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Scene.1
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不意に玄関のチャイムが鳴った。
なかなか応答に出ない俺を急かすように何度も鳴り響くのは、少々せっかちな感はあるが。
夕暮れ近いこの時間ならば、一般的に突然の訪問もさほどの非常識…とは言いかねる。
もっとも、それはごく普通の生活を送っている人間の「常識」だが。
燦々と明るい太陽の光を完全に遮った室内で、俺はぬくぬくと布団に潜って眠っていた。
そこに件の「訪問者」が現れたワケだが。
半ばヒステリックに鳴り続けるチャイムに根負けして、寝ぼけ眼で玄関の扉を開けると、そこには(案の定)マツヲさんが立っていた。
「さあハルカ、出掛けようぜ!」
パジャマとまではいかないまでも、近所のコンビニ以外にはどう見たって出掛けられないような格好の俺を、マツヲさんは前触れもなく引っ張り出そうとする。
「ちょ、…待って下さいよ、出掛けるって一体どこへ?」
かなり不機嫌口調だった俺にも、マツヲさんはマイ・ペース笑顔のままだ。
「マリオネットショップだよ。昔バイトしてたから、紹介してやるって言ったじゃん!」
「は・い~?」
「ほら、早く上着取って来いよ。開店してすぐの方が空いてて都合が良いんだから!」
こちらの都合など全くお構いなしに、マツヲさんは俺を急き立てる。
「だってマツヲさん、俺ほんの2~3時間前に寝たばっかりなんですよ?」
「ん? 充分だろ?」
きっぱり言い切られて、俺は結局そのまま出掛ける事になってしまったのだった。
バイト生活で食いつなぎつつ、プロのミュージシャンを目指していた俺が、ちょっとしたきっかけから表舞台に立てるようになったのが、ほんの1年程前の話。
それまではそれこそ文字通りの「赤貧」状態で、必要なモノも買えないような生活を送ってきたのだが、顔が売れ名前が売れ音楽が売れ始めると、いきなり今まで目にした事もないような金が右から左に動いていくようになった。
もちろん、一朝一夕に大金が転がり込むようになった! とかいうワケでは無いけれど、人並みの生活を送ってオマケにちょっとした贅沢品にも手が出せる程度の余裕が出来たンである。
元々俺は「見たら欲しくなる」タイプだったから、財布事情に余裕が出来たらどうなるか? なんて、ちょこっと想像すれば直ぐにもお解り頂けるだろう。
そこにもってきて今までは「食い詰め浪人」みたいなギリギリの生活をしてきた分、それを取り戻すかのように「物欲の鬼」と化し、本当に欲しかった物からただの衝動買いまで買いたい放題やりたい放題やりまくったんである。
幸いにして仕事の方は全くの順風満帆で、カード破産とかの心配は無いのだが。
収入に裏付けされた物欲は加速する一方で、貴重品からガラクタまで物は限度無く増え続ける一方で、収納スペースはもちろん次第に人間の居住空間までも浸食されてきてしまったのだ。
ハッキリ言って俺は「掃除と片付け」が大の苦手だ。
音楽を創作するのと同じに、ナニカを造る事にはなんの抵抗も無い…というか、むしろプラモデルの製作からメシの支度まで「つくる」ってのは大好きなのだが、作業後の「後片付け」ってのがとにかく大嫌いなんである。
だいたい片付け事をする時と言うのは、作業が終わった時であり、そーいう場合ってのは「達成感」を得てしまった後だから、それから更に作業をするってのが面倒だし、そんな「投げ遣りモード」に近い感覚で物を動かしたら後でどこにしまったのか判らなくなるのは必須で、結果的に「なくして」しまう事がしょっちゅうなのだ。
とはいえ、全ての物を平面な場所(即ち床とか机の上とか)に並べて置くと、当たり前だけどスペースがいくらあっても足りなくなる。
実際、現在の俺の住まいはもう足の踏み場も無いほどで、冗談抜きで人間(俺自身)の居場所を確保するのが困難な状況になりつつあるのだ。
で、すっかり困っている……てな話をレコーディングの合間にポロッと口に出したら、それを聞いたマツヲさんがいきなり鼻息も荒く「マリオネットを買え!」と言いだしたのが、今日の訪問のきっかけとなったらしい。
マツヲさんは、俺の所属しているバンドがインディーズにいた頃から目を掛けてくれている、先輩格のミュージシャンだ。
年齢的にも3~4歳上で、今回の新作シングルではプロデューサーを務めてくれている。
根は悪いヒトじゃない。
面倒見も良いし、それなりに尊敬もしている……ンだけど。
一つだけモンダイがあるとしたら、それはこのヒトが「超!」が付く程のマイペース人間だという部分だろう。
人間性に特別モンダイがあるワケじゃないから、基本的にはそれがイイ方に向いているのだけど。
例えば今回みたいに「自分の思いつきが最高だ!」と信じ込んでいる時などは、何を言った所で聞く耳を持たないし、こう! と決めた事には猪突猛進する熱血漢だ。
昨日は徹夜で作業して、昼にスタジオで別れた……という状況は全く同じハズなのに、どうしたらこんなに元気ハツラツでいられるのか、ナゾとしか言い様がない。
「マリオネットは良いぞ~! なにをどうしたって「ハイ、ご主人様」つってくれるし、どんな理不尽なコト言っても「申し訳ございません」とか言ってくれちゃうし。まったくあれは人類の発明の中でもっとも素晴らしい発明品と思うぞ俺は!」
運転席で興奮気味にマツヲさんが語っている「マリオネット」とは、SF小説風に言うなら「アンドロイド」とか「サイボーグ」ってなシロモノの事である。
正式名称は「複合型人工知能・ヒューマンモデルタイプ」とかいうらしい。
マリオネットという名称は俗称…というか、最初にそれを売り出した企業がつけた商品名だ。
元は医療現場向けの介護用品というか、補助器具の一つとして開発された商品である。
「でも俺、そーいうのにあんまり興味ないんですけど?」
ハッキリ言って寝起きのテンションは常に最悪な俺は、嬉々として語るマツヲさんの言葉を半ば面倒だと感じながら答えた。
「最初はみんなそー言うんだよ! 大体アレだろ? オマエはマリオネットLを間近で見たコトないんだろ?」
「そりゃ、興味がないモノわざわざ見に行ったりしませんからねェ」
「物は試しで、ダマされたと思って一度実物を体験してみろ! 世界が変わるって!」
俺のノリ気のなさなんて全く意に介した様子もなく、マツヲさんはマリオネットの魅力を語り続ける。
マツヲさんが末尾つけた「L」ってのは、マリオネットの種別だ。
マリオネットには大きく分けて「安価で実用性重視」のD-Typeと、「高価で嗜好性重視」のL-Typeってのが存在する。
マリオネットが爆発的なヒット商品として「一人に一人」的な様相を呈し始めたのは、D-Typeが売り出された所為だ。
介護用品として開発されたマリオネットは、最初は全くもって不格好なロボロボしい外見をしていたが。
新技術によって外見や質感が限りなく人間に近い姿になり、やがて動作や応対までもがヒトに近づけられた。
結果、マリオネットは「介護用品」から「お手伝いさんロボ」という取り扱いになり、VHSビデオやDVDプレーヤーと同じように価格がどんどんリーズナブルになった。
しかし、人間ってのはあくまでも貪欲なイキモノだ。
特にそんなヒトガタをした下僕状態の商品が登場したら、次はアッチの機能が備わった別商品が登場するのは当たり前……というか。
つまり、上辺通りの「お手伝いさん」がD-Type、寂しい夜を慰めてくれちゃう「秘密のメイドさん」がL-Typeなんである。
D-Typeは軽自動車程度の値段で手が出るけど、L-Typeは量産型の二級品だってハイブリッドカーよりも高いし、個別のオーダー・メイドやらカスタマイズやらを始めると、その価格は天井知らずになるらしい。
ハッキリ言って今の俺の収入でも、新品を買うのは相当な覚悟が必要だ。
「別に俺、部屋を片付けたいだけですから。マリオネット買うって言うならD-Typeで充分なんですけど?」
「バッカ! だからオマエはなんにも判ってねェっつーんだよ! ぶっちゃけDは鉄人28号だけど、Lは鉄腕アトムだ! そりゃDの方が安価だし、言った事はやってくれるけど、そんだけなんだぜっ! セックスドールに使う気がなくたって、L買った方が良いンだよ!」
「俺には鉄人もジャイアント・ロボもアトムもマルスも区別ないですし」
「あのなぁ、予想外の行動が期待出来ないヒトガタのモノなんて、ゴミ以下だぞ。言っとくがDは言わなきゃ茶も煎れちゃくれないが、Lは茶煎れて待っててくれるんだ。オマエ、この違いが分かるか?」
「一手間多いってコトっすか?」
「ちっげーよ! ミュージシャンとして、ちゅーか創作をする人間として、それぐらい想像しろっつーんだよ! この違いはなぁ、日々の刺激が全ッ然違うってコトなんだぞ! それはすなわち、創作をする者として、ココロの栄養がだなぁ……」
「信号、青ッスけど?」
どんなにマツヲさんが熱弁を振るっても、俺にはその辺が全くピンと来なかった。
というか、まだ後3時間はグッスリ眠っていたかったところを強引に叩き起こされたので、かなり拗ねていた…と言う方が正しいだろう。
しかし俺が拗ねようがノリ気にならなかろうが、マイペースなマツヲさんには関係ない。
スタジオの雑談の時から既に「俺は以前、中古マリオネットショップでバイトしてたから。店長に顔が利くから紹介してやるよ。任せとけって!」とすっかりその気になりまくりだったのだから。
ちなみにマツヲさん自身は言うまでもなく、既にマリオネット(L-Type)のオーナーだ。
「で、マツヲさんはそこで買ってるんですか?」
「ん? 最初は中古買ったけど、今は新品買ってるよ! 言うじゃないか、畳とマリオネットは新しい方がイイって!」
「そんなコトワザ、知らないッスよ……」
「ココだ、ココ! ほら、降りろ」
入り組んだ道の奥に赤煉瓦で出来たちょっとシックな造りの建物があり、マツヲさんは側にある駐車場に車を止めた。
なかなか応答に出ない俺を急かすように何度も鳴り響くのは、少々せっかちな感はあるが。
夕暮れ近いこの時間ならば、一般的に突然の訪問もさほどの非常識…とは言いかねる。
もっとも、それはごく普通の生活を送っている人間の「常識」だが。
燦々と明るい太陽の光を完全に遮った室内で、俺はぬくぬくと布団に潜って眠っていた。
そこに件の「訪問者」が現れたワケだが。
半ばヒステリックに鳴り続けるチャイムに根負けして、寝ぼけ眼で玄関の扉を開けると、そこには(案の定)マツヲさんが立っていた。
「さあハルカ、出掛けようぜ!」
パジャマとまではいかないまでも、近所のコンビニ以外にはどう見たって出掛けられないような格好の俺を、マツヲさんは前触れもなく引っ張り出そうとする。
「ちょ、…待って下さいよ、出掛けるって一体どこへ?」
かなり不機嫌口調だった俺にも、マツヲさんはマイ・ペース笑顔のままだ。
「マリオネットショップだよ。昔バイトしてたから、紹介してやるって言ったじゃん!」
「は・い~?」
「ほら、早く上着取って来いよ。開店してすぐの方が空いてて都合が良いんだから!」
こちらの都合など全くお構いなしに、マツヲさんは俺を急き立てる。
「だってマツヲさん、俺ほんの2~3時間前に寝たばっかりなんですよ?」
「ん? 充分だろ?」
きっぱり言い切られて、俺は結局そのまま出掛ける事になってしまったのだった。
バイト生活で食いつなぎつつ、プロのミュージシャンを目指していた俺が、ちょっとしたきっかけから表舞台に立てるようになったのが、ほんの1年程前の話。
それまではそれこそ文字通りの「赤貧」状態で、必要なモノも買えないような生活を送ってきたのだが、顔が売れ名前が売れ音楽が売れ始めると、いきなり今まで目にした事もないような金が右から左に動いていくようになった。
もちろん、一朝一夕に大金が転がり込むようになった! とかいうワケでは無いけれど、人並みの生活を送ってオマケにちょっとした贅沢品にも手が出せる程度の余裕が出来たンである。
元々俺は「見たら欲しくなる」タイプだったから、財布事情に余裕が出来たらどうなるか? なんて、ちょこっと想像すれば直ぐにもお解り頂けるだろう。
そこにもってきて今までは「食い詰め浪人」みたいなギリギリの生活をしてきた分、それを取り戻すかのように「物欲の鬼」と化し、本当に欲しかった物からただの衝動買いまで買いたい放題やりたい放題やりまくったんである。
幸いにして仕事の方は全くの順風満帆で、カード破産とかの心配は無いのだが。
収入に裏付けされた物欲は加速する一方で、貴重品からガラクタまで物は限度無く増え続ける一方で、収納スペースはもちろん次第に人間の居住空間までも浸食されてきてしまったのだ。
ハッキリ言って俺は「掃除と片付け」が大の苦手だ。
音楽を創作するのと同じに、ナニカを造る事にはなんの抵抗も無い…というか、むしろプラモデルの製作からメシの支度まで「つくる」ってのは大好きなのだが、作業後の「後片付け」ってのがとにかく大嫌いなんである。
だいたい片付け事をする時と言うのは、作業が終わった時であり、そーいう場合ってのは「達成感」を得てしまった後だから、それから更に作業をするってのが面倒だし、そんな「投げ遣りモード」に近い感覚で物を動かしたら後でどこにしまったのか判らなくなるのは必須で、結果的に「なくして」しまう事がしょっちゅうなのだ。
とはいえ、全ての物を平面な場所(即ち床とか机の上とか)に並べて置くと、当たり前だけどスペースがいくらあっても足りなくなる。
実際、現在の俺の住まいはもう足の踏み場も無いほどで、冗談抜きで人間(俺自身)の居場所を確保するのが困難な状況になりつつあるのだ。
で、すっかり困っている……てな話をレコーディングの合間にポロッと口に出したら、それを聞いたマツヲさんがいきなり鼻息も荒く「マリオネットを買え!」と言いだしたのが、今日の訪問のきっかけとなったらしい。
マツヲさんは、俺の所属しているバンドがインディーズにいた頃から目を掛けてくれている、先輩格のミュージシャンだ。
年齢的にも3~4歳上で、今回の新作シングルではプロデューサーを務めてくれている。
根は悪いヒトじゃない。
面倒見も良いし、それなりに尊敬もしている……ンだけど。
一つだけモンダイがあるとしたら、それはこのヒトが「超!」が付く程のマイペース人間だという部分だろう。
人間性に特別モンダイがあるワケじゃないから、基本的にはそれがイイ方に向いているのだけど。
例えば今回みたいに「自分の思いつきが最高だ!」と信じ込んでいる時などは、何を言った所で聞く耳を持たないし、こう! と決めた事には猪突猛進する熱血漢だ。
昨日は徹夜で作業して、昼にスタジオで別れた……という状況は全く同じハズなのに、どうしたらこんなに元気ハツラツでいられるのか、ナゾとしか言い様がない。
「マリオネットは良いぞ~! なにをどうしたって「ハイ、ご主人様」つってくれるし、どんな理不尽なコト言っても「申し訳ございません」とか言ってくれちゃうし。まったくあれは人類の発明の中でもっとも素晴らしい発明品と思うぞ俺は!」
運転席で興奮気味にマツヲさんが語っている「マリオネット」とは、SF小説風に言うなら「アンドロイド」とか「サイボーグ」ってなシロモノの事である。
正式名称は「複合型人工知能・ヒューマンモデルタイプ」とかいうらしい。
マリオネットという名称は俗称…というか、最初にそれを売り出した企業がつけた商品名だ。
元は医療現場向けの介護用品というか、補助器具の一つとして開発された商品である。
「でも俺、そーいうのにあんまり興味ないんですけど?」
ハッキリ言って寝起きのテンションは常に最悪な俺は、嬉々として語るマツヲさんの言葉を半ば面倒だと感じながら答えた。
「最初はみんなそー言うんだよ! 大体アレだろ? オマエはマリオネットLを間近で見たコトないんだろ?」
「そりゃ、興味がないモノわざわざ見に行ったりしませんからねェ」
「物は試しで、ダマされたと思って一度実物を体験してみろ! 世界が変わるって!」
俺のノリ気のなさなんて全く意に介した様子もなく、マツヲさんはマリオネットの魅力を語り続ける。
マツヲさんが末尾つけた「L」ってのは、マリオネットの種別だ。
マリオネットには大きく分けて「安価で実用性重視」のD-Typeと、「高価で嗜好性重視」のL-Typeってのが存在する。
マリオネットが爆発的なヒット商品として「一人に一人」的な様相を呈し始めたのは、D-Typeが売り出された所為だ。
介護用品として開発されたマリオネットは、最初は全くもって不格好なロボロボしい外見をしていたが。
新技術によって外見や質感が限りなく人間に近い姿になり、やがて動作や応対までもがヒトに近づけられた。
結果、マリオネットは「介護用品」から「お手伝いさんロボ」という取り扱いになり、VHSビデオやDVDプレーヤーと同じように価格がどんどんリーズナブルになった。
しかし、人間ってのはあくまでも貪欲なイキモノだ。
特にそんなヒトガタをした下僕状態の商品が登場したら、次はアッチの機能が備わった別商品が登場するのは当たり前……というか。
つまり、上辺通りの「お手伝いさん」がD-Type、寂しい夜を慰めてくれちゃう「秘密のメイドさん」がL-Typeなんである。
D-Typeは軽自動車程度の値段で手が出るけど、L-Typeは量産型の二級品だってハイブリッドカーよりも高いし、個別のオーダー・メイドやらカスタマイズやらを始めると、その価格は天井知らずになるらしい。
ハッキリ言って今の俺の収入でも、新品を買うのは相当な覚悟が必要だ。
「別に俺、部屋を片付けたいだけですから。マリオネット買うって言うならD-Typeで充分なんですけど?」
「バッカ! だからオマエはなんにも判ってねェっつーんだよ! ぶっちゃけDは鉄人28号だけど、Lは鉄腕アトムだ! そりゃDの方が安価だし、言った事はやってくれるけど、そんだけなんだぜっ! セックスドールに使う気がなくたって、L買った方が良いンだよ!」
「俺には鉄人もジャイアント・ロボもアトムもマルスも区別ないですし」
「あのなぁ、予想外の行動が期待出来ないヒトガタのモノなんて、ゴミ以下だぞ。言っとくがDは言わなきゃ茶も煎れちゃくれないが、Lは茶煎れて待っててくれるんだ。オマエ、この違いが分かるか?」
「一手間多いってコトっすか?」
「ちっげーよ! ミュージシャンとして、ちゅーか創作をする人間として、それぐらい想像しろっつーんだよ! この違いはなぁ、日々の刺激が全ッ然違うってコトなんだぞ! それはすなわち、創作をする者として、ココロの栄養がだなぁ……」
「信号、青ッスけど?」
どんなにマツヲさんが熱弁を振るっても、俺にはその辺が全くピンと来なかった。
というか、まだ後3時間はグッスリ眠っていたかったところを強引に叩き起こされたので、かなり拗ねていた…と言う方が正しいだろう。
しかし俺が拗ねようがノリ気にならなかろうが、マイペースなマツヲさんには関係ない。
スタジオの雑談の時から既に「俺は以前、中古マリオネットショップでバイトしてたから。店長に顔が利くから紹介してやるよ。任せとけって!」とすっかりその気になりまくりだったのだから。
ちなみにマツヲさん自身は言うまでもなく、既にマリオネット(L-Type)のオーナーだ。
「で、マツヲさんはそこで買ってるんですか?」
「ん? 最初は中古買ったけど、今は新品買ってるよ! 言うじゃないか、畳とマリオネットは新しい方がイイって!」
「そんなコトワザ、知らないッスよ……」
「ココだ、ココ! ほら、降りろ」
入り組んだ道の奥に赤煉瓦で出来たちょっとシックな造りの建物があり、マツヲさんは側にある駐車場に車を止めた。
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