1 / 19
第1話
しおりを挟む
両腕を束縛されたままベッドの上に押さえ込まれ、抵抗する術は何もなかった。
「放せッ!」
そんな言葉が、この場合なんの役にも立たない事はよく解っていたけれど、それでも叫ばずにはいられなかった。
「シノさんって、女のコみたいに感じやすいんだね。初めてだなんて思えないくらい、反応イイじゃん」
ざらついた舌で乳首を舐め上げられて、思わず声を上げてしまう。
「普通に喋ってる時も、シノさんの声にはドキドキさせられたけど。今はもっとドキドキするよ。もっとたくさん感じさせてあげたくなる感じ」
「や…めろって!」
どんなに声を荒げて叱責しても、多聞はその行為をやめようとはしなかった。
そして、どれほど大きな声で叫んでも、助けが来ない事は、柊一自身よく解っていた。
都会からは遠く離れた、山あいのログハウス。
洒落た作りの外観を持つそのログハウスを、多聞は別荘代わりに買ったのだと言った。
「俺、ココを買ったのシノさんにしか教えてないんだ」
最初に此処に連れてこられた時、気の優しい大型犬を思わせる懐こい笑みを浮かべ、そう言っていたのを覚えている。
交通の便が悪く、移動には車がなければ話にならない土地だった。
「だから、世間が煩わしいって思った時には絶好の隠れ場所になるだろ。この合い鍵、シノさんに進呈するよ」
差し出されたちょっと旧式の錠前の鍵を受け取り、柊一は怪訝な顔をして見せた。
「なんで俺に? そりゃあ、そう言う場所があればイイって思った事はあるけどさ」
「俺が隠れてる時、シノさんが黙っててくれるようにだよ。同じようにシノさんがココを使えば、シノさんだってココを他人に知られたくないって思うでしょ? 共犯者になって貰おうと思って」
いたずらっぽく笑った多聞に、その時はそんなものかと思っただけだったが。
まさかその場所に、自分が監禁されるなんて想像もしていなかった。
「テメェ…いい加減に…ッ!」
罵声を浴びせようと口を開いた時、多聞はそれを待ちかまえていたかのように柊一の感じやすい部分に歯を立てる。
瞬間、全身を駆け抜けた甘い衝撃に、開きかけた口から自分でも驚いてしまうような艶めかしい声が上がる。
柊一は身を捩って、その場にあった羽毛の詰まった枕に顔を押し当てた。
「声上げるの我慢すると、余計に感じちゃうよ?」
多聞は、さも楽しそうにクスクスと笑う。
「ほらココ、余計に堅くなってる。可愛い声、聴かせて…」
根本を押さえ込まれ、熱を帯びたその器官を舐め上げられても、柊一は必死になって声をこらえていた。
「意地っ張りだな、シノさんは…。…でも俺はシノさんの声が聴きたいから、シノさんがお願いって言ってくれるまで、イカしてなんてあげないよ…」
噛みしめた口唇が切れたのか、口中に苦い味が広がった。
「放せッ!」
そんな言葉が、この場合なんの役にも立たない事はよく解っていたけれど、それでも叫ばずにはいられなかった。
「シノさんって、女のコみたいに感じやすいんだね。初めてだなんて思えないくらい、反応イイじゃん」
ざらついた舌で乳首を舐め上げられて、思わず声を上げてしまう。
「普通に喋ってる時も、シノさんの声にはドキドキさせられたけど。今はもっとドキドキするよ。もっとたくさん感じさせてあげたくなる感じ」
「や…めろって!」
どんなに声を荒げて叱責しても、多聞はその行為をやめようとはしなかった。
そして、どれほど大きな声で叫んでも、助けが来ない事は、柊一自身よく解っていた。
都会からは遠く離れた、山あいのログハウス。
洒落た作りの外観を持つそのログハウスを、多聞は別荘代わりに買ったのだと言った。
「俺、ココを買ったのシノさんにしか教えてないんだ」
最初に此処に連れてこられた時、気の優しい大型犬を思わせる懐こい笑みを浮かべ、そう言っていたのを覚えている。
交通の便が悪く、移動には車がなければ話にならない土地だった。
「だから、世間が煩わしいって思った時には絶好の隠れ場所になるだろ。この合い鍵、シノさんに進呈するよ」
差し出されたちょっと旧式の錠前の鍵を受け取り、柊一は怪訝な顔をして見せた。
「なんで俺に? そりゃあ、そう言う場所があればイイって思った事はあるけどさ」
「俺が隠れてる時、シノさんが黙っててくれるようにだよ。同じようにシノさんがココを使えば、シノさんだってココを他人に知られたくないって思うでしょ? 共犯者になって貰おうと思って」
いたずらっぽく笑った多聞に、その時はそんなものかと思っただけだったが。
まさかその場所に、自分が監禁されるなんて想像もしていなかった。
「テメェ…いい加減に…ッ!」
罵声を浴びせようと口を開いた時、多聞はそれを待ちかまえていたかのように柊一の感じやすい部分に歯を立てる。
瞬間、全身を駆け抜けた甘い衝撃に、開きかけた口から自分でも驚いてしまうような艶めかしい声が上がる。
柊一は身を捩って、その場にあった羽毛の詰まった枕に顔を押し当てた。
「声上げるの我慢すると、余計に感じちゃうよ?」
多聞は、さも楽しそうにクスクスと笑う。
「ほらココ、余計に堅くなってる。可愛い声、聴かせて…」
根本を押さえ込まれ、熱を帯びたその器官を舐め上げられても、柊一は必死になって声をこらえていた。
「意地っ張りだな、シノさんは…。…でも俺はシノさんの声が聴きたいから、シノさんがお願いって言ってくれるまで、イカしてなんてあげないよ…」
噛みしめた口唇が切れたのか、口中に苦い味が広がった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
五国王伝〜醜男は美神王に転生し愛でられる〜〈完結〉
クリム
BL
醜い容姿故に、憎まれ、馬鹿にされ、蔑まれ、誰からも相手にされない、世界そのものに拒絶されてもがき生きてきた男達。
生まれも育ちもばらばらの彼らは、不慮の事故で生まれ育った世界から消え、天帝により新たなる世界に美しい神王として『転生』した。
愛され、憧れ、誰からも敬愛される美神王となった彼らの役目は、それぞれの国の男たちと交合し、神と民の融合の証・国の永遠の繁栄の象徴である和合の木に神卵と呼ばれる実をつけること。
五色の色の国、五国に出現した、直樹・明・アルバート・トト・ニュトの王としての魂の和合は果たされるのだろうか。
最後に『転生』した直樹を中心に、物語は展開します。こちらは直樹バージョンに組み替えました。
『なろう』ではマナバージョンです。
えちえちには※マークをつけます。ご注意の上ご高覧を。完結まで、毎日更新予定です。この作品は三人称(通称神様視点)の心情描写となります。様々な人物視点で描かれていきますので、ご注意下さい。
※誤字脱字報告、ご感想ありがとうございます。励みになりますです!
きっと世界は美しい
木原あざみ
BL
人気者美形×根暗。自分に自信のないトラウマ持ちが初めての恋に四苦八苦する話です。
**
本当に幼いころ、世界は優しく正しいのだと信じていた。けれど、それはただの幻想だ。世界は不平等で、こんなにも息苦しい。
それなのに、世界の中心で笑っているような男に恋をしてしまった……というような話です。
大学生同士。リア充美形と根暗くんがアパートのお隣さんになったことで始まる恋の話。
「好きになれない」のスピンオフですが、話自体は繋がっていないので、この話単独でも問題なく読めると思います。
少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
SEX SCHOOL ROCK'N'ROLL
夏目とろ
BL
「おまえって、ほんと見掛け倒しな」
「……おまえに言われたかないし」
平凡×美形(見た目)
男前×ヘタレ(性格)
G.Vo.×Dr.
高校生バンドシリーズ
※このお話も『幼なじみプレイ』シリーズ同様、2011年に運営していたBLサイトで連載していたものです。流行りのバンドや音楽も当時のものだったりするので、平成の高校生バンドBLだと思って頂ければ。ただ、メールをLINEに書き換える等の修正作業は行っています。
また、fujossy、エブリスタ等へも投稿しています。表紙画像はフリー素材『ぱくたそ』様からお借りしました
監禁から始まる元ヤン転生
甘井蜜柑
BL
ヤンキーの俺はバイクで2ケツしていたとき事故にあって死んだ。
目が覚めると自分は赤ん坊になっていて、しかもどうやら監禁されているらしい。
ヤンキーの俺は自由のない生活なんて耐えられない。
こうなったらどうにかして逃げ出してやる。
なぁ白川、好き避けしないでこっち見て笑って。
大竹あやめ
BL
大学二年生の洋(ひろ)には苦手な人はいない。話せばすぐに仲良くなれるし、友達になるのは簡単だ、と思っていた。
そんな洋はある日、偶然告白の現場に居合わせる。その場にいたのはいい噂を聞かない白川。しかし彼が真摯に告白を断るのを聞いてしまう。
悪いやつじゃないのかな、と洋は思い、思い切って声をかけてみると、白川は噂とは真反対の、押しに弱く、大人しい人だった。そんな白川に洋は興味を持ち、仲良くなりたいと思う。ところが、白川は洋の前でだけ挙動不審で全然仲良くしてくれず……。
ネトコン参加作品ですので、結果次第でRシーン加筆します(笑)
とろけてなくなる
瀬楽英津子
BL
ヤクザの車を傷を付けた櫻井雅(さくらいみやび)十八歳は、多額の借金を背負わされ、ゲイ風俗で働かされることになってしまった。
連れて行かれたのは教育係の逢坂英二(おうさかえいじ)の自宅マンション。
雅はそこで、逢坂英二(おうさかえいじ)に性技を教わることになるが、逢坂英二(おうさかえいじ)は、ガサツで乱暴な男だった。
無骨なヤクザ×ドライな少年。
歳の差。
BOYS❸
aika
BL
【BOYS、BOYS2️⃣ から続いています☺︎】
男性たちの等身大の恋愛模様を切り取ったSTORY。
恋愛の悩みや葛藤、仕事、人間関係など、等身大の彼らを、それぞれの視点で描いています。
病院、バンド、大学、空港、アパレル、職業も人生も様々な彼らが、出会いや別れを繰り返しながら、自分なりの愛を見つけていく物語。
〜〜〜〜
♡→渡里優羽
♤→沢渡仁
♢→南川梓
♧→宗馬遥
幼なじみ4人を中心としたそれぞれの世界の人間関係、恋模様を描いています。
長くなったので、続きを3にしました。
短編のように気になった話だけ読んでいただけるように、登場人物紹介を入れてもう少し工夫して書きたいなと思っています。
ドロドロな恋愛模様、鬼畜、激しいシーンを書くのが好きなので、多くなりがちです
恋愛を通して各キャラの個性や考え、成長、などを描きつつ、R18要素にも力を入れていきたいです♡
登場人物多数!色々な男の子がいるので、好みの子を応援してくださると嬉しいです♡
色々なシチュエーションでのエッチ、個性豊かな男の子たちの愛と快楽を追求していく予定です。
R-18/R18/性描写あり/エロ/エッチ/BL/幼なじみ/恋愛/純愛/NTR/浮気/複数/イケメン/美少年/複数プレイ/変態/上司/部下/先輩/後輩/羞恥プレイ/調教/乱交/同僚/童顔/同棲/バンド/制服/元彼/元カレ/未練/新彼/彼氏/
執着/年下/年上/同級生/略奪/タレ目/片思い/禁断/肉体関係/コスプレ/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる