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第2章:記憶螺旋~MEMORL DORL~
Ⅲ
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◇
翌日から、ヒヨリはこなくなった。理由は分からない。
どれだけ待ってもこなくなった。
正確には───どれだけの時間が経ったのか、分からない。
この部屋には時を計るものが何もなかったし、唯一天窓から射すぼやけた光の加減で判断するしかないのだ。
三日───ほど、経ったのだろうか。
天窓がガタリと音を立てた。昼間ではなく、真夜中だった。
真っ暗な部屋から真っ暗な天井を見上げても、その人影が誰なのか分からない。でもここにくるのはヒヨリしかいなかった。
「ヒヨリ?」
人影はぼくの声に一瞬動きを止め、思い切ったようにクッションに落ちてきた。
大きく弾んだクッションから器用に跳んで床に着地し、ぼくのほうではなく一方の壁へ歩み寄る。
そこにピタリと何かを貼り付けると、とたんにそれが発光した。
部屋が明るくなる。それは電気、の役割を果たすものらしい。
───そこにいたのはヒヨリではなかった。
眼鏡をかけた白衣の若い男。ぼくはもうひとつ、知っている人間の名をつぶやいた。
「オギ……?」
すると眼鏡の向こうの切れ長の瞳が、意外そうに見開かれた。
「よく知っているな、陽和(ひより)が話したのか。そう、おれはオギ。飛沢(とびさわ)荻(おぎ)。陽和の兄だ」
「ヒヨリはどこに?」
オギは瞳を伏せ、ポケットから何かを出してぼくに放った。
受け取って、ぼくは観察する。丸くて平たい真っ白なもの、それに細い紐がくっついている。
「ペンダントだ。それをつけていればお前も地上に出られる。その鎖を首にかけるんだ」
この細い紐、鎖、というのか。
言われたとおりにすると、オギは言った。
「ヒヨリのところに連れていってやる」
と。
ぼくはクッションに乗って天窓をとおり、未知の世界だった地上へ出た。
今は夜だから当然真っ暗で、しかも街灯もない場所だったから、ぼくは闇にわずかに見えるオギの白衣だけを頼りについていった。
そんなには歩かなかった。せいぜい五、六分程度だろう。どこかの建物に入って、何度も階段を降りた。エレベータというものはなぜか使わない。
ひとつの扉の前で、オギはようやく口を開いた。辺りを気にするように、低い声で。
「大きな声を出すなよ」
ぼくがうなずくと、オギはいつかヒヨリが見せてくれたようなものと同じ鍵を出して扉を開けた。
薄暗い照明灯がついていた。
広い部屋だけど、ぼくの部屋と同じようにほとんど置いてあるものはない。
真ん中にベッドがあった。ぼくの部屋にあるものよりもっと固そうな、冷たそうな布団が敷いてある。
───誰かが、寝ていた。
そして近づいたぼくは、そこにやっと見つけることができたのだ。
「ヒヨリ」
微笑んで手をのばしたぼくは、彼女の頬の冷たさに驚いた。
「どうしてこんなに冷たいんだ」
そして、どうしてこんなに冷たく、暗い場所で眠っているんだろう?
ここはヒヨリの部屋なのだろうか。
「三日前、事故にあった」
背後から、オギの声。
「二日間昏睡状態で───数時間前、息を引き取った」
オギの静かな、……通告。
『息を引き取った』───死んだ、ということだ。
死んだ。
「誰が?」
思わずのように問い返したぼくに、オギの声。
「陽和だ。おれの妹」
呆然とするぼくに、オギは眼鏡を押し上げながら言う。
「こうなってしまったからには全部話そう。まずはお前のことだ、ナキ。お前はおれが造ったヒューマノイド。通常どおり戦闘用に造ったはずだった」
─────。
ひゅー・ま・のいど。
「お前は優秀に出来上がる予定だった。ところが仕上げの段階で陽和が手を出した。お前に見惚れて、触ってはいけない期間に手を触れてしまった。そしてお前は欠陥品として誕生してしまった」
オギは腕組みし、壁にもたれかかる。何かに支えられていないと、言葉を続けられないとでもいうふうに。
……人間は、とても弱いものだ。どの本にも、そう書いてある。
「戦闘用に造られ、欠陥品として認められたヒューマノイドはすぐに破棄しなければならない。でもおれにはそれができなかった。陽和がお前に惚れちまってたからな。『上』の連中には処分したと偽の報告をし、おれはお前を地下に隠し、閉じ込めた。お前はそのときのことを覚えていないだろうが……あのときのお前は内部的欠陥(メモリー)機能もイカれてたからな」
「ぼくが覚えているのは、ヒヨリがやってきた、最初のあの日」
自分の声がうつろに聞こえる。
「それがぼくの一番古い記憶」
「そうか」
オギはやっぱりなというふうに苦笑した。
「皮肉にもお前は人間と非常によく似た内面(クロッグ)を持っている。陽和と会っているうちに記憶機能も正常になっていったんだ。人間で例えるならば、それはリハビリと呼ぶんだろうがな」
オギはちらりと腕時計を見る。時間が、ないのだろうか……?
「陽和はお前を正常に戻したいと言った。きっと自分が治してみせるってな。おれに治せないものを素人のお前がどうやって治すんだと正直思ったが、あいつがお前に惚れてるのを知っていたから許可を出すことにした。上の連中にばれないように、時間を計ってそれを越すようなら合図を送った。お前がいやがっていた、ほら、おれからの呼び出しさ」
「どうして」
ぼくはたずねた。
「どうして───そのことを」
「陽和には発信機と一緒に盗聴機もつけていた」
「───ヒヨリはそれを?」
「無論知っていた」
『あたしがあなたにとって悪い存在だとしたら……?』
ヒヨリの声を思い出す。
泣きそうだったヒヨリ。
自分を責めるように瞳を伏せたヒヨリ。
ギギ、ギィとぼくの胸が鳴る。こんなことは初めてだ。
「しかし……あまり驚かないんだな。自分がヒューマノイドだと知っても。まだ実感がないか?」
自分を皮肉るように足元に視線を落とし、わずかに自嘲の笑みを見せるオギに、ぼくは静かにかぶりを振った。
「なんとなく、そうじゃないかと思っていたから」
オギの瞳がこちらを向く。
「ヒヨリが持ってきた数えきれないほどの本。ヒヨリがくれた知識。全部総合すれば推測くらい、つく」
そして、あの地下室。ぼくが住んでいたあの暗い部屋。
「はじめのころ、ぼくは何度もクッションに乗った。でも天窓のところでいつも『弾かれ』た。何かに弾かれて、身体が壊れそうになるからいつもあきらめてた。あれはオギ、あなたがやったこと?」
「───そうとも言えるし違うとも言える」
オギは言う。
「欠陥のひとつに、お前の身体は常に特殊な電磁波を流し続けていないと崩壊してしまう。あの地下室にはいつも電磁波が流れていた。天窓のほうまではそれが流れていない、だからそこに近づくと身体が壊れそうになったのさ。弾かれる、という表現は……まあ、お前の『感じ方』だな。今お前があの部屋から出ても平気なのは、そのペンダントのおかげだ。一見水晶のようだが実は微量の電磁波を発している。───ああ、水晶といってもお前には実際どう見えてるのか分からないが……よく、見えるものの姿がころころ変わるだろう」
オギは教えてくれた。ぼくは「見ることは可能」でも「認識は不可能」なのだと。
つまり、例えばこのペンダント。
本当には三角形の透き通ったものらしいけど、ぼくにはさっきから真っ白で平たいようにしか見えない。
瞳は正常にその姿を映しているのに、その「情報」を人間で言うところの「脳(ブレイン)」の部分にうまく伝達することができず、別の姿として認識してしまうらしい。
「───人間も? 人間の姿も認識不可能なのか」
ぼくは震えていた。
ぼくの、ぼくの好きだった女の子。
ヒヨリも本当はずっと違う姿だったんだろうか。
本当は髪の色も黒くなくて、色白でもなかったんだろうか。
「ヒヨリの髪は真っ黒で、目は大きくて優しくて、……ぼくより背が低い。どこか違うか」
「一緒だよ。───お前、陽和のことが好きだったのか」
オギは目を細める。
「さっきも言ったようにお前の内面(クロッグ)は人間により近い。お前が陽和を───人間を好きなら、人間の姿だけ正常に認識することがあっても不思議じゃない」
もっとも上の連中に言わせればそれも欠陥ということになるんだがな、とオギは付け加える。
───ぼくはヒヨリ、きみが好きだった。
確かに。
「さて、……すぐにここを出るぞ。ヒヨリを事故にあわせたやつらが間もなくここにくるだろうからな」
「事故に……あわせた?」
震える。ぼくの手が、足が。
「お前を処分しないでおいたこと、勘付かれていたんだ。脅しのつもりで陽和に車をぶつけた。計算違いで陽和は死んじまったけどな───おれにはお前を守らなきゃならない義務がある。陽和の形見として」
「ぼくのせいで」
ヒヨリ。ぼくのせいで。
───死んだのか? きみは。
どうしてそこまで、……ぼくを、
「どうしてかばってくれた?」
ヒヨリ。
こうして見下ろすと、きみはなんて小さく見えるんだろう。
なんて青ざめて見えるんだろう。
ああ───やっぱりぼくは壊れているのかもしれない。
こんなに無機質になったきみでさえ、愛しいなんて。
翌日から、ヒヨリはこなくなった。理由は分からない。
どれだけ待ってもこなくなった。
正確には───どれだけの時間が経ったのか、分からない。
この部屋には時を計るものが何もなかったし、唯一天窓から射すぼやけた光の加減で判断するしかないのだ。
三日───ほど、経ったのだろうか。
天窓がガタリと音を立てた。昼間ではなく、真夜中だった。
真っ暗な部屋から真っ暗な天井を見上げても、その人影が誰なのか分からない。でもここにくるのはヒヨリしかいなかった。
「ヒヨリ?」
人影はぼくの声に一瞬動きを止め、思い切ったようにクッションに落ちてきた。
大きく弾んだクッションから器用に跳んで床に着地し、ぼくのほうではなく一方の壁へ歩み寄る。
そこにピタリと何かを貼り付けると、とたんにそれが発光した。
部屋が明るくなる。それは電気、の役割を果たすものらしい。
───そこにいたのはヒヨリではなかった。
眼鏡をかけた白衣の若い男。ぼくはもうひとつ、知っている人間の名をつぶやいた。
「オギ……?」
すると眼鏡の向こうの切れ長の瞳が、意外そうに見開かれた。
「よく知っているな、陽和(ひより)が話したのか。そう、おれはオギ。飛沢(とびさわ)荻(おぎ)。陽和の兄だ」
「ヒヨリはどこに?」
オギは瞳を伏せ、ポケットから何かを出してぼくに放った。
受け取って、ぼくは観察する。丸くて平たい真っ白なもの、それに細い紐がくっついている。
「ペンダントだ。それをつけていればお前も地上に出られる。その鎖を首にかけるんだ」
この細い紐、鎖、というのか。
言われたとおりにすると、オギは言った。
「ヒヨリのところに連れていってやる」
と。
ぼくはクッションに乗って天窓をとおり、未知の世界だった地上へ出た。
今は夜だから当然真っ暗で、しかも街灯もない場所だったから、ぼくは闇にわずかに見えるオギの白衣だけを頼りについていった。
そんなには歩かなかった。せいぜい五、六分程度だろう。どこかの建物に入って、何度も階段を降りた。エレベータというものはなぜか使わない。
ひとつの扉の前で、オギはようやく口を開いた。辺りを気にするように、低い声で。
「大きな声を出すなよ」
ぼくがうなずくと、オギはいつかヒヨリが見せてくれたようなものと同じ鍵を出して扉を開けた。
薄暗い照明灯がついていた。
広い部屋だけど、ぼくの部屋と同じようにほとんど置いてあるものはない。
真ん中にベッドがあった。ぼくの部屋にあるものよりもっと固そうな、冷たそうな布団が敷いてある。
───誰かが、寝ていた。
そして近づいたぼくは、そこにやっと見つけることができたのだ。
「ヒヨリ」
微笑んで手をのばしたぼくは、彼女の頬の冷たさに驚いた。
「どうしてこんなに冷たいんだ」
そして、どうしてこんなに冷たく、暗い場所で眠っているんだろう?
ここはヒヨリの部屋なのだろうか。
「三日前、事故にあった」
背後から、オギの声。
「二日間昏睡状態で───数時間前、息を引き取った」
オギの静かな、……通告。
『息を引き取った』───死んだ、ということだ。
死んだ。
「誰が?」
思わずのように問い返したぼくに、オギの声。
「陽和だ。おれの妹」
呆然とするぼくに、オギは眼鏡を押し上げながら言う。
「こうなってしまったからには全部話そう。まずはお前のことだ、ナキ。お前はおれが造ったヒューマノイド。通常どおり戦闘用に造ったはずだった」
─────。
ひゅー・ま・のいど。
「お前は優秀に出来上がる予定だった。ところが仕上げの段階で陽和が手を出した。お前に見惚れて、触ってはいけない期間に手を触れてしまった。そしてお前は欠陥品として誕生してしまった」
オギは腕組みし、壁にもたれかかる。何かに支えられていないと、言葉を続けられないとでもいうふうに。
……人間は、とても弱いものだ。どの本にも、そう書いてある。
「戦闘用に造られ、欠陥品として認められたヒューマノイドはすぐに破棄しなければならない。でもおれにはそれができなかった。陽和がお前に惚れちまってたからな。『上』の連中には処分したと偽の報告をし、おれはお前を地下に隠し、閉じ込めた。お前はそのときのことを覚えていないだろうが……あのときのお前は内部的欠陥(メモリー)機能もイカれてたからな」
「ぼくが覚えているのは、ヒヨリがやってきた、最初のあの日」
自分の声がうつろに聞こえる。
「それがぼくの一番古い記憶」
「そうか」
オギはやっぱりなというふうに苦笑した。
「皮肉にもお前は人間と非常によく似た内面(クロッグ)を持っている。陽和と会っているうちに記憶機能も正常になっていったんだ。人間で例えるならば、それはリハビリと呼ぶんだろうがな」
オギはちらりと腕時計を見る。時間が、ないのだろうか……?
「陽和はお前を正常に戻したいと言った。きっと自分が治してみせるってな。おれに治せないものを素人のお前がどうやって治すんだと正直思ったが、あいつがお前に惚れてるのを知っていたから許可を出すことにした。上の連中にばれないように、時間を計ってそれを越すようなら合図を送った。お前がいやがっていた、ほら、おれからの呼び出しさ」
「どうして」
ぼくはたずねた。
「どうして───そのことを」
「陽和には発信機と一緒に盗聴機もつけていた」
「───ヒヨリはそれを?」
「無論知っていた」
『あたしがあなたにとって悪い存在だとしたら……?』
ヒヨリの声を思い出す。
泣きそうだったヒヨリ。
自分を責めるように瞳を伏せたヒヨリ。
ギギ、ギィとぼくの胸が鳴る。こんなことは初めてだ。
「しかし……あまり驚かないんだな。自分がヒューマノイドだと知っても。まだ実感がないか?」
自分を皮肉るように足元に視線を落とし、わずかに自嘲の笑みを見せるオギに、ぼくは静かにかぶりを振った。
「なんとなく、そうじゃないかと思っていたから」
オギの瞳がこちらを向く。
「ヒヨリが持ってきた数えきれないほどの本。ヒヨリがくれた知識。全部総合すれば推測くらい、つく」
そして、あの地下室。ぼくが住んでいたあの暗い部屋。
「はじめのころ、ぼくは何度もクッションに乗った。でも天窓のところでいつも『弾かれ』た。何かに弾かれて、身体が壊れそうになるからいつもあきらめてた。あれはオギ、あなたがやったこと?」
「───そうとも言えるし違うとも言える」
オギは言う。
「欠陥のひとつに、お前の身体は常に特殊な電磁波を流し続けていないと崩壊してしまう。あの地下室にはいつも電磁波が流れていた。天窓のほうまではそれが流れていない、だからそこに近づくと身体が壊れそうになったのさ。弾かれる、という表現は……まあ、お前の『感じ方』だな。今お前があの部屋から出ても平気なのは、そのペンダントのおかげだ。一見水晶のようだが実は微量の電磁波を発している。───ああ、水晶といってもお前には実際どう見えてるのか分からないが……よく、見えるものの姿がころころ変わるだろう」
オギは教えてくれた。ぼくは「見ることは可能」でも「認識は不可能」なのだと。
つまり、例えばこのペンダント。
本当には三角形の透き通ったものらしいけど、ぼくにはさっきから真っ白で平たいようにしか見えない。
瞳は正常にその姿を映しているのに、その「情報」を人間で言うところの「脳(ブレイン)」の部分にうまく伝達することができず、別の姿として認識してしまうらしい。
「───人間も? 人間の姿も認識不可能なのか」
ぼくは震えていた。
ぼくの、ぼくの好きだった女の子。
ヒヨリも本当はずっと違う姿だったんだろうか。
本当は髪の色も黒くなくて、色白でもなかったんだろうか。
「ヒヨリの髪は真っ黒で、目は大きくて優しくて、……ぼくより背が低い。どこか違うか」
「一緒だよ。───お前、陽和のことが好きだったのか」
オギは目を細める。
「さっきも言ったようにお前の内面(クロッグ)は人間により近い。お前が陽和を───人間を好きなら、人間の姿だけ正常に認識することがあっても不思議じゃない」
もっとも上の連中に言わせればそれも欠陥ということになるんだがな、とオギは付け加える。
───ぼくはヒヨリ、きみが好きだった。
確かに。
「さて、……すぐにここを出るぞ。ヒヨリを事故にあわせたやつらが間もなくここにくるだろうからな」
「事故に……あわせた?」
震える。ぼくの手が、足が。
「お前を処分しないでおいたこと、勘付かれていたんだ。脅しのつもりで陽和に車をぶつけた。計算違いで陽和は死んじまったけどな───おれにはお前を守らなきゃならない義務がある。陽和の形見として」
「ぼくのせいで」
ヒヨリ。ぼくのせいで。
───死んだのか? きみは。
どうしてそこまで、……ぼくを、
「どうしてかばってくれた?」
ヒヨリ。
こうして見下ろすと、きみはなんて小さく見えるんだろう。
なんて青ざめて見えるんだろう。
ああ───やっぱりぼくは壊れているのかもしれない。
こんなに無機質になったきみでさえ、愛しいなんて。
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