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第1章:機械還元~SINNERCK RIF~
Ⅱ
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◇
教室に入ると、幸いまだホームルームは始まっていなかった。
ホッとして席に着いたとたん、担任が教室に入ってくる。危機一髪、全速力で走った甲斐があったというものだ。
担任は、ひとりの見知らぬ女の子を連れていた。かなりの美少女で、クラス中がざわめいた。
教壇に立って咳払いをひとつすると、担任は女の子を紹介した。
「突然だけど、転入生を紹介します。今日からこのクラスの一員になるから、みんな仲良くね」
「鏡(かがみ)苗(なえ)です。新しい学校で分からないことも多いと思いますが、いろいろよろしくお願いします」
担任に目で促されて、クラス中の視線を浴びていることに怖気もせず、ハッキリした口調でそう言った。
ぼくの前の席に座っていた紫麻が、口笛を吹く。
「学校関係以外なら、いろいろよろしくするぜ!」
お前ってやつは……。
クラス中が冷やかす中、さすがに鏡さんは赤くなってうつむいてしまう。
親友の選択間違ったかもしれない……紫麻……この、女たらし……。
鏡さんはぼくの斜め後ろの席になった。近くで見ると本当に可愛い子だった。真っ黒な髪の毛なんか、つやつやきれいに光っていて思わず触りたくなる。
その日の放課後になって、ぼくは彼女に話しかけられた。
「冬(ふゆ)牙(きば)くんて、部活なに?」
ぼくは、どの部活にも所属していなかった。
それを言うと、鏡さんは、
「科学部ってどこかしら?」
と聞いてきた。
見かけによらず……と言ったら失礼だろうか……鏡さんは、科学に興味があるらしい。
「じゃあもしかして、カエルとか全然平気?」
横から、いつのまにいたのか会話を聞きつけた紫麻が口を出す。
「カエルもヘビも毒虫も平気」
にっこり笑って返す鏡さん。紫麻は面白くなさそうに軽く肩をすくめた。
……お前、絶対何かくだらないこと考えてたんだろ。
とりあえずぼくたちは、鏡さんを科学部室まで案内することになった。
「今朝、面白いニュースやってたわね」
廊下を歩きながら、鏡さんは口を開いた。
「脱走したヒューマノイド。もしかしたら、学校の帰りとかに出会っちゃうかもね」
「でも、見かけではヒューマノイドと人間て区別つかないんだろ?」
紫麻のその言葉に、鏡さんはうなずく。
「そうね。わたしヒューマノイドに会ったことあるんだけど、そう言われるまで全然わからなかった。言われて、そういえばあんまり表情のない人、と思ったくらい。それだけしか違いが分からなかった」
「じゃあ研究所の人たち、どうやって見つけようとしてるのかな?」
疑問を口にしたとたん、ぽこんと紫麻に殴られた。
「ばあか。探知機があるんだよ。ちゃんと。問題は捜し出したあとどうやって捕獲するかだろ。意志を持ってるなら当然抵抗するだろうし、あの怪力で暴れられたらたまったもんじゃない」
「それに人質を取ってるもの、なおさら一筋縄じゃいかないわ」
鏡さんが相槌を打つ。話しているうちに、科学部室に辿り着いた。
開きっぱなしの扉、その中を覗くと部員がふたりだけ、何かそれぞれに実験をやっている。
「部員ってこれだけ?」
拍子抜けしたように、鏡さん。ぼくはかぶりをふった。
「まさか。もっといると思うけど……」
すると、ビーカーの中身を覗いていた部員のひとり、ベリーショートの女の子がこちらを向いた。
「部長と副部長が、部員たちを駆り出していっちゃったんです。ほら、例のヒューマノイド。脱走したあれ。会ってみたいって、そこらへん探し回ってますよ」
「物好き……」
ぽつりとつぶやく、紫麻。ぼくは女子部員に聞いてみた。
「転入してきたクラスメートが見学したいって。いいかな?」
返答はすぐに返ってきた。
「どうぞ。見ての通り、今日はろくなことやってませんけど」
ぼくたちは彼女のところに歩み寄り、ビーカーの中、怪しげな液体を覗きこんだ。
「これ、なんだ?」
不用意にビーカーを持ち上げた紫麻に、後ろで冷蔵庫から試験管を取り出しながら男子部員が一言、
「硫酸です」
「げっ!」
慌ててビーカーを戻す紫麻。鏡さんがくすくす笑った。
「嘘よ、硫酸なんてそんな簡単に取り扱い許可もらえるわけないでしょ」
「本当ですよ。飲んでみますか」
「飲めるかっ!」
更に言う男子部員に、紫麻が噛みつく勢いで拒否する。女子部員のほうが呆れたように言った。
「やめなさいよ。菜(なの)水(みず)くん。……ごめんなさい、彼、人をからかうのが好きなんです。……そこの人が今言ったとおり、これはもちろん硫酸ではありません。でも、一応劇薬ではあるんです」
「結局何なの?」
ぼくが尋ねると、鏡さんはビーカーの液体に目をこらした。
「見ただけじゃ全然分からないわね……。なんだろう、特別においがするわけでもないし……」
「こうすれば分かります」
菜水とかいう男子部員は、机の上にあったマスクを着け、手袋をした手でピンセットを取り、机の上に散らばっていたたくさんの鉄片のひとつを拾い上げる。
「よく見ててください」
言うと、鉄片をビーカーの中の液体に浸した。───でも、特に変化は見られない。紫麻が肩をすくめた。
「何も起こらないぜ?」
「待って」
慎重な声で、鏡さん。
「なんか、色が変わってきてる」
鏡さんの言うとおり、黒かった鉄片が、だんだん灰色になり、見る間に真っ白になってしまった。
菜水くんは、真っ白になった鉄片を液体から取り上げる。
「さて───これ、もう『鉄』としての役割もなく、使い物にもなりません。磁石にも反応しません」
ぼくは息を呑んだ。菜水くんがその台詞を言っている間に、元は鉄だった塊にたちまちひびが入り、砕け散ってしまったのだ。散ったものですら、床に落ちた先から消えていってしまう。
「鉄だけがこうなってしまうわけじゃない。人間には特に害はありませんが、『機械』にとっては劇薬です。何しろこの液体をかぶったら、車だろうがコンピュータだろうが、数秒でこんなふうになってしまうんです。使い物にならなくなった機械を無駄なく処理するのに、とても役に立ちますよ。『機械(シナーク)還元(リフ)』とはよく言ったもんです」
「へえ」
紫麻が感心し、ぼくは鏡さんに話しかけようとして隣を向き、そこに彼女の姿がないことに気がついた。
鏡さんは、数メートルほど離れたところまで移動していて、ぼくと目が合うといかにもという愛想笑いを浮かべた。……でもなんだか、口元がひきつっているみたいだ。微妙に。
ぼくの隣で、紫麻が呼びかける。
「あんた、入部するか?」
「いえ───やっぱり、遠慮するわ」
「なんで? 入りたいんじゃなかったのかよ」
「いいのよ」
鏡さんは、少しきつい口調で言った。むっとして何か言いかけた紫麻を、ぼくは慌てて止める。
「いいじゃないか、紫麻。ねえ鏡さん、今日は一緒に帰らない? ヒューマノイドとかの件でも、物騒だし……」
「……ううん、いいの。悪いけど、ひとりで帰るわ。また明日ね」
申し訳なさそうに上目遣いでぼくを見て、鏡さんは部屋を出て行った。
教室に入ると、幸いまだホームルームは始まっていなかった。
ホッとして席に着いたとたん、担任が教室に入ってくる。危機一髪、全速力で走った甲斐があったというものだ。
担任は、ひとりの見知らぬ女の子を連れていた。かなりの美少女で、クラス中がざわめいた。
教壇に立って咳払いをひとつすると、担任は女の子を紹介した。
「突然だけど、転入生を紹介します。今日からこのクラスの一員になるから、みんな仲良くね」
「鏡(かがみ)苗(なえ)です。新しい学校で分からないことも多いと思いますが、いろいろよろしくお願いします」
担任に目で促されて、クラス中の視線を浴びていることに怖気もせず、ハッキリした口調でそう言った。
ぼくの前の席に座っていた紫麻が、口笛を吹く。
「学校関係以外なら、いろいろよろしくするぜ!」
お前ってやつは……。
クラス中が冷やかす中、さすがに鏡さんは赤くなってうつむいてしまう。
親友の選択間違ったかもしれない……紫麻……この、女たらし……。
鏡さんはぼくの斜め後ろの席になった。近くで見ると本当に可愛い子だった。真っ黒な髪の毛なんか、つやつやきれいに光っていて思わず触りたくなる。
その日の放課後になって、ぼくは彼女に話しかけられた。
「冬(ふゆ)牙(きば)くんて、部活なに?」
ぼくは、どの部活にも所属していなかった。
それを言うと、鏡さんは、
「科学部ってどこかしら?」
と聞いてきた。
見かけによらず……と言ったら失礼だろうか……鏡さんは、科学に興味があるらしい。
「じゃあもしかして、カエルとか全然平気?」
横から、いつのまにいたのか会話を聞きつけた紫麻が口を出す。
「カエルもヘビも毒虫も平気」
にっこり笑って返す鏡さん。紫麻は面白くなさそうに軽く肩をすくめた。
……お前、絶対何かくだらないこと考えてたんだろ。
とりあえずぼくたちは、鏡さんを科学部室まで案内することになった。
「今朝、面白いニュースやってたわね」
廊下を歩きながら、鏡さんは口を開いた。
「脱走したヒューマノイド。もしかしたら、学校の帰りとかに出会っちゃうかもね」
「でも、見かけではヒューマノイドと人間て区別つかないんだろ?」
紫麻のその言葉に、鏡さんはうなずく。
「そうね。わたしヒューマノイドに会ったことあるんだけど、そう言われるまで全然わからなかった。言われて、そういえばあんまり表情のない人、と思ったくらい。それだけしか違いが分からなかった」
「じゃあ研究所の人たち、どうやって見つけようとしてるのかな?」
疑問を口にしたとたん、ぽこんと紫麻に殴られた。
「ばあか。探知機があるんだよ。ちゃんと。問題は捜し出したあとどうやって捕獲するかだろ。意志を持ってるなら当然抵抗するだろうし、あの怪力で暴れられたらたまったもんじゃない」
「それに人質を取ってるもの、なおさら一筋縄じゃいかないわ」
鏡さんが相槌を打つ。話しているうちに、科学部室に辿り着いた。
開きっぱなしの扉、その中を覗くと部員がふたりだけ、何かそれぞれに実験をやっている。
「部員ってこれだけ?」
拍子抜けしたように、鏡さん。ぼくはかぶりをふった。
「まさか。もっといると思うけど……」
すると、ビーカーの中身を覗いていた部員のひとり、ベリーショートの女の子がこちらを向いた。
「部長と副部長が、部員たちを駆り出していっちゃったんです。ほら、例のヒューマノイド。脱走したあれ。会ってみたいって、そこらへん探し回ってますよ」
「物好き……」
ぽつりとつぶやく、紫麻。ぼくは女子部員に聞いてみた。
「転入してきたクラスメートが見学したいって。いいかな?」
返答はすぐに返ってきた。
「どうぞ。見ての通り、今日はろくなことやってませんけど」
ぼくたちは彼女のところに歩み寄り、ビーカーの中、怪しげな液体を覗きこんだ。
「これ、なんだ?」
不用意にビーカーを持ち上げた紫麻に、後ろで冷蔵庫から試験管を取り出しながら男子部員が一言、
「硫酸です」
「げっ!」
慌ててビーカーを戻す紫麻。鏡さんがくすくす笑った。
「嘘よ、硫酸なんてそんな簡単に取り扱い許可もらえるわけないでしょ」
「本当ですよ。飲んでみますか」
「飲めるかっ!」
更に言う男子部員に、紫麻が噛みつく勢いで拒否する。女子部員のほうが呆れたように言った。
「やめなさいよ。菜(なの)水(みず)くん。……ごめんなさい、彼、人をからかうのが好きなんです。……そこの人が今言ったとおり、これはもちろん硫酸ではありません。でも、一応劇薬ではあるんです」
「結局何なの?」
ぼくが尋ねると、鏡さんはビーカーの液体に目をこらした。
「見ただけじゃ全然分からないわね……。なんだろう、特別においがするわけでもないし……」
「こうすれば分かります」
菜水とかいう男子部員は、机の上にあったマスクを着け、手袋をした手でピンセットを取り、机の上に散らばっていたたくさんの鉄片のひとつを拾い上げる。
「よく見ててください」
言うと、鉄片をビーカーの中の液体に浸した。───でも、特に変化は見られない。紫麻が肩をすくめた。
「何も起こらないぜ?」
「待って」
慎重な声で、鏡さん。
「なんか、色が変わってきてる」
鏡さんの言うとおり、黒かった鉄片が、だんだん灰色になり、見る間に真っ白になってしまった。
菜水くんは、真っ白になった鉄片を液体から取り上げる。
「さて───これ、もう『鉄』としての役割もなく、使い物にもなりません。磁石にも反応しません」
ぼくは息を呑んだ。菜水くんがその台詞を言っている間に、元は鉄だった塊にたちまちひびが入り、砕け散ってしまったのだ。散ったものですら、床に落ちた先から消えていってしまう。
「鉄だけがこうなってしまうわけじゃない。人間には特に害はありませんが、『機械』にとっては劇薬です。何しろこの液体をかぶったら、車だろうがコンピュータだろうが、数秒でこんなふうになってしまうんです。使い物にならなくなった機械を無駄なく処理するのに、とても役に立ちますよ。『機械(シナーク)還元(リフ)』とはよく言ったもんです」
「へえ」
紫麻が感心し、ぼくは鏡さんに話しかけようとして隣を向き、そこに彼女の姿がないことに気がついた。
鏡さんは、数メートルほど離れたところまで移動していて、ぼくと目が合うといかにもという愛想笑いを浮かべた。……でもなんだか、口元がひきつっているみたいだ。微妙に。
ぼくの隣で、紫麻が呼びかける。
「あんた、入部するか?」
「いえ───やっぱり、遠慮するわ」
「なんで? 入りたいんじゃなかったのかよ」
「いいのよ」
鏡さんは、少しきつい口調で言った。むっとして何か言いかけた紫麻を、ぼくは慌てて止める。
「いいじゃないか、紫麻。ねえ鏡さん、今日は一緒に帰らない? ヒューマノイドとかの件でも、物騒だし……」
「……ううん、いいの。悪いけど、ひとりで帰るわ。また明日ね」
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