愛を持てない僕たち、わたし達。

 2071年、日本では人という存在は子どもが持てない、作れない体になっていた。
 それは、そういう風な体質……進化をしたからとか、そんな病気が流行したから……とかでもない。
 人間が、子育てを終えたあとの世代、それより前の世代の日本人が人口を安定化させる政策をとったためだ。
 2030年頃、人口減少の一途を辿っていた日本が子どもを増やすために、後に遺伝子結婚とも言われる相性のよい男性と女性を許婚として母胎から誕生の後、あてがわれるという政策。
 馬鹿げた政策だか、反対などはあったものの強制的ではないため、後に辞退することもできた。
 しかし、問題になり始めたのが23年ののち。あまりにも若者世代が増えすぎてしまい、また少子高齢化が過度に達してしまうと後の人口予想に多数結果がでてしまった。このままでは現実になると話題になって問題の解決に政府が取り掛かりはじめたのだ。
 そして今、人口安定化政策と称される第一世代、第二世代の子ども達に別れ、物語の舞台となる中性の性別を持たない若者たちの物語が始まる。

 主人公の大鳥あとりは、新学期の朝を迎え、時代が変わっても変わることのない期待と不安の中、電車に乗り込む。
 しかし、学校に着くまでもついた後も、さらには帰った後もなぜ自分には性別のない人間なのか分からなかった。
 一週間後、やっと慣れてきた高校生活の中、猫野玉という猫っぽい女子生徒に会う。しかし聞けば彼女も女子の制服を着ているものの、あとりと同じ性別のない第ニ世代の同級生だった。
 二人はなんとなく友人という関係に溶け込み、境遇や遭遇する事が多い事から親しんでいく。
 あとりはまるで恋愛前の男女だな、と思うも無性だ、愛は持てないと無意識下の感情で玉とけんか別れしてしまう。
 しかし、二人で誓った約束を玉は忘れず、大人になり約束通りの再開果たす。
 ここで物語は終わる。
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