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第2話
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店を出て、俺は馴染みのホテルに部屋を取った。
そもそもあの店に来る事は、ソレが目当てだと言ってイイ。
とはいえ、どう見ても超! 初心者の柊一サンみたいなタイプは、あからさまにそんな場所に入るように言われたら、躊躇するに決まっている。
俺が馴染みで使っているトコロは、そういう部分にも配慮している…と言うか、DISTANCE同様に入り口は解りにくい場所にこそっと付いている。
案の定、柊一サンは部屋に入ってから、ようやくそこがホテルの一室である事に気がついたらしい。
部屋に入ったところで、戸惑った様子で立ちつくしている。
俺は柊一サンの背後に立つと、後ろから腕を回して上着のボタンに手を掛けた。
「そんなトコに立ってないで、上着脱ぎなよ」
「あ…の……」
「いーじゃん、これから二人で楽しむンだし。…それとも、そんなつもりは全然無かった…って?」
身体を傾けてワザと下から顔を覗き込むと、微かに頬を赤らめつつ、柊一サンは黙ってネクタイを解く。
それを「了解」と受け取って、俺はそのまま前に回り込み、顔を寄せる。
キスを促す仕種だと気付いた柊一サンは、ギュウッと目を閉じてうっすらと口唇を開いた。
触れた口唇は、少し冷たくて、そして微かに震えている。
抱き寄せて、啄むような口づけを続けながら、俺は柊一サンの着衣を脱がせた。
「シャワー、浴びよう?」
少し緊張が解けた所でキスを中断し、そのままエスコートするようにバスルームへと導く。
シャワーのコックを捻って熱い湯を注ぎながら、俺は再び口づけをねだる。
そして柊一サンの注意をキスに向けさせたまま、自分は片手にボディソープを取り、滑った指先を柊一サンの股間に滑らせた。
滑った指先を絡みつかせると、柊一サンは酷く驚いたように大きく目を見開いて、俺の顔を見つめている。
構わずキスを続けながら、俺は指先に力を込めてやんわりと煽り立てた。
優しく舌を絡め取りながら、ジイッと顔を見つめると、今度は戸惑った顔で目を伏せる。
「もうちょっと、足を開いて…。支えててあげるから、少し力を抜いて…」
キスを中断して、柊一サンの背中をゆっくりタイルの壁に預けさせて、反応を返すその場所をまずはたっぷり追い上げる。
どうやら柊一サンは、本当に真っ新の「他人の手を知らない身体」をしているらしい。
異性との経験はどうか判らないが、少なくともこんな風に「愛された」事なんて無いんだろう。
俺の指先に、他愛ないほど簡単に翻弄されていく。
口唇を寄せて耳朶を噛み、首筋に口唇を這わせ、指先は全く焦らしもせずに熱を追い上げて。
「はっ……あっ!」
シャワーのお湯が降り注ぐ中、微かな愉悦の声を上げて、柊一サンは俺の手の中に吐精した。
「身体、暖まったでしょ? 早くベッドに行こうよ。もっと愉しませてあげるからさ」
荒く息を吐く柊一サンの頬にキスをして、降り注ぐ湯で泡も汚れも洗い流す。
商売とは別に、好みのベッピンを抱く悦びに、俺は自分がワクワクしているのを感じた。
吐精の余韻に捕らわれている柊一サンは、促されるままバスルームを後にする。
ベッドに横になった柊一サンは、漆黒の瞳に未だ微かな戸惑いを浮かべて俺を見た。
「怖い?」
「そんな…ことはない」
「そうなの? じゃあ、寒い?」
「いや、別に」
「そう…。それじゃあ、どうして震えてるの?」
俺は格別優しい笑みを浮かべて、少し意地の悪い問いを投げかけた。
案の定、柊一サンは答えるのを拒絶するみたいに、赤らめた顔を背けてみせる。
笑いを堪えた三日月型の口唇を、さらけ出された首筋に押し当てて。
それから俺は、柊一サンの滑らかな肌の感触を楽しみながら、指先を胸元へと滑らせる。
「ココ、感じる?」
「く……すぐったい…」
人差し指で乳首をなぞると、ピクンと全身が反応する。
「ホントに、それだけ?」
問い掛けながら、クルクルと何度も形をなぞると、そこは堅く充血してきた。
「ほら、勃ってきた」
人差し指と親指でつまんで、コリコリした感触を確かめる。
「痛い……っ」
「それだけじゃないでしょ?」
俺は、もう片方の乳首に口唇を近づけて、まずはベロリと大きく嬲る。
指先では押しつぶしたり摘んだりと繊細に、口に含んだ方は大胆に舐め回して軽く歯を立て、両方を同時に違う刺激で責め立ててやった。
「あ……! い……っ……」
馴れない感覚に戸惑うように、柊一サンは身を竦ませたが。
しかし、身体は未知の恐怖よりも強い刺激に反応し始めている。
俺の下で悶えている身体の一部が、俺の身体にコツンと当たった。
そもそもあの店に来る事は、ソレが目当てだと言ってイイ。
とはいえ、どう見ても超! 初心者の柊一サンみたいなタイプは、あからさまにそんな場所に入るように言われたら、躊躇するに決まっている。
俺が馴染みで使っているトコロは、そういう部分にも配慮している…と言うか、DISTANCE同様に入り口は解りにくい場所にこそっと付いている。
案の定、柊一サンは部屋に入ってから、ようやくそこがホテルの一室である事に気がついたらしい。
部屋に入ったところで、戸惑った様子で立ちつくしている。
俺は柊一サンの背後に立つと、後ろから腕を回して上着のボタンに手を掛けた。
「そんなトコに立ってないで、上着脱ぎなよ」
「あ…の……」
「いーじゃん、これから二人で楽しむンだし。…それとも、そんなつもりは全然無かった…って?」
身体を傾けてワザと下から顔を覗き込むと、微かに頬を赤らめつつ、柊一サンは黙ってネクタイを解く。
それを「了解」と受け取って、俺はそのまま前に回り込み、顔を寄せる。
キスを促す仕種だと気付いた柊一サンは、ギュウッと目を閉じてうっすらと口唇を開いた。
触れた口唇は、少し冷たくて、そして微かに震えている。
抱き寄せて、啄むような口づけを続けながら、俺は柊一サンの着衣を脱がせた。
「シャワー、浴びよう?」
少し緊張が解けた所でキスを中断し、そのままエスコートするようにバスルームへと導く。
シャワーのコックを捻って熱い湯を注ぎながら、俺は再び口づけをねだる。
そして柊一サンの注意をキスに向けさせたまま、自分は片手にボディソープを取り、滑った指先を柊一サンの股間に滑らせた。
滑った指先を絡みつかせると、柊一サンは酷く驚いたように大きく目を見開いて、俺の顔を見つめている。
構わずキスを続けながら、俺は指先に力を込めてやんわりと煽り立てた。
優しく舌を絡め取りながら、ジイッと顔を見つめると、今度は戸惑った顔で目を伏せる。
「もうちょっと、足を開いて…。支えててあげるから、少し力を抜いて…」
キスを中断して、柊一サンの背中をゆっくりタイルの壁に預けさせて、反応を返すその場所をまずはたっぷり追い上げる。
どうやら柊一サンは、本当に真っ新の「他人の手を知らない身体」をしているらしい。
異性との経験はどうか判らないが、少なくともこんな風に「愛された」事なんて無いんだろう。
俺の指先に、他愛ないほど簡単に翻弄されていく。
口唇を寄せて耳朶を噛み、首筋に口唇を這わせ、指先は全く焦らしもせずに熱を追い上げて。
「はっ……あっ!」
シャワーのお湯が降り注ぐ中、微かな愉悦の声を上げて、柊一サンは俺の手の中に吐精した。
「身体、暖まったでしょ? 早くベッドに行こうよ。もっと愉しませてあげるからさ」
荒く息を吐く柊一サンの頬にキスをして、降り注ぐ湯で泡も汚れも洗い流す。
商売とは別に、好みのベッピンを抱く悦びに、俺は自分がワクワクしているのを感じた。
吐精の余韻に捕らわれている柊一サンは、促されるままバスルームを後にする。
ベッドに横になった柊一サンは、漆黒の瞳に未だ微かな戸惑いを浮かべて俺を見た。
「怖い?」
「そんな…ことはない」
「そうなの? じゃあ、寒い?」
「いや、別に」
「そう…。それじゃあ、どうして震えてるの?」
俺は格別優しい笑みを浮かべて、少し意地の悪い問いを投げかけた。
案の定、柊一サンは答えるのを拒絶するみたいに、赤らめた顔を背けてみせる。
笑いを堪えた三日月型の口唇を、さらけ出された首筋に押し当てて。
それから俺は、柊一サンの滑らかな肌の感触を楽しみながら、指先を胸元へと滑らせる。
「ココ、感じる?」
「く……すぐったい…」
人差し指で乳首をなぞると、ピクンと全身が反応する。
「ホントに、それだけ?」
問い掛けながら、クルクルと何度も形をなぞると、そこは堅く充血してきた。
「ほら、勃ってきた」
人差し指と親指でつまんで、コリコリした感触を確かめる。
「痛い……っ」
「それだけじゃないでしょ?」
俺は、もう片方の乳首に口唇を近づけて、まずはベロリと大きく嬲る。
指先では押しつぶしたり摘んだりと繊細に、口に含んだ方は大胆に舐め回して軽く歯を立て、両方を同時に違う刺激で責め立ててやった。
「あ……! い……っ……」
馴れない感覚に戸惑うように、柊一サンは身を竦ませたが。
しかし、身体は未知の恐怖よりも強い刺激に反応し始めている。
俺の下で悶えている身体の一部が、俺の身体にコツンと当たった。
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