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第13話
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俺はビデオカメラを回収してから、いつもよりも数段入念に柊一サンを介抱した。
ゆるゆると意識を取り戻した顔を覗き込むと、柊一サンはしばらくぼんやりと俺の顔を見上げていたが。
「もしかして、やりすぎた? 我慢した方が気持ちイイのが大きくなるから、ちょっと意地悪しすぎたかな?」
ハッとなると、急に頬を赤く染めて俺を睨みつける。
「酷いじゃないかっ!」
「ゴメンなさい。でも、こういうのも趣向が変わってて、刺激的だったでしょ?」
「俺は、こんなのは二度とごめんだ」
「え~そんなコトないでしょ? レストランでローター動かした時なんて、スゲー感じてたじゃん、柊一サンと目が合ったボーイ、マジでのぼせあがってたぜ?」
「ふざけるな!」
怒鳴る柊一サンを宥めようとして、キスを仕掛けても、スゴイ勢いで髪を掴まれ引っぺがされてしまう。
どうやら本気モードで怒っているらしい。
俺は神妙な顔をして、頭を下げた。
「ごめん。そんなにヤだったなら、謝る。どーしても許せないって言うなら、殴ってもいいよ」
口ではそう言ったけど、内心じゃ絶対殴られないと思ってた。
どんなに怒っていても、柊一サンみたいに育ちの良いヒトは、謝っているヤツを殴ったりしないものだ。
案の定、今まで俺の事を睨みつけてた柊一サンが、困ったみたいに視線を外している。
俺は神妙な顔を維持したまま、肩口に擦り寄った。
「ホント、ごめん…。たまにはああいう刺激的なのも、愉しんでもらえると思ったんだ」
「あんなのは、不愉快だ」
「うん、よくわかった…」
様子を窺いつつ頬に口唇を寄せてみたが、どうやら髪を引っ掴まれる気配はないようだ。
俺はひと安心して柊一サンを抱き寄せると、目元に軽いキスを繰り返した。
そういえば先刻、俺は柊一サンを泣かしちゃったんだっけ。
もちろんあれは感情的な涙ではなく、生理的に堪えきれなくなったのだろうが、どっちにしてもちょっと無茶をしすぎたようだ。
でもあの時の事を思い返すと、やりすぎちゃったコトより、目元を涙で濡らしながら喘いでいた柊一サンの色っぽい様子しか思い出せない。
「じゃあコレ。柊一サンに預けとくね」
シャワーを浴びるついでに洗っておいたローターを差し出すと、柊一サンの顔が真っ赤に染まった。
「なんで俺がそんなもの…!」
「だって俺が持ってたら、きっとまた使いたくなっちゃうよ。だから柊一サンが封印しといて」
そう言って渡そうとしても、受け取ろうとしない。
「ん~、じゃあ一人エッチする時にでも使ってよ、ローション塗ってから使えば、すんなり…」
柊一サンは乱暴な仕種でローターを掴むと、そこにあったゴミ箱にそいつを投げ込んだ。
「使うか、莫迦っ!」
積年の恨みを晴らすみたいに、ゴミ箱の置くにぎゅうぎゅうねじ込んでいる姿は、なんだか子供みたいだ。
「今日のお詫びに、次はちゃんと、とっておきの美味しい店に案内するよ」
俺はじたばたしている柊一サンを抱き寄せると、耳元に囁いた。
柊一サンは何も言わなかったが、俺の腕を払いのけたりもしなかった。
ゆるゆると意識を取り戻した顔を覗き込むと、柊一サンはしばらくぼんやりと俺の顔を見上げていたが。
「もしかして、やりすぎた? 我慢した方が気持ちイイのが大きくなるから、ちょっと意地悪しすぎたかな?」
ハッとなると、急に頬を赤く染めて俺を睨みつける。
「酷いじゃないかっ!」
「ゴメンなさい。でも、こういうのも趣向が変わってて、刺激的だったでしょ?」
「俺は、こんなのは二度とごめんだ」
「え~そんなコトないでしょ? レストランでローター動かした時なんて、スゲー感じてたじゃん、柊一サンと目が合ったボーイ、マジでのぼせあがってたぜ?」
「ふざけるな!」
怒鳴る柊一サンを宥めようとして、キスを仕掛けても、スゴイ勢いで髪を掴まれ引っぺがされてしまう。
どうやら本気モードで怒っているらしい。
俺は神妙な顔をして、頭を下げた。
「ごめん。そんなにヤだったなら、謝る。どーしても許せないって言うなら、殴ってもいいよ」
口ではそう言ったけど、内心じゃ絶対殴られないと思ってた。
どんなに怒っていても、柊一サンみたいに育ちの良いヒトは、謝っているヤツを殴ったりしないものだ。
案の定、今まで俺の事を睨みつけてた柊一サンが、困ったみたいに視線を外している。
俺は神妙な顔を維持したまま、肩口に擦り寄った。
「ホント、ごめん…。たまにはああいう刺激的なのも、愉しんでもらえると思ったんだ」
「あんなのは、不愉快だ」
「うん、よくわかった…」
様子を窺いつつ頬に口唇を寄せてみたが、どうやら髪を引っ掴まれる気配はないようだ。
俺はひと安心して柊一サンを抱き寄せると、目元に軽いキスを繰り返した。
そういえば先刻、俺は柊一サンを泣かしちゃったんだっけ。
もちろんあれは感情的な涙ではなく、生理的に堪えきれなくなったのだろうが、どっちにしてもちょっと無茶をしすぎたようだ。
でもあの時の事を思い返すと、やりすぎちゃったコトより、目元を涙で濡らしながら喘いでいた柊一サンの色っぽい様子しか思い出せない。
「じゃあコレ。柊一サンに預けとくね」
シャワーを浴びるついでに洗っておいたローターを差し出すと、柊一サンの顔が真っ赤に染まった。
「なんで俺がそんなもの…!」
「だって俺が持ってたら、きっとまた使いたくなっちゃうよ。だから柊一サンが封印しといて」
そう言って渡そうとしても、受け取ろうとしない。
「ん~、じゃあ一人エッチする時にでも使ってよ、ローション塗ってから使えば、すんなり…」
柊一サンは乱暴な仕種でローターを掴むと、そこにあったゴミ箱にそいつを投げ込んだ。
「使うか、莫迦っ!」
積年の恨みを晴らすみたいに、ゴミ箱の置くにぎゅうぎゅうねじ込んでいる姿は、なんだか子供みたいだ。
「今日のお詫びに、次はちゃんと、とっておきの美味しい店に案内するよ」
俺はじたばたしている柊一サンを抱き寄せると、耳元に囁いた。
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