カエル商人

 人口300人ほどの小さな町である珍事が起こった。ピタリと雨がやんでからというもの、多くの住人が口をそろえて「カエル人間を見た」と言うのである。商人そっくりの姿から、人々はカエル商人と呼ぶようになる。
 町で暮らす2人の兄妹はそんなカエル商人に興味津々で、新聞記者でカエル商人を追っかける父が留守の間、兄は「僕らも見つけよう!」とカエル商人探しを計画する。2人は町に繰り出し、町で不思議な落とし物があったという話を聞く。家に帰ると鍵をかけたはずのドアが開いていて、ポスト口をのぞいてみると……ギョロッと大きな目が二つのぞいていた。カエル商人と出会った兄妹は、彼を元の世界に戻してあげるために奮闘する――。
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