
昼夜逆転、してしまっているのだろうか。
だとしても、昼寝でも一時間ほどすれば目が覚めてしまう。まとまった睡眠が、とれない。
それでもまったく眠らないよりはマシかとベッドに横になっていると、リビングに置いてある自宅の電話が鳴った。
ああ──もう少しで眠れそうなところだったのに。
けれどケータイではなく自宅のほうに電話がくるというからには、相手も大体見当がつく。
出ないわけには、いかなかった。
「──はい、桃園(ももぞの)です」
重くだるい身体を引きずるようにしてリビングに行き、受話器を取り上げる。
『皐月さん? もしかして、眠ってた?』
相手が誰か大体わかっていたはずなのに、その甲高い声に、一瞬にして背筋に緊張が走り抜ける。
「いえ、大丈夫です、お義母さん」
顔が見えなくても、ついクセで愛想笑いを浮かべてしまう。
お義母さんはたいして気にも留めないふうに、話を進めていく。
『そう、ならいいけれど。さっき中野(なかの)さんの奥さんがうちにきてね。孫ができたって大喜びで』
「……はい」
話の内容も、見当はついていたはずなのに
なんだろう、胸の奥に澱(おり)がたまっていくような感じは、何度おなじ話をされても消えない。
『わたしもねえ、急かしてるつもりはないのよ。でもほら、うちは主人がもう長くはないってお医者に言われているでしょう? せめて孫の顔でも見せてあげられたらって思うのよ』
「──はい。わかってます」
『わかってるって、あなた本当に? 葛志とはうまくいってるの?』
「──はい」
『でも高校を卒業してすぐに結婚したのにあなたたち、全然なんですもの。心配になっちゃうわよ。皐月さん、あなた一度、不妊治療を受けてみたらどう?』
──そこまで言われたのは、初めてのことだった。
けれど
考えてみれば、もういつその話が出てもおかしくはなかったのだ。
葛志もお義母さんの気持ちを汲んで、毎晩子作りに励んでいるのに
わたしときたら、まったく妊娠の兆候がないのだから。
避妊なんて、一度だってしたことがないのに。
生理だって毎月、いやなくらい順調にくるというのに。
いったいわたしたち夫婦のどこに欠陥があって、子供ができないのか。
もしかしたら、愛?
愛が足りなくて、それで神様が認めてくれなくて、子供を授けてくれないとでもいうのだろうか。
ひとしきり受話器の向こうでくどくどと言っていたお義母さんは、痺れを切らしたらしい。
『あなたは、あれね。イースターで使う卵の形をしたチョコレートみたいね』
「……どういう、ことですか?」
『あのチョコレートって、中が空洞になっているんですって。子供ができないあなたも、空っぽね』
それじゃあまた電話するわね、と半ば一方的に言って、お義母さんは電話を切った。
子供ができないというだけで、どうしてそこまで言われなくてはいけないのか。
どうしてここまで傷つけられなくてはいけないのか。
──先が長くないお義父さんに孫の顔を見せてあげたいと思っているのは、わたしも、そして葛志もおなじだというのに。
涙がじわりと溢れてきそうになって、ぐっと唇を噛みしめる。
こんなことで泣くなんて、嫌だ。
なにかに負けたようで、嫌だ。
そのときふと頭の中に浮かんできたのが、アヤの美しい顔だった。
ビターチョコレートにもまだ救いがあるかもしれないよ、と言ってくれた、あのアヤの顔だった。
──またあのカフェに、行ってみようか。
ホットココアも、美味しかったし。
そんな理屈をつけて、わたしは急いで出かける支度を始めた。
◇
睨みつけたくなるくらいの青空のもと、カフェの扉を開けると、ベルの音が耳に心地よく鳴った。
既に女性客たちがきていて、彼女たちにつかまっていたアヤが、こちらを振り向く。
「いらっしゃいませ」
その笑顔を見ただけで、心のどこかがほっとした。
適当に窓際の席に腰かけると、常連客を振り切って、わざわざアヤがやってきてくれる。
「ご注文は?」
「ホットココアを……」
あとどうせだったら、ケーキとかも頼んでしまおうか。
メニューを見ながら考えていると、アヤがふと尋ねてきた。
「ミルクは見つかりそう?」
「えっ?」
「ビターチョコレートって言ってたでしょ」
要するにアヤは、わたしたち夫婦のあいだにまだ愛が見つかりそうかどうかを聞いてくれているのだ、とようやく理解した。
「覚えていてくれたんですね」
「そりゃあ、昨日の今日だしね」
アヤはクスッと笑って、つけ加える。
「それに、夏美さんの大切な親友だし」
それって、どういう意味だろう。
アヤは夏美のことを、それくらい大切に思っているということだろうか。
だからその大切な夏美の親友であるわたしのことも、大事に扱わなくてはならないということ?
アヤと夏美、仲がよさそうだったし、そうなのかもしれない。
そう考えると、突如淋しさに襲われて、わたしは視線を机の上に下げた。
「……わたしって、空っぽらしいです」
アヤは一拍置いて、
「それはまた、どうして?」
と律儀に聞き返してくれる。
だからわたしも甘えてしまって、その先まで話してしまった。
「イースターで使う卵って、あるでしょう。あれを模したチョコって中が空っぽらしくて。わたしはそのチョコレートみたいだって言われました」
「ああ、ホローチョコレートのこと」
聞き慣れないその単語に、「ホローチョコレート?」と、顔を上げてついおうむ返ししてしまう。
アヤは小さくうなずいた。
「中が空洞になっていて、イースターの卵の形をしているチョコのこと。人形とか動物や色々な模型品が入っていてね。人形や動物や、いろんな立体型を楽しむチョコなんだ。それにね、皐月さん」
アヤはそして、あの美しくて優しい笑顔を浮かべる。
「ホローチョコレートの中が空洞になっているのはね、細かい部分が壊れない効果もあるんだよ。だから皐月さんがホローチョコレートだとしたらきっと、すごく繊細で大事ななにかを護っているんだろうね」
「繊細で大事ななにか……?」
「たとえば、友情とか。それこそ、夫婦間の愛のための努力とか。目に見えないもの」
今度こそ、涙がぶわっとわたしの瞳にあふれてくる。
どうしてこの人は、そんなことを言ってくれるんだろう。
わたしがとてつもなく傷ついたことを、どうしてこんなにも簡単に癒してくれるのだろう。
わたしの頬を涙が伝っても、アヤは慌てることもなかった。
ただ、その大きな手を伸ばして、わたしの頭を撫でてくれた。
「皐月さんは、可愛い人だね」
泣いているときにその台詞って、けっこうな殺し文句だと思う。
というか、殺し文句とか考えている時点で、わたしもおかしい。
まだ、アヤが男かどうかもわかっていないのに、確実に……惹かれてしまっている。
わたしの人生において、「男」というのは葛志しかいなかった。
初めてつきあったのも、初めてセックスをしたのも、葛志だけ。
いままでも、そしてこれからもそうだと思っていた。
なのに、この胸に押し迫る甘酸っぱさはなんだろう。
まだ、アヤが男かどうかもわかっていないのに。
それ以前にこんなこと、こんな感情、いけないことなのに。
わたしは理性を総動員させて、手の甲でぐいっと涙を拭う。
「女の人に、簡単にそんなこと言ったらいけないと思います」
「どうして?」
そんなこと、わかっているクセに。
男にも女にもモテるというアヤが、わかっていないとは思えない。
この人……けっこうな、曲者かもしれない。
わたしが黙ったままでいると、アヤは身体をかがめて、わたしの耳元でささやいた。
「じゃあ……皐月さんだけになら、言ってもいいの?」
「──!」
どくんと心臓がはねあがり、一瞬で顔が熱くなる。
恥ずかしくなってアヤをキッと睨みつけると、アヤはクスクス笑って姿勢を戻した。
「冗談だよ。皐月さんは、ほんとに可愛い人だね」
だから、そういうことは気軽に言わないでほしい。
わたしがそう言おうと口を開きかけたとき、他の男性客がアヤを呼ぶ声が聞こえた。
「はーい、いま行きます」
アヤはその男性客に向けてそう言うと、去って行ってしまった。
アヤに応対されて、男性客は照れたように真っ赤になっている。
──男の人から見たら、アヤは「キレイな女の人」にも見えるのだろう。
なんとなくその光景を見ていると、ふとアヤと視線が合った。
わたしは慌てて窓の外へと目をそらす。
駄目、駄目。
わたしには、葛志がいるんだから。
相手が男であろうと女であろうと、惹かれたりなんかしてはいけないのだから。
そう呪文のように胸の中で唱えていると、アヤではない他の、金髪の若いウェイターがホットココアを運んできた。
「これは、アヤさんから。さっきのお詫びだそうです」
そう言って彼は、ココアの隣にお皿を置いた。
お皿の上には、ガトーオペラが乗っている。
お詫びというほどのことはされていないのに、こんな……わりと高めのケーキなんてもらってしまっていいのだろうか。
悩んでいると若いウェイターが、小声で言った。
「アヤさんには気をつけたほうがいいですよ」
ハッとして顔を上げると、ウェイターは一礼して厨房のほうへ戻って行ってしまう。
──アヤは、仕事仲間にはあまり好かれていないのだろうか。
アヤは男にも女にもモテるから、気に食わない仕事仲間もいるかもしれない。
わたしはそっとフォークを取り、ガトーオペラを切り分けて、一口食べてみる。
しっとりと、濃厚な味が舌を満たす。
アヤの“お詫び”は泣きたいくらい、美味しかった。
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