その空を映して

 ――お迎えにあがりました。マイプリンセス。

 柔らかな夏前の風に乗って落とされた声。目の前で跪いているのは、俺の手をとっているのは……あの『陸上界のプリンス』――朝見凛だった。

過去のある出来事により走高跳を辞めてしまった遼平。高校でも陸上部に入ったものの、今までのような「上を目指す」空気は感じられない。これでよかったのだと自分を納得させていた遼平だったが、五年前に姿を消したはずの『陸上界のプリンス』朝見凛が現れて――?


※表紙絵ははじめさま(https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/830680097)よりいただいております。
24h.ポイント 7pt
10
小説 36,323 位 / 192,055件 BL 9,847 位 / 25,369件

あなたにおすすめの小説

台風の目はどこだ

あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。 政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。 そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。 ✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台 ✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました) ✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様 ✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様 ✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様 ✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様 ✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。 ✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)

雨上がりに僕らは駆けていく Part1

平木明日香
恋愛
「隕石衝突の日(ジャイアント・インパクト)」 そう呼ばれた日から、世界は雲に覆われた。 明日は来る 誰もが、そう思っていた。 ごくありふれた日常の真後ろで、穏やかな陽に照らされた世界の輪郭を見るように。 風は時の流れに身を任せていた。 時は風の音の中に流れていた。 空は青く、どこまでも広かった。 それはまるで、雨の降る予感さえ、消し去るようで 世界が滅ぶのは、運命だった。 それは、偶然の産物に等しいものだったが、逃れられない「時間」でもあった。 未来。 ——数えきれないほどの膨大な「明日」が、世界にはあった。 けれども、その「時間」は来なかった。 秒速12kmという隕石の落下が、成層圏を越え、地上へと降ってきた。 明日へと流れる「空」を、越えて。 あの日から、決して止むことがない雨が降った。 隕石衝突で大気中に巻き上げられた塵や煤が、巨大な雲になったからだ。 その雲は空を覆い、世界を暗闇に包んだ。 明けることのない夜を、もたらしたのだ。 もう、空を飛ぶ鳥はいない。 翼を広げられる場所はない。 「未来」は、手の届かないところまで消え去った。 ずっと遠く、光さえも追いつけない、距離の果てに。 …けれども「今日」は、まだ残されていた。 それは「明日」に届き得るものではなかったが、“そうなれるかもしれない可能性“を秘めていた。 1995年、——1月。 世界の運命が揺らいだ、あの場所で。

月夜の理科部

嶌田あき
青春
 優柔不断の女子高生・キョウカは、親友・カサネとクラスメイト理系男子・ユキとともに夜の理科室を訪れる。待っていたのは、〈星の王子さま〉と呼ばれる憧れの先輩・スバルと、天文部の望遠鏡を売り払おうとする理科部長・アヤ。理科室を夜に使うために必要となる5人目の部員として、キョウカは入部の誘いを受ける。  そんなある日、知人の研究者・竹戸瀬レネから研究手伝いのバイトの誘いを受ける。月面ローバーを使って地下の量子コンピューターから、あるデータを地球に持ち帰ってきて欲しいという。ユキは二つ返事でOKするも、相変わらず優柔不断のキョウカ。先輩に贈る月面望遠鏡の観測時間を条件に、バイトへの協力を決める。  理科部「夜隊」として入部したキョウカは、夜な夜な理科室に来てはユキとともに課題に取り組んだ。他のメンバー3人はそれぞれに忙しく、ユキと2人きりになることも多くなる。親との喧嘩、スバルの誕生日会、1学期の打ち上げ、夏休みの合宿などなど、絆を深めてゆく夜隊5人。  競うように訓練したAIプログラムが研究所に正式採用され大喜びする頃には、キョウカは数ヶ月のあいだ苦楽をともにしてきたユキを、とても大切に思うようになっていた。打算で始めた関係もこれで終わり、と9月最後の日曜日にデートに出かける。泣きながら別れた2人は、月にあるデータを地球に持ち帰る方法をそれぞれ模索しはじめた。  5年前の事故と月に取り残された脳情報。迫りくるデータ削除のタイムリミット。望遠鏡、月面ローバー、量子コンピューター。必要なものはきっと全部ある――。レネの過去を知ったキョウカは迷いを捨て、走り出す。  皆既月食の夜に集まったメンバーを信じ、理科部5人は月からのデータ回収に挑んだ――。

誰だよ BLが最高だとか言ってる奴

名も知らぬ素人
BL
BL、ある男子の物語 切なく、報われない片思い

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

Head or Tail ~Akashic Tennis Players~

志々尾美里
SF
テニスでは試合前にコイントスでサーブの順番を決める。 そのときコインを投げる主審が、選手に問う。 「Head or Tail?(表か、裏か)」 東京五輪で日本勢が目覚ましい活躍をみせ、政府主導のもとスポーツ研究が盛んになった近未来の日本。 テニス界では日本人男女ペアによって初のグランドスラム獲得の偉業が達成され、テニスブームが巻き起こっていた。 主人公、若槻聖(わかつきひじり)は一つ上の幼馴染、素襖春菜(すおうはるな)に誘われテニスを始める。 だが春菜の圧倒的な才能は二人がペアでいることを困難にし、聖は劣等感と“ある出来事”からテニスを辞めてしまう。 時は流れ、プロ選手として活動拠点を海外に移そうとしていた春菜の前に聖が現れる。 「今度こそ、春菜に相応しいペアになる」 そう誓った聖は、誰にも話せなかった“秘密のラケット”の封印を解く。 類稀なる才能と果てしない研鑚を重ね、鬼や怪物が棲まう世界の頂上に挑む者たち プロの世界に夢と希望を抱き、憧れに向かって日々全力で努力する追う者たち テニスに生き甲斐を見出し、プロさながらに己の限界を超えるべく戦う者たち 勝利への渇望ゆえ歪んだ執念に憑りつかれ、悪事に手を染めて足掻く者たち 夢を絶たれその道を諦め、それでもなお未だ燻り続ける彷徨う者たち 現在・過去・未来、遍く全ての記憶と事象を網羅した「アカシック・レコード」に選ばれた聖は、 現存する全ての選手の技を自在に操る能力を手に、テニスの世界に身を投じる。 そして聖を中心に、テニスに関わる全ての者たちの未来の可能性が、“撹拌”されてゆく――。

泣いた邪神が問いかけた

小雨路 あんづ
BL
街に根づく都市伝説を消す、それが御縁一族の使命だ。 十年の月日を経て再び街へと戻ってきたアイルは、怪異に追いかけられ朽ちかけた祠の封印を解いてしまう。 そこから現れたのはーー。

観念しようね、レモンくん

天埜鳩愛
BL
短編・22話で完結です バスケ部に所属するDKトリオ、溺愛双子兄弟×年下の従弟のキュンドキBLです 🍋あらすじ🍋 バスケ部員の麗紋(れもん)は高校一年生。 美形双子の碧(あお)と翠(みどり)に従兄として過剰なお世話をやかれ続けてきた。 共に通う高校の球技大会で従兄たちのクラスと激突! 自立と引き換えに従兄たちから提示されたちょっと困っちゃう 「とあること」を賭けて彼らと勝負を行いことに。 麗紋「絶対無理、絶対あの約束だけはむりむりむり!!!!」 賭けに負けたら大変なことに!!! 奮闘する麗紋に余裕の笑みを浮かべた双子は揺さぶりをかけてくる。 「れーちゃん、観念しようね?」 『双子の愛 溺愛双子攻アンソロジー』寄稿作品(2022年2月~2023年3月)です。

処理中です...