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「なんだよ、早かったなぁ?」
穏やかな声で出迎えてくれた東雲氏に返事もせず、俺は服を乱暴に脱ぐとそれを脱衣カゴに捨てるように投げ込んで、バスルームに飛び込んだ。
酒と香水とタバコの臭いが、全身にこびりついているような気がして。
頭も身体もいつもの3倍ほど念入りに洗い、それでもまだ気分が悪くて仕方がない。
それでもなんとか臭いだけは落ちたと思って、俺は風呂から上がった。
「なんだ、いつもはなかなか風呂に入りたがらないハルカが珍しいな」
茶化すように笑って、東雲氏は冷蔵庫から冷えたスポーツ飲料を出してきてくれた。
「なんか、臭いが移ったみたいで……イヤだったから」
「臭い? 焼き肉にでも行ってきたのか?」
東雲氏の答えに、俺はハッとなった。
そういえば電話では「友人と食事をして帰る」と告げただけだったし、松尾サンにキャバクラに連れて行かれるなんて予想もしていなかったから、東雲氏はその事を知らないのだ。
「意外だな。ハルカはそういうのが気になるんだ?」
「そういうの?」
「身体に臭いが移った……なんて、さ。オマエ、朝は寝癖のまま出勤してるから、そんな洒落っ気があるなんて思わなかった」
揶揄しながら笑う彼の顔を見ていたら、先刻までの苛立ちが治まってくるのを感じる。
なんだろう?
高価なドレスを纏い、ブランド物の香水の臭いを紛々とまき散らしていたフロアーレディ達よりも、彼の方がずっと清潔な感じがして。
「東雲サンは……?」
俺は畳に手を付いて彼の側に身を寄せ、彼の首筋辺りの匂いを嗅いでみた。
「バッカ! くすぐってェよ!」
笑い転げる彼を無視して、俺はその白いうなじに鼻を付けるようにして匂いをかぎ続ける。
なんだかちょっと、日に干した後にとりこんだ布団みたいな……いわゆる「お日様の匂い」ってヤツに似ているような、それよりももうちょっと甘みを含んだ「はちみつ」みたいな匂いが……して。
気付いたら、俺は彼の身体を畳に押し倒して、白いうなじに口唇を押しつけていた。
「ハ………ルカッ! よせ………」
倒れた彼の身体の上に覆い被さるようにして、俺は彼の身体を押さえつけるような形になっていたから、俺の口唇が触れた瞬間、彼の身体が驚愕に竦み上がったのが手に取るように解って。
それだけでもゾクッとしたのに、俺に振り返った彼の微かに赤らめた困惑気味の顔に胸を掴まれたような気がして。
痩せた身体をギュウッと抱きしめて、俺はもう一度そのうなじに口唇を押しつける。
「や………っ!」
俺に組み敷かれているせいか、それとも俺に対する遠慮なのか、彼の抵抗は俺の暴走の前には霞む程度の物でしかなく。
押さえ込んだ身体の膝を割り、俺は彼の股間に手を伸ばした。
「感じてンじゃん、東雲サン」
「ちが……っ!」
室内着に包まれたその場所は、微かに脈打ちながらしかし明らかに勃起している。
それを指摘されて、彼は口唇を噛んで顔を背けた。
その表情と様子に、俺の方こそおっ勃ちそうになった。
勃ちあがりはじめている場所を掌に包み込み、乱暴に上下させながら俺は項に痕のが残るようなキスをする。
「あぁ………っ」
思わず口から零れた吐息の熱さに、俺は胸がドキドキした。
「その様子じゃ、初めてってワケでもないんでしょ?」
「う……るさいっ」
上着をたくし上げ、両腕を頭の上にねじ上げるようにして着衣をそこで止め、さらけ出された白い肌に口唇を滑らせる。
穏やかな声で出迎えてくれた東雲氏に返事もせず、俺は服を乱暴に脱ぐとそれを脱衣カゴに捨てるように投げ込んで、バスルームに飛び込んだ。
酒と香水とタバコの臭いが、全身にこびりついているような気がして。
頭も身体もいつもの3倍ほど念入りに洗い、それでもまだ気分が悪くて仕方がない。
それでもなんとか臭いだけは落ちたと思って、俺は風呂から上がった。
「なんだ、いつもはなかなか風呂に入りたがらないハルカが珍しいな」
茶化すように笑って、東雲氏は冷蔵庫から冷えたスポーツ飲料を出してきてくれた。
「なんか、臭いが移ったみたいで……イヤだったから」
「臭い? 焼き肉にでも行ってきたのか?」
東雲氏の答えに、俺はハッとなった。
そういえば電話では「友人と食事をして帰る」と告げただけだったし、松尾サンにキャバクラに連れて行かれるなんて予想もしていなかったから、東雲氏はその事を知らないのだ。
「意外だな。ハルカはそういうのが気になるんだ?」
「そういうの?」
「身体に臭いが移った……なんて、さ。オマエ、朝は寝癖のまま出勤してるから、そんな洒落っ気があるなんて思わなかった」
揶揄しながら笑う彼の顔を見ていたら、先刻までの苛立ちが治まってくるのを感じる。
なんだろう?
高価なドレスを纏い、ブランド物の香水の臭いを紛々とまき散らしていたフロアーレディ達よりも、彼の方がずっと清潔な感じがして。
「東雲サンは……?」
俺は畳に手を付いて彼の側に身を寄せ、彼の首筋辺りの匂いを嗅いでみた。
「バッカ! くすぐってェよ!」
笑い転げる彼を無視して、俺はその白いうなじに鼻を付けるようにして匂いをかぎ続ける。
なんだかちょっと、日に干した後にとりこんだ布団みたいな……いわゆる「お日様の匂い」ってヤツに似ているような、それよりももうちょっと甘みを含んだ「はちみつ」みたいな匂いが……して。
気付いたら、俺は彼の身体を畳に押し倒して、白いうなじに口唇を押しつけていた。
「ハ………ルカッ! よせ………」
倒れた彼の身体の上に覆い被さるようにして、俺は彼の身体を押さえつけるような形になっていたから、俺の口唇が触れた瞬間、彼の身体が驚愕に竦み上がったのが手に取るように解って。
それだけでもゾクッとしたのに、俺に振り返った彼の微かに赤らめた困惑気味の顔に胸を掴まれたような気がして。
痩せた身体をギュウッと抱きしめて、俺はもう一度そのうなじに口唇を押しつける。
「や………っ!」
俺に組み敷かれているせいか、それとも俺に対する遠慮なのか、彼の抵抗は俺の暴走の前には霞む程度の物でしかなく。
押さえ込んだ身体の膝を割り、俺は彼の股間に手を伸ばした。
「感じてンじゃん、東雲サン」
「ちが……っ!」
室内着に包まれたその場所は、微かに脈打ちながらしかし明らかに勃起している。
それを指摘されて、彼は口唇を噛んで顔を背けた。
その表情と様子に、俺の方こそおっ勃ちそうになった。
勃ちあがりはじめている場所を掌に包み込み、乱暴に上下させながら俺は項に痕のが残るようなキスをする。
「あぁ………っ」
思わず口から零れた吐息の熱さに、俺は胸がドキドキした。
「その様子じゃ、初めてってワケでもないんでしょ?」
「う……るさいっ」
上着をたくし上げ、両腕を頭の上にねじ上げるようにして着衣をそこで止め、さらけ出された白い肌に口唇を滑らせる。
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