ワーカホリックな彼の秘密

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第7話

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「は~い、質問で~す!」
「三等兵のハルカ君、なんですか?」

 ちょっとふざけた感じに神巫が手を挙げると、青山が返すようにふざけて指を差す。

「移植って事は、基本ストーリーとかイベントとかのパターンは決まってるんですよねェ?」
「まぁ、な。でも、追加イベントとかサブゲームが新たに企画の方から上がってくるから、プログラムの流用は殆ど利かないぞ」
「でも、結局は繰り返し……っつーか、フツーの時と違ってお手本っつーか、見本っつーかがあるってコトっすよねェ?」
「特に最初のなんて天下の東雲柊一プログラミングだから、三等兵のハルカ君なんて見ただけで目が潰れちゃうよ~?」
「俺、潰れてもイイです」
「は?」

 神巫の答えに、青山は怪訝な顔をする。

「メインプログラミングやってみたいです」
「え、マジ?」
「マジもマジ、超! 本気モードの発言でェす!」

 口調はふざけているが、神巫の顔は言葉通りに真面目な物だった。

「取りかかったら、残業だらけだよ?」
「解ってるッス。でも俺、是非ともやってみたいデス!」

 意気込みを滲ませる神巫から、青山と広尾は揃って視線を柊一へと移した。

「んな顔されたって、オマエらが俺に主導権持つなって言ってンだろが…」
「え、じゃあチーフはハルカに進行させる気なの?」

 しばらく逡巡するように黙り込んだ後、柊一はチラリと神巫の顔を見る。
 こちらを見つめる神巫は、まるで縋り付くような顔で柊一を見つめていた。

「全権を持たせるのはまだ全然早い……と、俺も思う」

 口を開いた柊一に、神巫は酷くガッカリしたが。

「でも、人手が無いのも事実だから、作業は神巫にやってもらう。そのかわり、俺が全部を監修するから。それでいいだろう?」

 柊一が訊ねるように青山と広尾に視線を戻すと、2人は顔を見合わせた後に頷いて見せた。

「まぁ、確かにいっぱいいっぱいだからね。仕方ないか」
「俺達も出来るだけサポートするから、一人で暴走するなよ?」
「ハイッ! 全てはこの神巫悠にお任せ下さい!」

 先程とはうって変わって元気いっぱいに、神巫は答える。

「あ、そうだ。チーフ、この資料しばらく借りててもイイッスか? リメイクの仕事するのに、参考にしたいんです」
「ん? ああ、構わンよ。……でも、無くすなよ?」
「は?」
「一応、社外秘になってる資料だから、無くすと結構面倒なコトになるって話だ」
「あ、はい」
「じゃあ、話は終わりだ。みんな仕事に戻ってくれ」

 青山が手にしている資料を受け取り、神巫は嬉しそうに席に戻っていった。
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