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第1夜
5-3※
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窓際に置かれたサイドスタンドのオレンジ色に満たされた部屋の中央で、セイ氏が誘うように手を差し伸べる。
「でもちょっと、意外だな…。リンタロー君に迫られるなんて、思ってなかった」
「セイさんの所為ですよ」
慌てて床から立ち上がり、俺はセイ氏の正面に立つ。
「なんでそうなるのかな? 俺、別に男と寝るのが特別好きってワケでもないし、自分から誘ったコトもないぜ」
「そう思ってるのは、たぶんあなただけですよ」
俺はセイ氏の腰に手を回すとそっと抱き寄せて、触れる事を許された口唇に今度は優しいくちづけをした。
スウェットのジッパーを降ろし、艶めかしい肩を掌で確かめながら上着を床に落とす。
順々に衣服を剥がしていく俺に合わせて、くちづけを交わし合いながらセイ氏もまた俺の着衣を器用に脱がしていく。
全裸になったところで、相変わらずくちづけを続けながら、俺はセイ氏をベッドの上にエスコートした。
ステージの上でエーリッヒスタークがデザインしたレザーに映える胸板と腹筋が、俺の愛撫で微かに上気していて。
茂みの中に指先を滑り込ませると、セイ氏は全身でピクンと感じて見せた。
「俺…感じてるセイさん見てるだけでイッちゃいそう」
「あんまり急かさないでくれよな…。俺、リンタロー君みたいに若くないんだから…」
「じゃあ、あなたの手で俺を先にイかせてよ」
冗談ぽく強請ると、セイ氏は口元に微かな笑みを浮かべてつと手を伸ばし、俺の熱をやんわりと握ってきた。
「スッゲ…、ホントにもうパンパンじゃん」
「ワカゾーですから」
「言ってろ」
笑いながら、セイ氏の形良い指先が俺を煽ってくる。
俺はセイ氏の奉仕を受けながら、同時にセイ氏の身体に穏やかな愛撫を与え続けた。
緩やかな線を描く鎖骨から肩へのライン、愛撫に固く充血している乳首からなだらかな隆起を見せる腹筋、そして煽られて次第にそそり立ち始めているセイ氏自身。
「…やっぱ、そのままホンバン突入しちゃってイイですか?」
「バカ、慣らしもしないでツッ込まれちゃたまんねェよ」
「慣らすって……こう?」
中指と人差し指をしゃぶってから、俺はセイ氏の奥まった部分に指先を押し当てた。
「ゆっくり…な。…年なんだから」
「そんなコト言って…、焦らして俺のコト煽ってるんでしょう?」
指を潜り込ませてゆっくりかき回すと、それまで余裕の顔で俺の反応を楽しんでいたセイ氏が、微かに眉を顰めて口唇を噛む。
「…痛い…ですか?」
思わず不安になって問いかけた俺に、セイ氏は首を左右に振ってみせる。
しかし、そうしてみせるだけでなにも言ってくれない様子はますます俺を不安にさせて、ちょっと焦って指を引き抜こうとした俺は過ってセイ氏の内部を爪で引っ掻いてしまった。
「あっ! あぁ!」
ビクリと仰け反り、セイ氏が悲鳴を上げる。
でも、その悲鳴のなんとも甘く濡れた響きに、俺はドキドキしてしまった。
それと同時に、セイ氏が体内をかき回される快感に、声を抑えていた事実に気づく。
「ココ…気持ちイイんだ…」
少し乱暴かと思えるくらい強く、セイ氏が反応を返した場所に爪を立てると、白い身体が堪えきれずにビクビクと強張って。
涙で潤んだ瞳で、セイ氏が俺をギッと睨み付けてきた。
そのせっぱ詰まった表情が、どれほど相手の嗜虐心をそそっているかなんて、この人はなにも判っていないんだろう。
俺はセイ氏の首筋に噛み付くようなくちづけをして、体内に埋めた指先をますます大胆に動き回らせる。
「…ひっ…! あ…あぁ…」
もう先刻までの余裕なんてカケラも無くなってしまっているらしいセイ氏は、すがりつくように俺の背中に腕を回し、嗚咽にも聞こえる甘い吐息を零すのがせいぜいだ。
俺は指を引き抜くと、もうセイ氏が欲しくて欲しくて仕方なくなっていた楔を、その狭い場所に押し当てた。
「く…ぅ……」
「…スゲ……」
男に組み敷かれ蹂躙されている姿が、こんなにも美しい人がいるなんて…。
想像した事もなかった。
突き上げてねじ込む度に、俺の全てを搾り取るみたいに締め上げてくる感触に、夢中になる。
そうして揺すり上げられるセイ氏は、今にも泣き出しそうな顔をして見せながら、同時に快楽に熔けた甘い吐息と嬌声を上げ続けて。
俺の抱擁に応えるようにしがみついてくるところなんて、今まで抱いたどんな女よりも可愛いと思わせた。
「…あ、セイ……っ」
頂点を求めて強く強く突き上げた瞬間。
「んん…あ……リュー……」
セイ氏が呟いたその一言に、俺は熱を解放した快感も忘れて思わずセイ氏の顔をまじまじと見上げてしまった。
「でもちょっと、意外だな…。リンタロー君に迫られるなんて、思ってなかった」
「セイさんの所為ですよ」
慌てて床から立ち上がり、俺はセイ氏の正面に立つ。
「なんでそうなるのかな? 俺、別に男と寝るのが特別好きってワケでもないし、自分から誘ったコトもないぜ」
「そう思ってるのは、たぶんあなただけですよ」
俺はセイ氏の腰に手を回すとそっと抱き寄せて、触れる事を許された口唇に今度は優しいくちづけをした。
スウェットのジッパーを降ろし、艶めかしい肩を掌で確かめながら上着を床に落とす。
順々に衣服を剥がしていく俺に合わせて、くちづけを交わし合いながらセイ氏もまた俺の着衣を器用に脱がしていく。
全裸になったところで、相変わらずくちづけを続けながら、俺はセイ氏をベッドの上にエスコートした。
ステージの上でエーリッヒスタークがデザインしたレザーに映える胸板と腹筋が、俺の愛撫で微かに上気していて。
茂みの中に指先を滑り込ませると、セイ氏は全身でピクンと感じて見せた。
「俺…感じてるセイさん見てるだけでイッちゃいそう」
「あんまり急かさないでくれよな…。俺、リンタロー君みたいに若くないんだから…」
「じゃあ、あなたの手で俺を先にイかせてよ」
冗談ぽく強請ると、セイ氏は口元に微かな笑みを浮かべてつと手を伸ばし、俺の熱をやんわりと握ってきた。
「スッゲ…、ホントにもうパンパンじゃん」
「ワカゾーですから」
「言ってろ」
笑いながら、セイ氏の形良い指先が俺を煽ってくる。
俺はセイ氏の奉仕を受けながら、同時にセイ氏の身体に穏やかな愛撫を与え続けた。
緩やかな線を描く鎖骨から肩へのライン、愛撫に固く充血している乳首からなだらかな隆起を見せる腹筋、そして煽られて次第にそそり立ち始めているセイ氏自身。
「…やっぱ、そのままホンバン突入しちゃってイイですか?」
「バカ、慣らしもしないでツッ込まれちゃたまんねェよ」
「慣らすって……こう?」
中指と人差し指をしゃぶってから、俺はセイ氏の奥まった部分に指先を押し当てた。
「ゆっくり…な。…年なんだから」
「そんなコト言って…、焦らして俺のコト煽ってるんでしょう?」
指を潜り込ませてゆっくりかき回すと、それまで余裕の顔で俺の反応を楽しんでいたセイ氏が、微かに眉を顰めて口唇を噛む。
「…痛い…ですか?」
思わず不安になって問いかけた俺に、セイ氏は首を左右に振ってみせる。
しかし、そうしてみせるだけでなにも言ってくれない様子はますます俺を不安にさせて、ちょっと焦って指を引き抜こうとした俺は過ってセイ氏の内部を爪で引っ掻いてしまった。
「あっ! あぁ!」
ビクリと仰け反り、セイ氏が悲鳴を上げる。
でも、その悲鳴のなんとも甘く濡れた響きに、俺はドキドキしてしまった。
それと同時に、セイ氏が体内をかき回される快感に、声を抑えていた事実に気づく。
「ココ…気持ちイイんだ…」
少し乱暴かと思えるくらい強く、セイ氏が反応を返した場所に爪を立てると、白い身体が堪えきれずにビクビクと強張って。
涙で潤んだ瞳で、セイ氏が俺をギッと睨み付けてきた。
そのせっぱ詰まった表情が、どれほど相手の嗜虐心をそそっているかなんて、この人はなにも判っていないんだろう。
俺はセイ氏の首筋に噛み付くようなくちづけをして、体内に埋めた指先をますます大胆に動き回らせる。
「…ひっ…! あ…あぁ…」
もう先刻までの余裕なんてカケラも無くなってしまっているらしいセイ氏は、すがりつくように俺の背中に腕を回し、嗚咽にも聞こえる甘い吐息を零すのがせいぜいだ。
俺は指を引き抜くと、もうセイ氏が欲しくて欲しくて仕方なくなっていた楔を、その狭い場所に押し当てた。
「く…ぅ……」
「…スゲ……」
男に組み敷かれ蹂躙されている姿が、こんなにも美しい人がいるなんて…。
想像した事もなかった。
突き上げてねじ込む度に、俺の全てを搾り取るみたいに締め上げてくる感触に、夢中になる。
そうして揺すり上げられるセイ氏は、今にも泣き出しそうな顔をして見せながら、同時に快楽に熔けた甘い吐息と嬌声を上げ続けて。
俺の抱擁に応えるようにしがみついてくるところなんて、今まで抱いたどんな女よりも可愛いと思わせた。
「…あ、セイ……っ」
頂点を求めて強く強く突き上げた瞬間。
「んん…あ……リュー……」
セイ氏が呟いたその一言に、俺は熱を解放した快感も忘れて思わずセイ氏の顔をまじまじと見上げてしまった。
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