イルン幻想譚

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ep.2:追われる少年

閑話:ここまでの用語解説と登場人物

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 作者の主観によるキャラや、ネーミングの元ネタなど。
 意図せずにネタバレなどしている可能性がありますので、物語のみをお楽しみになりたい方は、読み飛ばしを推奨。

○登場人物
○クロス
 30代の人間リオン。199cmの長身痩躯。
 魔導士セイドラーとしての能力は高く、タクトが人間フォルクであるかどうかを疑うレベル。
 性根はヘタレの、いわゆる「やれば出来るコ」。

○マハト
 20代の人間リオン。184cm。
 布の服が遠目で革鎧に見える立派な体型をしている。
 目標はローメン・ラットのような剣豪ダインス剣客レイフ
 性格はややおっとり気質だが、反面熱くなる時は燃えるタイプ。
 聞き慣れない単語が、全部食べ物の名称に変換される。

◯タクト
 神耶族イルン
 幼女だったり美女だったり、美青年だったりするが、実際はクロスが視えていた幼女が正解の万年生きてる存在。
 ツンデレというよりは、単に尊大な性格だが、別に性根が腐っているワケではない。

◯ジェラート
 神耶族イルン
 成人マンナズとして認められていないために、能力をほぼ封じられている子供の神耶族イルン
 性格はやんちゃより、割りとものを考えていないタイプ。

◯アルバーラ
 人間リオン
 現代のフィルギアにおれはなる! と思っていたヒト。
 自分の糧にするために、来るもの拒まずで門戸を開け、弟子を指導していた…けれど。
 いわゆるカービンやセオロのような、魔力ガルドル的には落ちこぼれ生徒も特殊技能スキルや得意科目を伸ばすことで使えるものに成長させられる、教師的な指導力がものすごく長けた人物でもあった。

◯アンリー
 人間リオン。アルバーラの一番弟子。
 狭い魔導組合セイドラーズギルドの中で見たら…なんて言葉もブッ飛ぶ、本物のイケメン。
 魔力ガルドルが高いのに、長躯ノッポでも短躯チビでもない、非常に容姿に恵まれた人物。
 ただ、中身はかなり残念なタイプ。

◯ルミギリス
 人間リオン。アルバーラの二番弟子。
 短躯チビのボクっ娘。
 ビンちゃん大好き。

◯セオロ
 人間リオン。アルバーラの三番弟子。
 師匠の掲げた理想論に心酔してるやばい言語オタク。

◯カービン
 人間リオン。アルバーラの四番弟子。
 特殊技能スキルと親愛の情で出世したヒト。
 ぶっちゃけ、最後の戦闘においては、彼女の特殊技能スキルが最も活躍した気が…。


○用語解説
◯職業
 各組合ギルドがそれぞれに一定の規約で決めた公的なものと、本人が勝手に名乗ってる "自称" とが存在する。

魔導士セイドラー
 魔導組合セイドラーズギルドが認定している職。
 気量計ガルドメーターに反応が現れる程度の魔力ガルドルを有し、かつそれを完全にコントロール出来るようになったものに身分証を発行される。
 身分証を持たない魔力持ちセイズは、魔力暴走フィムブルヴェトを起こす危険性があるため、忌避される存在。
 そのため、魔導士セイドラーと認定されていても、持たざる者ノーマルには敬遠されたり迫害されたりする。

剣豪ダインス剣客レイフ
 本編とは別に書いている「Atonement」というBL作品にネタバレがありますが。
 ローメン・ラットという人物は、実は歴史上に存在しません。
 歴史上に存在したのは "騎士爵ロウ・メンラット" という人物です。
 また、メンラットは自分の養い親であり師匠でもあったダーインに敬意を払って、自分が結成した冒険者アドベンチャーパーティに "ダーインの遺産ダインスレイフ" の名をつけました。
 騎士爵ロウの称号を与えた国は、そもそもが魔導士セイドラー主体の国家であったために騎士爵ロウがメンラットしか・・存在していなかったこともあって、騎士爵ロウ・メンラットはローメン・ラットと名称が変化します。
 更に、ローメン・ラットには剣を使ったすごい肩書き(騎士爵のこと)があったことから、名乗っていたパーティ名が間違った伝承となり、剣豪ダインスを目指すものの名のり "剣客レイフ" と変化しました。
 ちなみに中級の幻獣族ファンタズマを一人で瞬殺したりはしていません。

精霊族エレメンツ
 永遠不滅にして絶対的な自然現象。世界に六柱しか存在しない。
 自我はなく、純粋なエネルギーのかたまりであり、外部からの働きかけは不可能。
 常に魔素ガンドを生み出し続けるため、そばにあれば魔障ガルドリングされる。

光輝石スヴァリン
 色が変わる前は灰色をした丸っこい石だが、一定以上の魔気ガルドレートに晒されると、色が変わる特性を持つ。
 魔気ガルドレートの濃度が強ければ強いほど透明度が高くなり、触れた属性エレメントによって色味が変わる。

属性エレメント
 魔素ガンド属性エレメントは生み出された精霊族エレメンツに依存する。

恩恵の瞳アストーガ
 魔素ガンドの影響を受けた瞳が、光輝石スヴァリンと同じく属性エレメントの色に染まる現象。

殲滅の白トニトゥルス白光輝石フィルトスヴァリン
 光の精霊・燦然トニトゥルルの象徴色・白として現れる。
 とはいえ、神耶族イルンですら白(正確には無色)の虹彩を持つものは滅多におらず、一般的には澄んだ黄色をしている。
 最も攻撃に適した属性エレメント
調和の緑ウェントス翠光輝石グロンスヴァリン
 風の精霊・薫風ウェントルの象徴色・緑として現れる。
 攻守のバランスが良いが、どちらも特別秀でたチカラは出ない。
癒合の蒼グラキエス蒼光輝石ブラウスヴァリン
 水の精霊・氷水グラキエルの象徴色・蒼として現れる。
 治癒に長ける。
防護の紫テラピス紫輝光石アフタンスヴァリン
 土の精霊・塊土テラピルの象徴色・紫として現れる。
 守りに長ける。
暴威の赤イグニス紅光輝石ラルドスヴァリン
 炎の精霊・炎焔イグニルの象徴色・赤として現れる。
 攻撃力は殲滅の白トニトゥルスにやや劣るものの、狂戦士バーサーカー状態になっている場合が多く、自身が傷つくのを恐れずに挑んでくるので非常に危険。
 魔障ガルドリングが原因で顕現するので、妖魔化ガルドナイズしたものに顕現しやすい。
静寂の黒テネブラエ闇光輝石デックスヴァリン
 闇の精霊・暗黒テネブラルの象徴色・黒とし現れる…んじゃないかな? と思われている。
 今のところ、確認されたことがないので、静寂の黒テネブラエの瞳は存在しないとも言われている。

妖魔モンスター
 基本的に、妖魔モンスターは繁殖しない。
 そこで繁殖しているなんらかの生物が、一定以上の魔気ガルドレートに晒されることによって魔障ガルドリングし、死に至らずに変容したものの総称が妖魔モンスターである。
 幻獣族ファンタズマが周囲を魔障ガルドリングすることで大量発生することもある。

幻獣族ファンタズマ
 妖魔モンスターと同じように、なにかが魔障ガルドリングして現れるもの…と人間リオンは考えている、妖魔モンスターよりも厄介で強大で手に負えない生き物。
 正確には、精霊族エレメンツが生み出した魔素ガンドが固まって出来た自我のある存在が、なんらかのカタチを得た生き物。

◯隠者の秘薬
 傷に効く軟膏や粉末魔法薬ポーション、のど飴、頭痛薬、風邪薬など、実はものすごく種類が豊富だけど、その中身は基本薬草。
 隠者の日夜の研究と、痛みを取り去ってあげようというやさしさ・・・・で出来ているので、非常に効果は高いけれど、味は全く考えられていないので口に入れちゃいけないものなんじゃないか? と思うぐらい不味い。
 とはいえあくまで薬草なので、マハトの傷が劇的に回復したのは、ご先祖の霊験あらたかな水との相乗効果。

宴の食卓フリムニル贄の食卓フューゼスク
 タクトの言う通り、贄の食卓フューゼスクじゅつが禁忌となり、その術式が失われたあとに、あるだけの知識で無理やり復活させたのが宴の食卓フリムニル

◯フィルギア
 人間リオンの歴史からは名前が失われ、妖精族エルフのような長命種でさえ "伝説" と思うほどにその名を封印されし、人間リオンの王。
 そもそも魔力ガルドルの低い人間リオンだけど、当時はまだ魔力持ちセイズなんて言葉は存在せず、全ての人間リオンがかまどの火種ぐらいは作れる程度に魔法ガルズを扱っていたんだけど、フィルギアが火力を上げる方法を編み出して、ヒエラルキーの上位に君臨する種族と対等に戦えるチカラを得た。
 更にうっかり神耶族イルンの子供を手に入れたフィルギアは、自身が契金翼エヴンハールとなったことでほぼ永遠の命と強大な能力値ステータスをも得て、王になった。
 神耶族イルンは同族の子供を取り戻すためにフィルギアと全面戦争となり、フィルギアの考案した "下剋上するためのじゅつ" を破棄した。
 その破棄されたじゅつが、いわゆる禁忌。


○ちょこっとコメント
 リニューアル版「追われる少年」、ここまでお付き合いいただきまして、誠にありがとうございます!
 用語解説でもちょこっと出ましたが、「Atonement」はイルン幻想譚の過去歴史的位置づけ作品となっておりますが、こちらはBLでしかもR18なので、閲覧される際は充分お気をつけくださいませ。
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扉絵:葵浩サマ:AK-studio
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