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第11話
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「………って~」
なんの警戒もしていない状態でいきなり突き飛ばされ、神巫はその場にしりもちをつくような形になる。
そして、支えを失った柊一もまた、床に倒れ込んでいた。
衝撃にハッとなり、柊一は慌てて身体を起こす。
「すまん、大丈夫か?」
「あいてて……、なんスか、いきなり……」
さすがに不満を述べて顔を上げた神巫が、なぜかそのまま柊一を見上げてポカンと口を開けている。
「神…巫?」
問い掛けかけて、柊一は神巫の視線が自分の身体の一部を凝視している事に気付き、ハッとなった。
神巫の視線が釘付けになっているのが、自分の下半身である事に気付いたからだ。
慌てて身を翻し、羞恥に襲われながらも必死になって冷静さを保ちつつ、柊一は立ち上がる。
「なんか俺、東雲サンをコーフンさせるようなコトしました?」
茶目っ気たっぷりの声に問い掛けられて、咄嗟に返事にも詰まる。
背後で神巫が立ち上がる気配を感じたが、そちらに振り返る余裕もない。
「意外だなぁ。……俺、東雲サンってもっとクールなヒトかと思ってたのに……」
腕を取られ、強引に身体の向きを変えられる。
「こ……これは……、神巫には何の関係もない!」
「解ってますけど。……でも、オトコってどーしても止まらない時ってあるじゃないですか? そのままで帰るのはツライでしょ?」
「な………っ!」
足元に不穏な空気を感じた時には、既に身体は傾いていた。
柔らかなクッションの上に横たえられ、押さえ込むようにして神巫の身体がのしかかってくる。
「ば…莫迦! よせ!」
「別に男同士なんですから、恥ずかしがる事なんてないでしょう?」
イタズラっぽい声に反論する余地もなく、下着の中に手が滑り込んでくる。
「や……離……せっ!」
「別にヘーキですよ。学生時代とかに、こういうふざけっこやりませんでした?」
形をなぞられて、遠慮のない指先が尖端を擦り上げてくる。
「ああ……っ」
気持ちは逃れようと必死になっている筈なのに。
余裕がなにも残っていない身体は、既に神巫の指先を歓喜と共に迎え入れようとしている。
「意外にカワイイ顔するんですね、東雲サン」
「……やぁ……っ」
足を開いてねだりそうになるのを必死に堪え、柊一は頭を左右に振った。
「あれ?」
そんな柊一の様子をイタズラっぽい表情で眺めていた神巫が、不意に怪訝な顔をして身体を起こす。
その気配に、柊一はハッとなった。
「いやだっ! 見るなっ!」
下着を引き下ろされ、慌てて柊一が身体を起こして両手で覆い隠す間もなく、神巫はそこを覗き込んでいる。
「東雲サンって、オンナノコだったんだ?」
顔を上げた神巫は、目を細めてニイッと笑って見せた。
「違うッ!」
「ええっ? だって、こんなステキな身体してるのに?」
神巫の指先が、奥まっている秘所に分け入って最も感じやすい部分を緩やかに蹂躙してくる。
「あ………あっ!」
擦られる感覚に、思わず声が上がってしまう。
「カワイイですね、東雲サン」
顔を寄せられ、耳朶を甘噛みされると、もう完全に抵抗らしい抵抗が出来なくなる。
「や………だ………」
「ホントに? だってココ、こんなにとろけてますよ?」
緩やかに愛撫されて、柊一は声も出なかった。
その場所を医者以外の人間に見られた事も、ましてや触れられた事もない。
「こっちは、感じるんですか?」
無遠慮にシャツの中に差し込まれた手は、躊躇もなくふっくらと充血し始めた乳首を摘み上げ、こね回した。
「や………ぁぁっ!」
「ふふ、イイ感度してる」
シャツをたくし上げ、神巫は充血しているそこを舌に絡めるようにして口に含む。
「ふ……あ………ぁ……」
半ば熱病のような「発作」は、浮かされたように自慰を行う事でしか収まらない。
しかし己の「もう一つの性」を忌み嫌っている柊一は、それを自覚するような行為に及ぶ気になれずに、混在している女性器に己で触れた事はほとんど無かった。
胸をまさぐって己を高める事も、女性じみた行為に思えてやはり触れた事はない。
神巫の舌先が、充血して硬く尖っている場所を嬲っていく度に、堪えきれない快感が全身を駆け抜けていく。
胸元を緩やかに愛撫しながら、神巫は柊一の手足に半端に引っかかったままの下着を引きはがそうとする。
火を点けられてしまった身体は、熱が尽き果てるまで行為に耽らねばどうしようもない。
それが判っていたから、この場を早く立ち去りたかった。
だがこうなってはもう後に戻る事は不可能だったし、その事は柊一自身が1番よく知っていたから。
柊一は黙って、神巫に促されるまま首からシャツを引き抜き、他人に見せた事のない身体を蛍光灯の明かりの下にさらけ出した。
なんの警戒もしていない状態でいきなり突き飛ばされ、神巫はその場にしりもちをつくような形になる。
そして、支えを失った柊一もまた、床に倒れ込んでいた。
衝撃にハッとなり、柊一は慌てて身体を起こす。
「すまん、大丈夫か?」
「あいてて……、なんスか、いきなり……」
さすがに不満を述べて顔を上げた神巫が、なぜかそのまま柊一を見上げてポカンと口を開けている。
「神…巫?」
問い掛けかけて、柊一は神巫の視線が自分の身体の一部を凝視している事に気付き、ハッとなった。
神巫の視線が釘付けになっているのが、自分の下半身である事に気付いたからだ。
慌てて身を翻し、羞恥に襲われながらも必死になって冷静さを保ちつつ、柊一は立ち上がる。
「なんか俺、東雲サンをコーフンさせるようなコトしました?」
茶目っ気たっぷりの声に問い掛けられて、咄嗟に返事にも詰まる。
背後で神巫が立ち上がる気配を感じたが、そちらに振り返る余裕もない。
「意外だなぁ。……俺、東雲サンってもっとクールなヒトかと思ってたのに……」
腕を取られ、強引に身体の向きを変えられる。
「こ……これは……、神巫には何の関係もない!」
「解ってますけど。……でも、オトコってどーしても止まらない時ってあるじゃないですか? そのままで帰るのはツライでしょ?」
「な………っ!」
足元に不穏な空気を感じた時には、既に身体は傾いていた。
柔らかなクッションの上に横たえられ、押さえ込むようにして神巫の身体がのしかかってくる。
「ば…莫迦! よせ!」
「別に男同士なんですから、恥ずかしがる事なんてないでしょう?」
イタズラっぽい声に反論する余地もなく、下着の中に手が滑り込んでくる。
「や……離……せっ!」
「別にヘーキですよ。学生時代とかに、こういうふざけっこやりませんでした?」
形をなぞられて、遠慮のない指先が尖端を擦り上げてくる。
「ああ……っ」
気持ちは逃れようと必死になっている筈なのに。
余裕がなにも残っていない身体は、既に神巫の指先を歓喜と共に迎え入れようとしている。
「意外にカワイイ顔するんですね、東雲サン」
「……やぁ……っ」
足を開いてねだりそうになるのを必死に堪え、柊一は頭を左右に振った。
「あれ?」
そんな柊一の様子をイタズラっぽい表情で眺めていた神巫が、不意に怪訝な顔をして身体を起こす。
その気配に、柊一はハッとなった。
「いやだっ! 見るなっ!」
下着を引き下ろされ、慌てて柊一が身体を起こして両手で覆い隠す間もなく、神巫はそこを覗き込んでいる。
「東雲サンって、オンナノコだったんだ?」
顔を上げた神巫は、目を細めてニイッと笑って見せた。
「違うッ!」
「ええっ? だって、こんなステキな身体してるのに?」
神巫の指先が、奥まっている秘所に分け入って最も感じやすい部分を緩やかに蹂躙してくる。
「あ………あっ!」
擦られる感覚に、思わず声が上がってしまう。
「カワイイですね、東雲サン」
顔を寄せられ、耳朶を甘噛みされると、もう完全に抵抗らしい抵抗が出来なくなる。
「や………だ………」
「ホントに? だってココ、こんなにとろけてますよ?」
緩やかに愛撫されて、柊一は声も出なかった。
その場所を医者以外の人間に見られた事も、ましてや触れられた事もない。
「こっちは、感じるんですか?」
無遠慮にシャツの中に差し込まれた手は、躊躇もなくふっくらと充血し始めた乳首を摘み上げ、こね回した。
「や………ぁぁっ!」
「ふふ、イイ感度してる」
シャツをたくし上げ、神巫は充血しているそこを舌に絡めるようにして口に含む。
「ふ……あ………ぁ……」
半ば熱病のような「発作」は、浮かされたように自慰を行う事でしか収まらない。
しかし己の「もう一つの性」を忌み嫌っている柊一は、それを自覚するような行為に及ぶ気になれずに、混在している女性器に己で触れた事はほとんど無かった。
胸をまさぐって己を高める事も、女性じみた行為に思えてやはり触れた事はない。
神巫の舌先が、充血して硬く尖っている場所を嬲っていく度に、堪えきれない快感が全身を駆け抜けていく。
胸元を緩やかに愛撫しながら、神巫は柊一の手足に半端に引っかかったままの下着を引きはがそうとする。
火を点けられてしまった身体は、熱が尽き果てるまで行為に耽らねばどうしようもない。
それが判っていたから、この場を早く立ち去りたかった。
だがこうなってはもう後に戻る事は不可能だったし、その事は柊一自身が1番よく知っていたから。
柊一は黙って、神巫に促されるまま首からシャツを引き抜き、他人に見せた事のない身体を蛍光灯の明かりの下にさらけ出した。
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