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番外トーマ編
08 俺がベリアで生きていく件
しおりを挟む夕食後、ソフィーナの自室のドアをノックするとクララが「どうぞ」と開けてくれた。
ベッドの上に座っているソフィーナに「それでは私は失礼します」と挨拶し、クララが部屋から出ていく。
え、二人きりになるけどいいの?と戸惑いながらもその背中を見送る。
「此処、座って」
ソフィーナはソファーではなくベッドの上をポスポスと叩いて催促する。
俺は言われるままソフィーナの隣に腰を下ろした。
「それでさ、ソフィに話があるんだけど」
話を切り出すとソフィーナが立ち上がり、立ちふさがるように俺の前に立つ。
「???」
何を始めるのかと見ているとソフィーナは俺の頬へと手を伸ばし、チュッと唇に口づけた。
え、キスされた。
「…」
「…ゆ、勇気を出したのにノーリアクションはツライですわ」
「わ、悪い、驚いて」
「トーマが何処にも行かないようにハニートラップで既成事実を作るのですわ!」
「それハニートラップって言っちゃ駄目なヤツ」
また変なことを企んだなと思わず笑ってしまう。
ソフィーナはショックを受けたような顔をして「失敗ですわ!」と叫んだ。
涙目で顔を真っ赤にしているのが可愛い。
「それでさ、ソフィに話があるんだけど」
「何事も無かったかのように話を戻さないでくださいまし!」
「逃げないで聞けって」
腕を掴んで引き寄せ、膝の上に座らせる。
そして逃げ出さないように腰に手を回してしっかりと捕まえた。
「ふ、わぁああっ」
「暴れんな」
「ううう、恥ずかしいですわ」
抵抗しても無駄だと悟ったのか両手で顔を覆って無念の声を上げる。
え、ハニートラップ仕掛けようとしてたんだよね?俺に。
膝に乗せただけでそんな?
「俺さ、実はガキの頃に『一生のお願い』ってヤツを使っちゃってんだよな」
「え?…『一生のお願い』?」
「そう。真面目な話だから笑わないで聞いて欲しいんだけどよ」
「…はい」
ソフィの声が落ち着いたトーンになる。
やっと話を聞いてくれる雰囲気になり、俺は捕まえていた手を緩めた。
「ユーリが目の前で馬車に轢かれてさ、俺は受け入れられなかった。一生のお願いだから返してくれって。他にはもう何にも望まないからって女神セレイナに祈ったんだ」
「…」
「ユーリは奇跡的に生き返って、今も元気に暮らしている。俺はもうそれだけでいい。それ以上は望まないって今でも思ってんだ」
「…」
「だって望んだら、ユーリがまた連れていかれちまうかもしれないだろ」
馬鹿馬鹿しい話かもしれない。
それでもソフィーナは黙って話を聞いてくれた。
「だから、ちょっと衝撃的だった。全ての無理を押しのけて俺と結婚したいってソフィに言われて。そこまですんのかって」
「あああ、あれはその。お父様と言い合って売り言葉に買い言葉で」
「嬉しかった。…俺、嬉しかったんだと思う。そんなに真っすぐに俺のことを欲しいって言われて」
その時にはきっともう…
俺は恋に落ちてた。
「俺、クリストの側近でも何でも頑張るけどさ。もし全然ダメダメで見限られてしまうようなことになったとしても俺…」
「そんなこと気にしなくてもいいですわ!わたくしはそれでも」
「俺、もうソフィを手放せないと思う」
「…」
戸惑いながら俺の顔を見上げたソフィーナと目が合い、俺は顔を寄せて唇と重ねる。
え、と声にならない彼女の吐息を触れる直前に感じた。
「好きだよ」
恐らく物凄いパニック状態になっているであろうソフィーナから「うむぅ!」という奇声が上がる。
「い、いいい、いけませんわ!まだ婚約すらしてませんのに!」
「え、されたのにしちゃ駄目なのか?」
「駄目ですぅっ!心の準備が必要なんですぅっ!」
なんという理不尽。
俺はソフィーナに部屋から叩き出された。
ハニートラップとは???
翌朝、ソフィーナから朝食を一緒に食べたいという申し入れがあり、俺は食堂の広いテーブルに着いてソフィーナと向かい合う。
寝不足なのか目が赤くなっており、顔も少しむくんでいる。
何か話があったんだろうに黙々と食べているソフィーナの姿を俺はじっと見つめた。
「ソフィ、それ美味い?」
「…え?」
声をかけられビクッと肩を揺らしたソフィーナは『それ』と呼ばれたモノに目を落とした。
「この白くて柔らかいモノですの?美味しいですわ」
「それ、俺が作ったヤツ。ポテトサラダ」
「え、トーマが作ったんですの?料理が趣味とは知りませんでしたわ」
クリストと同じ反応をするソフィーナに、デジャブかと思わず笑ってしまう。
「ソフィが食わず嫌いしてるって。芋は食卓に出すなと命令されて困ってるって料理長に聞いたから」
「い、芋!?こっそり出すなんて卑怯ですわ!」
「美味いって言ったじゃん。昨夜のフライドポテトも残さず食ったってこっちは既に聞いてんだよ」
ちゃんと食うよな?と圧をかけると、ソフィーナは「うぐ」と悔しそうにポテトサラダを口に運ぶ。
「子供じゃないんですから、出されたモノはちゃんと食べますわ」
「いや、食ってなかったんだよ。子供なのお前は」
自覚しろと追撃するとソフィーナはカトラリーを皿に置き、シュンと項垂れた。
「わたくしは…子供でしたわ」
「ええ?いや、そこまで反省しなくても」
「昨夜、よく考えてみましたの。わたくしトーマに求めてばっかりで自分には何もないのにって」
「…」
どうやら本題に入ったらしい。
俺はソフィーナの言葉に黙って耳を傾けた。
「わたくしはお父様やお兄様のように賢くないし、王太子妃教育だって不真面目でしたし、人付き合いも苦手ですの。何の魅力もない人間なのにトーマに釣り合うのかしらって急に不安になってしまって」
「俺も両親とかユーリみたいにスゲェことは何も出来ない普通の人間だぜ?」
「トーマは普通じゃありませんわ」
「じゃあソフィもだな」
「…」
納得いかないのか項垂れたままだ。
頭を撫でてやりたいが、届かない。
くそ、この部屋は何故こんな無駄に広いんだ。
「出来ないことがあるからって何だ。魅力がないとか言うなよ。不安になってるところまで含めて全部ソフィで、俺はそれが…」
愛おしい。
「それが、なんですの?」
「何でもないデス」
中途半端に止められた言葉にソフィーナが首を傾げるが、俺は視線を逸らして誤魔化す。
俺は昨日から何かおかしい。
タガが外れたように激甘な台詞が口を突いて出てきてしまう。
いや、俺はそんな柄じゃないだろ。正気に戻れ。
「俺、ソフィに渡すモノがあるんだ」
そういえば、と思い出し席を立つ。
テーブルを回ってソフィーナの傍まで行き、ポケットの中からプレゼントを取り出した。
「これは?」
「香水のお礼。クララに好みの色を訊いたんだが最近は黒が好きだっていうから」
「髪留め」
包みを開いたソフィーナが嬉しそうに髪にソレを着ける。
「黒って難しくてさ、もっと華やかで可愛い色の方がソフィには似合…」
黒曜石で飾られたその髪飾りを嬉しそうに撫でるその姿を見て、俺はハッと気が付いた。
え、俺って馬鹿か。
黒って俺の髪と瞳の色じゃん。
最近は黒が好きって、そういう意味じゃん!
「どうかしら、トーマ。似合います?」
「に、に似合うんじゃないかな」
「どうして視線を逸らしますの?こっちを見て言ってくださいまし」
こっち!と両手で俺の顔を掴んで固定する。
どうして自分がやられるとビビり散らかすくせに俺には平気な顔でやってくるのか。
俺は緩む口元を手で覆い、覚悟を決めてソフィーナを見た。
「似合うよ、俺の色」
「…ふぁっっっ!?!?」
何故泣く。
羞恥で泣きたいのは俺の方だ。顔あっつ。
どうすんだ、この食堂の空気。
壁際に控えているメイド達も気まずそうに視線を逸らしてるじゃねぇか。
助けて、セレイナーン!!!(某猫型ロボット友情出演)
女神セレイナに祈ったところで突然バリバリバリと爆音が鳴り響いた。
「なっ…何事ですのっ?」
また敵が攻めてきましたの?とソフィーナが俺にしがみつく。
その聞き覚えのある爆音に、俺は何が起きたのか瞬時に察した。
「いや、コレは俺の両親」
「え、…は?え、ええ、トーマのご両親?」
「行くか」
ソフィーナの手を引き、一緒に邸の前庭へと出る。
そこにはアレクサンダーが立っており、丁度ヘリコプターが再び空へ舞い上がったところだった。
「へ?行っちゃうのか?」
父さんと母さんがこちらに気付いて笑顔で手を振り、そのまま降りずに西の空へと飛んで行ってしまう。
機体が遠ざかるにつれて音も静まり、騒ぎに驚いて出てきた邸の皆もしん…と静まり返った。
「アレクサ、これは一体」
「私ハ『アレクサンダー』アナタノ心ト身体ヲ護リマス」
「…」
もう何度も聞いたその名乗り口上に言葉を失っていると「何デスカ」と不満の声が上がった。
「散々ゴネテ縋ッタクセニ嬉シクナインデスカ?」
「アレクサ、マジで?」
「主ヤユーリ達ニ許可ヲ貰ッテイテ遅クナリマシタ。来テアゲマシタヨ、私ガ」
「アレクサ!」
堪らず駆け寄ってその身体に抱き着く。
「大好きだ、アレクサ!」
「『好キ』ガ何カワカッタノデスカ?」
「わかった!ロボットに教えて貰った!」
「…」
アレクサは戸惑うように黙り込み、俺の背中をポンポンと叩いた。
「ユーリガ仕送リダトイッテ色々詰メ込ンダ収納袋ヲ持ッテキマシタ」
「それが来るのは何となくわかってた。助かるよ、有難う」
「おいトーマ。何が起こったのか今すぐ二十字以内で説明しろ」
額に血管を浮き上がらせてピクピク動かしているルーファスが低い声で脅すように要求してくる。
俺は指折り数えて考えて、高らかに言ってやった。
「紹介する!俺の弟だ、よろしくな!(二十字)」
「何一つ伝わらないんだがっ?」
俺はベリアで生きていく。
アベルに負けないくらい楽しい生活を、此処で築いていく。
※補足説明
トーマは全ての者に好かれる『好意』というチートを持っています。ただし所属する団体(騎士団など)に対してや彼の人柄を知らない者からはヘイトが向くこともあるので、本人は自覚無しです。彼の類まれなる筋肉や頭脳は生まれつきのチートとは別で、成長途中に貰った女神セレイナからの愛です。
『勤勉』と『誠実』と『慈愛』と『謙虚』を美徳とする女神セレイナはその全てを実践しているトーマを溺愛していて時空を捻じ曲げてでも全ての望みを叶えようとしますが、欲の小さい彼はいつまでも気付きません。もしかするとユーリに魂が百個あるのもあの時トーマが願ったからかもしれません。
なので実はトーマは望めばハーレムを築いたり世界征服したり俺TUEEEしたりも出来るのですが、彼はベリア国の宰相として公爵としてソフィーナの夫として、賑やかで幸せな一生を過ごします。
アレクサンダーは既に感情が芽生えていますが、トーマを亡くして慟哭し初めて感情を自覚します。ユーリの為に作られたロボットですが彼の意志でトーマが死ぬまで傍で支えました。
ユーリがいつまで生きたのか。彼女の分身はどこまで増えたのか。それはまた別のお話。
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