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第15話
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ひときわ大きな高まりに上り詰めた充実感と、探し求めていたものを今度こそ見つけた満足感で、多聞は幸せな気持ちに浸っていた。
「おい」
そんな多聞の気持ちなど、微塵も理解していないような声に、多聞は腕に抱いている相手の顔を見る。
「さっさと離れろ、暑苦しい」
ゴツゴツした男性の、本来なら色気などなにも感じる筈もない手で、身体を離すように強く多聞の胸を押して、柊一はズルズルと身体を起こす。
「…やっぱ、やめときゃ良かった」
愚痴るように呟いた柊一の言葉に、多聞は慌てて自分も身体を起こす。
「なんで?」
「なんでって、言わずもがなだろ」
柊一は、人間が一人立つのがやっとしかないキッチンに赴き、掛けてあったタオルを手に取ると、洗面器の中に入れて堅く絞った。
「なにが、言わずもがななんだよ。オマエだって、楽しめたろ?」
多聞の問いかけに答えはなく、ただ顔面に向けて絞ったばかりのタオルが投げつけられた。
「くそっ…」
もう一本タオルを絞り、柊一はぎこちない動きで屈み込むと、自分の身体を清め始める。
多聞は立ち上がり、難儀をしながら自分の身体を拭っている柊一を、少し強引に抱き寄せた。
「てめェ、いい加減にしろっ」
振り上げられた腕を押さえ、多聞は片手で柊一の片足を持ち上げる。
おかげで柊一は、失われたバランスを取り戻す為に、多聞に振り下ろす筈だった手で側の器物にしがみつかねばならなくなった。
持ち上げた柊一の片足を、多聞は屈み込んだ姿勢で自分の肩に乗せてしまう。
そうして柊一の動きを封じてしまってから、先程投げつけられたタオルで柊一の汚れている内腿をそっと清め始めた。
「なぁ、柊一クンはデケェ借金があるとか、言ってたろ。なんで?」
ただでさえ無理な行為の所為で足腰が立たなくなっている上に、片足を絶対に降ろせない格好にされている柊一は、不満そうな表情で吐き捨てた。
「アンタには、関係ないだろ」
「あ、そ。そういう事、言うんだ」
多聞は右手の人差し指をペロリと舐めてから、柊一の蕾に躊躇なく根本まで差し込んだ。
「あっ!」
柊一の身体がギクリと強張る。
「中のをちゃんと掻き出しておかないと、ねェ」
オーバー気味のアクションをつけて、指をグルリと回してやると、散々嬲られた後のソコは、引き攣るように震えながら多聞の指を締め付けてくる。
「て…めェ…」
「俺、ちゃんと優しくしたじゃん。オマエだって、あんなに感じてた。やめときゃ良かったなんて言われるハズ、ないけど?」
「俺は別に、ホモでもオカマでもねェんだっ。男に悦ばされて、嬉しそうに出来るワケねェだろうっ! それぐらい気付け、莫迦野郎ッ!」
多聞を睨み付けてくる瞳が怒りに染まって反抗的になればなるほど、多聞の中の嗜虐心がそそられる事に、柊一はまるで気がついていないらしい。
「オマエッて、本当に可愛いなぁ」
「はぁ?」
多聞が指を引き抜くと、異物が去った安堵感に、強ばっていた身体から少し力が抜ける。
そのタイミングを逃さず、多聞は再びソコに、今度は人差し指と中指を突き立てた。
「あぁ…っ!」
ギクリと身体を強張らせ、仰け反った首筋のラインが艶めかしい。
「そんな風に言ったって、説得力ないと思うぜ。どんな理由があるにせよ、柊一クンは俺と寝るのを拒否しなかったじゃん」
「う…るせェ…っ! 金に目が眩んで…なにが悪いッ!」
柊一の中から、注ぎ込んだ欲望の残骸を掻き出しながら、多聞はわざと柊一のポイントをも刺激し続ける。
「だから、どうしてそんなに金が欲しいんだって、聞いてんだろ?」
「こ…んな…格好で…、答えられるかっ!」
多聞の与える刺激によって再び自分の身体が熱を持ち始めた事で、柊一は悔しそうに口唇を噛みしめている。
「それなら…」
中に残っていた残滓を綺麗に掻き出して、多聞は今度こそ本当に指を引き抜いた。
そして担ぎ上げていた足を降ろしてやってから、もう完全に腰の力が抜けてしまっている柊一の身体を抱き、六畳間に戻る。
「俺の質問に、もっと素直に答えろよ」
「この…、変態野郎ッ」
癇癪を起こして顔を背ける仕草は、昼間のクールな雰囲気とは裏腹に、ひどく子供っぽく見えた。
「借金って、ホントか?」
柊一は顔をしかめたが、観念したのか黙って頷いてみせる。
「どうして?」
「なんでそんなに、しつこく聞くんだよ?」
睨み付けてくる柊一に多聞は口唇を重ね合わせ、勃ちあがってしまっているソコに右手を添える。
「いい加減にしろってっ!」
「いいから、少しおとなしくされるままになってろよ。今度は、すぐイカせてやるから」
抵抗する手を押さえて、多聞は添えた右手でやんわりと刺激を与え始めた。
「…っ!」
素直に反応を示す身体に対し、柊一は顔を背けて口唇を噛みしめている。
「声出したら、お駄賃弾むって言ったじゃん」
「だ…れが…ッ!」
ビクビクと震えながら手の中で果てた柊一の額に、多聞は口唇を押し当ててから、先程の濡れタオルでソコをもう一度拭った。
「おい」
そんな多聞の気持ちなど、微塵も理解していないような声に、多聞は腕に抱いている相手の顔を見る。
「さっさと離れろ、暑苦しい」
ゴツゴツした男性の、本来なら色気などなにも感じる筈もない手で、身体を離すように強く多聞の胸を押して、柊一はズルズルと身体を起こす。
「…やっぱ、やめときゃ良かった」
愚痴るように呟いた柊一の言葉に、多聞は慌てて自分も身体を起こす。
「なんで?」
「なんでって、言わずもがなだろ」
柊一は、人間が一人立つのがやっとしかないキッチンに赴き、掛けてあったタオルを手に取ると、洗面器の中に入れて堅く絞った。
「なにが、言わずもがななんだよ。オマエだって、楽しめたろ?」
多聞の問いかけに答えはなく、ただ顔面に向けて絞ったばかりのタオルが投げつけられた。
「くそっ…」
もう一本タオルを絞り、柊一はぎこちない動きで屈み込むと、自分の身体を清め始める。
多聞は立ち上がり、難儀をしながら自分の身体を拭っている柊一を、少し強引に抱き寄せた。
「てめェ、いい加減にしろっ」
振り上げられた腕を押さえ、多聞は片手で柊一の片足を持ち上げる。
おかげで柊一は、失われたバランスを取り戻す為に、多聞に振り下ろす筈だった手で側の器物にしがみつかねばならなくなった。
持ち上げた柊一の片足を、多聞は屈み込んだ姿勢で自分の肩に乗せてしまう。
そうして柊一の動きを封じてしまってから、先程投げつけられたタオルで柊一の汚れている内腿をそっと清め始めた。
「なぁ、柊一クンはデケェ借金があるとか、言ってたろ。なんで?」
ただでさえ無理な行為の所為で足腰が立たなくなっている上に、片足を絶対に降ろせない格好にされている柊一は、不満そうな表情で吐き捨てた。
「アンタには、関係ないだろ」
「あ、そ。そういう事、言うんだ」
多聞は右手の人差し指をペロリと舐めてから、柊一の蕾に躊躇なく根本まで差し込んだ。
「あっ!」
柊一の身体がギクリと強張る。
「中のをちゃんと掻き出しておかないと、ねェ」
オーバー気味のアクションをつけて、指をグルリと回してやると、散々嬲られた後のソコは、引き攣るように震えながら多聞の指を締め付けてくる。
「て…めェ…」
「俺、ちゃんと優しくしたじゃん。オマエだって、あんなに感じてた。やめときゃ良かったなんて言われるハズ、ないけど?」
「俺は別に、ホモでもオカマでもねェんだっ。男に悦ばされて、嬉しそうに出来るワケねェだろうっ! それぐらい気付け、莫迦野郎ッ!」
多聞を睨み付けてくる瞳が怒りに染まって反抗的になればなるほど、多聞の中の嗜虐心がそそられる事に、柊一はまるで気がついていないらしい。
「オマエッて、本当に可愛いなぁ」
「はぁ?」
多聞が指を引き抜くと、異物が去った安堵感に、強ばっていた身体から少し力が抜ける。
そのタイミングを逃さず、多聞は再びソコに、今度は人差し指と中指を突き立てた。
「あぁ…っ!」
ギクリと身体を強張らせ、仰け反った首筋のラインが艶めかしい。
「そんな風に言ったって、説得力ないと思うぜ。どんな理由があるにせよ、柊一クンは俺と寝るのを拒否しなかったじゃん」
「う…るせェ…っ! 金に目が眩んで…なにが悪いッ!」
柊一の中から、注ぎ込んだ欲望の残骸を掻き出しながら、多聞はわざと柊一のポイントをも刺激し続ける。
「だから、どうしてそんなに金が欲しいんだって、聞いてんだろ?」
「こ…んな…格好で…、答えられるかっ!」
多聞の与える刺激によって再び自分の身体が熱を持ち始めた事で、柊一は悔しそうに口唇を噛みしめている。
「それなら…」
中に残っていた残滓を綺麗に掻き出して、多聞は今度こそ本当に指を引き抜いた。
そして担ぎ上げていた足を降ろしてやってから、もう完全に腰の力が抜けてしまっている柊一の身体を抱き、六畳間に戻る。
「俺の質問に、もっと素直に答えろよ」
「この…、変態野郎ッ」
癇癪を起こして顔を背ける仕草は、昼間のクールな雰囲気とは裏腹に、ひどく子供っぽく見えた。
「借金って、ホントか?」
柊一は顔をしかめたが、観念したのか黙って頷いてみせる。
「どうして?」
「なんでそんなに、しつこく聞くんだよ?」
睨み付けてくる柊一に多聞は口唇を重ね合わせ、勃ちあがってしまっているソコに右手を添える。
「いい加減にしろってっ!」
「いいから、少しおとなしくされるままになってろよ。今度は、すぐイカせてやるから」
抵抗する手を押さえて、多聞は添えた右手でやんわりと刺激を与え始めた。
「…っ!」
素直に反応を示す身体に対し、柊一は顔を背けて口唇を噛みしめている。
「声出したら、お駄賃弾むって言ったじゃん」
「だ…れが…ッ!」
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